著者
藤原 一平 青木 浩介 中嶋 智之 高橋 修平
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2018-04-01

今年度までの主な研究実績は以下の通り。ー 国際的な資金の流出、流入が日常化する経済では、中央銀行は、インフレ率の安定に加えて、金融不均衡(その結果として生じる産出量の大幅変動)の是正、をも考慮して、政策を決めなくてはならない。金融取引がグローバル化するもとで、金融政策、および、マクロ・プルーデンス政策のあり方についての研究を進め、景気に応じて税率などを変化させるマクロ・プルーデンス政策の有効性を確認した。ー 大国の政府債務が国際流動性として需要される背景には、保険市場が完全でないため、政府債務が安全資産として、その保有を通じて、ありうべきリスクから生じる損失が小さいものとなることが考えられる。このため、不完備市場において、どのような財政政策が、リスク・シェアリングを改善するかについての理論的理解にも努めた。また、不完備市場における均衡を求める数値計算能力(すなわち、プログラミング能力)も向上させた。ー 国際的な流動性需要の背景には、高齢化といった構造要因がその背後に存在するため、高齢化が進展する国では、どのようなメカニズムが、その国の貯蓄・投資バランスに影響を与えるのかの理解にも努めた。ー リスクが存在するもとで、実体経済変数と金融資産のポートフォリオを同時に決定する手法の習得にも努めた。ー どのような状況において、政策協調のゲインが存在するかについての知識を深めるとともに、国際的な政策協調、非協調のもとでの均衡を求める手法の習熟にも努めた。
著者
高橋 寛治 加藤 京一 石田 秀樹 崔 昌五 中澤 靖夫
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.137-144, 2011-02-25 (Released:2011-03-29)
参考文献数
6
被引用文献数
1

A study of a method of taking X-rays of the shoulder joint axis when the upper arm is fixed and cannot be rotated. When the shoulder joint has suffered damage, rotating the arm can be very painful, and obtaining accurate images of the axis is frequently difficult. For this reason, at this hospital, the Stockinette-Velpeau procedure is used on patients who cannot rotate their arms to have X-rays taken. In this procedure, the patient bends backwards at a 40-degree angle, and an X-ray of the shoulder joint axis is taken from directly below the joint. Using this method, even if the upper arm is hanging down, information regarding the direction of the axis can be obtained. However, maintaining this body position is difficult and requires assistance. The patient may also experience pain. For this reason, a new method was sought of X-raying the axis from a body position that is easier on the patient and by which diagnostic information on the axis direction can be obtained from patients who cannot rotate their upper arms. The result of seeking a new method was an X-ray that can be taken diagonally at a 25-degree angle relative to the shoulder joint socket. This X-ray method requires no rotation of the axis and provides the closest view of the axis. This new method suggests a way to X-ray the axis that is easy on patients even when the shoulder joint is damaged.
著者
齋藤 康人 柳澤 千香子 押見 雅義 鈴木 昭広 礒部 美与 高橋 光美 洲川 明久
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.14, pp.21-27, 2007 (Released:2007-05-15)
参考文献数
24

肺癌術後心肺合併症に影響する因子や術後離床日数及び在院日数との関係について術式別に検討した報告は少ない。今回我々は一側肺全摘除術患者の術前・術中因子が術後心肺合併症に影響するか,また,術後心肺合併症の有無が術後離床日数及び在院日数に影響したかを検討した。対象は当センターで肺癌による一側肺全摘除術を施行し術前術後リハビリテーションを行った連続42例とした。対象を術後心肺合併症非合併群(N群)と心合併症群(C群),肺合併症群(P群)に分類し,術前・術中因子,術後離床日数・在院日数を比較した。術前・術中因子の比較では術側,N群とC群との間での麻酔時間,N群とP群との間でのFEV1.0%に有意な差が認められた(p<0.05)。術後離床日数・在院日数の比較ではN群とC群との間で術後離床日数に,N群とP群との間で術後在院日数に有意な差が認められた(p<0.05)。以上より,手術中の不整脈や循環不全などにより麻酔時間が延長した症例やFEV1.0%が低下している症例では,慎重かつ重点的な術前術後リハビリテーションアプローチが必要と考えられた。また,C群では術後離床までの日数が遅延していたことから,今後は心合併症症例に対する術後リハビリテーションプログラムや実施基準について長期的に検討していきたい。
著者
仲島 佑紀 小林 雄也 高村 隆 岡田 亨 戸野塚 久紘 高橋 憲正 菅谷 啓之
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.78, 2011

【目的】<BR>少年期の野球肘内側障害(以下、内側型野球肘)において、一般に画像上の異常所見により長期の投球禁止となる場合が少なくない。当院では早期より理学療法を施行することで安静期間の短縮を図ってきた。本研究の目的は少年期の内側型野球肘における、画像所見の違いによる競技復帰への影響を調査することである。<BR>【対象】<BR>2005年1月から2010年8月までに当院を受診した小中学生野球選手で内側型野球肘と診断され、競技復帰までの経過観察が可能であった症例のうち、明らかな画像上の異常所見を認めなかった144例をN群、内側上顆骨端核の裂離を有していた248例をS群とした。画像所見における分類は、当院放射線技師により撮影された初診時X線所見を主治医が診断したものを用いた。医師の指示の下、全例初診時より投球禁止と共に理学療法を直ちに施行した。なお、上腕骨小頭離断性骨軟骨炎の合併例は除外した。<BR>【方法】<BR>N群、S群における競技完全復帰率を算出した。さらに両群を完全復帰群(C群)、不完全復帰群(I群)に分類し、N-C群・N-I群・S-C群・S-I群の初診時と復帰時における身体機能の群内比較を行った。、次に復帰時の身体機能、ならびに復帰までの期間N-C群とN-I群、S-C群とS-I群で比較した。身体機能は肘関節可動域、肩甲帯機能(CAT・HFT)、股関節機能(SLR・HIR・HBD)評価を用いた。統計学的処理にはMann-Whitney U検定、Wilcoxon符号順位検定を用いた。なお本研究には当院倫理委員会の承認を得て行った。<BR>【結果】<BR>完全復帰率はN群82%、S群87%であった。N-C群、S-C群においてCAT・HFT・SLR・HIRが初診時よりも有意に改善していた(p<0.01)。N、S群ともにC群がI群に比しCAT・HFT・SLR・HIRが有意に大きかった(p<0.05)。復帰までの期間はN-C群:7.0±4.4週、N-I群:3.1±2.7週、S-C群:7.8±4.5週、S-I群:3.8±4.7週であった。<BR>【考察】<BR>今回の調査では画像所見にかかわらず競技完全復帰は7~8週で80%以上が可能であった。内側型野球肘の投球禁止期間は緒家により様々だが、安静期間における身体機能改善を目的とした理学療法アプローチは、競技復帰への重要な要素であるといえる。I群は機能改善が不十分かつ復帰までの期間が短く、コンプライアンスの悪い例であったと考えられる。競技復帰において画像所見は必ずしも影響するとは言えず、身体機能も含めた包括的な評価により投球再開を医師とともに協議し、症例に呈示していく必要があると思われる。
著者
吉富 淳 高橋 毅 佐藤 篤彦 中村 浩淑 妹川 史朗 須田 隆文 千田 金吾
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.150-153, 1998-03-25 (Released:2016-10-01)
参考文献数
10

アルカリ性洗浄剤の誤嚥による気道浮腫の気管支鏡所見を経時的に観察しえた。症例は89歳女性で, 1996年6月17日に自殺企図にて家庭用洗浄剤ドメスト^[○!R](pH約12, 1%水酸化ナトリウム, 5%次亜塩素酸塩を含有)を飲み嘔吐, 誤嚥をきたし, 3時間後に当院救急外来を受診した。気管支鏡検査では, 咽喉頭から気管支までの粘膜の著明な発赤, 浮腫と白苔の付着を認めた。声門が開存していることから, 気管内挿管はせず様子をみた。翌日の気管支鏡検査では気道内に白色粘稠分泌物が増加しており, 中枢気道粘膜の生検では粘膜下にリンパ球を主体とする炎症細胞浸潤が存在した。bronchial toiletを施行し, ステロイド, 抗生物質, H2ブロッカーの投与等を行い, 気道閉塞や食道狭窄に陥ることなく軽快した。
著者
高橋 ひとみ 柳沢 幸江
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成29年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.194, 2017 (Released:2017-08-31)

【目的】調理技能レベルの異なる熟達者と初心者の調理行動を分析し、技能、調理操作、調理の段取りの相違点を明らかにすること、また同じ料理を繰り返し作ることによって起こる調理行動の変化をとらえることを目的とした。さらに、熟達者と初心者の知識獲得の違いから考察を行った。【目的】対象者は、熟練者として栄養士免許等を持つ女性8名と初心者として調理経験が少ない女子大学生8名とし、豚肉のしょうが焼き(つけあわせ・せん切りキャベツ)、ほうれん草のお浸しの2品を2回調理した。調理行動は総移動距離、ゆで時間等の調理操作の時間を求め、できあがった料理の肉、ほうれん草の硬さやキャベツなどの形状を測定した。さらに、対象者に半構造的インタビューを行い、知識・意識の分析を行った。【結果】熟達者と初心者で有意差がみられた項目は、調理時間、レシピを見た時間、総移動距離、キャベツのせん切り時間、キャベツのせん切り太さ、ほうれん草のゆで時間、ほうれん草の硬さの項目であった。キャベツの太さは、熟達者では1回目、2回目調理でほとんど変化がないが、初心者は1回目4.67mm、2回目調理3.96 mmと有意に細くなった。初心者は「気づき」(メタ認知)が起こり、太さに変化が起きたが、せん切りの時間が長くなった者が多く、技能が身についたとは考え難い。お浸しのほうれん草も初心者は、軟らかいという「気づき」はあったものの、ゆで時間など調理操作の変更し、硬さを変えることはなかった。また、調理操作を12ブロックの段取りにまとめ分析した。熟達者は1回目、2回目調理でほとんど変化がなかった。初心者は1回目調理の段取りはレシピに記載の順で行った者が多かったが、2回目調理では、より効率的で、料理がおいしく仕上がる熟達者の段取りに近づいていった。
著者
米山 陽子 平尾 和子 濱西 知子 高橋 節子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成17年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.54, 2005 (Released:2005-09-13)

【目的】玄米飯ならびに玄米桜飯を家庭用炊飯器により、加水温度を変えて短時間で炊飯する方法を検討した。玄米は吸水率が低く浸漬が必要であるが、浸漬時間を短くする目的で玄米に熱湯を加えて炊飯する方法と水で1時間浸漬後炊飯する方法を比較した。また、玄米の種類ならびに加水温度の違いが物性および食味特性に及ぼす影響について検討した。【方法】試料玄米は低アミロース米「たきたて」と「あきたこまち」の2種を用いた。玄米450gを洗米水切り後、National IH炊飯器 SR-A10Fに入れ熱湯を加え直ちに炊飯する場合(熱湯法)および水に1時間浸漬した後炊飯する場合(水浸漬法)の2種について比較した。加水量は1.8倍とし、桜飯の調味料は塩、醤油および酒を炊飯直前に加えた。飯の物性は改良型テンシプレッサーによる低・高圧縮2バイト法を用いて、集団粒法にて測定を行った。官能評価は加水温度の異なる玄米2種の飯および桜飯について評点法を用いて行った。【結果】物性測定において、「あきたこまち」は熱湯法が水浸漬法に比べてこし・粘りがある飯となり、桜飯においては付着・粘りがある飯となった。「たきたて」は玄米飯、桜飯ともに加水温度による差は認められなかった。官能評価の結果から「たきたて」の玄米飯は光沢・色・粘り・のみこみやすさがあり、硬さがないと評価され、嗜好において光沢・色の項目で「あきたこまち」よりも好まれた。「たきたて」の桜飯では光沢・ねばり・のみこみやすさがあり、硬さがないと評価され、嗜好では光沢・味・硬さ・弾力・粘り・のみこみやすさおよび総合評価の7項目において好まれた。しかし、玄米飯、桜飯ともに熱湯法と水浸漬法の差は特性評価、嗜好ともに認められず、熱湯法による炊飯は時間短縮が可能と考えられた。
著者
鎌田 貢壽 内田 満美子 竹内 康雄 高橋 映子 三宅 嘉雄 佐藤 直之 児玉 哲郎 山口 建
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.165-170, 1995-02-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
15

肺小細胞癌患者の優れた腫瘍マーカーであるガストリン放出ペプチド前駆体 (proGRP) 濃度測定系を開発し, 各種疾患および腎機能障害時の血中動態について検討した.対象は, 健常人, 肺小細胞癌患者, 慢性糸球体腎炎患者, 糖尿病患者, 慢性関節リウマチ患者, 全身性エリテマトージス患者, 腎機能障害患者, 非透析期および透析期腎不全患者とした. サンドイッチELISA法で血清中のproGRP濃度を測定した.腎機能が正常である慢性糸球体腎炎患者 (n=14), 糖尿病患者 (n=16), 慢性関節リウマチ患者 (n=9), 全身性エリテマトージス患者 (n=12) の血清proGRP濃度は, 健常人基準値46pg/ml以下にとどまった.肺小細胞癌患者の血清proGRP濃度は, 16名中14名 (87.6%) で46pg/mlを越え, 16名中10名 (62.5%) で250pg/mlを越えた. 腎機能障害患者では, 血清クレアチニン値が1.6mg/dlを越えると, 血清proGRP値が異常値を示し, 血清proGRP値 (Y: pg/ml) と血清クレアチニン値 (X: mg/dl) との間には, Y=23.5+13.6X (R=0.82, p<0.001, n=22) の正の相関を認めた. 血清proGRP値と血清尿素窒素値との間にも同様の相関 (R=0.76, p<0.001, n=22) を認めた. 末期腎不全患者の血清proGRP値の最高値は, 228pg/mlであり, 血液透析中の経時的低下を認めなかった.血清proGRP濃度の測定は, 肺小細胞癌患者の診断に有用であるが, 46-250pg/mlの血清proGRP異常値を示す患者では, 腎機能を考慮して評価する必要がある.
著者
小平 秀一 尾鼻 浩一郎 高橋 成実 三浦 誠一 高橋 努 山本 楊二朗 末次 大輔
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

北米・太平洋岸のカスカディア地震発生帯は、南海トラフと同様に比較的若い海洋プレートの沈み込みに伴う巨大地震発生帯であり、M9クラスのプレート間巨大地震が発生したことが知られている。双方の沈み込み帯の比較研究を目的として海底地震計を用いた地震観測をカナダ・バンクーバー島沖の北部カスカディア地震発生帯で実施した。観測の結果、カスカディア地震発生帯浅部の地震活動は、南海トラフに比べても極めて低く、1700年の地震以降プレート間固着が完全に回復している事を示している可能性があるとともに、プレート境界の構造的な不均質性が極めて低いことを示していると考えられる。
著者
高橋 樟彦
出版者
Japan Society of Corrosion Engineering
雑誌
防食技術 (ISSN:00109355)
巻号頁・発行日
vol.23, no.11, pp.557-572, 1974-11-15 (Released:2009-10-30)
参考文献数
83
被引用文献数
1
著者
豊島 泰子 鷲尾 昌一 高橋 裕明 井手 三郎 荒井 由美子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.390-398, 2012 (Released:2014-04-24)
参考文献数
15

目的 新型インフルンザ(A/H1N1)流行シーズンにおける小中学校の児童•生徒のインフルエンザ罹患状況,インフルエンザワクチン接種状況,保護者のワクチン接種行動について検討する。方法 三重県の一学校法人学園に通学する小学生(440人),中学生(493人)の保護者に対し,2010年 9 月,無記名の調査用紙を学級担任より,児童•生徒に配布し,自宅で,保護者に児童•生徒に関する情報を記入,担任に提出してもらった。2010/2011シーズンにワクチン接種予定の児童•生徒と非接種予定の児童•生徒の保護者の回答を比較した。結果 2009/2010シーズンでは小学生の70.8%,中学生の55.2%の児童•生徒が,季節性•新型ワクチンのいずれかまたは両方を接種していた。2010/2011シーズンでは小学生の72.4%,中学生の55.8%が,ワクチン接種をする予定であった。2009/2010シーズンでは55.0%の児童•生徒がインフルエンザに罹患し,その97.2%が抗インフルエンザ薬の投与を受けていた。2010/2011シーズンに子どもにワクチン接種をする予定の保護者は非接種予定の保護者に比べ,2009/2010シーズンに子どもがワクチン接種をした割合,子どもが風邪をひきやすい体質である割合,子どもに兄弟姉妹がいる割合,2009/2010シーズンに保護者自身がワクチン接種をした割合が多かった。一方,2009/2010シーズンの子どものインフルエンザ罹患や同居家族のインフルエンザ罹患,高齢者の同居はワクチン接種意向とは関連を認めず,保護者の意識や保健行動が児童•生徒のワクチン接種と関係していた。保護者の64.9%が学校で,児童•生徒へのインフルエンザワクチン接種が行われることを希望していた。結論 新型インフルエンザの流行は,翌シーズンである2010/2011シーズンにおける児童のインフルエンザワクチン接種予定者率の上昇につながっていた。小学生の保護者は,子どもが風邪を引きやすい体質がある場合はワクチン接種を行うと考えていた。  また,保護者の64.9%が学校でワクチン接種が行われることを希望していた。子どものワクチン接種意向は2009/2010シーズンの罹患とは関係なく,保護者自身のワクチン接種と関係しており,接種率の向上には保護者の意識を変えるか,保護者自身が子どもを医療機関に連れて行かなくてもインフルエンザワクチン接種ができるようにすべきと考えられた。
著者
福島 浩史 高橋 精一郎 宮原 寿明
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.245-249, 2010 (Released:2010-05-27)
参考文献数
18
被引用文献数
4 1

〔目的〕人工膝関節置換術後の自動介助練習と他動練習の練習方法の違いが膝関節可動性と疼痛に及ぼす影響を評価すること。〔対象〕人工膝関節の機種,術者,術式が同一の関節リウマチ患者34名。〔方法〕被検者を無作為に自動介助群17名と他動群17名に分けて理学療法を提供した。理学療法の時間・回数・量は統一した。測定項目は他動屈曲角度,他動伸展角度,120度獲得日数,CPM日数,練習時疼痛とし,各々の群間あるいは群内比較を行った。〔結果〕群間比較は他動屈曲角度,120度獲得日数,CPM日数,練習時疼痛で有意差が認められた。群内比較は他動屈曲角度,他動伸展角度で有意差が認められた。全測定項目で自動介助群では他動群と比べて良好な改善傾向がみられた。〔結語〕自動介助練習は膝関節の可動性改善と練習時疼痛の軽減により効果的であるが,適用者には理学療法士の十分な説明と指導が必要である。可動域の改善と疼痛軽減が効果的に得られる練習方法と各々の練習方法については科学的根拠に裏づけされる必要がある。
著者
高橋 隆
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.189-209, 2000-02-28 (Released:2018-07-20)

National Health Insurance (NHI) was introduced in 1995 as the first universal medical insurance system in Taiwan. Before that, there existed sixteen medical insurance programs, which covered only a small part of the population. The reason for the lack of the universal system can be attributed to the existence of conflict with Mainland China and the decision by the Kuomingtang, Taiwan's long-term dominant party, to give top priority to economical development, rather than social development. However, the establishment of universal system became one of the political agendas through the democratization process since mid-1980's. In 1997, Taiwan government planned to cut costs by privatizing and pluralizing of NHI. KMT and the Democratic Progressive Party (DPP), the opposition party, have agreed on the privatization of state-owned enterprises so far, but it may take years to reform the NHI because both the national and international politics concerning Taiwan have been very unsteady. In this article, I conclude that the attempt of Taiwan's pluralism will be increasingly demanded by changing civil society and political party systems of Taiwan and the relationship with Mainland China.