著者
齊藤 史哲 石津 昌平
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2014年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.181-184, 2014 (Released:2014-08-06)

ベネフィットセグメンテーションは,年齢,性別,職業といった要因に基づく分析ではなく,効用や利用目的といった顧客のベネフィットに着目した市場セグメンテーションの考え方である.これをマイニングの観点からとらえると,教師あり学習が有効になる.しかし,市場分析ではベネフィットと顧客特性の対応付けが重要であり,一般的な教師あり学習モデルはここでは有効に機能しない.そこで,本研究では教師あり自己組織化マップを用いてベネフィットに基づいた方法を提案する.ここでは,ベネフィットを教師信号としてセグメンテーションを行い,さらにそのセグメントの構成内容を2次元平面に配置して可視化することで分析者の理解を支援する.
著者
齊藤 宣一 土屋 卓也 谷口 雅晴 降籏 大介 村川 秀樹 菊地 文雄 河原田 秀夫 牛島 照夫 宮下 大
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究プロジェクトでは,構造保存型の数値解法として理工学各分野で広く応用されている有限体積法に対する数学的な基盤理論の開発とその現実問題への応用を行なった。基礎的な面では、離散ソボレフの不等式、補間誤差不等式の最良定数、離散Rellichの定理、離散最大値の定理、離散微分形式などについて応用指向の進んだ結果を得ることができた。応用面では、細胞性粘菌の数理モデルに対して、構造保存型の有限体積法を開発し、いままで未解決だった離散エネルギー不等式の証明に成功した。また、離散微分形式の応用としてLagrange力学に基づくエネルギー保存型数値解法の有限体積法への拡張を行なった。
著者
齊藤 優子 田中 里江子 硲田 猛真 間 三千夫 船越 宏子 池田 浩己 芝埜 彰 輿田 茂利 夜陣 真司 北野 博也 榎本 雅夫
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.236-241, 2005-08-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
15

Waardenburg症候群は内眼角と涙点の側方偏位, 広く高い鼻根, 正中部眉毛過形成, 虹彩異色症, 先天性感音難聴, 前頭部白髪の6主徴を特徴とする常染色体優性遺伝形式をとることが多い遺伝性疾患である。本邦でも多くの報告がなされているが症状の発現や程度は様々である。今回, 新生児聴覚スクリーニング検査から発見されたWaardenburg症候群1型の2例 (父子症例) を経験し, 遺伝カウンセリング, 聴力所見を中心に難聴の浸透率や難聴の表現型などについて検討した。父子の症例であるが感音難聴, 虹彩異色の発現及びその程度に違いが認められた。父親には難聴はみられなかったが, 患児は暗一側性の高度難聴を認めた。
著者
林 克彦 矢野 裕児 齊藤 実
出版者
日本物流学会
雑誌
日本物流学会誌 (ISSN:13493345)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.15, pp.153-160, 2007

本研究の目的は、荷主企業の視点から鉄道コンテナ輸送に対する評価を把握し、荷主企業のグリーロジスティクス構築に鉄道コンテナ輸送が貢献する可能性を探ることにある。荷主企業に対するアンケート調査と先進的事例のインタビュー調査により、 (1) 荷主企業にとってモーダルシフトが重要な経営課題となっていること、 (2) 多くの荷主企業が戦術的レベルで、一部先進企業が企業戦略レベルでモーダルシフトに取り組んでいること、 (3) 通運事業者とJR貨物に対し専門家として重要な役割を果たすことを期待していることがわかった。今後、荷主企業の視点に立ったグリーンロジスティクスの構築に向けて、輸送事業者と荷主企業との間で連携を進め、それぞれの役割を果たしていくことが求められている。
著者
深井 洋一 酒井 長雄 齊藤 康一
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.341-350, 2010 (Released:2014-08-22)
参考文献数
21
被引用文献数
1

平成20年に長野県農事試験場で栽培したコシヒカリを用いて,稲の収穫時期別に成熟期前から成熟期後までの6段階について,食味,外観および炊飯品質,官能評価を行った。帯緑5%は,帯緑色籾0%と比して,粒厚分布において2.0mm以上の割合が高い。外観品質は,整粒が有意に高く,胴割粒割合が有意に低い。糊化特性値はブレークダウンが有意に高く,最終粘度およびセットバックが有意に低いことがそれぞれ示された。官能評価は,帯緑5%および帯緑0%の双方ともに他の収穫時期と比して食味が有意に優れた。得られた結果について,主成分分析を行ったところ6試料は3つに大別され,帯緑5%と帯緑0%は第一および第二主成分の正に布置された。因子分析では,官能評価の「硬さ」に関連する負の因子構成,官能評価の「総合」および「味」に関連する正の因子構成がそれぞれ推定された。これらの結果から,帯緑5%の状態で稲を収穫することで,帯緑0%と比して,粒厚分布,外観品質および糊化特性が良質であることが示された。
著者
齊藤 飛翔 笹川 和彦 森脇 健司 藤崎 和弘
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
M&M材料力学カンファレンス
巻号頁・発行日
vol.2018, 2018

<p>Catheter insertion is a sensitive operation largely depending on tactile senses of the doctor. Although several kinds of force measurement systems attached in the catheter have been proposed, the measurement of the force during operation should be measured at the finger for evaluation of the tactile senses. In this study, we developed a film type tri-axial stress sensor that can be attached to the fingertip. An electro-conductive polymer in polythiophene series was used for the pressure sensitive layer. The conductive polymer material has a characteristic that the electric resistance in the thickness direction decreases under the compression. This type sensor is thin and flexible therefore it can be expected to directly measure the contact stress at the fingertip. In this experiment, the contact stress is measured under during catheter guide wire insertion motion. The contact stress vector including vertical and the plane directional components were detected at the gripping area of the wire. The motion trajectory of the finger in the catheter insertion was analyzed in a motion capture system. As a result, changes of the contact stress according to forward, backward, and rotation in the catheter operations were observed during insertion tests. It is possible to evaluate the catheter operation by means of the tactile sensing. Also, this measurement system can be applied not only to evaluate the skill of catheter operation but also to use for training the operation.</p>
著者
齊藤 麻美 萩原 彰文 鎌形 康司 Andica Christina 青木 茂樹
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.167-171, 2018 (Released:2018-12-25)
参考文献数
9

Human brain MR imaging has made remarkable advances since the 1970s with many improvements in imaging technologies, such as shorter scanning methods and the use of higher magnetic fields.A quantitative MRI (qMRI) method with QRAPMASTER (quantification method using quantification of relaxation times and proton density by multi–echo acquisition of saturation–recovery using turbo spin–echo readout) pulse sequence, or well known as synthetic MRI (synthetic MR AB, Linköping, Sweden), enables simultaneous quantification of T1 and T2 relaxation rates, and proton density (PD) in a clinically acceptable time. Based on these quantitative values and with dedicated post–processing software, it is possible to obtain any contrast weighted images, such as T1–weighted, T2–weighted and inversion recovery images, automated brain segmentation and myelin measurement. In addition, axon volume fraction and g–ratio can also be estimated by combining this method and neurite orientation dispersion and density imaging (NODDI). Here, we provide an overview of synthetic MRI in brain diseases, such as Sturge–Weber syndrome and multiple sclerosis.Diffusion MRI has also shown many developments in the last 40 years since its development. One of the advanced diffusion MRI techniques called Oscillating gradient spin–echo (OGSE) was proposed recently. With OGSE it is possible to reduce the diffusion time compare to conventional diffusion MRI technique. Therefore, OGSE has the potential to distinguish between spatial and viscous restriction. In this article, we show the use of OGSE in epidermoid cyst and acute brain infarction cases.
著者
山本 勲 大谷 広伸 後藤 晋太朗 齊藤 啓太 都築 健太郎
出版者
特定非営利活動法人 日本禁煙学会
雑誌
日本禁煙学会雑誌 (ISSN:18826806)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.44-50, 2019-07-10 (Released:2019-10-25)
参考文献数
12

【目 的】 経済学のアプローチから、居酒屋で禁煙を実施した際に、口コミサイトの評価が悪化するかどうかを定量的に明らかにする。【方 法】 飲食店のレビューサイトの口コミ評価や店舗の特性に関する2012年から2016年までのパネルデータ(追跡データ)を構築し、計量経済学の分析手法を用いて、禁煙の実施が居酒屋の人気度に与える影響を統計的に推定した。【結 果】 禁煙や分煙の実施は口コミ評価の得点でみた居酒屋の人気度に対して、統計的に有意な影響を与えていなかった。【考 察】 居酒屋の禁煙実施が顧客からの口コミ評価に影響を与えないという推定結果からは、喫煙環境が顧客の店舗選択の要因になっていない可能性や、たとえ喫煙者の需要が減少したとしても非喫煙者の需要が増加するためにネットでみた需要の変化は生じない可能性が示唆される。【結 論】 居酒屋で禁煙を実施したとしても、顧客からの評価が下がり、喫煙可能な競合店に顧客がシフトし、売上高が減少するとは考えにくい。よって、健康被害を防止することを目的に、政府や自治体、顧客が居酒屋に禁煙や分煙の実施を要請することは、経済学的な観点からみても正当化することができる。
著者
齊藤 ふみ 小田原 悦子
雑誌
リハビリテーション科学ジャーナル = Journal of Rehabilitation Sciences
巻号頁・発行日
vol.11, pp.59-69, 2016-03-31

精神障害を持った人が健康感を持って社会に参加するためには何が必要なのか,統合失調症者の西純一氏(仮名)の手記「精神障害を乗り越えて 40 歳ピアヘルパーの誕生」を読み,Schultz & Schkade の「作業適応過程モデル」を参考に回復段階ごとの日常生活の作業経験を分析した.本研究はナラティブ分析による質的研究である.Schultz & Schkade は,人は環境との交流の中で,「出来るようになりたい」と願い環境に働きかけ(習熟願望),環境は人に「できるように」期待,要求する(習熟要請)と述べた.その結果,その環境との交流で,人は作業に従事して環境に挑戦し,役割を得ると指摘した.西氏の場合,症状の強い段階では彼の環境は制限され,心身の保護とセルフケアが生活の主要な作業であったが,回復に従って環境からの要請が生産的なものへと移り変わり,それに応えて社会的な作業を通して環境に働きかけることで西氏は社会参加を実現させた.作業療法においては,健康感を持って社会に参加するように援助するためには,最大限の適応反応を導くことができる環境を見極めることが必要であることが示唆された.
著者
志田(齊藤) 静夏 根本 了 手島 玲子 穐山 浩
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.72-75, 2016-06-25 (Released:2016-07-15)
参考文献数
8
被引用文献数
1

GC-MS/MSを用いた加工食品中の殺鼠剤テトラメチレンジスルホテトラミン分析法を開発した.テトラメチレンジスルホテトラミンを試料から無水硫酸ナトリウムで脱水しながら酢酸エチルで抽出し,アセトニトリル/ヘキサン分配およびグラファイトカーボン/PSA積層ミニカラムで精製した後,GC-MS/MSで定量した.加工食品10食品(赤ワイン,インスタントラーメン,うなぎ蒲焼き,餃子,チーズ,白菜キムチ,バター,ハンバーグ,ピザおよびレトルトカレー)を用いて,添加濃度0.1 mg/kgで5併行の添加回収試験を行ったところ,真度85~96%,併行精度(RSD) 7%以下の良好な結果が得られた.いずれの食品においても選択性に問題はなかった.これらの結果から,本法は加工食品中の高濃度のテトラメチレンジスルホテトラミン分析法として適用できるものと考えられた.
著者
越後谷 和貴 岡田 恭司 皆方 伸 長谷川 弘一 若狭 正彦 木元 稔 齊藤 明 大倉 和貴 須田 智寛 南波 晃
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.E-183_2-E-183_2, 2019

<p>【目的】</p><p> 脳卒中後片麻痺患者のうち、リハビリ開始時に杖なしで自立歩行が可能な患者では、歩行パターンに何らかの異常を有しても、歩行自立の妨げにはならない程度の異常と言える。よってこれらの異常を定量的に明らかにできれば、片麻痺患者に歩行自立を許可する基準となると考えられる。近年、簡便かつ定量的に歩行パターンを評価できるツールとして足圧分布が種々の疾患で広く調べられており、片麻痺患者でも応用が期待できる。本研究の目的は、回復期リハビリ開始前から自立歩行が可能であった片麻痺患者の歩行パターンを、足圧分布を用いて解析し、自立歩行を許可しうる異常を明らかにすることである。</p><p>【方法】</p><p> 回復期リハビリテーションを受けた脳卒中後患者31名のうち、入院時に杖なしで歩行が自立していた右片麻痺患者8名(自立歩行群;男6名、女2名、平均年齢62 ±7歳、梗塞4名、出血4名)と、75歳未満の地域在住者で下肢に整形疾患のない14名(健常群;男7名、女7名、64 ± 6歳)を対象に足圧分布測定システム(F-scan Ⅱ、ニッタ社製)を用いて、10 m 快適歩行における足圧分布、および歩行速度を計測した。足圧分布のデータより、踵、足底中央、中足骨、母趾、第2-5趾の5領域の荷重圧比、足圧中心軌跡の足部長軸方向の移動距離比である%Long をそれぞれ3回計測し、平均値を算出した。統計学的検討では健常群と比較した入院時の特徴を明らかにするため、荷重圧比、%Long、歩行速度の群間比較に対応のないt 検定を用いた。また荷重圧比、%Long と歩行速度との相関をSpearman の順位相関係数で検討した。解析ソフトはSPSS 21 を用い、有意水準は5%とした。</p><p>【結果】</p><p> 健常群に比べ、自立歩行群では右足(麻痺側)の足底中央への荷重圧比が高値(健常群2.9 ± 1.7% vs.自立歩行群 8.3 ± 6.4%)を示し、第2-5趾への荷重圧比が低値(8.8 ± 4.0% vs. 5.4 ± 1.5%)で、%Longは低値(78.7 ± 7.4% vs. 70.1 ± 8.3%)を示した(それぞれp = 0.008,p = 0.014,p = 0.030)。左足(非麻痺側)では足底中央への荷重圧比が高値(2.8 ± 2.1% vs. 8.2 ± 8.1%)を示し、%Longは低値(77.8 ± 6.8% vs. 68.2 ± 6.1%)を示した(それぞれp = 0.034,p = 0.004)。自立歩行群で歩行速度は低値(1.3 ± 0.2 m/sec vs. 1.0 ± 0.2 m/sec)を示した(p = 0.006)。</p><p> 歩行速度は右足の踵(rs = .49,p = 0.022)、%Long(rs = .45,p = 0.035)とそれぞれ有意な正の相関を示し、足底中央(rs = ‐.56,p = 0.007)とは有意な負の相関を示した。また左足の踵(rs = .56,p = 0.007)、%Long(rs = .49,p = 0.022)とそれぞれ有意な正の相関を示し、足底中央(rs = ‐.60,p = 0.003)とは有意な負の相関を示した。</p><p>【考察】</p><p> 健常群に比べ自立歩行群では麻痺側、非麻痺側とも足底中央への荷重圧比が高く、足部長軸方向への移動距離比である%Longが低値で、かつ%Longと歩行速度との相関性が注目された。脳卒中後患者では両側の%Longが健常者の85%程度あれば、自立歩行を許可することが可能と考えられた。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p> 書面で説明を行い、同意書を得た上で開始した。測定中は理学療法士が傍に着き、事故のないように配慮した(秋田県立リハビリテーション・精神医療センター倫理審査委員会28-5)。</p>
著者
古川 洋和 松岡 紘史 樋町 美華 小林 志保 庄木 晴美 本谷 亮 齊藤 正人 安彦 善裕 坂野 雄二
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.363-372, 2009-05-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
33

本研究の目的は,歯科治療恐怖に対する認知行動療法(CBT)の有効性をメタ分析によって検討することであった.(1)研究デザインとして無作為化比較試験(RCT)が用いられている,(2)CBTによる介入が行われている,(3)プラセボ群,あるいは未治療統制群との治療効果の比較検討が行われている,(4)不安・恐怖に関する評価項目の平均値と標準偏差が記載されている,(5)英語で書かれている,という5つの選定基準を満たす論文を対象にメタ分析を行った結果,CBTが実施された群の治療効果は有意に大きかった(d=2.18).したがって,CBTは歯科治療恐怖の改善に有効であることが示された.本研究の結果は,歯科治療恐怖の治療において質の高いエビデンスを示すことができた点で有益である.今後は,わが国においても歯科治療恐怖に対するCBTの効果を検討する必要性が示唆された.