著者
橋本 洋輔 中川 健司 角南 北斗 齊藤 真美 布尾 勝一郎 野村 愛
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌 (ISSN:18813968)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.24-25, 2017 (Released:2017-07-10)
参考文献数
2

While teaching a class is the foremost task of an instructor, whether class preparation also counts as part of that duty have been unclearly defined. Yet recently, the Labor Standards Inspection Office issued a recommendation toward major educational institutions to recognize class preparation as labor entitled to payment. This, however, raises course management questions regarding what and how much instructors should actually prepare. Utilizing a various data, this paper discusses how much time is required for Japanese language instructors to conduct effective class preparation.
著者
長倉 淳子 三浦 覚 齊藤 哲 田中 憲蔵 大橋 伸太 金指 努 大前 芳美
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.131, 2020

<p>きのこ原木栽培に用いる広葉樹について、原木利用部位の放射性セシウム濃度を当年枝のセシウム濃度から推定する方法の確立を目指している。本研究は、当年枝のセシウム濃度が同一個体内の採取位置によって異なるかどうかを明らかにすることを目的とした。原発事故後に萌芽更新したコナラ林3サイトの各3個体から8~11本の当年枝(主軸の梢端から下部に向けて5本、および主軸以外の萌芽枝)を採取し、放射性セシウムおよび安定同位体セシウムの濃度を測定した。当年枝の放射性セシウム濃度は、個体によっては採取位置によって2倍以上異なるものもあったが、梢端で高い、下部で高い、主軸で高い、といった採取位置による決まった傾向はみられなかった。放射性セシウム濃度の変動係数は枝間では0.22、個体間では0.29、サイト間では0.51であり、個体内変動よりもサイトによる違いが大きかった。コナラ当年枝の放射性セシウム濃度は枝間や個体間でばらつきはあるが、サイトの指標値として利用できる可能性が示された。</p>
著者
坪見 博之 齊藤 智 苧阪 満里子 苧阪 直行
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.90, no.3, pp.308-326, 2019
被引用文献数
4

<p>Working memory (WM) is a capacity-limited cognitive system that strongly relates to higher-order cognitive abilities including fluid intelligence. It has been suggested that WM training can increase memory capacity, which in turn, improves general intellectual abilities. To evaluate these claims, the present review critically re-assessed nine meta-analysis studies, and revealed that the effect of WM training on fluid intelligence (Gf), executive function, and academic performance is relatively small (averaged Hedges' adjusted <i>g</i> < .20). Moreover, there were several methodological issues regarding the study design (placebo effect, small sample size), analytical approach (inadequate group comparison, lack of correction for multiple comparisons), and theoretical framework (lack of theoretical account of the training mechanisms) in previous WM training studies. We propose a set of recommendations for future training studies that go beyond training the WM ability per se. This includes theoretically possible methods to enhance intellectual abilities by, for example, learning strategies to effectively encode and recall information into long-term memory.</p>
著者
湯澤 正通 湯澤 美紀 関口 道彦 李 思嫻 齊藤 智
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.491-502, 2010 (Released:2012-03-27)
参考文献数
12
被引用文献数
3 2

本研究では, 日本語母語者の音韻処理特徴に応じた年少児向けの英語音韻習得方法の効果を検討した。本研究で検討したのは, 英語の音素を表現する手段として文字, 絵, 動作を学習し, それらの多感覚的な手段を用いて英単語の音声を分析したり, 音素から英単語の音声に統合したりする活動を行うという方法(多感覚音韻認識プログラム)であった。多感覚音韻認識プログラムに基づいた活動を継続的に行った多感覚認識I(5~6歳児35名), メディアを用いて, 英語の音素や単語の発声, 英語の歌の活動を行った音声体験(4~6歳児26名), 音声体験プログラムに続けて, 多感覚音韻認識プログラムに基づいた活動を行った多感覚認識II(4~6歳児22名), 同年齢の統制について, 英語音韻習得能力の指標となる3つの課題の成績を比較した。その結果, 1)多感覚認識IIは, 他の群よりも音韻認識課題の成績が良かった。2)多感覚認識I, 多感覚認識IIは, 統制よりも, また, 多感覚認識IIは, 音声体験よりも, 1音節反復課題の成績が良かった。3)多感覚認識IIは, 他の群より非単語反復課題の正答数や音節再生数が多かった。
著者
齊藤 暁男
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.1084-1089, 2019-10-15

フォントがどのように制作されているのか,フォントエンジニアの実際の仕事を交えながら説明する.フォントが制作されるプロセス,フォントのフォーマットの違いや欲しい文字を出力する仕組み等を説明しながら,複雑な機能を実現するための仕組みやそのためにフォントに含まれる情報を紹介する.普段何気なく使用しているフォントがどのように制作され,システムの中でどのように扱われているのか等について述べる.
著者
徳永 健志 門脇 弘子 森 浩二 齊藤 俊
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.87, no.898, pp.20-00319, 2021 (Released:2021-06-25)
参考文献数
10

The prevention of an arteriosclerosis, which is a major cause of death in the world has social significance. In previous studies, blood vessel elasticity was estimated by using parameters of blood vessel model. However, the effect of wave propagation on the estimation was ignored. It is not clear how these features affect the estimation of blood vessel elasticity in clinic. In this study, the coupled model of blood vessel and blood flow based on the coupled wave theory was proposed on the assumption that the viscosity is more strongly influenced by blood flow than by blood vessels. Identifying the model parameters of elastic pipes subjected to cyclic pressure fluctuations by using measured pressure and displacement data, we concluded that the coupled model may be applicable for estimating the vessel stiffness in clinical practice.
著者
雨宮 護 齊藤 知範 島田 貴仁 原田 豊
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.7, 2008

わが国における「子どもの防犯」は,その必要性が主張される一方で,取り組みの基盤となる実証的な知見に乏しい状況にある.そこで本研究では,兵庫県神戸市の5つの小学校を事例に,小学生の日常行動と犯罪被害の実態を把握し,さらに既存の子どもの防犯を目的とした施策の評価を試みた.2396名の児童と1875名の保護者を対象とした調査の結果,以下の3点が明らかとなった.a)児童の放課後の単独歩行行動は,児童の歩行行動全体の約四分の一を占め,時間的には下校後の外出先への行き帰りに,空間的には通学路など少数の領域に集中する傾向がある.b)児童の単独歩行の集中する時間・空間に,犯罪被害も集中する傾向がある.c)既存の防犯対策は,児童の単独歩行が集中する領域を有効にカバーできていない可能性がある.以上の結果は,既存の子どもの防犯を目的としたまちづくりに,子どもの行動特性を反映させることの必要性を示唆するものと考えられた.今後は,例えば,子どもの単独歩行の集中する領域で,具体的な場所の改善を図るなど,場所だけに特化しない取り組みが必要と考えられた.
著者
金 太一 柿澤 幸成 清藤 哲史 中冨 浩文 齊藤 延人
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.9, pp.646-654, 2021 (Released:2021-09-25)
参考文献数
33

脳幹部海綿状血管奇形では, 神経症状のリスク, 病変を全摘出できる視野の確保, およびsafe entry zone (SEZ) などを考慮しつつ, 病変の最表層部を進入口としたアプローチを三次元空間的に検討する必要がある. そのためには, 脳幹内の神経線維や神経核などの解剖知識が必須となる. 本稿では脳幹の解剖を三次元的に理解することを目的として, 脳幹三次元コンピュータ・グラフィックスの無料アプリ 「脳観」 を活用しながら, SEZを中心とした脳幹部の解剖について概説する.
著者
齊藤 大輔
出版者
福岡大学
巻号頁・発行日
2020-03-16

2019
著者
小和板 仁 平沼 淳史 浅海 祐介 井口 暁洋 高橋 裕司 齊藤 哲也 大久保 圭子
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.275, 2011

【目的】<BR>片麻痺患者の中には非麻痺側への重心移動に抵抗を示し、立位や歩行、トランスファーが困難な症例を経験することがある。本症例も非麻痺側への重心移動時に抵抗を示した。Pusher現象とは症状が違い、視覚アプローチにより非麻痺側への重心移動に抵抗が軽減した一症例を経験したので報告する。<BR>【方法】<BR>79歳男性。意識レベルE4V5M6/GCS。左視床・頭頂葉など多発脳出血により右片麻痺を呈した。Brunnstrom Stage:V-V-V。表在・深部覚ともに軽度鈍麻。高次脳機能障害として空間認知障害などが見られた。坐位での非麻痺側への重心移動は抵抗がなかったが、立位では抵抗が見られた。本症例は坐位・立位において正中位にても左に傾いていると自覚症状があった。視覚・空間認知の評価に対して指鼻指試験及び閉眼立位保持(以下閉眼)、開眼立位は2つの方法(以下開眼鏡なし、開眼鏡あり)にて各条件において体重計を用い左に荷重してくださいと促した時の左下肢荷重量を測定した。また立位にて恐怖感があることから、上記の各条件下での恐怖感をNumerical Rating Scale(以下NRS)にて10段階で評価した。さらに網本らの使うPusher重症度分類を参考にした。<BR>【結果】<BR>Pusher重症度分類0点。指鼻指試験陰性。体重55kg、静止立位での左下肢荷重量30kg、閉眼での荷重量35kg、開眼鏡なしでの荷重量38kg、開眼鏡ありでの荷重量42kg。NRSにて閉眼7/10、開眼鏡なし6/10、開眼鏡あり5/10であった。<BR>【考察】<BR>本症例は左視床・頭頂葉出血により右片麻痺、高次脳機能障害を呈しADL能力の低下を認めた。視床・頭頂葉は上下肢からの情報や前庭からの情報などを統合して空間的に姿勢を保持するための機能があると言われている。結果より本症例は視覚認知は保たれていると思われる。坐位・立位にて正中位でも左に傾いているとのことから、姿勢空間認知に障害があり、非麻痺側への重心移動で抵抗を示したと思われる。諸家の報告ではPusher現象は同部位の障害で出現することがあると報告があるが、本症例ではPusher現象は見られない。Pusher現象を有する症例のアプローチとして視覚アプローチがあるが、症例の中には視覚により症状を増強させるという報告がある。本症例に鏡を使用したところ、結果から視覚アプローチが有効であったと思われる。これは鏡を使うことで姿勢を視覚的に捉えやすくなり、フィードバック機構が働いたためではないかと考え、本症例には視覚アプローチが有効であったと思われる。
著者
齊藤 正彰
出版者
北海道大学大学院法学研究科
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.77-110, 2021-01-28
著者
齊藤 慶輔
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.57-60, 2020-06-23 (Released:2020-08-24)
参考文献数
8

猛禽類医学研究所が活動拠点としている環境省釧路湿原野生生物保護センターには,絶滅の危機に瀕した猛禽類が様々な原因により傷病収容されており,一命を取り留めたものの後遺症により野生復帰が困難になったものも多い。国内希少野生動植物種については,重要感染症に罹患しているなどの特別な理由がない限り,安楽殺という選択肢が無いに等しい。動物園などに譲渡を打診しているものの,外見上明らかに後遺症がわかる動物についてはほとんど引き取り手がないのが実情だ。動物福祉の観点から,終生飼育となった個体が可能な限り快適な余生を過ごせるよう努力しているが,これらの動物の飼育管理に割り当てられる専用の予算は環境省から支給されていない。2017年4月,同研究所は終生飼育個体を環境省の事業対象から切り離す手続きを経て,個体の活用許可と引き替えに,飼育管理や餌に要する費用一切を独自に調達することを引き受けた。現在,これらの個体を用いて,事故防止器具の開発や輸血のドナーとして活用している。平成30年に種の保存法が改定された際,同法の施行規則で傷病個体の殺傷(殺処分)が適用除外行為として位置づけられた。致死的研究や殺処分が種の保存法において明文化されたものの,安易な希少種の殺傷が行われることの抑止として,根拠に基づく適切な判断が運用段階で行われるためのガイドラインの策定が早急に求められている。
著者
須賀 利雄 齊藤 寛子 遠山 勝也 渡邊 朝生
出版者
日本海洋学会 沿岸海洋研究会
雑誌
沿岸海洋研究 (ISSN:13422758)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.103-118, 2013 (Released:2020-02-12)
参考文献数
32

亜熱帯循環の通気密度躍層下部(σθ=26.3~26.6kg m-3)の等密度面が冬季にアウトクロップする亜寒帯前線帯では,主に移行領域モード水(TRMW ; S<34.0)が形成されることをArgo データの解析から示した.さらに,密度変化を補償し合う水温・塩分前線を横切る鉛直シアー流がソルトフィンガー型二重拡散対流を引き起こし,TRMW は形成後速やかに高温・高塩分化して,その一部が重い中央モード水(D-CMW ; S>34.0)に変質し得ることを示した.また,シノプティックなXCTD 断面の解析から,亜寒帯前線帯から沈み込んだTRMW やD-CMW などの低渦位水の一部は,中規模渦によって平均流を横切って南に運ばれた後に,亜熱帯循環の通気密度躍層内に広がっていることが示唆された.この輸送過程は,亜寒帯前線帯の深い冬季混合層と亜熱帯循環内に広がる等密度面上の低渦位舌が気候値の流線で直接結ばれていない理由を説明し,TRMW の変質過程とともに,亜寒帯前線帯起源の水塊が亜熱帯密度躍層の維持に寄与するメカニズムを担っている可能性がある.
著者
齊藤 由香
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2020, 2020

<p><b>1,アンダルシア自治州の景観政策</b></p><p> 景観法をもたないスペイン・アンダルシア自治州では,景観政策は環境,文化,地域計画など景観との関連の深い政策領域において個別に進められきた。ゆえに,景観のとらえ方や政策的介入のあり方は分野によって大きく異なっている(齊藤,2019)。今回はとくに文化財政策にフォーカスし,景観の観点から行われている政策的介入の事例として,世界遺産「アンテケラのドルメン遺跡」(2016年7月登録)の景観マネジメントを取り上げる。この考古遺跡の有する景観的価値がどのように見出されたのか,それを可視化し社会と共有するため,どのような政策的介入が行われてきたのかを明らかにすることで,文化遺産の景観マネジメントの意義を問うことが本研究の目的である。</p><p></p><p><b>2.アンテケラのドルメン遺跡の景観的価値</b></p><p> 「アンテケラのドルメン遺跡」には,メンガ,ヴィエラ,エル・ロメラルの3つの巨石建造物に加え,2つの山が含まれる。一般に西ヨーロッパのドルメンの方向設定が天体の動きに関連付けられるのに対し,アンテケラの場合メンガとエル・ロメラルは各々,この地域の象徴的なランドマークである「恋人たちの岩山」とカルスト地形の山エル・トルカルの方向を向いている。こうした地上の自然物に向けられた独特な方向設定は,当時の人々が周辺環境をいかに認識していたのかという,彼らのコスモロジーを理解する上で重要な要素であり,世界遺産が有するべき「顕著な普遍的価値(Outstanding Universal Value)」として認められた。すなわち,アンテケラのドルメン遺跡は文化財そのものだけではなく,巨石建造物と自然のモニュメントの間に構築された景観としてとらえ直すことで,その遺産的価値が再評価されたといえる。</p><p></p><p><b>3. アンテケラのドルメン遺跡に対する景観的介入</b></p><p> 世界遺産登録以前,景観の観点から行われた最初の政策的介入は,メンガ遺跡を森のように覆っていたマツの木をすべて伐採することであった(2004年)。この遺跡最大の価値であるドルメン遺跡と自然環境との関係性を可視化するためには,メンガ遺跡と「恋人たちの岩山」の間の見通し(intervisiblidad)を確保することが不可欠と考えられたからである。さらに,この遺跡が有する景観的価値を再解釈する試みとして,アンダルシア歴史遺産院と景観地域研究所の共同による調査研究が行われた(2011年)。</p><p> 世界遺産登録後は,UNESCOからの指導と要請を受けながら,とくにドルメン遺跡とその周辺の景観の保護・向上を目的としたマネジメントに主眼が置かれている。具体的には,1980年代メンガ遺跡と「恋人たちの岩山」の間に設置されたミュージアムの修景,世界遺産登録前に建設された工業団地の景観インパクトを軽減するための植栽作業,都市計画における用途地域の変更などが挙げられる。また,2019年夏からは遺跡を夜間公開し,市民にドルメン遺跡の景観的価値を体感してもらうための試みとして野外フェス「Menga Stones」を開催している。</p><p></p><p><b>文献</b></p><p> 齊藤由香 2019.スペイン・アンダルシア自治州の景観政策—自治州各省庁による施策の総合化の試み—.日本地理学会2019年春季学術大会(ポスター発表)</p>
著者
齊藤 知範 山根 由子
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.104-120, 2018-10-20 (Released:2020-03-20)

性犯罪者の再犯について,出所時年齢だけでなく初犯時年齢を用いる形で,海外では実証研究が行われてきた.本稿では,生存時間分析を用いて,出所者の性的犯罪による再犯に影響するいくつかの要因を明らかにした.海外の研究同様に,過去の暴力的性犯罪の検挙歴の多さが性的犯罪による再犯リスクに影響することが明らかになった.さらに,過去の暴力的性犯罪の検挙歴の多さを考慮に入れた上でも,出所時年齢が20歳代・30歳代であると性的犯罪による再犯リスクは高いことが示された.一方で,出所時年齢にもとづくサブグループ別の分析をおこなったところ,出所時年齢が20歳代・30歳代である場合に,初犯時年齢が10歳代であることが再犯リスクの高さに影響することが示された.これらの知見の含意と今後の研究の方向性についても論じる.