著者
小河 脩平 矢部 智宏 関根 泰
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.68-71, 2018-02-20 (Released:2019-02-01)
参考文献数
7

豊富に存在する天然ガスの主成分であるメタン,化石資源を燃焼した後に出る二酸化炭素,次世代の二次エネルギーとして期待される水素,これらをとりまく触媒技術の動向についてまとめる。
著者
小池 関也
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.221-226, 2013 (Released:2016-04-15)
参考文献数
13

スポーツ動作は,身体各筋の筋張力により生じる関節トルクを主な動力源として発現される高速・高加速な多体系の運動であり,この運動は,多体系としての身体の運動方程式によって支配されている.そこで本稿では,この運動方程式が有する関節トルク入力と身体動作出力との因果関係を利用して,運動の生成に対する,関節トルクの項,重力の項,そして遠心力・コリオリ力からなる運動依存の項などの貢献を定量化する手法について説明するとともに,これら各項の貢献が種目によって大きく異なることを示す.このような定量化は,一見すると複雑な身体運動生成のしくみを簡明に表すこと,そしてパフォーマンス向上に対する力学的な要因を抽出することなどを可能とし,運動のコツを説明することに繋がる.
著者
関口 芳弘 庄司文由 塚本 俊之
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.801-807, 2012-07-15

スーパーコンピュータ「京」の安定運用を支える重要な基盤である,施設および設備について紹介する.最初に,「京」の超大規模システムを支える建物の免震構造および橋梁技術の適用による無柱の計算機室について紹介する.次に膨大な電力需要と発熱除去の要求に確実に対応するために導入したコージェネレーション発電設備(CGS)および冷却システムについて紹介し,最後に環境への配慮について施設の特徴を説明する.
著者
相田 潤 草間 太郎 五十嵐 彩夏 小関 健由 小坂 健 人見 早苗 渡部 千代
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.72-80, 2021 (Released:2021-05-25)
参考文献数
13

歯科衛生士不足が問題となっている.そこで産業保健分野で重要な職業性ストレスモデルに基づき歯科衛生士の離職原因となりうる要因(離職関連要因)を検討し,歯科医師との認識の違いを分析した.2017年度に宮城県内の歯科衛生士1,334人,歯科医師1,185人を対象に郵送の質問紙による横断研究を実施した.6つのストレスモデルに基づく質問を用い,歯科衛生士と歯科医師の回答の差をχ2検定で分析をした.歯科衛生士313人(回収率:23.5%),歯科医師213人(同:18.0%)の回答の内,欠損値のない各303人と174人のデータを用いた.歯科衛生士の離職関連要因は,「人間関係の問題」(78.2%)や「時間面の労働条件」(68.6%),「給与面の待遇」(58.4%)の回答が多かったが,歯科医師はそれらは有意に少なく「産休育休の問題」の回答が有意に多かった.人間関係の問題の内訳は,歯科衛生士は「院長との問題」,歯科医師は「スタッフ間の問題」が最も多く有意な差が認められた.労働条件の内訳は歯科衛生士・歯科医師ともに「勤務時間」が最も多かった.しかし,歯科衛生士は有給休暇や残業についての回答も有意に多かった.就業していない歯科衛生士は,非常勤で復職を望むものが最も多く,午後から夕方の勤務は避けたい者が多かった.歯科医師と歯科衛生士の間で離職原因の認識に大きな差が存在した.これらを解消することで,歯科衛生士の離職を防止し,復職を支援する環境につながる可能性がある.
著者
関口 敦
出版者
一般社団法人 日本真空学会
雑誌
Journal of the Vacuum Society of Japan (ISSN:18822398)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.171-183, 2016 (Released:2016-07-16)
参考文献数
24
被引用文献数
4 4

本講座は化学気相成長(CVD)法の基礎に関して解説する.欠陥の少ない結晶成長や良好な被覆特性など,CVD 法を使用すると他の成膜方法では実現できない特長を得ることができる.実際にこの特長を得るためには,化学反応過程を解析し所定のプロセス条件で実施することが必要となる.本講座では CVD の定義から,この反応解析の手法と各プロセスの詳細に関して解説する.
著者
関矢 信康 引網 宏彰 古田 一史 小尾 龍右 後藤 博三 柴原 直利 嶋田 豊 寺澤 捷年
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.811-815, 2004-11-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

難治性の気管支喘息の3症例に対して咽喉不快感, 動悸, 自汗を目標として清暑益気湯を投与した。目標とした症状および所見は速やかに改善した。さらに発作の回数が著明に減少あるいは消失した。そのほか3症例に共通していた事柄は中年期であること, 発作が通年性であること, 心窩部不快感, 心下痞〓, 臍上悸を認めることであった。これまで清暑益気湯は夏やせ, 夏まけに対して用いられることが多かったが中年期の気管支喘息の長期管理薬 (コントローラー) としても認識されるべき処方であると考えられた。
著者
山甲 佳彦 関原 久彦
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.421-428, 2003-09-25 (Released:2011-03-02)
参考文献数
74
被引用文献数
1

副腎アンドロゲン, デヒドロエピアンドロステロン (DHEA) とDHEAサルフェートは二十歳代以降, 加齢とともに血中濃度が減少することが知られており, 老化現象との関連が注目されている. 種々の疫学調査から, 血中DHEA濃度が高いほど, 長命であり, 心疾患が少ないといった報告がなされ, 長寿に関連したホルモンと考えられている. 抗動脈硬化作用, 抗糖尿病作用, 抗骨粗鬆症作用, 痴呆・精神機能改善作用, 抗炎症作用などに関連した, 種々の臨床的, 基礎的研究が行われており, これらに対する発症予防, 進展抑制効果が示されている.抗動脈硬化作用は, 脂質の酸化抑制と, 血管内皮や平滑筋細胞の増殖抑制からなり, 抗糖尿病作用は, インスリン抵抗性改善作用によってもたらされると考えられる. 抗骨粗鬆症作用は, 閉経後女性に対するDHEA補充療法によって示されたが, 補充されたDHEAが末梢組織中でエストロゲンに一部変換され, エストロゲン作用とアンドロゲン作用の双方によって発現していると推測される. DHEAの抗酸化作用は神経細胞においてもみられ, 酸化ストレスによって誘導されるアポトーシスを抑制することで神経細胞の傷害を防いでいると考えられている. また, いくつかの炎症性サイトカイン分泌を抑制することで抗炎症作用を発現することも実験的に示されている.ホルモン補充療法として, 閉経後女性や副腎不全患者にDHEAを投与する試みがすでに海外を中心に始められているが, 有効性に関する一定の見解はまだ得られておらず, 長期大規模臨床試験の実施が望まれる.
著者
大関 由貴 遠藤 郁絵
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.152, pp.61-75, 2012 (Released:2017-02-17)
参考文献数
12
被引用文献数
1

本稿は,教師が「自律的な学びとは何か」という問いを持ち,漢字の一斉授業を対象に自らの実践を振り返り,分析を行った実践報告である。意思決定の主体と教師の学習観の変容に焦点を当て分析した結果,初期の教室では教師が学習を設計,主導していたのに対し,学習活動が変化すると,学習者が自身に合った方法や内容を考えながら実践するという意思決定が行われていたことが明らかになった。また,学習過程の観察を通し,教師の関心は学習者主体の学びへと移り,次第にそれを尊重する態度が生まれていった。これらの分析結果を踏まえ,自律的な学びの支援者として,教師には1)学習者の主体的な学びを理解すること,2)そのために彼らの学習過程から学ぶこと,3)学習者が意思決定を行いやすい協働的な学習環境を設計することが求められると考えた。

3 0 0 0 OA CRF

著者
防衛弘済会関東支部
出版者
防衛省
巻号頁・発行日
no.(5), 2008-04-21
著者
勝又 里織 松岡 恵 関根 憲治
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学 (ISSN:13452894)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1-2, pp.317-326, 2007-04-30 (Released:2017-01-26)

人工妊娠中絶術(以下「中絶」とする)を受けた女性が,中絶後に精神的に安定するためには,看護者のケアが必要とされている.しかし,一般に,女性に対する理解不足から,精神的な看護ケアは十分に行われていない.そこで本研究は,中絶後1カ月以内の女性の,中絶に関連した認知と感情を明らかにすることを目的とした.対象は,都内産婦人科診療所で妊娠初期に中絶を受けた女性のうち,同意の得られた者とした.方法は,半構造化面接法と自己記入式質問紙調査とした.面接時期は,中絶後1週間を目安に1回60分程度行い,さらに同意の得られた者には,中絶後1カ月を目安に2回目の面接を実施した.分析法として,グラウンデッドセオリー法を参考に継続的比較分析を用いた.対象者は,未婚で子供のいない20-23歳の女性6名(そのうち4名は1回のみ)であった.分析の結果,中絶後1カ月以内の女性の,中絶に関連した認知と感情として,中絶の重さの自覚,ちゃんとしていなかった自分,これからの自分,二人の中絶,親への思いの5つのカテゴリーが抽出された.カテゴリーの経時的な流れは,手術後,【中絶の重さの自覚】をし,その後,内省を始めた.その中で,【ちゃんとしていなかった自分】を自覚し,同時に,相手だけでなく二人で一緒に考えようと,【二人の中絶】と思うようになった.そして,落ち込んでいるだけでは何も変わらないと,【これからの自分】のあり方を考えた.さらに,中絶後1カ月の時期には,【親への思い】を持っていた.中絶を受けた女性は,命を殺した重みから,それを隠したい経験と考えており,孤立しがちな状況にあると推察された.孤立は,自分の内面を統合させられないとされており,看護者は,女性が孤立することがないようにする必要があると考えられた.
著者
伊関 文隆 三上 かつら 佐藤 達夫
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.3-23, 2021-06-30 (Released:2021-07-01)
参考文献数
34

タカ目の種は初列風切を最内側のP1から最外側のP10へと順番に換羽する標準的な換羽様式を行うと言われていた.しかし,近年タカ目であるツミAccipiter gularisにおいて初列風切の中央を最初に換羽する新たな換羽様式を行うものがいると報告された.しかし,その換羽様式は全容解明には至っておらず,更なる調査が必要である.そこで,著者らはツミの若鳥の換羽様式を調査し,本報ではその順序,時期および雌雄差について報告する.調査は,写真(146例),剥製(56例),飼育された鳥(1例)の3つの材料を用いて翼の換羽データを収集した.そこから換羽の順序を見積もるために2つの異なる方法を用いて解析した.1つは換羽した部位の分布から推定する方法であり,もう1つは非対称の換羽の位置から推定する方法である.換羽における性別,時期別,地理別の違いの有無を調べるために統計解析を行った.これらの解析により,ツミの独特な換羽様式が得られた.いくらかの個体は初列風切の中央から換羽を始め,内側と外側の両側に向かって順番に換羽する散開式換羽を行い,そしてそれは越冬期に行われた.加えて,散開式換羽を行うものは雌より雄の方が換羽が早く行われた.さらに,次列風切ではS2がS1より先に換羽した.このような一般的ではない換羽様式とそれに関連する現象(渡りや換羽時期)の解明は換羽の進化をより深く理解する一助となる可能性があり,更なる調査が必要である.
著者
新内 康子 関 正昭 田中 利砂子 プンラープ ナリサラ パッチャラパン コーサンラワット
出版者
志學館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

日本・タイ発行の日本語教科書における文法用語の使用実態調査、国内外の日本語教師等に対する質問紙調査を行い、日本語教育用文法用語の使用傾向を明らかにした。出自に関しては、「い形容詞」「な形容詞」について日本語教科書等を分析して再検証をするとともに、「て形」「ない形」「辞書形」といった用語の出自に関して言及している文献についての解題も行った。これらの結果をもとに、統一した日本語教育用文法用語の提案も試みた。
著者
関口 慧 真木 康次 石黒 崇裕
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.143, no.4, pp.313-322, 2023-04-01 (Released:2023-04-01)
参考文献数
25

This paper presents a theoretical discussion on a combined-compensation control method and its stability on harmonic resonance for grid-connected converters. The interaction between the grid impedance and the grid-connected converter potentially creates harmonic resonance. The compensation control with a combination of a digital filter and a virtual impedance is an effective solution for this problem. The theoretical analysis developed in this study reveals that the proper use of the two control schemes enhances the availability of grid-connected converters. Simulated results obtained from a three-phase high-power converter system verify this analysis.
著者
関戸 明子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.265-285, 2022 (Released:2022-08-06)
参考文献数
52
被引用文献数
3

本稿では,明治期の東京における温泉浴場について,公文書,新聞記事,案内書などの資料を精査して,施設の形成過程や分布の変遷を明らかにした.そして当時の社会的背景をふまえたうえで,温泉浴場という場所の意味について考察した.東京では1870年代前半に温泉を名乗る浴場が現れ,1870年代後半から「開化」を象徴するものとして流行した.それは人工的な温泉であり,薬湯,温泉地より原湯を運んだもの,湯の花を入れたものであった.風紀や衛生面で問題のあった浴場の改良も進んだ.1877年には44の浴場は市街地とその近隣に多く分布していた.1885年には178の浴場は市街地に集中的な立地がみられ,その外縁部への展開も認められた.1897年には,浴場が淘汰された結果,市街地外縁部に立地するものが目立つようになった.それらの温泉浴場は,手軽な行楽地として,繁華な市街地から離れて保養する場所となっていた.

3 0 0 0 OA 大日本博士録

著者
井関九郎 編
出版者
発展社出版部
巻号頁・発行日
vol.第2巻, 1926