著者
末吉 悦代 濱田 暁子 出口 弦舞 大薗 洋 高橋 晴奈 内川 研
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.186-189, 2006-03-20 (Released:2011-10-07)
参考文献数
15

多様な病態を呈し, リハビリテーションをすすめる上で考慮する点の多い頚髄損傷患者に対する, 当院での作業療法を紹介する.訓練開始時期においては, 安定した座位姿勢を作りながら机上での作業といった機能訓練を行い, 日常生活動作としては食事や整容動作の獲得を目指す. 活動性が向上する時期では, 動的なバランス訓練を行い, 日常生活動作としては, 複合的な更衣, 移乗, 排泄動作などを行っていく. また, 近年増加傾向にある不全頚髄損傷では, 移動能力を把握することと柔軟性の低下した身体に根気よくアプローチすることがポイントである. 高齢頚髄損傷では合併症を呈する割合が高く, 特性を踏まえた対応が求めれる. また, 家族に対しても身体的, 精神的な負担を考慮しながらサポートしていく必要がある.
著者
栁澤 千香子 押見 雅義 鈴木 昭弘 齋藤 康人 高橋 光美 鹿倉 稚紗子 洲川 明久
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1117, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに】当センターは高度専門医療を担っており一般病棟268床の他,第二種感染症指定医療機関として51床の結核病床を有する。結核患者に対してのリハビリ介入も行っており,理学療法部の24年度新規依頼件数1223件のうち結核患者27件であり,全件数の2.2%を占めている。結核患者の理学療法実施にあたり,N95マスクを装着し他患者との接触を避けるため隔離病棟でのベッドサイド対応で感染予防を行っている。N95マスクの使用頻度は高いが,装着方法についてはマニュアルに記載されている程度で十分教育されてはいない。N95はフィルターの性能を示すものであり,装着後のマスクと顔の密着性は保証されていないため,米国では最低年1回のフィッティングテスト実施を勧告している。感染リスク抵減のため,N95マスクの正しい装着方法をマスターする事・自分の顔に合うマスクを見つけることを目的として,フィッティングテストを行う事が必要である。今回リハビリ部門において,N95マスクを使用しての定量的フィッティングテストを施行し教育効果の検証を行った。【方法】対象は当センターのリハビリスタッフ7名(PT6名・リハ医1名)。N95マスクは2種類使用した(マスクA:3M三つ折りマスク,マスクB:KOKENハイラック350型)。定量的測定は,労研式マスクフィッティングテスターMT-03型を使用(大気じんを使用してマスク内外の粉じん量の測定により漏れ率を測定)した。漏れ率5%以下で適合すると判定した。1回目の測定は,全員にマスクAを通常使用している方法で装着してもらい行った。2回目の測定は非適合の者に対し装着の方法・息の漏れがないか確認するためのユーザーシールチェック方法の指導後行った。3回目の測定は全員にマスクBを使用して行った。1回目の測定の際,装着方法が正しいか・ユーザーシールチェックを行えているか観察した。また,アンケートを行い基本的な装着方法を知っていたか・N95マスクの交換頻度等について調査した。【説明と同意】対象者には施行内容について主旨の説明後,同意を得て実施した。またアンケートは個人情報に配慮した。【結果】1.マスクAでは7名中3名が適合した。適合者平均0.88%(0.7~1.11%)・不適合者平均7.97%(5.02~9.99%)であった。不適合者の指導後の再測定では全員適合であった(全体平均1.52%)。2.マスクBでは全員適合した。全体平均0.54%(0.38~0.88%)。3.観察にて装着そのものができていなかったのは2名・装着やユーザーシールチェックまでできていたのは4名であった。できていた4名のうち不適合は2名であった。4.アンケートでは,N95マスクの装着方法を知っているは2名・だいたい知っている4名・知らない1名であった。ユーザーシールチェックまで意識して行っているのは1名・行っていない(知らない)3名であった。N95マスクの交換頻度は毎日5名・1週間ごと2名であった。【考察】マスクAでの適合者は,ユーザーシールチェックを意識して行えていた者・無意識で行っていた者・装着もできていなかったが偶然顔の形で適合した者が1名ずつであった。マスクBでは,装着方法の指導後の結果であったため適合者が増えた結果となった。ユーザーシールチェックに関しては,4名が行えていた。意識して行っているのは1名で他は無意識で行っていた。無意識で行っていたうち適合したのは1名であり,しっかり意識付けして行う事が必要である。N95マスクの交換頻度は,使い捨てが原則であるが実際にはばらつきがあった。衛生面でも統一した知識の共有が必要である。当センターでは,N95マスクを3種類採用しているが装着感のみで自己選択している現状である。しかし1種類のもので検証した結果,適合の割合は個々の顔の形や大きさにより8~9割程度のみとの報告もある。自分にフィットする製品を知っておくことも必要である。アンケートより今回定量的測定を行った事で,漏れを数値で確認でき客観的にわかりやすかった・結果が良かったので安心した・ユーザーシールチェックを行うことで,漏れる場所のポイントが分かり漏れが改善した等の反応があった。国内での結核罹患率は欧米諸国と比べると依然として高く,未だ年間2万1千人以上が新規に登録されている。また結核病床を有する病院での医療従事者の結核罹患率は,一般の発生率の3倍とされている。感染予防のためにも正しいN95マスクの装着方法について継続的な教育が大切である。【理学療法学研究としての意義】N95マスクの装着に関して定量的なフィッティングテストを行う事で,視覚的に正しい装着方法を学習できる。感染リスク軽減のために正しいマスクの装着についての教育・啓発は必要なことであると考えられる。
著者
高橋 哲哉 Tetsuya Takahashi
雑誌
神学研究 (ISSN:05598478)
巻号頁・発行日
no.63, pp.1-14, 2016-03-20
著者
高橋 堅 千田 佑介 丸山 智栄 佐々木 幸絵
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0647, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】訪問リハビリ(以下「訪問リハ」)では要支援1から要介護5までの回復期から生活期の利用者が対象となり,個々の利用者が目標とする機能や活動も広範囲に及ぶ。そのため,定型評価を行う場合,病院や老健で一般に使用されている評価指標で利用者の運動機能・能力・生活活動(以下「生活機能」)の変化を定量的にとらえるのは難しい。当院では院内研究で,当時使用していた定期・定型評価指標では利用者の生活機能の変化を数量化できていないことを明らかにし(2011),次年の院内活動で新たな生活機能評価指標を調査検討しBedside Mobility Scale(以下BMS),機能的自立度評価法(以下FIM),E-SAS,豊浦フェイスアナログスケール(以下T-FAS*)を併用することとした(2012)。今回の研究活動の目的は,決定した新たな生活機能評価指標を実際に運用し,当院訪問リハでの使用が妥当かどうかを検証することである。(*T-FAS:フェイススケールとVASを応用した当院独自の利用者による自己評価指標)【方法】当院訪問リハ利用者のうちPT・OTが介入している全利用者を対象とし,7か月間指定の評価指標(BMS,FIM,E-SAS,T-FAS)を運用した。並行して,当院のリハ科スタッフによりデルファイ法*を用いて各評価指標が適当かを判断するための評価項目を決定した。①評価時間②再現性③訪問リハの目標との関連性④全体像の把握に役立つか⑤状態変化が数量変化として表れるか⑥目標の達成度が家族・本人にわかりやすいか,の6項目で,これらにより各評価指標を5段階評価した。再びデルファイ法を応用し,5段階評価-討論-再評価を期間をおいて3度繰り返して各評価指標の運用妥当性を検証した。(*デルファイ法:意見を聞くべき人に自由に討論してもらった結果をフィードバックしながら結論を詰めていく方法)【結果】4つの評価指標の検証結果として,BMSでは「評価時間が短く,再現性が高い」「目標との関連性の低い対象者も多い」「天井効果で変化が現れない対象者も多い」となった。FIMでは「評価時間が長く家族・利用者にわかりにくい」「全体像の把握に役立つ」「目標との関連性は対象者による」「天井効果・床効果で変化が現れない対象者も多い」となった。E-SASは「評価項目が多く,項目によっては評価時間が長い」「目標との関連性は対象者による」「床効果で変化の現れない対象者も多い」「検者間の再現性が得られにくい」となった。T-FASは「簡便で利用者・家族にもわかりやすい」「心理面の変化も数量変化として表れる」「説明の仕方で再現性が左右されやすい」「目標との関連性は高いが全体像の把握には不向き」「利用者・家族の主観的評価として使用できる」となった。【考察】評価指標の運用方法は,3か月ごとにT-FASで目標生活機能についての自己評価をしてもらい,同時に利用者の生活機能レベルに応じてBMS,FIM,E-SASの中から目標に適合した指標を選び客観的評価を行うのに加え,訪問開始時と終了時には全員にFIMも使うというものである(2012)。今回この方法を運用してみると,FIMとT-FASの組み合わせでは,FIMで低かった評価項目をT-FASで補うことができ,BMSとT-FASの組み合わせでは,BMSの低かった評価項目をT-FASで補うことができることが示された。E-SASとT-FASの組み合わせでは,どちらも全体像の把握がしづらく再現性が低かったが,FIMを加えることで全体像の把握ができ再現性が得られていることが示された。これらより,個々の評価指標で見ると十分ではない評価項目もあるが,各評価指標を組み合わせて使用することで評価項目をすべて満たすことが示された。また,T-FASを使うことで,これまで行われてこなかった「患者報告アウトカム(PRO)」による評価も行われた。これらのことから,現在使用している生活機能評価指標とその運用方法が,当院訪問リハにとって妥当であると考えられる。今後は評価実績を積み,データベース化することで当院訪問リハの効果検証に繋げていきたいと考えている。また,個々の利用者に対してFIM,BMS,E-SASのような客観的な生活機能評価と,T-FAS,E-SASの一部のような主観的な生活機能評価の結果を比較して,定期的に行っているリハ目標の見直しにも役立てていきたい。【理学療法学研究としての意義】定型的評価でのアウトカムの数量化が難しい訪問リハの効果の有無を,複数の評価指標を併用することによってある程度明確に示せることが示唆された。この運用方法は,訪問療法士にとってはより質の高いリハビリの遂行につながり,同時に,対外的には訪問リハの効果を示すことが可能なツールになると思われる。
著者
亀田 徹 高橋 功
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.587-593, 2012-03-31 (Released:2012-06-11)
参考文献数
14

【目的】付属器疾患に対する携帯型装置を用いた経腹超音波検査(携帯経腹超音波)の有用性の検討。【対象と方法】下腹部痛を主訴に救急外来を受診した15~50歳の女性患者で携帯経腹超音波を施行された46例のうち,救急外来で確定診断がなされたか,後に専門外来を受診した32例について検討した。【結果】32例中付属器疾患は15例でその内訳は,出血性卵巣嚢胞5例,卵巣腫瘍4例,内膜症性嚢胞3例,卵管妊娠1例,卵管留膿腫1例,付属器炎1例であった。婦人科手術は9例に行われたが,そのうち8例(89%)は携帯経腹超音波で付属器病変,もしくは腹腔内出血を指摘できた。付属器疾患に対する携帯経腹超音波の精度は,感度87%,特異度94%,正確度91%であった。【結語】救急外来において携帯経腹超音波は付属器疾患の存在診断に有用で,婦人科以外の医師が利用する価値のある検査と考えられるが,その確証を得るにはさらなる検討が必要である。
著者
高橋 宏治
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.1116-1121, 2013-12-10 (Released:2018-04-25)
参考文献数
11
被引用文献数
1
著者
竹下 正哲 中西 一弘 高橋 丈博 蓑原 隆 前山 利幸 戸祭 克 益満 ひろみ 後藤 元
出版者
日本農作業学会
雑誌
農作業研究 (ISSN:03891763)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.183-194, 2018 (Released:2019-06-20)
参考文献数
50
被引用文献数
2

ドリップ灌漑はヨーロッパ,イスラエルなどを中心に世界に普及しているが,日本では全灌漑地の2%でしか使用されていない.その理由は,日本は四季を通じて十分な降雨があるため,露地栽培でドリップ灌漑は必須ではないとみなされてきたためと考えられる.本研究では,降雨が十分にある日本の露地において,ドリップ灌漑を導入することで,ピーマンの単位面積あたり収量を増加させることができるのではないかという仮説を検証した.「ドリップ灌漑の有無」「固形肥料・液体肥料の違い」の2要因を設定し,そのどちらが影響しているか,あるいは交互作用があるかを検証するために,ピーマンを用い,二元配置の分散分析実験を行った.結果は,「固形肥料・液体肥料の違い」に関わらず,ドリップ灌漑をした試験区の方が,ドリップ灌漑をしなかった試験区(天水のみ区)より収量(生重量),乾燥重量,着果数が増加した.とくに収穫量が落ちてくる9,10月の収量が,ドリップ灌漑区で多くなっていた.その差の要因は多頻度灌水にあると考えられ,日本の露地のように十分な降雨がある耕地においても,ドリップ灌漑により毎日定期的に灌水することで,ピーマンの着果数を増やし,収量を増加させることができることが示唆された.
著者
吾郷 美奈恵 高橋 恵美子 岡安 誠子 小田 美紀子 小林 洋貴 山下 一也 Minae AGO Emiko TAKAHASHI Masako OKAYASU Mikiko ODA Hiroki KOBAYASHI Kazuya YAMASHITA
雑誌
島根県立大学出雲キャンパス紀要 (ISSN:2187199X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.35-43, 2019-12-25

A大学では,大学IRコンソーシアムの正会員となり,ベンチマーク可能な標準調査として位置づけられた学生生活調査を全学生に行い,教学IR(Institutional Research)の取組を推進している。今回の目的は、学生の授業経験・学習態度や能力・知識の獲得状況からA大学における看護教育の現状を明らかにすることを目的とした。また,その結果をIRコンソーシアムの基礎集計結果と比較し,A大学の特徴について検討する。回答のあった307票(協力率91.4%)について分析した結果,A大学看護学科の現状や大学IRコンソーシアム結果の比較から,次のことが特徴と考えられた。■全ての学年で主体的に学び,看護に役立つ知識やスキルを学ぶ授業を経験している。■ TAやSAの活用は難しい現状にあるが,教員が添削やコメントなど丁寧な授業運営を行っている。■授業態度は悪くはないが,各学年に一定程度の欠席,遅刻,居眠りはある。■能力・知識の多くを学年進行に伴って獲得しているが,外国語や数理的な能力・知識は増えていない。■授業態度が良く,能力・知識が増えた者は成績順位上位者である。我が国においては,看護教育の質評価・質保証に必要な資源(人・設備・費用)等,これから体制整備がされていく状況にあるが,IR機能に着目し,教育の質を客観的に保証するとともに,更なる教育改善の方策を見出すことが重要である。
著者
大島 千尋 佐藤 史奈 高橋 肇 久田 孝 木村 凡
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.168-175, 2019-12-25 (Released:2020-01-23)
参考文献数
15

ヒスタミンが多量に蓄積した食物を喫食すると,潮紅,頭痛,蕁麻疹などの症状を示すヒスタミン食中毒を発症する.本食中毒の防止および原因究明には,原因菌の特定が必須であるが,塩基配列決定による同定は操作が煩雑で解析に時間がかかるため,より簡便な手法が求められている.本研究では,ヒスタミン脱炭酸酵素をコードするhdcA遺伝子を対象として,高度融解曲線解析(High-Resolution Melting Analysis; HRMA)を用いた主要ヒスタミン生成菌の迅速同定法を開発した.はじめに,グラム陰性ヒスタミン生成菌のhdc遺伝子の配列から,種ごとに多様性が確認された配列部分にHRMA用のプライマーを設計し,HRMAを行った.まずTm Callingと呼ばれるPCR産物のTm値を測定するモードにより,Tm値の差からヒスタミン生成菌はA,B,Cの3グループに分類された.Aには陸生細菌であるMorganellaやEnterobacter, Raoutellaが属し,BおよびCには海洋性細菌であるVibrio属細菌やPhotobacterium属の細菌が属した.次に,グループAに分類された菌株についてのHRMAにより得られた融解プロファイルから,グループAに属するRaoultella属,M. morganiiおよびE. aerogenesは識別された.このことから,HRMAにより主要なグラム陰性のヒスタミン生成菌を簡易に同定することが可能であると示された.本法は,従来の塩基配列決定法と比べ,迅速かつ簡易にヒスタミン生成菌の種判別が可能である.
著者
藤田 信子 仙波 恵美子 行岡 正雄 寒 重之 柴田 政彦 高井 範子 堀 竜次 池田 耕二 高橋 紀代
出版者
大阪行岡医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は、線維筋痛症患者を対象とした短期集中型運動プログラムが、身体、認知、心理に与える影響を調査するとともに、脳内ネットワークの変化との関連性を検証することにある。平成31年3月までに合計13名の患者の運動療法、評価、計測を終了し、分析を行っている。2018年の第23回日本ペインリハビリテーション学会学術学会では、2演題を報告した。発表では高齢FM患者に対する短期集中型運動プログラムが疼痛、抑うつ、QOLの改善につながり、背外側前頭前野(DLPFC)の血流量の質的、量的な脳活動変化を伴ったこと、理学療法士が患者の不安傾向を踏まえ、運動内容を漸増的に行っていたことや規則正しい生活を守らせたことが運動療法の導入と継続につながったことを報告した。慢性痛改善に対する運動療法の効果(EIH)については、慢性痛患者の広範な脳領域の機能障害の発生機序と運動介入効果の機序を解明していくことが重要である。今年度、慢性痛における脳内ネットワークとEIHの機序について、第40回日本疼痛学会(仙波)、Nep Academy、17th World Congress on Pain(仙波)、第11回痛み研究会(仙波)で講演を行った。また、EIHに関する総説を大阪行岡医療大学紀要(仙波)、ペインクリニック(仙波)、Clinical Neuroscience(仙波)、日本臨床(藤田、仙波)、モダンフィジシャン(仙波)で執筆した。本研究のMRI画像の分析結果については、本研究の研究者間で情報共有のために研修会を開き、「線筋痛症に対する運動療法の効果のrs-fMRIによる検討」(寒)で運動プログラム介入前後の機能的結合について健康成人との比較、また患者の運動プログラム介入前後の比較でみられた頭頂葉や側頭葉の機能的結合の変化などが報告された。
著者
高橋 直矢 岡田 雅次 内藤 祐子
出版者
国士舘大学体育・スポーツ科学学会
雑誌
体育・スポーツ科学研究 = Kokushikan society of sport science (ISSN:18809316)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.31-37, 2015-03-01

The present study used the Diagnostic Inventory of Psychological Competitive Ability for Athletes(DIPCA.3)to compare and investigate the psychological competitiveness of college track and field athletes. The investigation focused on differences in national competition experience and total number of years of experience, and whether athletes had a warm-up routine.The following points were discovered as a result:1) High-level athletes who had participated in national competitions exhibited a significantly higher score than other players on two items(confidence and decisiveness).Athletes with long experience(10 years or more)exhibited significantly higher scores in terms of patience, self control, predictive ability, judgment, mental stability, and strategic ability than other athletes who had less experience.2) No difference was found in psychological competitiveness between athletes based on whether they had a routine.These results suggest that routine does not have the effect of improving competitive ability.