著者
高橋 史生
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.247-251, 1996-03-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
11

市販清涼飲料水中のビタミンC含有量をフードアナライザーにより測定した結果, 以下のことが明らかとなった.(1) ビタミンCの測定に際して, フードアナライザー法は従来から行われているインドフェノール法と一致した測定結果を示した.フードアナライザー法は, 1,000mg/dl程度のビタミンC濃度において希釈することなく直接測定が可能であった.(2) 概して茶飲料系はビタミンC量が少なく, 炭酸飲料系のビタミンC量は非常に高い傾向にあった.(3) ほとんどの炭酸飲料系の製品ではそれを1本利用すると, 1日のビタミンC所要量を充足できる可能性は高いが, 茶飲料系の製品はその値を充足できる製品が50%に満たなかった.(4) 文献値から得たドリンク剤のビタミンC含有量 (mg/dl) は本調査で行った清涼飲料系に比べて約5倍以上の含有量であった.しかし, 1本当たりの内容量はドリンク剤よりも清涼飲料系の方が約4倍量と多いので1本当たりのビタミンC含有量を比較した場合, その差は約1.5倍に縮小した.特に, 炭酸飲料系の場合は上述とは逆にドリンク剤と比べて1・5倍ビタミンC含有量が多い結果を得た.
著者
佐藤 寛 高橋 史 杉山 恵一 境 泉洋 嶋田 洋徳
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.33-44, 2007-03-31 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
1

本研究の目的は、攻撃行動をパーソナリティ変数としてではなく、観察可能な行動として測定する尺度である攻撃行動尺度を作成し、信頼性と妥当性を検討することであった。まず、研究1では大学生372名を対象に調査を実施し、攻撃行動尺度の作成と内的整合性の検討を行った。その結果、「身体的・物理的攻撃」「言語的攻撃」「間接的攻撃」の3因子17項目からなる攻撃行動尺度が作成された。また、攻撃行動尺度はある程度の内的整合性があることが示された。次に、研究IIにおいて、大学生406名を対象に、攻撃行動尺度とAnger Expression Scaleを用いた調査を実施し、攻撃行動尺度の妥当性を検討した。分析の結果、攻撃行動尺度は適切な交差妥当性と構成概念妥当性を有していることが示唆された。最後に、本研究の限界と今後の課題に関する議論が述べられた。
著者
高橋 史樹
出版者
Japanese Society of Agricultural, Biological and Environmental Engineers and Scientists
雑誌
生物環境調節 (ISSN:05824087)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.29-33, 1975-03-31 (Released:2010-06-22)
参考文献数
13
被引用文献数
15

カブトエビは水田の代かき後数日で出現するが, その生態学的特徴には一年生水田雑草と類似のものが多い.これらの雑草の種子の中には光の刺激によって発芽するものがあるので, このような現象がアジアカブトエビ卵の孵化についてもみられるか否かを検討したところ, 光の効果を受けることがわかった.20℃で, いろいろな日長および全明, 全暗の条件下で, 茨木市内の水田土壌に含まれている卵および土壌を除去した飼育貯蔵卵に注水し, 孵化の状況を観察したところ, 8~24hrLの日長下では短期間に高い孵化率がみられたが, 4hrL以下の日長下では孵化が遅れ, とくに全暗条件下ではその遅れが著しかった.
著者
伊藤 千夏 高橋 史
出版者
信州大学大学院教育学研究科心理教育相談室
雑誌
信州心理臨床紀要
巻号頁・発行日
no.18, pp.1-11, 2019-06-01

インターネットやSNSの利用については過剰利用をはじめとして有害な側面が注目されてきたが,近年ではSNS相談窓口による援助要請促進の取り組みが進められている。しかし,援助要請機能を含め, SNSの有益な側面についてはいまだに検証が十分ではない。そこで本研究は,インフォーマルな援助要請におけるSNSの利用方法とその効果を記述することを目的として,面接調査による質的検討を行った。その結果, SNSを利用した援助要請行動では,発信の際の自己表現によって得られるサポートの種類が異なることがわかった。SNSはこれまで過剰利用や対人関係の阻害といった点で、問題視されてきたが,本研究は援助資源としての可能性を見出したものである。
著者
山口 和子 高橋 史人
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.104-113, 1982-06-20
被引用文献数
11

食嗜好の変化とその要因を明らかにする目的で、食品の好み度を測定し解析を行った。調査は昭和53年10月、12歳以上の男女5,000人を対象に実施した。第1報では性・年齢、地域、職業、家族構成などの属性以外で、嗜好そのものに影響を及ぼす嗜好因子を抽出し、この嗜好因子が各属性と関連しあって嗜好を規定することを統計的に確認し、食品に対する好みの変化を追跡する基礎的内容となることを報告した。本報では前報に続いて、性・年齢階層別、地域別、職業別の嗜好傾向を食品の「好み値」「好みの偏り度」によって解析し、次のような結果が得られた。1)食品の好み傾向の性差は僅少であるが、年齢階層差は大きい。特に男女共に30歳代と40歳代の間に大きな断層が認められた。すなわち、10歳代から20歳代にかけて好きな食品数が増加し、好みの偏り度は上昇するが、30歳代では下降しはじめ、40歳代で急激に全体平均値以下に低落、50歳代、60歳以上の高年層とほとんど同じ好み傾向を示した。2)好み値3.8以上の好きな食品群をみると、男子は和風の蛋白質性食品が多いのに対し、女子は和風の糖質性食品でほとんどを占める。年齢階層別では10〜20歳代の若年層は洋風食品、スナック類、デザート類の好み値が高く、50歳代以上の高年層の場合の高い好み値は和風伝統食品に集中し、若年層、高年層の間で対照的た好み傾向が認められた。好み値の高い食品は普及率(95%以上)も高く、好み値に寄与することを示した。 3)地域別にみると、東海が全国平均値的な好み傾向を示し、関東は最も積極的な食品の好み傾向を示した。北陸・中国・四国はかなり保守的な好み傾向であった。近畿は好み値の高い食品も多いが低い食品も多い。北海道、東北は近畿と反対の好み傾向を示した。九州は好み値の高い食品数が少なく、好みの頻り度も低い。各地域の特産食品の好み値は年齢階層に関係なく高い。4)職業別の食品の好み傾向は、各職業を構成する年齢階層の最多響を受けていた。しかし、年齢構成がほぼ同じ比率で分布する専門技術職と労務職の間で、専門技術職が食品の好みのうえで明らかに積極性を示すのに対して、労務職の好み傾向は低いことから、職業もまた食品の好みに影響を及ぼすことがわかった。5)以上を総括すると、地域別、職業別の食品の嗜好差に比して、年齢階層別の嗜好差が最も大きいことが認められた。特に男女共30歳代に嗜好変動の分岐域があるように考えられた。
著者
金子 杏弓 高橋 史
出版者
信州大学大学院教育学研究科心理教育相談室
雑誌
信州心理臨床紀要
巻号頁・発行日
vol.17, pp.19-28, 2018-06-01

本研究では,援助要請行動を悩みの相談行動と定義し,相談行動に対する被援助志向性,心理的負債感,抑うつの影響性を検討した。大学生297名を対象に質問紙調査を行った結果,相談行動に影響するのは悩みの経験および被援助志向性であることが示された。悩みの経験が多いほど,また,被援助志向性が高いほど相談行動を多く行っていた。心理的負債感および抑うつは相談行動に影響を及ぼさないことが示された。今後は,相談行動以外の援助要請行動や,援助要請をする相手による違いについても検討する必要がある。
著者
高橋 史人 山口 和子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.259-268, 1985-12-20
被引用文献数
10

本報においては, 1, 2節において年齢階層と嗜好の関係を論じ, その中で加齢と共に嗜好が変わる中で, 嗜好の分岐年齢が存在することを示した。即ち, (1) 10代は「洋風」「こってり」「甘味」好き, そして, 「和風」「スパイス」「アルコール」嫌いである。20代は「和風」嫌いを除けば, 他は全て好きである。この年代の嗜好の幅が一番広いといえる。30代は「こってり」「酸味」「スパイス」「アルコール」好きであるが, 10代, 20代で好まれた「甘味」が嫌いとなり, 次の40代が「和風」好みになる間隙に位置している。40代は「和風」好き, 「洋風」嫌いといった嗜好の変化が顕著に現われ, 次の50代, 60代に近い嗜好になる。50代, 60代は「和風」好みの点を除くと他の嗜好因子が全て嫌いとなる。(2) 食品に対して「好む」「好まない」の関係から嗜好の分岐年齢を検討した。嗜好の分岐年齢は「好まない」から「好む」に変化する際と, 「好む」から「好まない」に変化する際の2つ存在する。前者は20代から30代の間に多く存在し, 後者は30代から40代の間に多く存在する。そして, これらの分岐年齢に最も大きく関係するものとして, 前者においては, 和風因子を構成する食品, 及び, 和風イメージの強い食品, 後者においては, 洋風因子を構成する食品, 及び, 洋風イメージの強い食品をあげることができる。次に, 3, 4節においては地域と嗜好の関係を論じ, 嗜好因子からみた地域の特徴を捉え, 又, 嗜好因子を構成する42食品の地域間の「好む」「好まない」の関係から地域間の嗜好の類似を捉えた。即ち, (3) 北海道は「アルコール」好き, 東北は「アルコール」「酸味」好き, 関東は「洋風」「スパイス」好き, 北陸は「洋風」「スパイス」嫌い, 東海は「洋風」「スパイス」「こってり」のいずれも嫌いな地域, 近畿は「甘味」「スパイス」好きであり, 中国・四国は「洋風」「甘味」「スパイス」「アルコール」と嫌いなものの多い地域である。興味のある点としては, 地域では「好き」で特徴を示す北海道, 東北, 関東, 近畿と, 「嫌い」で特徴を示す北陸, 東海, 中国・四国とに2分されたことである。このことは, 筆者らが前報において, 地域別の好みの偏り度から, 関東は積極的な好み傾向をもつ地域, 北陸, 中国・四国は好きな食品が少なく, 嫌いな食品の多い比較的保守的な好み傾向をもつ地域, と述べたことに当然一致し, その内容を嗜好因子から捉えたことになる。(4) 地域間の嗜好の類似性を見るために, 2地域間共, 全国平均に比較して「好む」又は, 「好まない」とされた食品の数を算出し, その数の多い地域を嗜好の似ている地域, 数の少ない地域を嗜好の似ていない地域とした。嗜好の似ている地域として, 北海道-東北, 北陸-東海があげられた。嗜好の似ていない地域としては東北-東海, 関東-東海, 関東-中国・四国があげられた。
著者
柳川 協 高橋 史
出版者
岡山大学
雑誌
研究集録 (ISSN:04714008)
巻号頁・発行日
vol.109, pp.75-86, 1998-11
著者
甲斐 倫明 遠藤 章 高橋 史明 佐藤 薫 伴 信彦
出版者
大分県立看護科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

CT診断からの臓器線量計算を行うWebシステムWAZA-ARIにおいて、年齢と体型の個人差を考慮できるシステムに拡張したWAZA-ARI 2を開発した。未成年はフロリダ大学で開発した年齢別ファントムを用いた。成人体型の違いを計算するために、日本人の標準体型からBMIで2倍の標準偏差だけ外れるやせ型、2倍と5倍の標準偏差だけ外れる肥満型のファントムを皮下軟組織のみを変形することでファントムを構築した。また、実際の臨床で得られたCT画像をもとにボクセルファントムを構築し、臓器線量の個人差を実際の体型ごとに計算し、体型と臓器線量の関係を導いた。有効直径が体格の指数として利用できることがわかった。
著者
伊東 賢生 川瀬 敬三 平田 修 柳瀬 龍二 加藤 貴史 高岡 昌輝 日下部 武敏 高橋 史武
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第33回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.397, 2022 (Released:2022-11-30)

廃水銀の中間処理・処分方法に関しては廃水銀を硫化設備で硫化し、硫化水銀の固化体を処分すると定められている。筆者らは、水銀廃棄物の埋立手法を確立するため、埋立地における水銀の環境リスクを低減させる最適条件として、黒色硫化水銀のセメント固化体を準好気性埋立地の中層部(非滞水部)に処分する手法を提案した。そこで、水銀廃棄物の埋立処分において、さらに水銀の流出リスクの低減化手法を確立させるため、水銀廃棄物固化体に注目し、作成手法の異なる3種類の固化体(改質硫黄固化体、エポキシ樹脂固化体、低アルカリセメント固化体)を用いた埋立実験を2020年7月より開始した。その経過20ヶ月間の浸出水への水銀流出は、水銀廃棄物固化体を実験槽中央部に埋立処分した場合、いずれの埋立手法においても、水銀流出率は0.000006%以下となり、固化体から浸出水への水銀流出はほとんどないと考えられた。
著者
山口 和子 高橋 史人
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.104-113, 1982-06-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
6
被引用文献数
1

In the previous study, by the application of multivariate analysis, seven preference factors for foodsregardless of attributive factorswhich gave influence on preference for foods were extracted and these factors were confirmed to play important roles for this preference.In this study, we have analyzed food preferences through crosstotaling attributiv e factors (such as age differences, living areas and occupations).The results were as follows:1. Even though the difference in food prefernces between men and women is scanty, this difference between the ages of 30 years old and 40 years old is conspicuous in both sexes. Therefore, it become possible to conclude that a turning point for food preferences lies in their 30's in both sexes.2. As to Japanese style cooked foods, there is also the difference of preference and men prefer proteinous foods and women prefer rather cereals.3. Though younger people prefer western-style foods, various kinds of snacks and desserts, older people (over 50's) prefer tradional Japanese foods.4. As to the regional difference of food preferences, people in Tokai district are moderate and resemble to the average of all over Japan; those in Kanto district select various foods indiscriminately; those in the Hokkaido, Chugoku, Shikoku and Kyushu districts are conservative in their food likes and also dislikes; Those in Kinki district show extreme tendencies for both their likes and dislikes; and those in Tohoku and Hokkaido show no definite preferences.5. When the trend of food preferences is compared with groups of same age, there are some differences for this preference between occupational groups, and the professional technical workers do the selection of foods more positively than the laborer do.6. In conclusion, the food preferences are greatly affected by age groups and little by groups of sex, living areas or occupations.
著者
高山 智史 高橋 史
出版者
日本スポーツ心理学会
雑誌
スポーツ心理学研究 (ISSN:03887014)
巻号頁・発行日
pp.2017-1606, (Released:2017-07-14)
参考文献数
87
被引用文献数
3 2

There has been an increasing interest in the psychological aspects of sports performance and treatment strategies known as sport mental training (SMT). The effects of SMT and its underlying processes have been examined on the basis of cognitive behavioral theories mainly in Western countries. However, only a few studies of SMT based on cognitive behavioral theories have been conducted in Japan. In this paper, we outline the features of the cognitive behavioral theories and organize the relationships between transition of these theories and SMT techniques. Finally, we discuss the future directions of SMT research in Japan.
著者
川合 覚 石原 優吾 笹井 貴子 高橋 史成 桐木 雅史 林 尚子 山崎 浩 平石 秀幸 千種 雄一 Satoru Kawai Yugo Ishihara Takako Sasai Fuminari Takahashi Masashi Kirinoki Naoko Kato-Hayashi Hiroshi Yamasaki Hideyuki Hiraishi Yuichi Chigusa
雑誌
Dokkyo journal of medical sciences (ISSN:03855023)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.189-192, 2013-10-25

埼玉県在住の男性・64 歳.2012 年11 月初旬,近医で日本海裂頭条虫症の診断を受け,駆虫目的で本院消化器内科を紹介受診.外来で駆虫治療したところ,全長約250 cm の白色紐状で,全体的に肉厚感のある虫体を排出した.虫体は形態学的特徴より日本海裂頭条虫ではなく,クジラ複殖門条虫が強く疑われたため,遺伝子解析を行った.PCR によって増幅されたcytochrome c oxidase subunit 1 遺伝子(cox1)の全長塩基配列を解析したところ,既知のクジラ複殖門条虫の塩基配列と99%の相同性を示したことから,本症例はクジラ複殖門条虫症と確定した.該当患者は,便に白色紐状物が混入する2〜3 か月前に,生シラスを生食しており,これが感染源となった可能性が高いと考えられた.
著者
高橋 史
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.105-114, 2017-05-31 (Released:2017-10-30)
参考文献数
19

本報告では、価値の明確化と行動活性化を中心とした治療によって症状緩和と生活改善が見られた、出産をきっかけにうつ病となったクライエントの治療経過を報告した。30代女性のクライエントに対して、1回60分、計22回のセッションが実施された。2回目面接において価値のワークが導入され、作成された価値リストに基づいて行動活性化が進められた。治療の結果、抑うつ症状の指標であるBDI-IIは29点から13点、特性不安の指標であるSTAI-Tは58点から38点、心理的柔軟性の指標であるAAQ-IIは19点から30点へと改善した。また、クライエントにとって価値に沿った行動である手料理を作る行動の回数は、1日あたり0.7回から2.1回へと増加した。以上の経過から、産後うつ症状を示すクライエントに対する価値の明確化と行動活性化手続きの併用効果が示された。
著者
杉山 智風 髙田 久美子 伊藤 大輔 大谷 哲弘 高橋 史 石川 利江 小関 俊祐
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
pp.20-047, (Released:2022-09-06)
参考文献数
22

本研究の目的は、高校生を対象に問題解決訓練を実施し、抑うつ、活性化、回避に及ぼす介入効果を明らかにすることであった。あわせて、問題解決訓練の実施前後にかけての活性化/回避の変化によって、抑うつに対する介入効果に差異がみられるか、検討を行った。本研究では、高校生1年生253名を対象として、1回50分の問題解決訓練を実施した。その結果、対象者全体において抑うつ得点、活性化得点、回避得点の有意な変化は示されなかったが、活性化/回避の機能的変容が生じた可能性のある群において、抑うつ得点の有意な低下が示された。このことから、抑うつ低減において、問題解決訓練による問題解決スキルの習得だけではなく、対処行動の促進と強化子の随伴の重要性が示唆された。
著者
高橋 史宜
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.117, no.6, pp.F7-F13, 2010

After giving a review of recent cosmic-ray observations such as PAMELA, ATIC/PPB-BETS, Fermi and H.E.S.S, I explain what kind of conditions must be met if the PAMELA/Fermi excesses are due to dark matter. Finally I will give one dark matter model based on a Wino LSP with a tiny R-parity violation.
著者
永野 君子 松沢 栄子 大塚 慎一郎 高橋 史人 山中 正彦 山口 和子 熊野 昭子 小森 ノイ 菅 淑江 竹内 厚子 下志万 千鶴子 大野 知子 長谷川 孝子 西岡 葉子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.133-141, 1987
被引用文献数
1

肉, 魚, 卵, 豆腐, 牛乳を主な材料とする料理13種の作り方と伝承傾向の調査を, 全国8地区17都市に居住する女子, 昭和55 (1980) 年3,252名, 昭和57 (1982) 年3,094名を対象に実施した。<br>1) 伝承された時期は, 10歳代後半と20歳代前半が多く, 次いで20歳代後半であった。和風で古典的イメージの強い伝統的料理は20歳代, 普及年数の浅い洋風・中国風料理は30歳代, 40歳以上を伝承時期としていた。<br>2) 伝承形態は, (1) 母を主とする家庭内伝承パターン, (2) 専門家, 活字を主とする家庭外伝承パターン, (3)"自然に覚えた"と家庭内伝承が半々の中間パターンの3つに分類され, それぞれの料理に特徴がみられた。<br>3) 料理の作り方は, どの食品についても素材からの手作りが60%と高く, 次いで加工材料・半調理材料導入である。調理済み料理の利用は11%の低い回答率にとどまっていた。<br>4) 家庭への普及年数が比較的浅い麻婆豆腐は, 料理の作り方によって伝承形態に著しい差がみられた。手作りは専門家, 料理本・料理カードによる伝承が高く, 調理済み料理の利用は商品の説明書が有意に高かった。
著者
高橋 史昭 一條 俊浩 高橋 千賀子 中村 行雄 上田 一之 足立 吉數
出版者
日本家畜衛生学会
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.123-129, 2011 (Released:2012-12-06)

黒毛和種繁殖牛飼養農場2戸において、イベルメクチン製剤(アイボメックトピカル(R); IVMT)を用いた消化管内線虫症駆虫による損耗低減プログラムを計画した。先ず、牛群全頭にIVMT0.5mg/kgを一斉に投与してから3カ月後に投与した。母牛には分娩1カ月前に1回、育成子牛には生後1ヵ月と6ヵ月齢の2回投与した。駆虫プログラム実施後に子牛においては、1)生時体重の増加傾向、2)生後2週齢までの下痢、生後30日前後からのコクシジウムによる血便の発生の減少が認められた。また、3)生後3ヵ月前後からの呼吸器疾患の発症も減少した。これに伴い4)牛群全体の病傷事故発生数の減少と、それにともなう支払共済金も減少した。即ち、母牛および子牛に対する計画的イベルメクチン製剤投与駆虫の実施によって子牛における下痢および呼吸器疾患の発生を抑制させることができた。