著者
岩下 敦子 高橋 裕司 河村 幸雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.89, no.11, pp.869-872, 1994-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
18
被引用文献数
2 2

日本人の国民的な食品の味噌あるいは味噌汁の生理的機能については, 1986年平山の味噌汁摂取頻度と胃がん死亡率の疫学的調査を始めとして多岐に亘る多くの研究が進められ, それらの初期のものについては本誌85巻に解説がある。本稿では最新の諸研究, 特に著者らの専攻する血圧調節機能を中心に解説していただいた。
著者
山田 浩司 野口 明徳 高橋 秀和
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.306-312, 1996-03-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
9
被引用文献数
14 22

ゼインの溶液およびフィルムについて,アルコール系とアセトン系との比較を,レーザー散乱型粒度分布測定装置,FT-SEM, FT-NMR,赤外吸収スペクトル,CD, SAXSを用いて行った.その結果,ゼインフィルムの耐水性の有無については次のモデルを提唱できると考える.アセトン系とエタノール系ではゼイン分子の集合状態が明らかに異なり,アセトン溶液中では,分子表面に疎水性アミノ酸がより多く分布していたために分子間の相互作用が強い.そのため一旦分子同志が集合し始めると,その速度および結合力はエタノール系に比べて大きく,集合体の稠密度も高い.この凝集過程において構築される構造体がフィルム形成の最小単位と考えられ,したがって,アセトン系フィルムは水と接した場合,水との作用に抗して構造を維持する力が大きく,且つ水と馴染み易い領域の少ない構造状態となる.そのため,可撓性はやや低い値をとるが,水に対する抵抗性は大きな値を示すようになる.
著者
山元 ひかり 入鹿山 容子 石川 有紀子 滑川 由紀子 根本 剛 田中 大夢 高橋 元樹 柳沢 正史
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学会年会要旨集 第93回日本薬理学会年会 (ISSN:24354953)
巻号頁・発行日
pp.1-SS-05, 2020 (Released:2020-03-18)

Loss of orexin-producing neurons in the lateral hypothalamus causes the chronic sleep disorder narcolepsy-cataplexy. Narcoleptic humans suffer from two major symptoms, excessive sleepiness and cataplexy in the active phase, and these symptoms in mouse models are manifested as sleep/wakefulness fragmentation and SOREMs (direct transitions from wakefulness to REM sleep), respectively. The neuropeptides orexin-A (OXA) and orexin-B (OXB) act on two receptors orexin type-1 receptor (OX1R) and orexin type-2 receptor (OX2R). Orexin receptor agonists are expected to be of potential value for treating human narcolepsy. Here, to confirm the fundamental strategy aimed at improving narcoleptic symptoms, we examined the association between orexin receptor subtypes and these symptoms by intracerebroventricular (ICV) administration of the OX2R-selective agonist [Ala11, D-Leu15]-OXB in orexin knockout mice. OXA and [Ala11, D-Leu15]-OXB similarly decreased the number of SOREMs. Further, transition frequencies between NREM sleep and wake states in narcoleptic model mice were similarly decreased. We confirmed in vivo that [Ala11, D-Leu15]-OXB did not activate OX1R-expressing LC noradrenergic neurons by Fos staining. Therefore, OX2R-selective agonism is sufficient to ameliorate narcoleptic symptoms, both cataplexy and fragmentation of wakefulness in model mice. Activation of LC noradrenaline neurons expressing OX1R are not essential for suppression of these symptoms.
著者
岡本 匡史 山内 徹 矢野 駿太郎 黒瀬 直孝 川北 貞夫 高橋 康次郎 中村 輝也
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.94, no.10, pp.827-832, 1999-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
9
被引用文献数
3 4

(1) 清酒中の溶存酸素の保存中での消費速度はビンの色によって異なり, 無色透明ビンのような光透過量の多いビンに詰めた清酒の溶存酸素は速く消費された。(2) 光透過量が多い容器では, 溶存酸素を低減させることにより日光着色を顕著に抑制できた。しかしながら, 日光臭が強く発生して品質が悪くなった。(3) 光透過量の少ない褐色ビン, 黒色ビンおよび緑色ビンの場合, 初発の溶存酸素濃度が従来清酒と同程度 (3.2ppm) であれば, 保存中に老香, 雑味, 着色が増加した。また, 低すぎる (0.7PPm) と苦味, えぐ味および日光臭が発生した。これらの結果から, その間の溶存酸素濃度の中に品質維持に最適な濃度が存在するものと考えられた。(4) 最適な溶存酸素濃度は褐色ビンと黒色ビンでは2.0 ppm前後, 緑色ビンでは2.0 ppmよりも高いところにあり, この溶存酸素濃度に清酒を調整して詰口を行うことによって, 詰口時の品質を流通段階で長く維持できると考えられた。
著者
高橋 泉
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.1-8, 2013-11-20 (Released:2017-03-27)
被引用文献数
1

本研究の目的は、家族レジリエンスの概念を分析し、病気や障害を抱える子どもの家族支援におけるこの概念の有用性を検討することである。分析方法は、Rodgersの概念分析アプローチを用い、「Family Resilience」、「家族レジリエンス」をキーワードとして検索し、属性、先行要件、帰結に関する記述について内容を分析した。分析の結果、概念の属性は、「家族の相互理解の促進」、「家族内・家族外の人々との関係性の再組織化」、「家族の対処行動の変化」、「家族内・家族外の資源の活用」「家族の日常の維持」であった。先行要件は、「家族の危機的状況」、「永続的なストレス」であった。帰結は、「家族機能の新しいパターンの確立」、「家族の成長」であった。分析結果から、家族レジリエンスの概念の定義とモデルケースを提示し、病気や障害を抱える子どもの家族支援において有用な概念であることが明らかになった。
著者
高橋 亨 棟方 充 大塚 義紀 佐藤 敦子 本間 行彦 川上 義和
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.723-727, 1995-07-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
14

特発性間質性肺炎 (IIP) の急性増悪症例におけるウイルス感染の関与を血清抗体価・喀痰封入体検査から検討した. 当科に入院したIIP 105名のうち急性増悪(1ヵ月以内に自覚症状の増悪, PaO2 10 Torr以上の低下, 胸部レ線像の悪化のすべてを満たすもの) を呈した症例を対象とした. 経過中にウイルス抗体価の4倍以上変動を認めたか, 喀痰ウイルス封入体を証明したかの, いずれかの例をウイルス関与ありとした. これらの症例につき, 関与したウイルス, 臨床像などを検討した. 急性増悪例は全IIP患者の27% (28例) であった. ウイルス関与ありは増悪例の39% (11例) であった. 関与したウイルスは Influenza: 6例, Parainfluenza: 1例, Adeno:1 例, Herpes simplex: 1例, RS: 1例, Cytomegalo: 2例であった. ウイルス関与群は非関与群に比べ, 増悪前の血清IgA値が有意に低値であった (p<0.05). これらの結果から, 急性増悪では血清IgA低値と関連したウイルス感染の可能性がある.
著者
瀬戸 芳一 福嶋 アダム 高橋 日出男
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.223-232, 2019
被引用文献数
1

<p>本研究では,夏季の関東地方南部を対象として,風向の定常性を示す定常度や風向の日変化に着目し,都市の気温分布とも密接に関連する局地風系の交替時刻の地域分布を検討した.日中と夜間との風向変化が内陸で明瞭な海陸風日を抽出し,定常度の変化から判断した交替時刻の等時刻線を描いたところ,日中には海風前線に対応する海岸線に平行した等時刻線の内陸への進行が認められた.一方,夜間の陸風への交替は海風よりも進行速度が遅く,翌5時においても東京都区部の大部分では陸風への交替がみられなかった.東京都区部など海岸に近い地域ほど,1日を通して南寄りの風が卓越し陸風が到達しない日数の割合が大きく,特に東京湾岸では海陸風日のうちの約60%を占めた.そこで,海陸風日の中で沿岸部まで陸風が到達した日について改めて交替時刻を求めたところ,陸風への交替は海陸風日よりも早く,翌5時には東京都区部のほぼ全域において陸風への交替が認められた.</p>
著者
高橋 一行
出版者
明治大学政治経済研究所
雑誌
政経論叢 (ISSN:03873285)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.809-835, 2009-03
著者
高橋 一行
出版者
明治大学政治経済研究所
雑誌
政経論叢 (ISSN:03873285)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.339-364, 2009-03
著者
高橋 一行
出版者
明治大学政治経済研究所
雑誌
政経論叢 (ISSN:03873285)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.349-376, 2008-03
著者
高橋 君平
出版者
日本中国語学会
雑誌
中国語学 (ISSN:05780969)
巻号頁・発行日
vol.1964, no.142, pp.10-16, 1964
著者
高橋繼男編
出版者
汲古書院
巻号頁・発行日
2009
著者
小松原 孝夫 眞柄 慎一 小林 悠 放上 萌美 皆川 雄介 岡崎 実 遠山 潤 高橋 幸利
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.254-259, 2019 (Released:2019-10-26)
参考文献数
18

Rasmussen脳炎 (Rasmussen encephalitis; RE) は, 主に小児期に発症し, 慢性局在性脳炎をきたす自己免疫性疾患である. 通常, 一側性のてんかん発作を初発症状として発症し, 数年の経過を経て対側大脳半球の進行性萎縮と痙性片麻痺が徐々に顕在化する. 今回てんかん発作が先行せずに発症した非典型REの4歳6か月女児例を経験した. 痙性片麻痺で発症し, 一側大脳半球の進行性萎縮を認め, 診断基準3項目中2項目を満たしたためREと診断した. 補助診断として, 髄液中抗グルタミン酸受容体抗体が強陽性を示し, 髄液granzyme B濃度の有意な上昇を認めた. メチルプレドニゾロンパルス療法, 経静脈的γグロブリン療法が病態の改善に有効であった. 同様の症例はヨーロッパコンセンサス研究でRE with delayed seizures onsetとして紹介されている. 過去の報告と同様に, 本例の経過からは, REでは自己免疫反応が先行し, のちに慢性的な大脳障害を来すことが示唆された. REの特に病初期においては, てんかん発作を伴わない症例が存在することに注意が必要である.
著者
石本 巳四雄 高橋 龍太郎
出版者
東京帝国大学地震研究所
雑誌
東京帝國大學地震研究所彙報 = Bulletin of the Earthquake Research Institute, Tokyo Imperial University (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.427-458, 1930-12-16

Du 14 Fevrier 1930 an 22 Avril de la meme annee, an grand nombre de seismes ont eu lieu dans la region d'Ito, ville d'eaux situee au bord oriental de la presqu'ile d'Idu. Dans le but d'etudier le mouvement de la croute terrestre a l'occasion de ces seismes, on a installe un paire de pendules horizontaux (clinographes de silice fondu, inventees par le Prof. M.Ishimoto) a Ito afin d'observer les variations de l'inclinaison de la surface terrestre; les observations ont etc effectuees a, partir du 12 Mars. De plus, le 19 Mars une installation iclentique a ete faite a Kawana et les deux observations ont ete poursuivies jusqu'au 30 Juiri. La sensibilite du clinographe a Ito etait reglee de facon a donner 1 cm. de deviation pour 1 seconde d'inclinais-on, tandis que la sensibilite du clinographe a Kawana et les deux fois plus grande que celle du clinographe d'Ito. Les clinographes etaient installees dans des caves creusees dans la masse de scorie volcanique.
著者
高田 嘉尚 高橋 浩二 中山 裕司 宇山 理紗 平野 薫 深澤 美樹 南雲 正男
出版者
昭和大学・昭和歯学会
雑誌
昭和歯学会雑誌 (ISSN:0285922X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.68-74, 2006-03-31 (Released:2012-08-27)
参考文献数
11

本研究は嚥下音と呼気音の音響特性を利用して嚥下障害を客観的に鑑別することを目的として企画されたものである.対象は嚥下障害を有する頭頚部腫瘍患者26名である.VF検査中嚥下音ならびに嚥下直後に意識的に産生した呼気音をわれわれの方法によって採取し, 嚥下と呼気産生時の動態のVF画像とともにデジタルビデオレコーダーに記録した.嚥下音と呼気音の音響信号はわれわれの音響解析コンピュータシステムによって分析を行い, 嚥下音については持続時間を計測し, 呼気音については1/3オクターブバンド分析により, 中心周波数63Hzから200Hzまでの6帯域の平均補正音圧レベルを求めた.嚥下音と嚥下後に意識的に産生した呼気音92サンプルずつについて, これらの分析が行われ, VF所見との比較が行われた.その結果, 嚥下音の持続時間では, Abnorma1群 (誤嚥あるいは喉頭侵入のVF所見を示した群) はSafety群 (前記のVF所見のない群) に比べ, 持続時間が延長する傾向がみられ, 呼気音の補正音圧レベルでは, Abnorma1群はSafety群に比べ, 音圧レベルが大きい傾向を示した.次に嚥下障害を鑑別するために嚥下音の音響信号の持続時間の臨界値として0.88秒を設定し, 同様に呼気音の音響信号の補正音圧レベルの臨界値として17.2dBを設定した.嚥下音と呼気音の分析値の両者がともにこれらの臨界値を超えた場合, そのときの嚥下は障害があると評価した.これらの評価とVF所見との判定一致率は感度82.6% (38/46), 特異度100% (46/46), 陽性反応的中度100% (38/38), 陰性反応的中度85.2% (46/54), 判定-致率91.3% (84/92) となった.以上の結果より嚥下音の持続時間と呼気音の補正音圧レベルは嚥下障害を検出するために利用できることが示唆された.
著者
高橋由市 画
出版者
[ ]
巻号頁・発行日
vol.「栃木県」(図版20枚), 1885