著者
高橋 博之 宮崎 正弘
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第49回, no.人工知能及び認知科学, pp.33-34, 1994-09-20

文字音韻変換処理は一般の単語については辞書を用いて行われる。しかし、数詞は表記が無数に生成できるため、全表記を辞書に収録することはできない。そのため、数詞は別処理で音韻付加する必要がある。日本語における数詞の表記は、算用数字表記、漢数字表記に加え両者の混ぜ書きも行われるなど多様である。本稿ではこれら多様な表記の数詞を処理するための可読性、拡張性に富むルールを提案し、その有効性を示す。
著者
五十里 翔吾 高橋 英之
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2019-HCI-181, no.8, pp.1-4, 2019-01-14

習慣による考えや行動の自動化は,考えの固着や道徳規範の軽視を引き起こすことがある.このような自動化状態から脱するためには,習慣的運動を攪乱することで 「非日常感」 を創り出すことが有効であると考えた.この仮説を検証するための予備的検討として,まず日常的運動の一つの指標として歩行周期に注目し,背景での聴覚刺激の呈示により歩行周期を撹乱できるか調べた.その結果,刺激の一定周期での呈示では変化しなかった歩行周期が,被験者の歩行周期にある程度追従する相互作用的な刺激の呈示では変化する傾向がみられた.この結果は,我々の運動と相互作用する聴覚刺激の提示は日常的運動を攪乱できるという可能性を示唆する.このような日常的運動の攪乱は,より高次の思考や行動の 「非日常感」 の創発につながるのではないかと期待している.
著者
浦辺 幸夫 小林 寛和 高橋 久美子 川野 哲英
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.355-360, 1988-07-10 (Released:2018-10-25)
被引用文献数
1

大腿直筋やハムストリングスは股関節と膝関節にまたがる二関節筋であり,その作用はこれまでに多く報告されている。しかし,膝関節と足関節にまたがる二関節筋としての腓腹筋の作用については,ほとんど注意がなされていなかった。今回は,Cybex IIを用いた膝関節の等速度性運動のなかで,足関節背屈による腓腹筋の伸張が,膝関節運動にどのような影響をもたらすか,筋トルクや筋電積分値について分析した。これらの結果をもとに,スポーツ活動における動作にどのように二関節筋が関与しているか検討を加え,スポーツ外傷の受傷機転やそのリハビリテーションの留意点について言及する。
著者
高橋 孝喜 桑田 昇治 徳永 勝士
出版者
東京大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1992

1991年秋に行われた国際組織適合性ワークショップのデータに関して、特に地域差、民族差の観点から解析した。また1992年9月には、シベリアバイカル湖畔のブリアート族におけるHLA調査も行った。これらの結果に加え、昨年までの成果を考え合わせると、東アジアにおいていくつかの特徴的なHLAハプロタイプが異なる分布パターンをとっていることが示された。このような複数のパターンが見られることの解釈として、東アジアにおける民族移動が単純なものでなく、いくつかの異なる先祖集団が異なる時代に異なったルートを経て移住拡散してきた可能性が高いと考えられる。特に日本人の起源と形成過程に関しては、モンゴル周辺や朝鮮半島付近に源を発する民族の影響が主体を成し一部には中国南方の集団からの影響もあったものと推定された。1)B52-DR2を高頻度にもつ集団が中国北方より朝鮮半島を経て北九州や近畿地方に移住してきた。2)B44-DR13で特徴付けられる集団が、朝鮮半島付近より北陸地方などの日本海沿岸に到った。3)B54-DR4を持つ集団は、中国南部に発して、南西諸島や九州四国、本州の太平洋岸に達した。4)B46-DR8をもつ集団はその遠祖が中国南部にあり、朝鮮半島経由かあるいは直接に北九州に到達した可能性が考えられる。今後もより広範かつ詳細な調査を進めて、以上の仮説を検証する必要がある。
著者
高橋 美加
出版者
日本私法学会
雑誌
私法 (ISSN:03873315)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.64, pp.184-190, 2002-04-30 (Released:2012-02-07)
著者
高橋 大輔
出版者
日本農業経済学会
雑誌
農業経済研究 (ISSN:03873234)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.9-22, 2015-06-25 (Released:2017-07-06)
参考文献数
45

本稿は,速水佑次郎によって提唱された「農業調整問題」の観点から,日本農業の構造調整と技術進歩・価格政策・農地政策との関わりについての議論を行う.主な結論は以下のとおりである。第1に,生物化学的技術進歩が需要の壁によって停滞する中で,機械学的技術進歩によって生まれた規模の経済性が,農地流動化の制約によって労働土地比の減少につながらなかった.第2に,米の生産調整をはじめとする現行の価格政策は,所得移転の効率性が低い上に構造調整を阻害してきた.第3に,構造調整を進める上で中心的な論点は農地政策であり,農地の取引費用を考える上では公式・非公式の制度の役割について考慮するべきである.アジアで最初に先進国段階に達した日本は,農業調整問題の解決策について,ポジティブな実証研究と政策提言を発信するべきである.
著者
高橋(松鵜) 甲枝 井上 範江 児玉 有子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.3_58-3_66, 2006-09-20 (Released:2011-09-09)
被引用文献数
4 2

本研究は,高齢者夫婦二人暮らしの介護がどのように継続されているかについて示唆を得るため,介護継続の意思を支える要素と妨げる要素の二つの側面から介護する配偶者の内的心情を探求した.その結果,介護継続の意思を支える要素は,『やりがい』,『被介護者への愛着』,『慈愛の気持ち』,『献身的な思い』,『被介護者への恩義』,『安心感』,『気晴らしがあること』,『負担に思わないこと』の8つのカテゴリーが抽出された.『被介護者への愛着』は『慈愛の気持ち』とともに『献身的な思い』という自己犠牲の感情を支えていると考えられ,『やりがい』は介護継続の意思を直接的に支えていると考えられた.一方,介護継続の意思を妨げる要素は,『いらだたしさ』,『閉塞感』,『不安感』,『諦めの気持ち』,『孤独感』,『周囲への気兼ね』の6つのカテゴリーが抽出された.『いらだたしさ』は直接的に介護継続の意思を妨げる要素だと考えられた.介護者は,夫婦二人暮らしの中で,『諦めの気持ち』から生じたやらざるを得ない気持ちと『献身的な思い』とのせめぎあいの中で介護を行っていることが推察された.看護職は,介護者自身が介護の効果を確認できるように関わり,自己犠牲の思いにつながる負担を軽減することの必要性が示唆された.
著者
高橋仁太郎 編
出版者
高橋仁太郎
巻号頁・発行日
vol.巻1, 1898
著者
上川 紀道 對東 俊介 高橋 真 関川 清一 濱田 泰伸
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.200-203, 2016-08-31 (Released:2016-09-15)
参考文献数
20

咳嗽は気道内分泌物や異物を除去する生体防御機構であり,肺炎などの呼吸器感染症,痰の貯留による無気肺や気道閉塞などの改善や予防のために重要な役割を担っている.随意的な咳嗽力の指標として咳の最大流量(Cough peak flow: CPF)がある.CPFは排痰能力や嚥下機能と関連性が高いことから,神経筋疾患患者や高齢者の症状の悪化や病態の進行を反映する指標として使用されている.CPFに影響を与える因子として肺気量,呼吸筋力,声門閉鎖能力,測定時の姿勢,体圧分散マットレスであるエアマットレスの硬さが報告されている.これらの因子を個別に評価し,可能な限り身体の機能を維持し,環境を改善することが有効な咳嗽を発生させるために重要である.
著者
高橋 伸治 佐々木 康成
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングレビュー (ISSN:24350443)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.48-57, 2020-03-04 (Released:2020-03-04)
参考文献数
5
被引用文献数
1

「移動者」とは通勤や通学で移動中の生活者のことで,本研究では主に鉄道を利用して通勤する「移動者」を対象とする。その「移動者」は鉄道利用者であり,駅ナカや駅チカで買物をする消費者であり,OOHや交通広告のオーディエンスであるが,駅周辺の商業環境が益々充実化し,またスマートフォンやデジタルサイネージの普及により移動中の情報環境が急激に変化する中,潜在ショッパーとしての「移動者」,コミュニケーションターゲットとしての「移動者」が重要な存在になってきている。本研究の狙いはそういった「移動者」の行動特性と心理特性を捉え,それを駅や駅周辺施設のサービス向上や「移動者」との効果的なコミュニケーション手法の開発に結びつけることである。
著者
高橋 和宏 山路 雄彦 白倉 賢二
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Cb0507, 2012

【はじめに、目的】 インピンジメント症候群の原因は様々であるが,インピンジメント症候群者を対象とした上肢挙上の研究では肩関節回旋筋腱板や肩甲胸郭関節での前鋸筋,僧帽筋の筋機能低下,肩甲骨運動異常などが報告されている.また,インピンジメント症候群のリスクとして,挙上速度の速い上肢挙上があげられている.臨床ではそれらに加え,体幹の機能低下を認めることも多い.腹部筋群の筋活動は,背臥位に比べ立位にて増大し,特に内腹斜筋や腹横筋で増大すると報告されている.上肢挙上に関する体幹機能としては,feedforwardに関する研究は多く報告されている一方,上肢挙上運動中に伴う腹部筋群の筋活動についての報告はあまりみられない.本研究では健常者を対象に,異なる挙上速度において上肢挙上中の腹部筋群の筋活動を調査し,安静立位時の腹部筋群の筋活動と比較検討することを目的としている.【方法】 神経学的および整形外科的に既往のない健常男性20名(平均年齢26.4±3.5歳)を対象とした.矢状面上での右上肢挙上を課題とし,測定には筋電図(WEB-5000)と三次元動作解析装置(VICON612)を用いて,サンプリング周波数1080Hzと60Hzとで同期させた.対象筋は,両側の外腹斜筋(EO),内腹斜筋(IO),腹直筋(RA)とした.赤外線反射マーカーは右肩峰,右肘頭に貼付した.挙上速度は,fast(最大速度),natural(至適速度),slow(6秒間かけての上肢挙上)の3段階とした.各挙上速度ともに3回ずつ測定を行った.筋電図の分析には安静時(rest)および各挙上速度での上肢挙上開始から挙上150°までの平均RMSを用い,各筋の最大等尺性収縮時のRMSを100%として正規化し,%RMSを求めた.統計学的検定にはDunnettの方法を用いて,restを対照群として,fast,natural,slowの各群との比較を行った.有意水準は5%とした.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は群馬大学医学倫理委員会で承認を得て実施した.研究実施の際は,本研究の趣旨を書面にて対象者に説明し,同意書に署名を得たうえで行った.【結果】 右EOはrest7.4±5.3%,fast18.1±7.9%,左EOはrest7.4±4.8%,fast23.6±18.9%,右IOはrest10.2±5.0%,fast32.7±26.5%,左IOは11.0±6.6%,fast25.1±20.1%,右RAはrest6.2±3.5%,fast12.9±8.8%,左RAはrest6.8±4.5%,fast13.3±9.4%であった.両側EO,右IOにて,fastではrestに対し有意な差が認められた.一方,natural,slowではrestに対し有意な差は認められなかった.【考察】 Hodgesらは挙上速度の速い上肢挙上では,上肢運動による反力や姿勢変化による重心移動をコントロールするために,feedforwardとして体幹筋群が先行して働くことを報告している.今回,fastにおいて腹部筋群の筋活動が安静時に比べ有意に高くなっていた理由としては,上肢挙上中も身体への反力や重心移動が大きく生じ,それをコントロールするために,肩関節周囲筋群のみでなく腹部筋群の筋活動も必要となったと考えられる.一方,natural,slowでは腹部筋群の筋活動は安静時比べ差がないため,肩関節周囲筋群の筋活動がより重要であると考えられた.今回の結果より,速度の速い上肢挙上では,腹部筋群の筋活動が必要であることが示唆された.【理学療法学研究としての意義】 スポーツ動作など最大速度を必要とする際には,腹部筋群を含めたアプローチが重要となってくると考えられる.一方,至適速度での上肢挙上では,安静時と比べ腹部筋群の筋活動が変化しないため,肩関節や肩甲胸郭関節の局所的なアプローチが重要となると考えられる.
著者
高橋明雄著
出版者
北海道新聞社
巻号頁・発行日
1999