著者
山本 利一 鈴木 航平 岳野 公人 鹿野 利春
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.41-48, 2017 (Released:2017-09-10)
参考文献数
13

小学生を対象にした「プログラミング教育」は,日本国内では必修化に向け様々な取り組みが行われている.これまでの先行研究から,プログラミングを学習することで,ものごとを順序立てて考える訓練がなされ,論理的な思考力が身につくことが示されている.そこで本研究においては,小学校中学年を対象に,タブレットを用いたプログラミングを学習する指導過程について検討した.指導過程は4時間を設定し,ものごとを順序立てて考えることの大切さを学習するために行った授業実践を報告する.
著者
山﨑 けい子 初鹿野 阿れ
出版者
富山大学人文学部
雑誌
富山大学人文学部紀要 (ISSN:03865975)
巻号頁・発行日
no.66, pp.31-42, 2017

日本語教師養成のため,教育実習や模擬授業等の指導を行う立場として,日頃感じている印象がある。経験のない,あるいは浅い日本語教師を目指す者が,教師として授業を進める際に,教師と学習者の一対一のやり取りになりがちであるという点である。例えば以下のような例をみてみよう。 <教育実習生と学習者のやり取りの例> 教育実習生:Aさん, 昨日何をしましたか. 学習者A :昨日::, テレビを見ます. 教育実習生:(.)見ました. 学習者A :見ました. 教育実習生:はい, そうです. 教育実習生が「Aさん, 昨日何をしましたか」と指名質問し,学習者Aが「昨日::, テレビを見ます」と答え,そこに教育実習生が誤りを認識しても,遅れがちに訂正をする。学習者Aが「見ました」と繰り返して理解を示すと,「はい, そうです」と評価のみをする。その周りの学習者たちはただ聞いているだけでこのやり取りの外に置かれ,教師はクラス全体に対応することにはなっていないという点である。ベテランの日本語教師であるならば,「はい, そうです」ではなく,「はい, 昨日, テレビを見ました」と繰り返し,耳から入れるインプットの量を増やし理解を確実にしようとすることもあるだろう。加えてその後,コーラスでその他の学習者に繰り返しを求めるかもしれない。 本稿の目的は,教師主導の活動において日本語学習者の発話の誤りに訂正を加えるという,基本的な授業会話の技術に着目し,経験のある日本語教師がどのように行っているのかを詳細に示すことにある。そのために,教師が,日本語学習者の発話の誤り(発話,文法,語彙など)に対して,訂正を開始,訂正,終了する,一連のやり取りを,会話分析的手法を利用し示したい。
著者
鹿野 和彦
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.50, no.Special, pp.S253-S272, 2005-12-20 (Released:2017-03-20)

This paper gives a brief review on the gravity flows sourced from volcanoes on land and under water. Pyroclastic flows are supported by internal gas and the air incorporated during flowage and run out a long distance as density currents. Ash-cloud umbrella is a special case of density current and the particle fallout from the umbrella is a transition to a dilute, pyroclastic density current. Subaqueous equivalents of pyroclastic flows are supported by internal gas and/or the water incorporated during flowage and are thus interpreted as either subaqueous pyroclastic flows in the strict sense or eruption-fed density currents. Debris avalanches and lahars are also important elements of volcaniclastic gravity flows both on land and under water. These pyroclastic and volcaniclastic gravity flows are thought to transform into traction-dominated flow, particle dispersion-dominated flow (grain or granular flow), fluid escape-dominated flow, or debris flows during flowage in response to the changes mainly of flow velocity, particle concentration, and shear stress. The details of these processes still remain in debate. The role of the heat in pyroclastic density current and subaqueous eruption-fed density current is a future subject to be solved.
著者
岡本 博 矢田 祐之 堀内 佐智雄 鹿野田 一司
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

分子内あるいは分子間のπ電子の移動が分極の起源である電子型有機強誘電体(TTF-CA、α-(ET)2I3、クロコン酸)を対象とし、テラヘルツ電場パルスによるサブピコ秒の強誘電分極変調に初めて成功した。また、TTF-CAの常誘電相にテラヘルツ電場を印加することにより、サブピコ秒の時間で強誘電相の約20%の巨大分極を誘起できることを明らかにした。このような高速高効率の分極応答は、電子型誘電体に特有のものであることを示した。本研究で実証したテラヘルツパルスによる分極制御法は、高速の光変調や光スイッチに応用できるものであり、今後、基礎、応用両面からの研究の進展が期待される。
著者
鹿野政直著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1983
著者
灰井 康佑 牧野 仁 鹿野 恭平 互 梨奈 金山 智子 諸角 元二
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.21-26, 2016 (Released:2016-12-20)
参考文献数
12
被引用文献数
2

2006年4月から2015年4月にかけて、多発性頸部椎間板ヘルニアを起こした体重10 kg以下の小型犬種19例に対し、連続した背側椎弓切除を行ったところ、術後に一過性の症状の悪化は認められたものの、全例にて歩行は改善し(平均8.5±4.72日)、合併症は認められなかった。2例のみ術後約3ヶ月経過したところで頸部痛を呈したが、保存療法にて改善した。以上のことから、小型犬種の頸部多発性椎間板ヘルニアに対する連続背側椎弓切除は有効な手術手技であると思われた。
著者
市橋 直樹 中谷 明美 中野 一郎 鹿野 由紀子 前田 学 森 俊二
出版者
Japanese Dermatological Association
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1, 1991

37歳,女性.左手に軽い瘙痒を伴う辺縁隆起性紅斑出現.遠心性に拡大し数日で消退.同様な紅斑が全身に出没するようになり,他に,関節痛,朝の両手指こわばり感,両眼瞼腫瘍出現,精査加療のため入院.抗核抗体高値,低補体血症,免疫複合体高値,抗SS-A抗体陽性,抗SS-B抗体陰性.Sjogren症候群などを考え,生検.表皮基底層に液状変性なく,真皮上層の血管周囲に核塵形成を伴ったリンパ球を主体とする細胞浸潤を認めた.同部の免疫蛍光染色は,真皮表皮境界部に沿って顆粒状に抗IgG抗体陽性.抗IgA抗体も同様に陽性.以上より蕁麻疹様紅斑で初発したSLEと診断.尿検査成績より腎障害を疑い腎生検を行ったところ,全体として基本構造の改築,メザンギアル領域の拡大を認め,びまん性糸球体腎炎の像を呈していた.腎組織の免疫蛍光抗体染色では,毛細血管からメザンギアル領域にIgGの沈着を認めた.
著者
関本 英彦 戸田 智基 猿渡 洋 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.221, pp.37-42, 2006-08-23
被引用文献数
4

携帯電話が普及するにつれて,「いつでも」「どこでも」コミュニケーションができるようになった.携帯電話を使うことがとても便利である反面,外部雑音の影響により,正しい内容を受聴できない問題がある.例えば,人ごみの中といった騒音による影響のため,小声でプライベートな会話ができない.本稿では,外部雑音に頑健な非可聴つぶやき(Non-Audible Murmur: NAM)マイクを用いた小声(Small Body Transmitted Ordinary Speech: SBTOS)によるコミュニケーションを考える.NAMマイクで収録された音声(肉伝導音声)は外部雑音に頑健である反面,こもった音声になり,聞き取りが困難である.そのため,混合正規分布モデル(Gaussian Mixture Model: GMM)を用いた声質変換技術により音質改善を行う.その際に,SBTOSから通常音声へと変換(SBTOS-to-SP),また小声へと変換(SBTOS-to-SSP)を検討する.入出力間における有声無声の一致率を調べたところ,SBTOS-to-SSPはSBTOS-to-SPよりも一致していることがわかった.客観,及び主観評価実験の結果,SBTOS-to-SSPはSBTOS-to-SPより優れていることがわかった.
著者
鹿野 たか嶺 柳川 久 野呂 美紗子 原 文宏 神馬 強志
出版者
「野生生物と社会」学会
雑誌
野生生物保護 : Wildlife conservation Japan (ISSN:13418777)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.39-46, 2010-03-01

We studied the effectiveness of electronic deer whistles in scaring away sika deer that are likely to run onto roads, resulting in accidents. These whistles have been used in the U.S.A. and other countries. In this study, two types of deer whistles were tested: one that has a continuous tone with a fixed frequency (Whistle A) and the other that has an intermittent tone with a modulated frequency (Whistle B). To assess the effectiveness of the whistles in alerting deer, the deer's reactions to the whistles were observed by blowing the whistle from a fixed place that is visible to the deer when they appear by the roadside. For the control sample, deer's behavior when no whistle was blown was observed. When no whistle was blown, 51% of the deer were on alert about the observers. When Whistle A was blown, 67% of the deer were on alert; this figure increased to 95% when Whistle B was blown. The time durations for which the deer were alert when no whistle was blown, Whistle A was blown, and Whistle B was blown were 20%, 42%, and 73%, respectively. These results indicated that the deer whistles are effective in alerting deer, and that Whistle B is more effective than Whistle A. Vehicles can be equipped with deer whistles to alert deer about on-coming vehicles so as to prevent them from crossing roads, and consequently reduce deer-vehicle collisions.
著者
久保 慶伍 川波 弘道 猿渡 洋 鹿野 清宏
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告 音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.16, pp.1-6, 2011-01-28

未知語に対する自動読み付与の重要性は高く,音声認識,音声合成,検索クエリの予測変換などの技術において性能の改善が期待される.未知語に対する自動読み付与においては,文字などの小さい単位で表記と読みをアライメントした辞書データが必要となる.しかし,データを人手で構築するとコストが掛かるため,表記と読みの自動アライメントが研究されている.しかし,従来の研究で提案された手法では,大きい単位でのアライメントほど1以下の値の乗算回数が少なくなるため,大きい単位のアライメントが有利になり,小さい単位でのアライメントが困難であった.大きい単位でアライメントが行われると未知語の読み付与に対する頑健性を失われる.本報告では,学習時に各アライメントの乗算回数を表記と読みの全体の文字数にすることで,最も小さい単位で表記と読みをアライメントする手法を提案する.そして,提案手法により自動読み付与のための学習データを構築し,未知語に対する自動読み付与による評価を行った.評価の結果,提案手法が従来手法よりも最大で約43.6%読み付与正解率を改善した.この結果から,提案法は未知語に対する自動読み付与において有効であることが実証された.Previously, a variety of automatic reading annotation to an unknown word has been researched, as improvement of the performance is expected in speech recognition, speech synthesis and predictive transform of a retrieval query, etc. Automatic reading annotation to an unknown word needs a dictionary which includes relation between a graphem and reading on a small unit. However, it is difficult to construct manually such a dictionary due to the cost. This research addresses to obtain relation of a graphem and reading on a small unit from a conventional word dictionary etc. automatically, and an unsupervised alignment method that uses the EM algorithm is employed. In the conventional alignment method, because the multiplication frequency decreases in the alignment by the large unit, a large unit tends to be used for alignment. In this report, we proposed a novel method that specify an alignment by the smallest unit by making the multiplication frequency of each alignment the number of characters of the grapheme and reading in training. We evaluated the proposed method on accuracy of automatic reading annotation to the unknown word. Result of evaluation show the proposed method improves the reading annotation correct about 43.6% higher than the conventional method.
著者
鹿野 清宏 Cincarek Tobias 川波 弘道 西村 竜一 李晃伸
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.107(2006-SLP-063), pp.33-38, 2006-10-20

筆者らは生駒市北コミュニティセンターに、音声情報案内システム「たけまるくん」を設置して、2002年11月から4年間運用している。最初の1年半あまり、精力的にシステムの改良を行い、現在では、子供を中心とする多くの市民に利用されている。このシステムは、大語彙連続音声認識プログラムJulius を用いた4万語あまりの大語彙の連続発声認識を中心に構築された本格的な自由発話による音声情報案内システムである。また、入力された音声や雑音はすべて収録され、とくに最初の2年間は書き起こしが終了している。この2年間の書き起こしデータを用いることによるシステムの性能の向上の予備評価についても報告する。このたけまるくんの成果を活かして、今年の3月末に、奈良先端大の近くの近鉄の駅「学研北生駒」に、独立した2つの音声情報案内システム「キタちゃん」と「キタロボ」を設置した。駅は60dBAと、コミュニティセンターに比べて、騒音レベルが10dB程度高く、厳しい音声認識の利用条件である。「キタちゃん」は、たけまるくんと同様にCGエージェントが応答する型で、タッチパネルも併用できる大人向けのシステムである。「キタロボ」は、ロボット型インタフェースで、どちらかというと子供向きのシステムである。この両システムの運用も6ヶ月間になるが、良好に動作している。たけまるくんからこの両システムへのポータビリィティについても述べる。
著者
鹿野 清宏 Cincarek Tobias 川波 弘道 西村 竜一 李晃伸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.107, pp.33-38, 2006-10-20
被引用文献数
9

筆者らは生駒市北コミュニティセンターに、音声情報案内システム「たけまるくん」を設置して、2002年11月から4年間運用している。最初の1年半あまり、精力的にシステムの改良を行い、現在では、子供を中心とする多くの市民に利用されている。このシステムは、大語彙連続音声認識プログラムJulius を用いた4万語あまりの大語彙の連続発声認識を中心に構築された本格的な自由発話による音声情報案内システムである。また、入力された音声や雑音はすべて収録され、とくに最初の2年間は書き起こしが終了している。この2年間の書き起こしデータを用いることによるシステムの性能の向上の予備評価についても報告する。このたけまるくんの成果を活かして、今年の3月末に、奈良先端大の近くの近鉄の駅「学研北生駒」に、独立した2つの音声情報案内システム「キタちゃん」と「キタロボ」を設置した。駅は60dBAと、コミュニティセンターに比べて、騒音レベルが10dB程度高く、厳しい音声認識の利用条件である。「キタちゃん」は、たけまるくんと同様にCGエージェントが応答する型で、タッチパネルも併用できる大人向けのシステムである。「キタロボ」は、ロボット型インタフェースで、どちらかというと子供向きのシステムである。この両システムの運用も6ヶ月間になるが、良好に動作している。たけまるくんからこの両システムへのポータビリィティについても述べる。We have been developing and operating "Takemaru-kun" spoken information guidance system in North Community Center in Ikoma city these four years. Takemaru-kun, which is composed of large vocabulary continuous speech recognition program Julius and Q-A database, is now widely used by Ikoma citizens, mainly children. All inputs have been recorded and the first two-year data are annotated. Takemaru-kun system improvement based on two year annotated data is also reported. Takemaru-kun was successfully ported to two spoken information guidance systems in Gakken North Ikoma railway station in the end of this March. These two systems are CG agent type "Kita-chan" , and robot type "Kita-robo". The portability of acoustic models from Takemaru-kun to Kita-robo is also discussed.