著者
黒田 宏治
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.41-47, 2007
被引用文献数
1

近年、第3セクターを巡っては、経営破綻や法的整理なども続き、批判的な論調が強いが、一方で、地方圏には小規模ながら健闘している第3セクターも少なくない。本稿では、そのような第3セクターの事例を6社取り上げて、調査分析を行った。そこから、プロパー体制、デザイン戦略など組織面、戦略面にわたり6つの留意点を抽出することができた。
著者
黒田 絢香 Kuroda Ayaka クロダ アヤカ
出版者
大阪大学大学院言語文化研究科
雑誌
言語文化共同研究プロジェクト
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.23-41, 2017-05-31

テクストマイニングとデジタルヒューマニティーズThis study attempts to provide a new perspective for literary studies through quantitative investigation of words in texts with special reference to word frequency patterns. Two types of machine-learnin g analyses are conducted to find differences between historical fiction and detective fiction of Sir Arthur Conan Doyle. While Conan Doyle is well-known for the Sherlock Holmes series, his strong inclination for historical fiction has hardly been recognized. A number of studies have carried out to examin e personalities of characters or estimate the dates of composition for some of the texts that belong to the Holmes series. Few studies, however, have focused on Doyle's hi sto rical fiction. Still less critical attention has been paid to stylistic aspects of his novels and short stories. Machine-learning approaches made it possible to highlight linguistic/stylistic features that distinguish Doyle's historical fiction from his detective fiction. We used Random forests to show genre-specific'keywords', or words with a high keyness value so as to discriminate between the two categories of texts. MALLET was used in conjunction to build topic models based on Latent Dirichle t allocation (LDA). What emerges from our analyses are linguistic features that differentiate between the two text genres.本研究では,Arthur Conan Doyle の推理小説と歴史小説を対象とし,その語彙頻度や生起パターンを計量的に分析することで,作品の特徴やジャンル間の違いを考察する。これまで客観的なデータに基づく分析が行われていなかった作家の作品を量的な観点から考察することで,文学研究に新たな視点を提案することが目的である。推理小説と歴史小説を区別する言語的特徴を検討するため, Random Forests を用いて機械的な分類を試み,分類に寄与したキーワードを抽出する。次にMALLETを用いたトピックモデリングを行い,結果をネットワークグラフに表す。どのような語がトピックを構成しているのか,両者がそれぞれどのようなトピックを持っているかグラフをもとに考察し,その差を検討する。以上の結果から,ジャンル間の相違を反映する特徴を明らかにする。
著者
藪野 浩司 黒田 雅治
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.114-114, 2009

原子間力顕微鏡(AFM)による液中生体資料観察に向けた、マイクロカンチレバープローブの自励発振とその振幅低減化に関する制御法の提案を理論的ならびに実験的に行った。液中におけるQ値の低減は強制加振によるカンチレバーの等価的固有振動数の推定を困難にする。しかしながら、正帰還フィードバックによる自励発振をカンチレバーに発生されることにより、その応答周波数から投下固有振動数を推定することが可能になる。このとき、試料との接触を防ぐためには応答振幅の低減化が必要であるが、本研究ではhopf分岐に対する分岐制御を行うことにより、低減化する手法を提案し、実験によって低減化効果を確認する
著者
黒田 登志雄 横山 悦郎
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.541-548, 1990-08-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
25
被引用文献数
1

雲の中の過冷却水滴の凍結によって球形の氷単結晶がまずつくられ, そこから雪の形態形成が開始される. その後の成長にともなって, 球から六角プリズムへ, さらには複雑な樹枝状形態へと時々刻々と新しい形がつくりだされるしくみをシミュレーションを交えて考察する. また, 氷結晶の表面融解が雪の晶癖変化や気相成長機構にどのように関連しているかを示す. さらに, 土の凍結によって地面が数10cmも隆起する凍上現象に土粒子と氷結晶の間に存在する擬似液体層が重要な役割を果たしていることにも言及する. これらの問題は, 非線形非平衡な系における形態形成の動力学の観点から, あるいは表面・界面物理の新しい問題として重要である.
著者
磯野 誠 堀口 明男 田崎 新資 黒田 健司 佐藤 全伯 朝隈 純一 瀬口 健至 伊藤 敬一 早川 正道 淺野 友彦
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.103, no.6, pp.691-696, 2012-11-20 (Released:2013-12-03)
参考文献数
13

(目的) 尿道狭窄症に対する内尿道切開術の有効性について検討した. (対象と方法) 当院で内尿道切開を行った尿道狭窄症19例を対象とした.狭窄部位は球部尿道17例,膜様部尿道1例,振子部尿道1例であった.狭窄長は1 cm未満13例,1~2 cmが2例,2 cm以上が4例で,狭窄原因は騎乗型損傷7例,経尿道的手術後7例,骨盤骨折1例,不明4例であった.全例とも手術はガイドワイヤーを併用した,cold knifeによる切開で行った.術後尿道カテーテルの留置期間は5~35日(平均12.8日)であった.術後観察期間は1カ月から139カ月で,術後再狭窄の定義は画像上の再狭窄,もしくは自覚症状の悪化とした. (結果) 術後19例中13例に再狭窄を認めた.術後3カ月,6カ月,5年時点での無再狭窄率はそれぞれ44.4%,38.1%,20.3%であった.再狭窄例のうち7例に2回目の内尿道切開術を行ったが,6例に再々狭窄を認めた.再々狭窄を認めた6例のうち2例に3回目の内尿道切開術を行ったが,2例とも尿道カテーテル抜去直後から再狭窄により尿閉となった.統計学的有意差は認めなかったが,1 cm以上の狭窄例は1 cm未満の例に比べて再狭窄率が高い傾向にあった. (結論) 内尿道切開術の有効性は低く,過剰に適応されている可能性がある.内尿道切開術は長い狭窄や術後再狭窄例に対しては適応すべきではない.
著者
池 享 柳原 敏昭 七海 雅人 渡辺 尚志 平川 新 蔵持 重裕 菅野 文夫 蔵持 重裕 小林 一岳 長谷川 博史 平川 新 渡辺 尚志 遠藤 ゆり子 長谷川 裕子 川戸 貴史 黒田 基樹 糟谷 幸裕 藤井 崇
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、これまでの研究で十分に明らかにされてこなかった、中近世移行期の鉱山開発が地域社会に与えた影響の解明を課題としている。そのため、大規模鉱山よりも地域社会との関わりが密接な、砂金・土金採取を基本とする岩手県東磐井郡域の鉱山をフィールドに設定した。研究の到達段階を踏まえ、採掘統括責任者の家文書の目録作成・翻刻や、地名等の歴史情報の聞き取り調査など、研究の基礎となる情報の収集・整理に重点が置かれた。その成果は、A4版560ページの印刷物としてまとめられている。
著者
吉川 泰弘 黒田 保孝 橋場 雅弘 入交 泰文
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_1327-I_1332, 2015 (Released:2016-01-29)
参考文献数
22
被引用文献数
1

The aim of this study was to clarify the frazil slush generation mechanism on ice-covered rivers. This study developed a frazil slush generation calculation model which targeted skim ice, frazil ice, snow fall and anchor ice. The input values for this model were air temperature, wind velocity, sunshine duration, snow-fall depth, water depth of river, flow velocity of river and latitude. We carried out field observations at a location where frazil slush floats on the water surface, recording data with a camera. It was shown that the calculation model generated by this study can reproduce the frazil slush generation of the real river. It was also found that rising air temperature, an increase in frazil slush thickness and falling upstream water levels are important factors in predicting the occurrence of water intake blockage caused by frazil slush.
著者
八木 明日華 井村 誠孝 黒田 嘉宏 大城 理
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.409-417, 2012
参考文献数
25

We propose a 360-degree interactive fog display which provides different images according to observers' position. The proposed display utilizes forward light scattering of fog. Due to the strong directional scattering, multiple images which are projected from different directions on a cylindrical fog screen can be transmitted to different observers. The fog display brings motion parallax to observers that can recognize the 3D structure of the presented objects. Another advantage of the fog display is that observers can insert their hands into the screen. This property gives the observers a consistent feeling of distance which comes from both visual and somatic sensations.
著者
日本 PDA 製薬学会技術教育委員会 小島 威 須賀 尚 綱島 大介 橋本 葭人 檜山 行雄 前田 仁 2009-2011 日本 PDA 製薬学会 技術教育委員会メンバー 上田 龍 榎本 将雄 奥村 剛宏 柿木 宏一 鎌田 謙次 紀井 良明 黒田 弘文
出版者
一般社団法人日本PDA製薬学会
雑誌
日本PDA学術誌 GMPとバリデーション (ISSN:13444891)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.1-24, 2016

QbD<sup>1)</sup>開発を経ていない医薬品を ICH<sup>2)</sup>ビジョンに基づき各社のシステムに取り込むためには,それぞれの製品に QbD による製品・工程理解が必要となる。そのためには,利害関係者間での必要性の共通認識,会社内の連携,経営資源の配分など運営的な課題と具体的な手法の提示,薬事手続きに関する不安という課題がある。これらの課題に取り組み,既存品の置かれている現状解析から,品質・生産におけるリスクのみならず,行政動向を踏まえると薬事的なリスクも抱えることとなることを指摘し,既存品に対する QbD 適用の必要性を考察した。上市後 16 年経過した経口錠剤の溶出性低下をトリガーとした QbD 適用事例を示した。この事例は開発情報・実生産情報を基にした CQA<sup>3)</sup>確認,データマイニング<sup>4)</sup>,追加実験,改善検討,管理戦略の再構築という流れになっている。続いて,変更管理の全体的流れを整理した上で,前出の事例をもとに複数の管理戦略選択肢を上げ,それぞれに対する薬事手続きを考察した。さらに,既存薬に Q8<sup>5)</sup>適用する場合の社内体制とデータの扱いを検討した。変更提案をきっかけとした短期的な取り組みと継続的改善を達成する長期的な取り組みに分け検討を進め,リスクアセスメントのベースとなるデータの種類・所在をまとめた上で必要な社内機能を考察した。検討した既存品 QbD をまとめ,新規開発における QbD との比較検討を行ったところ,双方に共通したベストプラクティスがあることが認識された。その上で,『商用生産 QbD の推進』を総括的な結論とした。<br> 本検討は 2009 年から 2011 年にかけ行われ,2011 年 10 月 4 日に成果発表会を開催した。<br>
著者
黒田 長久
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.110-119, 2007

カツオドリ <i>Sula leucogaster</i> に比してアオアシカツオドリ <i>S. nebouxii</i> の剥皮体は胸筋が円筒状で肩の張りもない点で異なる。これは後者が前者より高空から深海突入する突入度の違いを反映している。アオアシカツオドリは全く水しぶきをあげずに突入し,カツオドリは多量の白泡を立てる。また,トビウオを空中捕捉する。最も熱帯性のアカアシカツオドリ <i>S. sula</i> は突入体型の度が低い。カツオドリ類はその突入とその前の空中バランス浮揚に関連して大胸筋主部の下に筋肉の盛り上がりのある点が特徴である。アオアシカツオドリは胸筋長/腹長比が1.5でカツオドリの0.9より長いことも深海突入に適応して翼力の強化を示す(強い翼搏には長い胸筋が必要)。胸筋全量 117.2 g, 脚筋量 51.0 g であった。肩部に未記載と思われる三筋,<i>m. biceps subaccessorius</i>(下副二頭膊筋),<i>m. deltoideus major inferior</i>(下大三角筋)と <i>m. deltoideus medius</i>(中三角筋)を認め命名した。
著者
浜口 博 黒田 六郎 清水 恒雄 杉下 竜一郎 束原 巌 山本 隆一
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.3, no.10, pp.800-805, 1961
被引用文献数
5

The simultaneous determination of microgram to submicrogram amounts of molybdenum, tin, tantalum and tungsten in silicate rocks was arrived at using the Japanese neutron reactor JRR-1. A sample and comparative standard were irradiated simultaneously with a neutron flux of about 3·10<sup>11</sup>n·cm<sup>-2</sup>·sec<sup>-1</sup> for 3 days (intermittently, 5 hr each day).<br>After cooling for a day, the sample was decomposed with sulfuric and hydrofluoric acids in the presence of carriers and lanthanum hold-back carrier. Following the removal of lanthanide activities as fluorides, the fluoride complex of tantalum was extracted by isopropylacetone. Tin and molybdenum was precipitated with hydrogen sulfide from the remaining activities in the aqueous phase, to which boric and tartaric acids were added to mask hydrofluoric acid and tungstate ions, respectively. The α-benzoinoxime precipitation method was then applied for the recovery of bulk of tungsten in the filtrate from the sulfides. Further decontamination chemistry was carried out for each element.<br>The amount of the elements was estimated by comparing <sup>99</sup>Mo(67 hr), <sup>121</sup>Sn(27.5 hr), <sup>182</sup>Ta(111d) and <sup>187</sup>W(23.9 hr) β-activities isolated from the sample with those from the comparative standard. Sensitivities of the method were 1 ppm for Mo and Sn, 0.1 ppm for Ta and 0.01 ppm for W.
著者
黒田 賢俊 原田 朗 遠峰 菊郎
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.145-151, 1998-02-25

海面水温と台風の強度に関して, 統計的に解析した。海面水温に関しては, 緯度経度1゜の格子で, 0.1℃単位で得られた10日平均値を用いた。0.5℃の海面水温階級毎に求められた熱帯低気圧の強度の百分位数は, 海面水温の関数となっていることが示された。熱帯低気圧の可能最大強度に対する相対的強さを定義して, 観測時に28.5℃より高い海面水温上にあった熱帯低気圧について, 相対的強度の異なる熱帯低気圧を比較した。相対的強度がより強い熱帯低気圧は, 観測時の前1日もしくは2日間に, より高温の海面水温の海域にあったことかわかった。さらに中心気庄の低下の時間的速さが海面水温に依存していることがわかった。海面水温が高いほど中心気圧の低下が速い。