著者
阿部 志保 森 貴久
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.50-60, 2016-04-05 (Released:2019-04-25)
参考文献数
26

コナラシギゾウムシCurculio dentipesやクヌギシギゾウムシCurculio robustusなどのシギゾウムシ類はブナ科堅果の内部に産卵し,幼虫は産み付けられた堅果のみを資源として利用し成長する.成虫の体サイズは幼虫期の成長量によって決まるので,メスは産卵の際に資源を評価していることが期待される.また,1個の堅果を複数のシギゾウムシ類幼虫が利用したり,他種の幼虫も利用することがある.このとき堅果内の資源は限られているため,堅果内に複数個体が存在した場合,競争が生じることになる.したがって,雌は産卵の際に産卵個数や他種の昆虫の存在などに応じて堅果を選択し,競争を低減させている可能性がある.本研究ではクヌギ堅果を用い,シギゾウムシ類の雌が産卵する時に選択する堅果の大きさと脱出幼虫の数と大きさの関係について,同種他個体や他種個体の存在との関連について明らかにし,シギゾウムシ類雌の堅果選択と産卵戦略について考察した.2012年11月と2013年11月に野外でクヌギ堅果を無作為に収集した.堅果は直径と長さを計測した後,個別に仕切られたケースの中に入れ,研究室にて保管した.堅果から脱出してきたシギゾウムシ類幼虫は,個体数と重量を記録した.また,2013年に収集した堅果については脱出してきた他種の昆虫の記録も行った.結果は,シギゾウムシ類が産卵した堅果はしなかった堅果に比べて大きく,球体に近い形状をしていた.また,大きな堅果にはより多く産卵をしており,堅果の大きさと幼虫の重量には弱い相関があった.シギゾウムシ類幼虫が複数個体脱出した場合,幼虫の平均重量は1個体のみの場合と比べて小さいが,脱出個体が多くなっても1個体あたりの平均重量は減少しなかった.また,4個体以上が脱出してきたときの幼虫重量の変動係数は2–3個体のときよりも大きくなった.他の昆虫の存在はシギゾウムシ類の幼虫の数や重量に影響しなかった.これらの結果は,シギゾウムシ類の雌は産卵の際に堅果の大きさを評価することで,利用個体数が他種昆虫を含めて複数いても,幼虫1個体あたりの重量が大きく減少したりばらついたりすることがないように産卵できていることを示している.ただしこの調整は,1個の堅果の利用個体が4匹以上になると不十分になり,利用する昆虫の間に重量のばらつきが大きくなる.以上から,シギゾウムシ類の雌の産卵戦略として,堅果の大きさを評価して産卵することで幼虫間の資源競争を低減して幼虫の大きさと個体数をコントロールし,適応度の増加を図っている可能性が示唆された.
著者
渡辺 努 青木 浩介 阿部 修人 中嶋 智之 阿部 修人 塩路 悦郎 中嶋 智之 廣瀬 康生 戸村 肇
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2012-05-31

わが国では過去20年にわたって物価下落が進行している。毎年の物価下落率は1%程度と小さく,ゆっくりとしたデフレだが,極めて長い期間続いているというのがその特徴である。この長期デフレの原因は,原価が変化しても価格を据え置くという企業行動にある。先進各国の企業は価格を毎年1-2%引き上げるのがデフォルトなのに対して,日本企業は90年代末以降,価格据え置きがデフォルトになっている。価格や賃金の引き上げに関する社会規範が変化したためと考えられる。一方,家計サイドでは,生まれてこの方デフレしか経験したことのない若年層を中心に,今後もデフレが継続するという予想が根強く,これがデフレ脱却を難しくしている。
著者
水田 匡信 土師 知行 阿部 千佳
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.186-194, 2021 (Released:2021-08-26)
参考文献数
32

ケプストラム解析に基づく音響分析(ケプストラム音響分析)は音声信号の個々の周期の同定を必要とせず,会話音声にも適用でき,また重度嗄声も解析できると考えられる.ケプストラム音響分析の指標であるCPP(cepstral peak prominence)とCSID(cepstral spectral index of dysphonia)の妥当性は,主に聴覚心理的評価との相関解析と,嗄声の有無の診断能に関するROC(receiver operating characteristic)解析により検証されており,英語や日本語を含め多言語において,持続母音だけでなく会話音声での高い妥当性が報告されている.また分析対象とする音声波形の範囲により算出される値が異なる可能性(検査の信頼性)があるが,今回重度嗄声例を用いて検証したところ,CPP,CSIDでは重度嗄声例においても信頼性が保たれることが確認された.このようにケプストラム音響分析は持続母音と会話音声に対して高い妥当性を有し,また重度嗄声に対しても高い信頼性を有すると考えられ,日常の音声障害診療において広く使用されることが望まれる.
著者
阿部 雅則
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.2342, 2016 (Released:2016-11-20)
参考文献数
1

【背景】世界中で大腸癌の患者数や死亡率が増加しており,予防のための新しい対策が求められている.経口糖尿病薬であるメトホルミンには大腸癌を含む癌の化学予防効果の可能性があるが,メトホルミンを用いた大腸癌の化学予防についての臨床試験は報告されていない.本研究では,腺腫再発のリスクの高い患者におけるメトホルミンの安全性と大腸がん化学予防効果(腺腫・ポリープの再発で評価)について1年間の臨床試験を行った.【方法】本研究は多施設二重盲検プラセボ対照ランダム化第3相試験として行われた.日本の5病院において大腸ポリープまたは腺腫を内視鏡下で切除された非糖尿病成人を対象とした.メトホルミン(250mg/日)投与群もしくはプラセボ投与群に無作為に割り付け,試験開始1年後に大腸内視鏡検査を施行し,腺腫・ポリープの数と発生頻度を解析した.【結果】2011年9月1日から2014年12月30日までに大腸腺腫・ポリープに対して内視鏡下切除を行った498人のうち,151人にランダム化を行った(メトホルミン群 79例,プラセボ群 72例).メトホルミン群の71例,プラセボ群の62例が1年後の大腸内視鏡検査を施行した.全ポリープおよび腺腫の発生率はメトホルミン群でプラセボ群に比し有意に低かった.(全ポリープ:メトホルミン群 27/71[38.0%:95%CI 26.7-49.3],プラセボ群 35/62[56.5%:95%CI 44.1-68.8];p=0.034,リスク比0.67[95%CI 0.47-0.97];腺腫:メトホルミン群 22/71[30.6%:95%CI 19.9-41.2],プラセボ群 32/62[51.6%:95%CI 39.2-64.1];p=0.016,リスク比 0.60[95%CI 0.39-0.92]).ポリープ数の中央値はメトホルミン群で0(IQR 0-1),プラセボ群で1(IQR 0-1)であった(p=0.041).腺腫数の中央値はメトホルミン群で0(0-1),プラセボ群0(0-1)であった(p=0.037).有害事象は15例(11%)にみられたが,すべてgrade 1であった.1年間の試験期間中に重篤な有害事象はみられなかった.【結論】非糖尿病患者における1年間の低用量メトホルミン投与は安全に行うことができた.低用量メトホルミンはポリペクトミー後の異時性腺腫・ポリープの発生頻度・個数を減少させたことから,メトホルミンは大腸癌の化学予防に有用である可能性が示された.しかし,最終的な結論を得るためにはさらに大規模な長期間の臨床試験が必要である.
著者
上床 喜和子 須佐美 隆史 井口 隆人 大久保 和美 岡安 麻里 内野 夏子 髙橋 直子 松林 幸枝 阿部 雅修 末永 英之 森 良之 髙戸 毅
出版者
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
雑誌
日本顎変形症学会雑誌 (ISSN:09167048)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.26-36, 2016-04-15 (Released:2016-05-20)
参考文献数
32

Acromegaly is caused by growth hormone excess owing to a pituitary adenoma after completion of growth and tends to lead to mandibular prognathism. In this paper, two patients with mandibular prognathism caused by acromegaly and treated by surgical-orthodontic treatment are reported. The first case was a 36-year-old male who was referred to our hospital to correct mandibular prognathism and malocclusion after resection of the tumor in the pituitary gland. The second case was a 26-year-old male who was referred from an orthodontic clinic for orthognathic surgery. He had not been diagnosed as acromegaly but a typical double-floor of the Turkish saddle was found in the lateral cephalogram. Blood tests revealed acromegaly. Surgical-orthodontic treatments were performed after resection of the pituitary adenoma and confirmation of normal level of blood growth hormone (GH) and somatomedin C. In both cases, multi-bracket appliances were worn and bimaxillary osteotomy (Le Fort I osteotomy for maxillary advancement and bilateral sagittal splitting ramus osteotomies for mandibular setback) was carried out to secure the intraoral space for the enlarged tongue. After post-surgical orthodontic treatment, the treatment results were good and stable in both cases. These cases showed that surgical-orthodontic treatment for patients with acromegaly after pituitary adenoma resection is reliable. The importance of careful examination of the craniofacial shape in patients with mandibular prognathism to detect acromegaly is emphasized.
著者
内貴 章世 仲宗根 忠樹 大井・東馬 哲雄 米倉 浩司 阿部 篤志
出版者
The Editorial Board of The Journal of Japanese Botany
雑誌
植物研究雑誌 (ISSN:00222062)
巻号頁・発行日
vol.98, no.3, pp.134-139, 2023-06-20 (Released:2023-06-20)
参考文献数
15

国内では沖縄県与那国島にのみ分布するヤエヤマハシカグサExallage auriculariaが約40年ぶりに再発見されたので報告する.近縁種を含めた分子系統解析を行ったところ,先行研究と同じく本種は単系統ではないことが示唆され,与那国のものはタイやフィジーに分布するものと近縁であることが示された.本種は形態が多型的で種内分類群が提唱されたことがあり,種内および近縁種との関係性を明らかにするためにはさらなる解析が必要である.
著者
山神 眞一 石川 雄一 境 英俊 藤原 章司 阿部 純也 宮本 賢作 長野 智香
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.13-23, 2005-03-31 (Released:2012-11-27)
参考文献数
30

A study was conducted to investigate the influence of kendo exercise on the bone mineral density in male and female university kendo athletes. The subjects were 45 male university kendo athletes and 23 female university kendo athletes. They had an average kendo experience of 13.2 years and 10.0 years. Measurements were performed using an AOS100 (ALOKA Corp.). We measured the speed of sound (SOS), transmission index (TI), and osteo sonoassessment index (OSI). The mean values of SOS, TI, and OSI in male and female university kendo athletes were higher than in the same aged control group and the peak bone mass aged control group.The values of the left heel were significantly higher than that of the right heel in bone mineral density. Body weight was significantly related to bone mineral density in male and female university kendo athletes. These results suggest that regular kendo exercise during youth is effective for the increase in bone mineral density.
著者
阿部 真理奈 渡部 喬之 迫 力太郎 小笹 佳史
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.485-490, 2023-08-15 (Released:2023-08-15)
参考文献数
10

大脳性運動失調により,日常生活で左上肢の使用が困難となった50歳代男性に対し,視覚遮断を用いた訓練を実施したため報告する.症例は右前頭葉から頭頂連合野の皮質下出血により左片麻痺,高次脳機能障害を呈し,特に視認下で左上肢の運動失調が増悪した.視認下での運動失調の増悪は,運動前野の損傷による影響が大きいと推論し,視覚遮断を用いた身体ポインティングや把持動作の作業療法を開始した.その結果,左上肢機能は改善し,日常生活でも麻痺側上肢で茶碗を把持することが可能となった.大脳性運動失調症例への視覚遮断を用いた作業療法は,上肢機能改善や日常生活での麻痺側上肢の使用頻度の向上に寄与する可能性が示唆された.
著者
阿部 洋子
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 = JOURNAL OF ATOMI UNIVERSITY FACULTY OF LITERATURE (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
no.42(2), pp.A73-A86, 2009-03

子どもたちの道徳心は、誰がどのように育成していけばよいのだろうか。家庭での躾、学校での道徳の授業、地域社会での関係性のあり方などが重要であろう。しかし、現代の日本の青少年を取り巻く環境は、道徳心を育成するための場としての機能をどの程度、果たしているだろうか。また具体的にどのような機能が失われてしまったのだろうか。\n Smetana 等(1983)は、道徳・社会的慣習・個人のそれぞれの領域に属すると判断された行為を列挙して貰い、続いてそれらの行為は、規則の有無に関わらず、即ち法律による罰則規定の有無に関わらず、「善い/悪い」と思うかの判断を求めた。その結果、19-20 歳以上になれば、道徳領域に属する行為は、75-100%の範囲で、規則や期待の有無に関わらず(「規則随伴性」と称する)、「善い/悪い」と判断することができるようになる。一方、個人領域に属する行為は、88-100%の範囲で、個人の自由に任せる方がよい(「個人決定権」と称する)と判断されると報告している。また、道徳と類似する概念として、社会的慣習があるが、それらの行為は、道徳領域に属する行為における、規則随伴性と善悪の判断の間に見られる強い関係性は見出せなかった。つまり、Turiel(1983)が述べるように、道徳領域と社会的慣習領域は、異なる行為として認識されていると結論づけている。これまでも予備的調査を実施(阿部;1996、1998、2005)し、現代の日本における道徳構造の特徴を、領域判断、悪さの程度、社会的文脈などから検討してきた。前回の報告(阿部;2007)では、青年期女子を対象としたが、今回は、青年期男女を対象とし、善悪両方の行為について調査を実施し、性差について比較検討を試みた。なお紙数の関係で、今回の結果報告は「悪さ」についてのみを行う。次回は「善さ」についての報告を行う予定である。
著者
阿部 洋子
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 = JOURNAL OF ATOMI UNIVERSITY FACULTY OF LITERATURE (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
no.44, pp.A111-A128, 2010-03

子どもたちの道徳心は、誰がどのように育成しなければよいのだろうか。家庭での躾、学校での道徳の授業、地域社会での関係性のあり方などが重要であろう。しかし、現代の日本の青少年を取り巻く環境は、道徳心を育成するための場としての機能をどの程度、果たすことができているのだろうか。また具体的にどのような機能が失われていまったのだろうか。\n Smetana 等(1983)は、道徳・社会的慣習・個人のそれぞれの領域に属すると判断された行為を列挙して貰い、続いてそれらの行為は、規則の有無に関わらず、即ち法律による罰則規定の有無に関わらず、「善い/悪い」と思うかの判断を求めた。その結果、19-20 歳以上になれば、道徳領域に属する行為は、75-100% の範囲で、規則や期待の有無に関わらず(「規則随伴性」と称する)、「善い/悪い」と判断することができるようになる。一方、個人領域に属する行為は、88-100% の範囲で、個人の自由に任せる方がよい(「個人決定権」と称する)と判断されると報告している。ところで、道徳と類似する概念として、社会的慣習があるが、それらの行為は、道徳領域に属する行為における、規則随伴性と善悪の判断の間に見られる強い関係性は見出せなかった。つまり、Turiel(1983)が述べるように、道徳領域と社会的慣習領域は、異なる行為として認識されていると結論づけている。\n これまでも予備的調査を実施(阿部;1996, 1998, 2005)し、現代の日本における道徳構造の特徴を、領域判断、悪さの程度、社会的文脈などから検討してきた。2007 年の報告では、青年期女子を対象としたが、今回は、青年期男女を対象とし、善悪両方の行為について調査を実施した。なお紙数の関係で、前回の結果報告(阿部;2009)は「悪さ」についてのみを行った。今回は「善さ」についての報告を行う。
著者
長坂 侑里 中堀 祐香 阿部 隼人 中川 智史 山口 諭 馬場 俊見 川上 純平 山崎 武志 萩谷 功一
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.5-13, 2022-02-25 (Released:2022-03-25)
参考文献数
21

本研究はタイストール(TS,126,492頭),フリーストール(FS,88,851頭)および放牧主体(GZ,3,989頭)において,ホルスタイン雌牛の体型形質と在群期間(HL)の関係を調査した.データは1993から2008年の間に初産分娩した雌牛の体型審査記録から初産次の体型6形質(肢蹄得率,胸の幅,鋭角性,乳房の懸垂,乳房の深さ,前乳頭の配置)であった.各飼養形態において,体型形質におけるHLの最小二乗平均値(LSMHL)を比較した.FSとTSの肢蹄得率が高いほどLSMHLは高かったが,GZの肢蹄得率が79以下のとき,LSMHLは一定の値を示した.すべての飼養形態において,乳房が浅いときおよび乳頭が中央に位置するとき,LSMHLは高かった.FSおよびTSにおけるLSMHLは,多くの形質で近似したが,GZにおいて低い肢蹄得率でHLに大きな影響を与えない点が他と異なった.
著者
阿部 康二
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3+4, pp.209-214, 2015 (Released:2017-09-26)
参考文献数
9

【要旨】ライフスタイルの欧米化が進行する中で、高血圧や高脂血症、糖尿病などの血管老化性疾患が増加している。このような疾患は脳梗塞の危険因子であると同時にアルツハイマー病を中心とした認知症の危険因子でもある。日本社会の超高齢化に伴って脳の虚血性変化を伴ったアルツハイマー病も急増している。高血圧や高脂血症、糖尿病などの血管老化性疾患治療によって、脳血管およびその周囲を重層的に構築しているいわゆるneurovascular unit(NVU)を全体として保護するというneurovascular protection (NVP)という新しいパラダイムに基づいて認知症予防に新しい展望が開かれつつある。
著者
阿部 秀来
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
日本鉱業会誌 (ISSN:03694194)
巻号頁・発行日
vol.98, no.1133, pp.561-565, 1982-07-25 (Released:2011-07-13)
被引用文献数
2 1

The trace amounts of gallium and indium are contained in the Black Ore type of deposits distributed at Hokuroku area in Akita. Gallium and indium tend to be concentrated into the zinc concentrates through mineral processing.Dowa Mining Co., Ltd. began to examine the recovering process of gallium and indium in 1963 whengallium was given attention as raw material of semi-conductor, and studied manysided technique to recover both metals fromthe by-product of zinc refinery. Our gallium and indium recovery process is characterized by the zinc residue treatmentprocess of The lijima Zinc Refinery of Akita Zinc Co., Ltd. which is very useful to concentrate both metals, and also by thesolvent extraction process to separate gallium and indium from the sulfuric acid solution.Considering how to solve the problem derived from the application of the technique to the plantoperation, gallium recovering plant was constructed in Kosaka Smelter of Dowa Mining Co., Ltd. simultaneously with theconstruction of Iijima Zinc Refinery.Operation started in January 1972, and is producing high quality gallium and indium. Though only 40kg/m ofmetallic gallium and some indium hydroxides were produced when started, now 180kg gallium and 250kg indium areproduced every month.