著者
日本救急医学会 熱中症に関する委員会
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.211-230, 2012-05-15 (Released:2012-06-15)
被引用文献数
3 2

日本救急医学会「熱中症に関する委員会」では,2010年6~8月に3回目の全国調査を行った。94施設(2006年の第1回調査では66施設)から収集した1,781例(同525例)の分析からは,日常生活中の高齢者の増加とその重症化が顕著であった。一方で,労作性熱中症患者は重症化が抑制された。スポーツ,労働における熱中症対策が進んでいるのに対し,温暖化,高齢化,不景気,孤立化などが進行しつつあり,高齢者の日常生活における熱中症の予防が重点課題といえる。今後も節電の夏が予想される中,今回の調査結果を生かし,家族,地域社会,行政などが協力して効果的な対策を立てる必要がある。また,熱中症の国際的な基準として使用できる診断基準,重症度分類,ガイドラインなどの策定を急ぐ必要がある。
著者
尾関正求 著
出版者
成美堂
巻号頁・発行日
vol.壹, 1887

4 0 0 0 OA 装束甲冑図解

著者
関根正直 著
出版者
六合館
巻号頁・発行日
vol.下, 1900
著者
黒田 誠 大場 邦弘 濱田 洋通 関塚 剛史
出版者
国立感染症研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

川崎病患者28人について、入院時・半年後(充分な回復期)の2ポイントで便を採取し、次世代シークエンサーによるメタゲノム解析の結果、入院急性期ではStreptococcus 属に顕著な検出率を認め、回復後の遠隔期では Ruminococcus属の増加が顕著であった。 (Front Microbiol. 2015 Aug 11;6:824.) 川崎病を4回再燃発症した患児の便からも同様に Streptococcus spp. が有意に検出され、上記成果と関連した結果が示唆された。(JMM Case Rep. 2016 Feb 1;3(1):e005019.)
著者
鶴田 歩 藤縄 理 大関 貴弘
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1538, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】足関節の背屈運動には,近位脛腓関節,遠位脛腓関節,距腿関節の3つの関節が関与している。これらの各関節の機能異常により足関節背屈可動域制限が生じ,関節モビライゼーション(Joint Mobilization:JM)によって,可動域制限を改善させるという報告が多い。しかし,背屈可動域制限にこれらの3つの関節が,それぞれどの程度関与しているのかを明らかにした報告はない。本研究の目的は,足関節背屈制限があり,且つ近位脛腓関節の制限がない対象者に対し,遠位脛腓関節と距腿関節にJMを個別に行い,それが足関節背屈角度に及ぼす影響を調査し,背屈制限への関与を検討することである。【方法】対象は,足関節背屈制限がある女子大学生(平均年齢:20.25±1.41歳)の両下肢,計40脚とした。除外基準は,下肢に急性期および亜急性期の整形外科疾患を有している者,進行性の下肢関節疾患を有している者とした。全被験者に対して足関節背屈可動域を測定し,近位脛腓関節,遠位脛腓関節,距腿関節の副運動検査を行った。これらの検査にて,近位脛腓関節に制限がない者を抽出し,グレードIIIの関節包ストレッチを実施する介入群,介入群と同様の手技で接触し,ストレッチを実施しない対照群に分類した。介入群では,遠位脛腓関節と距腿関節に対してJMを個別に実施した。各JM実施直後に,実施前と同様に背屈可動域を測定した。介入群-対照群の分類,各JMを施行する順番はランダムとした。また,背屈角度の測定は,足関節背屈角度測定器を製作し,信頼性を検定後(ICC(1,1):0.692~0.971,ICC(2,1):0.986),JM施行者とは異なる3名の検者によって測定した。分析は,正規性を確認後,全体的な変化量の比較には,介入群と対照群間,JM施行順序の違いの2要因について二元配置分散分析を,各関節の変化量の比較には,Mann-Whitney U-testを用いて検定した。【倫理的配慮,説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言を遵守し,対象者に対して本研究の目的,方法を書面および口頭にて説明し,文書により同意を得た。なお,所属施設の倫理委員会にて承認を得た(第25838号)。【結果】全体の背屈角度の変化量は,JM施行順序の違いによる有意差はなかったが,介入群では有意差に大きかった(介入群:対照群 右4.0±1.70°:0.7±1.16°,左5.3±2.98°:0.1±1.29°,p<0.001)。同様に,距腿関節の変化量は,介入群で有意差に大きかった(介入群:対照群 右1.9±1.29°:0.5±0.70°,左1.9±0.57°:0.3±1.16°,p<0.01)。遠位脛腓関節の変化量は,介入群で有意差に大きかった(介入群:対照群 右2.1±0.74°:0.2±1.14°,左3.4±3.31°:-0.2±0.92°,p<0.001)。全体的な変化量に対する,各関節の変化率を算出すると,距腿関節が約40%,遠位脛腓関節が約60%になった。【考察】一般的に足関節背屈制限に対しては,距腿関節を中心に背屈ストレッチを行うことが多い。しかし,今回の結果では,足関節背屈制限に対して,関節性の因子として距腿関節が約40%,遠位脛腓関節が約60%関与していた。遠位脛腓関節の関与がより大きくなったのは,同結合が線維性連結であり,背屈時に前方が広くなった楔状の距骨滑車が後方に入り込んでいくのを制限していたことが理由として挙げられる。JMによって遠位脛腓関節の副運動が増して背屈時に離解が大きくなり,距骨滑車がより後方へ滑りやすくなったためと推察できる。距腿関節はJMにより同関節の副運動が増して,距骨滑車がさらに後方へ滑走やすくなったと考えられる。このように,足関節背屈における関節性の制限因子としては,遠位脛腓関節の方が,より大きな制限因子であることが判明した。【理学療法学研究としての意義】足関節背屈可動域制限に対して理学療法を実施する場合,遠位脛腓関節と距腿関節の副運動と筋やその他の軟部組織の評価を適切に行う必要がある。その結果,関節性の制限因子がある場合は,筋性因子へのアプローチを行う前に,関節モビライゼーションを実施しなければならないことを示唆している。
著者
関 千恵子 松元 文子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.29-34, 1969-02-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
4
被引用文献数
1

Experiment was carried on to know the proper method of sautéing rice and the amount of water used for cooking.7% of buttter was used to saute the rice before cooking. Under the proper condition, the tests were done for sauteing the rice 8, 12 and 16 minutes respectively, and the amount of water used for cooking was 1.11 to 1.40 times by weight.Following results were obtained : 1) The viscoelasticity shown by the Farinograph of cooked rice was higher for the longer period of sautéing, 2) The velocity of dehydration of cooked rice was extremely different on upper and lower parts of the pots for those which was sauteed 12 to 16 minutes, 3) By taste testing, most favorable results was the rice sautéed for 8 minutes, and the amount of water used for cooking was 1.3 times by weight.
著者
三上 正幸 Trang Nguyen Hien 島田 謙一郎 関川 三男 福島 道弘 小野 伴忠
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.152-159, 2007-04-15 (Released:2007-10-04)
参考文献数
23
被引用文献数
4 5

本研究は豚挽肉から発酵調味料である肉醤を製造し,その性質について検討した.豚挽肉に食塩,麹,胡椒,水およびプロテアーゼとしてAlcalase 2.4Lを加えて,3種の異なった食塩濃度(15,20および25%)のもろみを調製し,30℃,6ケ月間発酵させた.この間,1ケ月後にFlavourzyme 500Lを添加したものも調製した.発酵期間中に細菌数は減少し,6ケ月後に,一般生菌数は3.9~7.0×102cfu/g, 乳酸菌数は300以下および大腸菌群は検出されなかった.発酵は1ケ月後から急激に進み,その後緩やかに進んだ.6ケ月後において,もろみからの肉醤の収率は67.0~78.5%,pHは4.76~5.01,タンパク質の回収率は71.9~79.8%,全窒素量は1.7~2.0g/100ml, ペプチド量は3.5~6.3g/100ml, 総遊離アミノ酸量は4.8~7.8g/100mlであった.Flavourzyme 500Lを添加したものは総遊離アミノ酸量が多くなった(p<0.05).肉醤の食塩濃度は,15%の食塩でもろみを調製したものは,20.5~20.8%,20%および25%の食塩で調製したものは,22.8~23.5%であった.官能評価の結果は,総合評価で20%の食塩で調製したものが,さらにFlavourzyme 500Lを添加したものが良い評価であった.
著者
関東ローム研究会
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
no.54, pp.32-39, 1961-05-03

表題に示すとおり,これは関東ローム研究の1959年現在の知識を総括したものである.これを要約するとつぎのとおりである.1."関東ローム"の名称には批判があるが,このつかいなれたことばを,"関東地方の洪積世火山灰層"と定義する.2.関東ローム層は,4つの層序的単位,すなわち上から,立川・武蔵野・下末吉および多摩の各層にわけられ,その段丘面上の産状は第1図のようである・3.南関東では関東ローム層は上記のようにわけられるが,北関東の宇都宮付近では,上からA_1・A_2・A_3およびA_4の4層に,前橋付近では,上中および下層にわけられる.これらのローム層の起源は,関東平野の西ないし北西周辺部の火山,すなわち,箱根・富士・赤城・榛名および浅間火山にもとめることができる・4.南北関東のこれらの層序関係は,浮石層・暗色帯・クラック帯などを追跡することによって明らかにされた.これにより,岩宿文化,不二山文化など無土器文化層の層位がたしかめられた.5.ローム層に関連する地形面,堆積物および化石層などの対比により,海面変化の様子がわかった.屏風ガ浦・下末吉および有楽町海侵は,氷河性海面変化と考えられる.6.結論を総合したものが第4図の編年表であり,これは日本の第四紀編年の基準となるものであろう.'(関東ローム研究グループの仕事は永い間にわたり,その成果は,火山灰による第四紀層序学としては,かなり典型的なものである.そのような意味で,本論文は外国向けに,その成果を紹介しようとしてかかれたものである.原稿が完成したのは1960年5月であったが,事情があって印刷されず,今回,地球科学に掲載のはこびとなったものである).
著者
小嶌 麻木 岡橋 さやか 種村 留美 長野 明紀 羅 志偉 関 啓子
出版者
日本言語聴覚士協会
雑誌
言語聴覚研究 (ISSN:13495828)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.80-88, 2012-07-15

われわれは,日常場面における失語症者の高次脳機能の問題を評価するためにvirtual reality(VR)買い物課題を開発した.本研究の目的は,本課題が失語症者の多様な神経心理学的症状を評価できるかどうかを検証することである.対象は失語症群17名(男性12名,女性5名)と,非失語症群11名(男性4名,女性7名)である.両群のVR課題の成績比較と,失語症群におけるVR課題とRCPM,標準注意検査法内のSDMT,SRT,Cognitive Linguistic Quick Test内のSymbol Cancellation,Symbol Trails,Design Memory,Mazes,SLTA(読む)との関連を調べた.結果,失語症群はヒントを有効活用できないが全員課題を遂行した.VR課題との相関から言語機能の影響は否定できないが,注意や遂行機能を評価できる可能性が示唆された.
著者
関 智英
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
中国研究月報 (ISSN:09104348)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.16-29, 2015-07-25

伍澄宇は1910年代から20年代にかけて,中国同盟会員・国民党員として孫中山とアメリカや東南アジアで革命に従事した人物である。孫中山の死後は蒋介石に対する不満から政界を離れたが,日中戦争勃発後に維新政府・汪政権で立法院委員や内政部県政訓練所教官に就いた。その主張は孫中山の地方自治構想に沿ったもので,汪政権の憲政実施に向けた動きでも主導的な役割を担った。伍澄宇は維新政府・汪政権に積極的に参加したわけでないが,言論面では自らの役職を背景に主体的にその理念を表明し続けた。このように維新政府・汪政権は傀儡政府ながらも,一方で重慶国民政府と相容れなかった人々の中国の将来を巡る活動・発言の場としての側面も持っていた。
著者
関 巴瑠花 三浦 哲都 向井 香瑛 工藤 和俊
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第69回(2018) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.111_2, 2018 (Released:2019-01-18)

緊張や不安を感じながらも大観衆の前で美しく踊るバレリーナには、どのような心理生理学的な反応が生じているのだろうか。これまでパフォーマンス不安による心理生理学的な反応は、主に実験室での模擬的な環境内で測定されてきており、実環境におけるパフォーマンス本番での測定は極めて少ない。また、パフォーマンス不安に関する研究は楽器演奏をする音楽家や低強度運動時のスポーツ選手を対象にしたものが多く、同様の結果が中から高強度で運動をする人にも当てはまるかどうかは不明である。そこで本研究ではパフォーマンス不安が、中から高強度運動時の心拍数にどのような影響を与えるのか検討した。実際の観衆(400名以上)の前で踊るプロのバレリーナ1名が、中から高強度の運動強度で踊っている最中のR-R間隔を心拍計により計測した。心拍数はR-R間隔より算出した。舞台上でのリハーサルと本番での心拍数を比較した。その結果、本番での最大心拍数は180拍/分を超えており、リハーサル時よりも本番中の方がおよそ10拍/分心拍数が高かった。これらの結果から、中から高強度運動時においても、パフォーマンス不安により心拍数が増加することが明らかになった。
著者
関沢 和泉
出版者
東日本国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

日本の大学をはじめとした高等教育の改革において、組織ガバナンスの改革が課題とされています。そのために英米やドイツ、フランスの事例が先進事例として参照されるのですが、イタリアの事例が言及されることはあまりありません。しかし、イタリアは、主要な設置形態等で違いはありますが、英米モデルを参照しつつ実施された1994年からの各大学への評価制度導入を伴う権限委譲、2010年から学長権限強化、そしてその後の困難というプロセスが日本と類似しています。そこで一連の流れを構造的に分析することで、日本での改革において、同じ困難に陥らないようにするための条件を見出します。
著者
関 宏理
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.89-93, 2017-06-15 (Released:2019-06-15)
参考文献数
37
著者
横関 隆 岡野 裕之 並木 美太郎 高橋 延匡
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.49, pp.1-8, 1990-06-08

本報告では,我々が研究・開発を行っているOS/omicron第3版のファイルシステム内部アーキテクチャ「ソフトウェアバス」について述べる.ソフトウェアバスはハードウェアのコモンバスシステムを参考に考案したもので,OS内部をモジュール化し各モジュールの呼び出しを,バスと呼ばれる仲介手続きを通して行うものである.この結果,OSを構成する各モジュールの独立性を高め,保守・拡張を容易に行うことができる。ソフトウェアバスを導入し,OS/omicronファイルシステムでは,モジュールの交換・単体デバッグが容易に行え,OSのプロトタイピング環境の基礎を実現した.また複数のファイルシステムが共存できるマルチファイルシステムの環境を整えた.This paper describes a "Software Bus" architecture on which OS kernel is constructed with independent modules. The idea of this architecture is based on common bus systems hardware architectures. Each module is accessed through a common bus by internal procedures and it manages many resources uniformly. We have implemented this software bus architecture on a file system of OS/omicron V3, which is designed for super personal computing and Japanese information processing.