著者
黒田 竜二
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文報告集 (ISSN:09108017)
巻号頁・発行日
no.353, pp.p122-128, 1985-07
被引用文献数
1

The main shrine (Honden) of Yasaka-Jinja is similar to the main hall (Hondo) found in most medieval Buddhist temples. The thought which connects Shinto and Buddhism is considered to contribute to its form. Yasaka-Jinja once belonged to Tendai-Shu (a sect of Buddhism in Japan), so it is considered to be related to Hie-Taisha and Kitano-Tenmangu. To clarify the mutual influence In the styles of these main shrines, I compared each "Gedo" (a building or room used for Buddhists' summer training) in style and function, and I compared Yasaka-Jinja's "Mikotsuyajo" with Hie-Tarsha's "Geden". These Investigations and comparisons led me to the conclusion that Yasaka-Jinja is the most advanced both in terms of historical progression and in terms of illustrating the mutual thought of Shinto and Buddhism.
著者
黒田 圭介 安永 典代 磯 望
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2007年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.181, 2007 (Released:2007-04-29)

I.はじめに Hawaii諸島のOahu島は,Waianae山脈とKoolau山脈の2つの開析された盾状火山から構成されており,ホットスポット上に形成された火山島として知られる.Oahu島西部のWaianae盾状火山は2.2-3.8(Ma),東部のKoolau盾状火山は1.8-2.6(Ma)の放射年代をもつ玄武岩体から構成される(Macdonaldほか,1983).Honolulu火山活動は,これらの大規模盾状火山形成後の浸食期を経て再活動した比較的小規模な火山活動の総称で,Oahu島の景勝地であるDiamond Headなどは,Honolulu火山活動によって形成された火山地形である.本研究では,Honolulu火山活動で形成された火砕丘,特にクレーターの地形を解析した結果を報告し,Honolulu火山活動の特徴等について検討する.本要旨では,クレーターを形成した火山噴火の規模と,クレーターの侵食程度について報告する. 図1:研究対象地域地形区分図とクレーター分布 II.クレーター解析方法 1) U.S GEOLOGICAL SURVEY発行の1/24000地形図を用いて,クレーターの比高,直径等を計測した.この結果から,クレーターの体積を推定した.この結果より,火山爆発指数(VEI)を算出し,オアフ島南東部のクレーターを形成した火山噴火の規模を推定した. 2)クレーターの接峰面図を描いて,侵食前の地形を推定した.また,この接峰面図をデジタルデータ化して,定量的に侵食の程度を試算した. III.火山爆発指数(VEI) 火山爆発指数(以下,VEI)は,噴火の大きさの尺度として用いられる.これは噴出物の総量が体積でわかれば決められる値で,0から8までの整数で示され,噴出物の量をA×10i㎥とするとき,VEI=i-4で算出される.VEIは0から8までの値で示され,0が非爆発的噴火,1が小規模,2が中規模,3がやや大規模,4が大規模,5が非常に大規模である. Oahu島南東部に分布するクレーターのVEIと面積の関係を図2示す.おおむね面積が大きくなるほどVEIも大きくなるという結果が得られた.特にVEIが大規模のクレーターは,いくつかの火口が複合した形状を持つものがほとんどである。 IV.侵食度合い 1)解析方法:まず,クレーターごとに接峰面図を描いた.谷埋めの間隔は100mと1000mとした.このクレーターごとの接峰面図と地形図をスキャンし,Illustratorで等高線ごとにトレースした.トレースした等高線の輪は、ピクセル数を数えるため塗りつぶした.このデータをPhotoshopで開き,等高線毎にピクセル数を数えた.図3を見ると,侵食前の地形(B)から現地形(A)のピクセル数を引いた数(C)が,侵食程度ということになる.Diamond Headの560ftでは,7.8%が侵食されたことになる. 2)結果:クレーターの形成年代と侵食程度を図4に示す.形成年代が古ければ古いほど,侵食が進んでいるという一応の結果は出た.しかしながら,侵食の程度は,立地,地質,気候,風量,風向きなどに左右されると考えられるので,今後はそれらを加味しつつ,クレーターの侵食程度や開析具合を検討したい. V.まとめにかえて 1)Oahu島南東部に分布するクレーターの爆発規模は中~大規模であり,小規模は分布しない.また,面積が大きければ大きいほど,VEIも大きい. 2)クレーターの侵食程度を定量的に表すことができた.その結果,クレーターは,侵食が進んでいれば進んでいるほど形成年代が古い傾向が見られた.今後は,クレーターの侵食を左右する要因を加味して,Oahu島南東部におけるクレーターの侵食様式を検討したい.
著者
三輪 章志 黒田 晃 織田 秀晴 高谷 友久 西成 勝好
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.32-39, 2002-01-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
25
被引用文献数
1 4

品種別米の食味を簡易に評価する方法として,精米の吸水率測定法の検討を行った.(1) 官能試験の評価が異なる9品種の精米を含水率調整したのち,7通りの浸漬時間(10, 20, 30, 40, 50, 60, 120分)で15℃の水に浸漬して吸水率を測定し,官能試験と比較したところ,官能試験の各項目との相関が最も高かったのは60分浸漬吸水率であった.(2) 60分浸漬吸水率は,3年間いずれの年でも官能試験の各項目との相関が0.1%水準で有意であり,9品種の被害・未熟粒を含んだ試料および整粒100%の試料の吸水率と官能試験各項目との相関においても,整粒歩合に関わらず高い相関を示した.(3) 90%と70%精米をそれぞれ6通りの浸漬時間で吸水試験を行った吸水曲線を比較すると,90%精米で認められる10分浸漬時の品種による吸水率の差が70%精米では認められなかった.この結果より短時間浸漬した品種別吸水率の違いは,90%精米の外側の層(70~90%)に含まれる成分及び組織構造に影響されていると示唆された.(4) 米の理化学特性(タンパク質含量,Mg/K・N,アミロース含量,粗脂肪含量,アミログラフのブレークダウン値)の60分浸漬吸水率への影響を検討したところ,アミロース含量が少ない品種ほど高い60分浸漬吸水率を示す傾向が認められた.以上のことから,60分浸漬吸水率は,品種ごとの吸水特性を明確・安定的に測定でき,米飯の食味評価法として利用可能な方法である.
著者
黒田 貴綱
出版者
一般社団法人環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 (ISSN:03896633)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.129-132, 2016

<p><tt>カヤネズミは,里地では水田内,畦畔,耕作放棄地などの草地に営巣することが知られているが,我が国に一般的に見られる,草地の農的管理が十分に実施されている水田地域において,その営巣状況は不明な点が多い。本研究では,営農者を中心とした住民へのアンケートと営巣確認調査により,本種の営巣状況の把握を目的とした調査研究を実施した。農的管理が十分に実施され、草本類が伸長した畦畔や耕作放棄地が存在しない地域において本種の営巣が確認され,稲が成長した水田が本種の営巣環境として機能していた。</tt></p>
著者
山田 一郎 橋本 力 呉 鍾勲 鳥澤 健太郎 黒田 航 Stijn De Saeger 土田 正明 風間 淳一
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.3-23, 2012
被引用文献数
1

単語の上位下位関係を自動獲得する研究はこれまで活発に行われてきたが,上位概念の詳細さに関する議論はほとんどなされてこなかった.自動獲得された上位下位関係の中には,例えば「作品→七人の侍」や「作品→1Q84」のように,より適切と考えられる上位概念「映画」や「小説」と比べて広範囲な概念をカバーする上位概念(「作品」)が含まれることがある.このような上位概念を検索や質問応答などのタスクにおいて利用すると,より詳細な上位概念を利用する手法と比較して有用でないことが多い.そこで本論文では,自動獲得した上位下位関係を,Wikipedia の情報を利用することでより詳細にする手法を提案する.例えば「作品→七人の侍」から,「作品→映画監督の作品→黒澤明の作品→七人の侍」のように,単語「七人の侍」の上位概念(かつ,単語「作品」の下位概念)として,2種類の中間ノード「黒澤明の作品」,「映画監督の作品」を生成することにより,元の上位下位関係を詳細化する.自動獲得した 1,925,676 ペアの上位下位関係を対象とした実験では,最も詳細な上位概念となる一つ目の中間ノード(「黒澤明の作品」など)を重み付き適合率 85.3%で 2,719,441 個,二つ目の中間ノード(「映画監督の作品」など)を重み付き適合率 78.6% で 6,347,472 個生成し,高精度に上位下位関係を詳細化できることを確認した.さらに,生成した上位下位関係が「対象–属性–属性値」として解釈できることについても報告する.
著者
黒田 基樹
出版者
地方史研究協議会
雑誌
地方史研究 (ISSN:05777542)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.p62-69, 1988-02
著者
黒田清 著
出版者
国民書房
巻号頁・発行日
1915
著者
黒田 長久
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.222-227, 2002-10-25 (Released:2008-11-10)
参考文献数
4

ハゴロモヅルAnthropoides paradisea(上野動物園で落鳥)の筋肉写生図(1976)を整理,分析した。大胸筋には深部(profundus)(帆翔鳥類に見る)はなかった。闊背筋(latissimus dorsi)は板状で白色筋の前部と赤色筋の後部からなり,中間の膜状帯で連なる。肩先と頸基部を結ぶ小筋を肩頸筋m. collumiscapularisと名付けた(これは文献に見当たらない。前報(2002)では闊背筋前部としたので訂正しておく)。また,大腿骨基端と腰骨を結ぶ小筋を大腿転子筋m.fermor-otrochantericusと名付けた(これはハトでは膜状である)。脚筋では半膜筋m.semimembranosusと半腱筋m.semitendinosusの複雑な連繁と宇回筋m.ambiensの腱の第II,III,IV趾屈筋群への連結を図示した。なお前頸筋m.tibialis anteriorの腱は骨化している。
著者
石田 詔治 黒田 誠一郎 吉永 和正
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.103-109, 1990

西宮市消防局,新明和工業と防振ストレッチャーを共同開発し,予備実験,実車搭載走行で振動測定実験を行った。生体は1~14Hzの周波数域で全身振動に暴露されると,各種の生体反応や臓器共振をきたす。したがって,生体の全身振動を軽減するには,この周波数域で車体からストレッチャーへの振動伝播を軽減する必要がある。加振台上での予備振動実験において,ストレッチャーへの振動伝達率は25~50%未満であった。テストローラ上での実車走行実験を時速20, 50, 80kmにおいて,床面とストレッチャー上の振動レベル80%上端値を計測した。ストレッチャー上の頭部,胸部の高さに相当する部位での80%上端値は速度の影響をほとんど受けなかった。床面と比較した80%上端値は頭部で2~18%,胸部で10~37%と,いずれも低値を示した。しかし,胸部の高さでの振動伝播の軽減の程度は,頭部に相当する部分と比較して低値であった。一般道路での実車走行実験は,時速40kmの定時走行で,床面とストレッチャー上のパワー・スペクトル密度(以下PSD)を測定した。1~14Hzの周波数域でストレッチャー上の頭部,胸部に相当する位置で測定されたPSDは,全周波数で床面より低値を示した。すなわち,この防振ストレッチャーは一般道路上の実車走行でも,床面と比較して防振ストレッチャー上の振動が少ないことが実証できた。しかし,胸部の高さでの振動伝播の軽減の程度は,テストローラ上での結果と同様,頭部に相当する部位と比較して低く,まだこの防振ストレッチャーに改良の余地のあることを示唆した。
著者
阿蘇 裕矢 黒田 宏治
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.61-74, 2010

近年、人口の減少・高齢化、地球環境問題など新たな社会経済構造の変革に伴い、生活環境の悪化や都心の衰退などに伴う都市行政や都市経営の課題が指摘されている。また、住民の快適な住環境への関心が高まるなど、より良い都市のあり方、良質な市街地のストックが求められている。本研究では、従来の再開発に関わる手法によって都市や市街地の質や価値を高めてきた流れを検証しながら、まちづくりにおける再開発事業の事例を通して、住民にとってより快適で良質な地域コミュニティを創出するための方策等について考察する。特に、計画から事業完了までのプロセスを洗い出すために浜松市東地区の再開発をケーススタディとして、従来の手法によって補うことができない問題や課題とは何かを考察する。
著者
黒田 久泰 直野 健 岩下 武史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.505-511, 2009-06-15

ライブラリは,汎用性の高い複数のプログラムを再利用できる形でひとまとまりにしたものである.身近な例として,C言語でよく使われるprintfやmalloc関数などはC言語標準ライブラリ関数と言われているものである.ライブラリといってもファイル入出力,メモリ管理,通信に関するものなど数多く存在するが,ここでは特に数値計算ライブラリを取り上げる.そして,自動チューニング技術がどのように数値計算ライブラリで適用されているのかについて紹介する.本記事では,まず自動チューニング機能を取り入れていない従来型の数値計算ライブラリについて紹介し,その後,自動チューニング機能付き数値計算ライブラリについて紹介する.
著者
鳥居 寛之 黒田 直史 檜垣 浩之 船越 亮 大島 永康
出版者
社団法人 プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.80, no.12, pp.1012-1021, 2004 (Released:2005-07-14)
参考文献数
46

Antiprotons produced by a proton synchrotron are decelerated and cooled first to 5.3 MeV by stochastic cooling and electron cooling in the Antiproton Decelerator (AD) ring, then to 111 keV by a Radio Frequency Quadrupole Decelerator (RFQD). After the deceleration of the RFQD, antiprotons are degraded by thin PET foils and injected into the Multi-Ring electrode Trap(MRT). Electrons are preloaded in the MRT to cool the antiprotons to subelectron volt energy region. Ramping up the trapping potential slowly allows ultra-slow antiprotons of 10-500eV to be extracted from the strong magnetic field region. Positrons from 22Na are cooled by N2 gas or by electrons to form a cold positron plasma. A rotating electric field is used to radially compress the plasma.
著者
寺本 紘子 相澤(小峯) 志保子 真島 洋子 泉 泰之 芝田 克敏 黒田 和道 早川 智
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.16-20, 2009 (Released:2009-12-15)
参考文献数
11

漢方薬には,感冒様症状に対する多くの方剤があり,臨床の場面で処方されることも多い.本研究では,感冒様症状に対し処方される代表的な 4 方剤 (葛根湯,麻黄湯,小青竜湯,桂枝湯) に関して,ヒト末梢血単核細胞 (PBMC) のインフルエンザ HA 抗原特異的 Interferon-gamma (IFN-γ) 産生に対する漢方薬の影響,ならびにインフルエンザウイルス複製に及ぼす影響をELISPOT法とHA法で検討した.その結果,葛根湯,麻黄湯, 小青竜湯, 桂枝湯はいずれも 1-1000μg の範囲で,インフルエンザワクチン接種を受けた 6 名の健常者の PBMC のインフルエンザ HA 抗原特異的 IFN-g 産生を抑制した.小青竜湯は単独で PBMC の viability を低下させた.他の 3 方剤においても,インフルエンザ HA 抗原刺激下では抗原単独刺激に比較してPBMC の viability を低下させた.葛根湯,麻黄湯,小青竜湯,桂枝湯はいずれもインフルエンザウイルスの複製・増殖を抑制しなかった. 以上の結果より,葛根湯,麻黄湯,小青竜湯,桂枝湯のインフルエンザ感染に対する臨床症状の改善効果は,特異的免疫応答の増強ではなく,炎症反応の抑制によるものである可能性が示唆された.
著者
黒田 勲
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.45-57, 1972

事故調査より得られた人間像は, その機械のデザインの場において仮想された人間像とは時として異なっているのではないかと考えられる.<br>事故調査組識のあり方, 方法の科学性, 事故原因究明のための確率論的論理の進め方等, 事故調査そのもののもっている問題点により真の人間像を画き出すことが困難である場合が多い.<br>しがし航空事故調査の例から, 経験と熟練度が必ずしもすべての場合に一致するとはいえず, 胴体着陸, 異常接近例からも従来人間工学面において取上げられていない, 操作と時間の関連性, 注意, 知覚の不信頼性の問題がクローズアップされてきている.