著者
五十嵐 良典 片桐 耕吾 岸 秀幸 長谷川 毅 小川 聡 星 一 大橋 茂樹 吉岡 秀樹 高田 洋孝 福本 学 前谷 容 酒井 義浩
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.380-384_1, 1992

1990年1月より1991年4月までに経十二指腸的に截石した総胆管結石18例に親子式経口胆道鏡を行った.15例に胆嚢管内に挿入しえた.そのうちの3例は胆嚢頸部まで挿入しえた.螺旋部へは13例,平滑部へは全例挿入しえた.良好な内視鏡像のえられた12例で胆嚢管粘膜像を検討したところ,粘膜血管透見像は螺旋部まで挿入しえた10例全例に,平滑部に挿入しえた12例全例に認められたが,粘膜血管拡張像の合併を螺旋部で4例に,粘膜の凹凸像を螺旋部で2例に認めた.メチレンブルーによる色素法を4例に行い,粘膜模様について観察した.通常観察で平滑とした3例のうち2例は粘膜模様は均一であったが,1例は不均一であった.凹凸を認めた1例も粘膜模様は不均一であった.不均一部からの生検組織像は軽度の慢性炎症性変化であった.
著者
長谷川 雅哉
出版者
京都大學經濟學會
雑誌
經濟論叢 (ISSN:00130273)
巻号頁・発行日
vol.117, no.5, pp.454-455, 1976-05
著者
森脇 義弘 伊達 康一郎 長谷川 聡 内田 敬二 山本 俊郎 杉山 貢
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.1701-1705, 2001

キックスケート(車輪付きデッキ,シャフト,ハンドルバーから構成される遊戯具)による肝損傷で病院前心肺停止状態(CPA-OA)となり救命しえなかった症例を経験した.症例は, 9歳,男児,同遊戯具で走行中転倒しハンドルバーで右側胸部を強打.救急隊現場到着時,不穏状態で呼名に反応せず,血圧測定不能,搬送途中呼吸状態,意識レベル悪化,受傷後約30分で当センター到着, CPA-OAであった.腹部は軽度膨隆,右肋弓に6mmの圧挫痕を認めた.急速輸液,開胸心臓マッサージにより蘇生に成功した.肝破裂と腹腔内出血の増加,血液凝固異常,著しいアシドーシスを認めた.胸部下行大動脈遮断し,救急通報後78分,搬送後46分で緊急手術を施行した.肝右葉の深在性の複雑な破裂損傷に対しperihepatic packing,右肝動脈,門脈右枝結紮術を施行,集中治療室へ入室したが受傷後約15時間で死亡した.
著者
室 友紀 今村 真二 中村 博明 長谷川 正紀 湯浅 勲
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.143-149, 2010
被引用文献数
1

&nbsp;&nbsp;In many countries, including Japan, cultivation of <i>Cannabis sativa</i> (<i>C. sativa</i>) for drug use has been illegal and prohibited. Recently, seeds for cultivation purposes are easily available from internet shops, and then we have often been requested to identify <i>C. sativa</i>. The identification has conventionally been performed by morphological and chemical tests. But, it can be difficult to identify tiny and fragmenting samples as <i>C. sativa</i> even if these tests are performed.<br> &nbsp;&nbsp;In this study, we aimed to establish a method based on DNA analysis. As an initial step, we attempted a method reported by Linacre et al, however, cross-amplification between <i>C. sativa</i> and <i>Humulus lupulus</i> (<i>H. lupulus</i>) with <i>C. sativa</i> specific primers (G and H) was observed. To avoid this cross-amplification, we designed a new primer specific for <i>C</i>. sativa (cp-Can) on <i>trnL</i> intron of chloroplast DNA. DNA samples from nine plants including <i>C. sativa</i> and <i>H. lupulus</i> were amplified using the green plant universal primer pair and the cp-Can. After subsequent agarose gel electrophoresis, <i>C. sativa</i> DNA showed two bands, whereas the other plant DNA showed one band, indicating the clear distinction from the other plants tested. In addition, a BLAST search with the cp-Can sequences showed no cross-activity with other plants. The present method is very simple, rapid, sensitive, and useful for the identification of <i>C. sativa</i>.<br>
著者
佐々木 陽 堀内 成人 長谷川 恭一 上原 ます子
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.833-839, 1985-07-30 (Released:2011-08-10)
参考文献数
12

糖尿病患者の予後と発症年齢との関係, とくに最近における若年発症糖尿病患者の予後を明らかにする目的で次の検討を行った. 対象は当センターの登録糖尿病患者1,900名で平均追跡期間7.9年, 35歳未満発症の1型糖尿病12名を除き, 全例が2型糖尿病であった.1) 平均年間死亡率 (1,000対) は対象者全員では男30.79, 女20.10で発症年齢が進むほど高くなるが, 35歳未満発症群では35-44歳群よりむしろ高い値を示した. これに対して, O/E比は全体では1.71で糖尿病患者では有意の過剰死亡を示すが, 発症年齢が若くなるほどO/E比は高くなり, 35歳未満発症群では男4.17, 女9.32に達した.2) 初診時における各種因の分布を発症年齢別にみると, 35歳未満発症群では空腹時血糖値が高く, インスリン治療のものが多い. また, 尿蛋白陽性率も35-44歳発症群よりも高率となっている.3) 発症年齢45歳未満を一括すると腎疾患による死亡が最も多く, 心疾患, 悪性新生物, 肝硬変がこれに次ぎ, 65歳以上発症群とは著しく異なる分布がみられた。また, 腎疾患のO/E比は45歳未満発症群では41.67に達し, 他の年齢群を大きく上回った.以上, 若年発症糖尿病患者は同年代の府民一般に比して死亡リスクが筈しく高く, また腎疾患による死亡がとくに多いなどの特徴がみられた.
著者
長谷川 史明
出版者
関西法政治学研究会
雑誌
憲法論叢 (ISSN:1343635X)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.1-24, 2011

Almost all the texts on Japanese constitutional law explain constitutionalism as "the modern constitutionalism" from an age of bourgeois revolution that created politics according to a written constitution, including the protection of human rights and civil liberties. This is the popular view about constitutionalism in Japanese constitutional studies. But, in the history of political thought, constitutionalism has a broader meaning i.e. "limited government" or one of the methods of "controlling the state", traced back to ancient Greece. Therefore, constitutionalism has little to do with the existence of a written constitution. So, In this essay, I will point out several problems that occur when taking about this popular view of constitutionalism within Japanese constitutional studies.
著者
北村 有迅 小濱 賢 村里 晃 長谷川 亮太 笠原 慎平 眞邉 健人 川端 訓代 キタムラ ユウジン コハマ ケン ムラサト コウ ハセガワ リョウタ カサハラ シンペイ マナベ ケント カワバタ クニヨ KITAMURA Yujin KOHAMA Ken MURASATO Kou HASEGAWA Ryota KASAHARA Shimpei MANABE Kento KAWABATA Kuniyo
出版者
鹿児島大学
雑誌
南太平洋海域調査研究報告=Occasional papers (ISSN:13450441)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.3-6, 2015-03-31

四万十帯は付加体形成や地震発生の地質的痕跡を多く包含することから、海洋プレートの沈み込みに伴うプレート境界の諸現象を理解する鍵となる。プレート境界の動的現象を念頭に置いた付加体研究は南海トラフ沿岸で行われているが、琉球海溝沿いではまだ行われていない。本研究では種子島において、地質調査と化学組成分析からの岩石の変形を定量し、この地域の負荷体形成史を議論することを目的とする。調査の結果、比較的高温にさらされたと思われる種子島の頁岩には圧力溶解が発達しており、沈み込みによる埋没でなく、深成岩体の上昇による熱的影響を強く受けていることが示唆された。
著者
長谷川 善和
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.263-267, 1980-02-29 (Released:2009-08-21)
参考文献数
21
被引用文献数
12 21

The mammalian fauna of Okinawa in the period from Late Pleistoceneto Recent is discussed. The Ryukyu Islands are known for abundant occurrence of deer fossils of Miocene type. The Yamashita-cho site of fossil man, 32, 100±1, 000y.B.P. (TK-78) in age, yields deer fossils and no other mammals. On the other hand, at the site of the Minatogawa man, 18, 250±650y.B.P. (TK-99) to 16, 600±300y.B.P. (TK-142) in age, deer fossils become few while boar fossils increase remarkably. This indicates that the Ryukyu boar gained ground taking the place of deer.Wild boars are living in such islands as Amami Oshima, Okinawa, Ishigaki and Iriomote, and many shell-mounds reveal the existence of boar. In all probability, migration of Sus must have taken place since the time of the Minatogawa man, that is, during the Würm maximum. Geologically the Ryukyu Islands are supposed to have been already separated from the continent at that time, but the occurrence of Sus suggests that the islands were partly connected with the continent even in the Würm maximum.
著者
灘岡 陽子 早田 紀子 杉下 由行 梶原 聡子 渡部 ゆう 吉田 道彦 長谷川 道弥 林 志直 大地 まさ代 甲斐 明美 住友 眞佐美
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.136-144, 2014 (Released:2014-04-16)
参考文献数
20

目的 本報告の目的は,東京都における2011年の麻しんの流行状況を把握し,麻しん排除に向けて,今後の対策へ反映させることである。方法 感染症発生動向調査事業によって2011年に都内で報告された麻しん患者の発生届と麻しん調査票の内容を対象とした。年齢階級別,遺伝子型別,ワクチン接種歴別の発生状況,発生届の取り下げ状況,遺伝子検査結果別の IgM 抗体検査結果と検体採取日の関係等について分析を行った。結果 2011年の麻しん患者報告数は178件で,13週から24週にかけて一つのピークを形成し,この期間に128件(71.9%)の報告が集中していた。1~4 歳が40件(22.5%)で最大で,20歳代と30歳代がそれぞれ34件(19.1%)であった。麻しん患者が 2 人以上発生した施設数は 6 か所,1 事例の患者数は 4 人以下にとどまり,散発例がほとんどであった。1~4 歳の年齢層を除くすべての年齢層で,接種歴が無いか不明が過半数を占めた。PCR 遺伝子検査で検出された麻しんウイルスの遺伝子型は主に D4 型,D9 型で,2008年まで国内流行株の中心だった,いわゆる土着株である D5 型ウイルスはみられなかった。結論 2011年の麻しんの流行は,海外から持ち込まれたウイルス株によるものであった。2007年,2008年のような大流行に至らなかったのは,発生後の関係機関の対応が迅速かつ適切になったことと感受性者が減少したことが影響していると思われる。麻しん排除に向けて,引き続き麻しんワクチン接種率の向上に努めること,麻しん疑い患者に確実に遺伝子検査を実施し,的確なサーベイランスを実施することが重要と考えられた。
著者
堀口 幸太郎 舘野 こずえ 長谷川 瑠美 瀧上 周 大迫 俊二
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.137-143, 2014 (Released:2014-12-26)
参考文献数
30

下垂体前葉はホルモンを産生し,成長・生殖・代謝・行動などを含めた生体維持に関わる重要な内分泌器官である。前葉組織は5種類のホルモン産生細胞とホルモンを産生しないS100βタンパクをマーカーとするS100βタンパク陽性細胞(S100β+細胞),毛細血管を構成する内皮細胞および周皮細胞で構成される。この中でS100β+細胞は,突起状の細胞質を伸ばして互いに接着し偽濾胞を形成するなどの形態的特徴から濾胞星状細胞とも呼ばれる。機能的には組織幹細胞,樹状細胞,支持細胞,アストロサイト様の機能などが想定されているものの,不均一性(heterogeneity)を示し多様性が高いため機能はおろか発生起源など不明な点が多い。そのためS100β+細胞の機能を明らかにするには,サブタイプごとに細胞を分離し解析していくことが必要となる。本総説では樹状細胞様のS100β+細胞を単離する我々の新たな方法と,単離した細胞の機能解析についてこれまで明らかにした点を述べる。
著者
小塚 良允 田村 博昭 清水 保 長谷川 美知子 田中 熟 日高 敏男 鳥浜 慶熈 杉山 陽一 石井 奏
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.684-686, 1975

近年における抗生物質の開発進歩には目覚しいものがあり, 各種感染症に対してあるいは汚染手術の術後感染予防に対して著明な効果を期待できるまでに至つている。しかし, その投与方法に関しては, 未だに慣用的な要素が多く, 今後の研究の余地が残されている。抗生物質の本来の効果を期待するには, 薬剤の濃度と起炎菌の感受性との関係を解明した上での正しい投与法をおこなう必要がある。<BR>産婦人科領域における術後感染症として最も重要なのは, 子宮頸癌-広汎子宮全摘除術における骨盤死腔炎である。私どもは, この種の手術にさいして, 子宮全摘除後の骨盤死腔内に, Sodium cophalothin (商品名, ケプリン, 以下CETと略す) の粉末29を散布し, 術後骨盤死腔炎の予防効果を挙げている。今回, CET2g骨盤死腔内投与後の血中濃度を測定し, 術後の抗生物質の投与方法について検討する機会を得たのでその成績を報告する。
著者
成田 崇矢 釜谷 邦夫 長谷川 惇 小田 桂吾 野村 孝路
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.34 Suppl. No.2 (第42回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0224, 2007 (Released:2007-05-09)

【目的】飛込競技は水面から高さ10mの固定された台や高さ3mに設置した弾力のある飛板を使用し高所より水面に飛び込む競技であり、特徴として技術獲得に多くの時間を要する採点競技であるため傷害発生の頻度は他の水泳競技と比べて極めて高いと報告されている。今回、より具体的な傷害予防策を講じる事を目的とし、3年間のナショナルジュニア合宿時における、ジュニア強化選手の外傷、障害の状況を調査したのでここに報告する。【対象】2003年から2005年の3年間に日本水泳連盟より選抜されナショナルジュニア合宿に参加した男性21名(平均年齢15.3±1.4歳、平均身長 164±8.2cm 平均体重 56.7±9.8kg 競技歴 5.9±1.7年)、 女性17名(平均年齢15.5±1.7歳 平均身長 153±5.3cm 平均体重 48.2±6.2kg 競技歴6.6±2.6年)計38名である。 【方法】合宿参加者個別に面談し、障害、外傷に対する治療・相談を行う中でアンケートを交え外傷・障害の調査を実施した。【結果】対象者38名中合宿中に痛みを有した者は33名(86.8%)であった。複数回答による疼痛部位の総数は56件で、腰背部が最も多く25件(44.6%)次いで膝関節7件(12.5%)母指6件(10.7%)肩関節5件(8.9%)手関節3件(5.6%)下腿部3件(5.6%)その他7件(12.5%)であった。特に多い腰背部に着目すると、腰背部筋に痛みを生じているものが16件。椎間関節周囲7件。その他2件。であった。慢性的に腰背部筋に痛みが生じている者は12名でそのうちの10名のアライメントは頭部前方位、胸椎後彎増強、腰椎前彎増強、骨盤前傾位を呈していた。また、椎間関節周囲に痛みが出ている者7名中6名が合宿中もしくは過去に入水を失敗し、腰椎の過伸展を経験後痛みが生じていた。【考察】飛込競技において正しいボディーアライメント(耳垂、肩峰、大転子、外果前方が一直線上)を体得することは非常に重要である。そしてアプローチやテイクオフ、入水時にその姿勢を保持することは高いパフォーマンスを得る事に不可欠な要素とされている。今回強化合宿時の調査により、腰背部筋痛を有している者は正しいボディーアライメントが取れなかったり、入水時の衝撃により椎間関節を痛めている者が多いことが分った。腰背部痛の改善、予防トレーニングとして最近、腹圧を高め、頚部、上肢、体幹、下肢の協調性を向上させるコアトレーニングが推奨されているが、正しいボディーアライメントをとることで腰背部筋群へのストレスを軽減すると予想される。腹圧の強さと外傷・障害の関連性は今後の調査が必要であるが、より効果的なトレーニング方法を作成し、良姿勢を獲得することが傷害予防においても重要であると考えられる。