著者
王 桂云 阿部 利徳 笹原 健夫
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.307-311, 1998-09-05 (Released:2008-02-14)
参考文献数
12
被引用文献数
2 4

無農薬・無化学肥料栽培(有機栽培)および慣行栽培した水稲白米の全窒素・アミロース含量およびアミノ酸含量・組成を検討した.白米の全窒素含量は供試した2品種(コシヒカリ, ひとめぼれ)とも無農薬・無化学肥料栽培に比較して, 慣行栽培で有意に高くなった.しかし, アミロース含量は無農薬・無化学肥料栽培米と慣行栽培米とで2品種間に有意の差異が見られなかった.一方, 白米粉末のアミノ酸含量についてみると加水分解アミノ酸は, 慣行栽培の場合の全窒素含量の増加傾向を反映して, 検出できた16のアミノ酸はむしろ慣行栽培で高まる傾向を示した.遊離アミノ酸含量は加水分解アミノ酸含量の1/100ないしそれ以下であった.しかし, 遊離アミノ酸のうちアスパラギン酸, グルタミン酸, アスパラギン, グルタミンがコシヒカリおよびひとめぼれ2品種とも, 慣行栽培に比較して無農薬・無化学肥料栽培で有意に高くなった.以上の結果は, 無農薬・無化学肥料栽培で白米の窒素含量が低下し, 遊離のグルタミン酸, アスパラギン, グルタミン含量が増加することを示している.今後, これらの結果と炊飯米の食味との関係を検討する必要がある.
著者
阿部 彩
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策学会誌 (ISSN:24331384)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.21-40, 2008-03-31 (Released:2018-04-01)

This article describes child poverty and deprivation in Japan. While it has been reported elsewhere that the economic well-being of children in Japan has declined since the 1980s, this article is one of the first to go into the details of child poverty using concepts of both traditional income-based poverty measures as well as relative deprivation measures that are constructed from 15 items deemed necessary in a child's life. The analysis confirms that the children in single-mother households, households with more than four children, and households with a young parent or young parents have a higher probability of being low-income. Contrary to popular belief, the ages of children did not yield significant differences in terms of poverty rates. The use of relative deprivation to conduct analysis has several advantages compared to the income-based poverty approach. First of all, by measuring the living standards of children directly, it bypasses the problem of difference in "needs" between different households. The equivalization of income takes into account the size of households, but it (usually) does not take into account, say, the difference in consumption needs for a 2-year-old versus an 18-year-old. Second, the income measure assumes that all members of a household have the same level of living standard, but the deprivation measure does not. By setting different items to be counted into the deprivation scale for children and adults, it can measure living standards of children and adults separately. In cases of resource shortage, it is probable that parents maintain the living standards of children while lowering their own living standards. Using deprivation measurements, we can observe such behavior. Third, by using deprivation measurements, we can set up separate poverty thresholds for adults and children. The results of the deprivation analysis of children show trends similar to those of income-based poverty analyses. The children in single-mother households and/or with young parent(s) have, on the average, higher deprivation scores than other children. The "threshold" income below which the deprivation score rises quickly can also be observed at 4 to 5 million yen (household annual income). Lastly, the deprivation of single mothers is even worse than the deprivation of children in single-mother households, indicating that mothers do away with their own necessities while maintaining the living standards of children.
著者
森田 清三 杉本 宜昭 阿部 真之
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
顕微鏡 (ISSN:13490958)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.51-54, 2010-03-30 (Released:2020-01-21)
参考文献数
9

原子間力顕微鏡による力学的原子操作について最初に説明し,つぎに,異種原子交換型垂直原子操作現象の発見と,これが探針先端原子を試料表面原子と室温で直接垂直交換できる夢の交換型単原子ペンであることについて明らかにする.最後に,原子埋め込み文字“Si”の組み立てにより,交換型単原子ペンによる室温での高速ナノパターンニングの可能性を示す.
著者
橋本 憲一郎 阿部 恒之
出版者
日本顔学会
雑誌
日本顔学会誌 (ISSN:13468081)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.60-68, 2023-12-26 (Released:2023-12-26)
参考文献数
8

日本における似顔絵は、平安時代の似絵(にせえ)以来の長い歴史を持つが、近年はコンピュータによる似顔絵作成も行われるようになってきた。コンピュータ似顔絵における平均顔からの形態的差異の客観的抽出と誇張、人による似顔絵におけるモデルの人格などを含む総合的な把握とその反映という、双方の長所を生かした、新たな似顔絵の生成方法を開発するため、22名の描き手による12名のモデルの似顔絵を集めて、以下の3種の刺激を作成した。①原画をトレースして電子化した似顔絵(以降、オリジナル似顔絵)、②個別モデルのオリジナル似顔絵を平均化した似顔絵(以降、個別平均似顔絵)、③個別平均似顔絵を集めて平均化した似顔絵(以降、平均テンプレート)と、個別平均似顔絵の差異を抽出し、それを誇張(強調)した似顔絵(以降、誇張似顔絵)。この3種の似顔絵刺激の似ている度合いを実験によって比較したところ、③誇張似顔絵>②個別平均似顔絵>①オリジナル似顔絵、の順に、似ているとする評価が高かった。人の描いた似顔絵を、初歩的な描画ソフトによって集積する新たな似顔絵作成技法が開発できた。
著者
外山 恵里 関 ゆかり 高橋 里佳 梅原 郁美 若山 曉美 七部 史 阿部 考助 下村 嘉一
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.213-218, 2014 (Released:2015-03-19)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

【目的】アトロピン硫酸塩点眼薬(以下アトロピン)による屈折検査は弱視や斜視の治療に不可欠な検査であるが、副作用の発現が報告され注意が必要である。今回アトロピンによる副作用の発現率と症状について検討した。【対象及び方法】対象は2008年4月から2011年3月の3年間に屈折検査のためアトロピンを点眼した387例とした。初めて点眼した症例は387例中326例(84.2%)、2回目以上の症例は61例(15.8%)であった。点眼薬の濃度は3歳未満が0.5%、3歳以上は1%を基準とし、1日2回7日間行った。処方時に点眼による作用と副作用、点眼時の涙嚢部圧迫の必要性を説明した。副作用については発現率、発現時期、症状、濃度や年齢、他の疾患の合併の影響について検討した。【結果】初めて点眼した症例の副作用の発現は18例(5.5%)、このうち7例が点眼を中止した。症状は発熱が最も多く、点眼開始4日以内の発現が多かった。発熱や顔面紅潮は7月と8月の発現が他の期間より有意に高かった。副作用が発現した症例に他の疾患の合併はなかった。濃度別の副作用の発現は、0.5%は212例中12例(5.7%)、1%は114例中6例(5.3%)で有意な差はなかった(p>0.05)。年齢、性別による副作用の発現も有意な差はなかった(p>0.05)。2回目以上の症例の副作用の発現は61例中1例(1.6%)であった。【結論】アトロピンによる副作用の発現率は5.5%で、症状は発熱が多く、点眼薬の濃度、年齢、性別による影響はなかった。
著者
阿部 敏明 小川 希代子
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.169-173, 1986-05-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
30

シアル酸をもつ酸性糖脂質であるガングリオシドに関する最近の進歩について記述した.ガングリオシドの分離精製の技術的な進歩により, 約60種類の構造が提出され, そのうちで神経系に含まれているのは, 約30種である.神経系の膜成分の重要な構成要素であり, 種々な生理活性をもつ事も証明されてきている.現在は, 神経系の疾患の治療にまで用いられるようになり, 多くの研究者の注目をあびている重要な生体構成成分の一つである.
著者
稲葉 洋美 永桶 久美子 小日向 桃香 阿部 菜生 佐野 翠 平松 采弓 海和 美咲 澁谷 顕一
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.212-217, 2022 (Released:2022-05-13)
参考文献数
21

ヒトの摂食量は一緒に食べるヒトの影響を受けることが知られている. また, 共食者が不在でも他者の摂食量情報に影響を受けることが知られている. 本研究では摂食量は, 他者の摂食量情報よりも実在の食を共にする人の摂食量に強く影響を受けるとの仮説を検証することとした. 健康成人女性16名に嗜好調査というカバーストーリーのもと4条件でスナック菓子を4分間好きなだけ食べてもらった. 同席者なし条件と同席者あり条件にそれぞれ大食または少食情報を組み合わせた. 大食情報とは他の人は平均14枚スナックを食べたとの情報であり, 少食情報とは他の人は平均4枚食べたという情報とした. 同席者に常に9枚食べるよう依頼した. 嗜好調査後, 各条件での摂食枚数を求めた. 一般化線形混合モデルを用いて解析を行った. 摂食量は同席者なし条件 (11.0±5.9枚) と同席者あり条件 (12.8±7.3枚) 間 (F=3.089, p=0.086) および大食条件 (12.1±6.0枚) と少食条件 (11.7±7.3枚) 間 (F=0.161, p=0.690) でも主効果に有意差は認められなかったが交互作用が認められた. 少食条件の場合と異なり, 大食条件では同席者の摂食量の影響を受け, 同席者がいる場合, 摂食量は抑制された. したがって, 本研究は抑制的規範説を支持したと考える.
著者
阿部 匡樹 山田 憲政
出版者
日本バイオメカニクス学会
雑誌
バイオメカニクス研究 (ISSN:13431706)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.82-91, 1998

Approximate Entropy (Ap entropy) was developed as a method to quantify regularity of time-series data. The aim of this study was to examine problems in the application of Ap entropy to human movement data and to distinguish movement patterns by quantifying the regularity of experimental human movement data. The following results were obtained: 1) For a relatively periodic time-series function with a small number of periods,difference in both the number of data points and number of periods affected the Ap entropy value. Thus,for the application of Ap entropy,the number of data points and the number of periods should be made the same. 2) Under the experimental conditions of this study,the change in the Ap entropy value was in accordance with subjective judgment of movement patterns. This indicates that Ap entropy is an effective parameter for quantitatively distinguishing movement patterns in data that differ in time-series regularity.
著者
河崎 純忠 阿部 伊知郎
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.299-307, 2007-07-01 (Released:2008-10-24)
参考文献数
21
被引用文献数
5 4

集中治療室に入室したがん患者586名を対象に, 患者背景, ICUの転帰, ICU退室後生存時間, 死因を調査し, 多変量解析を用いてICU死亡とICU退室後予後に関わる独立予後予測因子を得た。ICU退室後予後の解析では, 退室後1ヶ月間, 3ヶ月間, 6ヶ月間, 1年間, 3年間, 5年間の各観察期間の予後予測因子を求めて, 予後予測因子におよぼす観察期間の影響について検討した。ICU死亡率は30%, ICU死亡に関わる予後予測因子は脳腫瘍, 中枢神経障害, Acute Physiology and Chronic Health Evaluation II (APACHE II) スコア, 不全臓器数, 敗血症であった。ICU退室後の予後予測因子は, 癌腫の臨床病期, 呼吸不全, 肝不全, 腎不全, APACHE IIスコア, 肺がんであったが, 病期が一貫して退室後予後に影響したのに対し, 集中治療項目の予後への影響は退室後1年で, 予後予測因子となる項目が時間経過と共に変化した。がん患者の集中治療とは, 進行がんや難治がんに対するがん治療の合併症を治療することといえる。
著者
阿部 容子 鳥羽 誠 望月 剛久 葭村 雄二
出版者
The Japan Petroleum Institute
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.307-315, 2009 (Released:2010-01-01)
参考文献数
22
被引用文献数
10 14

魚油が混入した廃食用油利用の観点から,まず魚油脂肪酸メチルエステル(FAME)の酸化劣化による変化を評価し,次いで貴金属触媒を用いて部分水素化した魚油FAMEの酸化安定性について検討を行った。魚油FAMEは酸化によりアルデヒド類,カルボン酸類,ケトン類および大量のスラッジなど多種の分解生成物を生じた。FAMEの酸化反応性はその不飽和度に比例し,魚油FAMEの主成分である4価以上の二重結合を有する多不飽和FAMEはほぼ完全に酸化された。元素分析やFT-IRの結果から,スラッジはケトン類,エステル類およびカルボン酸類による大量の酸素を含有していることが分かった。ゲル浸透クロマトグラフにより測定した数平均分子量から,スラッジは多不飽和FAMEを主としたおよそ10分子のFAMEの重合により形成していると考えた。バイオディーゼル燃料に混入した魚油の酸化安定性を改善するために,Pd-Pt/Yb-USY-Al2O3触媒を使用して魚油FAMEを部分水素化した。ここでは,魚油混合廃食用油のモデル油とするため,魚油FAMEを菜種油FAMEに混合したものを水素化原料とした。2価以上の不飽和FAMEは1価不飽和FAMEおよび飽和FAMEへと選択的に水素化された。水素化FAMEは酸化によりスラッジを生成せず,酸化安定性は未処理油と比較して大幅に向上した。水素化FAME混合軽油の酸化安定性は石油系軽油とほぼ同等であった。多不飽和FAMEの部分的水素化は酸化安定性向上とスラッジ形成の抑制に効果的であることが分かった。
著者
樺澤 貴宏 上田 玲子 阿部 啓子 浦野 孝太郎 明道 聖子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.74, no.11, pp.617-626, 2023 (Released:2023-12-08)
参考文献数
20

熱中症対策飲料の嗜好性と消費者の生理状態の関連性を明確にするために多変量解析を行った. 「イオンぷらす」 ((株) タケショー製 ; 粉末) の3濃度の試料Na57, Na48, Na41を入浴 (湯温40℃, 15分間) 前後に品質特性5項目 (採点法) と印象10項目 (Semantic Differential法) について社内パネル21名が評価した. 入浴後に「酸味」がNa48とNa57で有意 (α<0.01, α<0.05) に, 「塩味」と「おいしさ」がNa41で有意 (α<0.05) に増加した (Wilcoxonの順位和検定). 品質特性と印象を統合して因子分析を適用した結果, 「すっきり感」「飲みやすさ」「酸・塩味」「果汁感」と命名した4つの因子 (累積寄与率59.8%) が抽出された. これらの因子得点は, 入浴の前後と試料の濃度に応じて変化し, 因子軸座標上で可視化できた. 入浴前後別の因子分析から, 入浴後は特に印象の嗜好要因で試料を知覚していることが示唆された. 発汗についての本研究は, 生理変化による飲料の嗜好性を客観的に明らかにする方法として有用である.
著者
安達 義輝 小森 貞男 星川 義真 田中 紀充 阿部 和幸 別所 英男 渡邉 学 壽松木 章
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.402-409, 2009 (Released:2009-10-23)
参考文献数
33
被引用文献数
30 34

リンゴを含むバラ科に属する種は自家不和合性を有しているが,多くの種では倍数化によって打破される報告がある.リンゴで同質四倍体品種とその倍数化前オリジナル二倍体品種を用いて,交雑和合性試験および花粉管伸長調査を行った.同質四倍体品種が自家結実性を示し,同質四倍体品種花粉が自家受粉およびオリジナル二倍体品種雌ずいにおいて和合性を誘導した.一方,オリジナル二倍体品種花粉を同質四倍体品種に交配した場合には不和合性を示したことから,同質四倍体品種の自家和合性誘導の原因は花粉側にあることが示唆された.また,自家受粉の花粉管伸長は同質四倍体品種が最も大きく,次いで二倍体,三倍体の順であった.二倍体および三倍体品種の花粉管は雌ずいの倍数性とは無関係に伸長が抑制されるのに対し,同質四倍体品種の花粉管は他家受粉には及ばないが不和合花粉管よりも有意に伸長する中間的な伸長度を示した.交雑試験と花粉管伸長調査の結果から,同質四倍体品種の自家和合性は花粉側にあることが判明した.さらに,倍数化による花粉管伸長度の増大ではなく,自家不和合性機構が打破されている可能性が示された.
著者
山口 直比古 阿部 信一 雨宮 正恵 大村 伸栄 多胡 英樹 廣田 住友
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.387-394, 1990-12-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
9

In Japan, more than 1, 200 medically-oriented meetings are held each year, with the number of presentations given at those meetings estimated at over 100, 000.A questionnaire was sent to the member societies of the Japanese Association of Medical Sciences in order to obtain information about the character and the role of the meeting abstract. Moreover, Another questionnaire was sent to individual doctors and researchers regarding their views of the abstract selection process. It was found that 65 percent of the meetings held by the member societies, especially large-scale and clinicallyoriented societies, have a referee system. However, submitted abstracts are rarely rejected (average 9 percent), and only the subject matter is supposed to be checked. Moreover, it was clear that most doctors and researchers recognize the necessity of a refereeusystem for national meetings of general interest where they present their research achievements, and think research meetings where a small group of specialists gather to discuss a certain subject have less need for a referee system.Through the use of these two questionnaires, two main concepts were obtained:(1) a referee system is necessary to maintain high-level meetings, and (2) all applicants should be given an opportunity to present thier papers.
著者
阿部知二著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1969
著者
小笠原 悟司 沢田 直 阿部 慶一 赤木 泰文
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.111, no.11, pp.930-936, 1991-11-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
12
被引用文献数
2 3

This paper describes a vector control system of an induction machine using a neutral-pointclamped voltage source inverter (NPC-VSI) that is one of double series connected inverters.The NPC-VSI is able to output 5 levels step-shaped line to line voltage without output transformers or reactors, and it may reduce harmonic currents corresponding to torque ripples. However, the NPC-VSI has a problem that excessive high voltage is applied to swiching devices when a neutral point of two DC capacitors of the NPC-VSI varies from the center of the DC link voltage, because the neutral point is floating.This paper proposes a current controller to which the space vector theory is applied. This can reduce harmonic currents to 1/4 of those of a conventional voltage source inverter using 6 swiching devices, and regulate the neutral point potential within a preset range. To simplify the current controller, information about voltage space vectors is given from the vector controller to the current controller. Validity of the current controller is confirmed by a prototype using an induction machine of 2.2 kW.