著者
山崎 敏正 井上 勝裕 齊藤 剛史
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

以前の科研費(基盤研究(C)サイレントスピーチBCI、平成23年度~25年度)では、頭皮脳波を利用したsilent speech Brain-Computer Interface in Japanese(SSBCIJ)において、個々のサイレント母音とサイレントなひらがな2文字のdecodingにとどまっていた。本研究では、健常者において、日本語で、サイレントの3文字以上から成る単語および文節のdecodingを可能にするアルゴリズムの開発と、患者(脊髄性筋萎縮症Ⅰ型)への適用を目指した、real-time SSBCIJシステムの設計を検討した。
著者
齊藤 一幸 吉村 博幸 伊藤 公一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.410-420, 2004-03-01
被引用文献数
2

がんの温熱療法(ハイパサーミア)の一形態であるマイクロ波組織内加温法と放射線療法の一つである組織内照射療法を組み合わせることにより,がん細胞に対して致死効果の高い治療が可能であることが知られている.現在,組織内照射療法単独では多数の治療が行われており,その治療手技はほぼ確立されている.しかしながら,効果的なマイクロ波組織内加温を実現するためには,アレーアプリケータの構造及び給電方法等に関して検討が必要である.そこで本論文では,既存の治療装置(マイクロ波発生器)を活用した臨床応用を念頭におき,比較的大きな腫瘍の均一加温を目指して,マイクロ波組織内加温用アレーアプリケータの給電システムとして,コヒーレント給電システム及びコヒーレント給電システムとインコヒーレント給電システムを組み合わせた給電システム(提案システム)の二つの給電システムを取り上げ,提案システムを用いて腫瘍部分を確実に加温するためのアンテナ素子への入力電力の条件について検討を行った.
著者
渡辺 大亮 宮川 道夫 齊藤 義明
出版者
日本ハイパーサーミア学会
雑誌
日本ハイパーサーミア学会誌 (ISSN:09112529)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.309-317, 1992-12-01 (Released:2009-09-29)
参考文献数
5

The feasibility of the chirp radar-type microwave computed tomography as the non-invasive thermometry system for hyperthermia has been discussed. The temperature resolution which has never been measured accurately up to the present time is basically determined by the resolution in attenuation measurement of microwaves and the accuracy of the bolus temperature control system. By improving the experimental system including the temperature control system, we succeeded in imaging of the temperature change by 1°C.The time required for the measurement which is required about 100 minutes now must be reduced for the practical use of the microwave CT. In this paper, the possibility of data reduction has also been discussed by comparing the quality of CT images reconstructed from reduced amount of data. From the experimental results, it is concluded that the amount of data required to reconstruct the CT images, even in the case of temperature imaging, can be reduced to at least one half by keeping the spatial resolution of 1 cm and the temperature resolution of 1 °C.
著者
山本 紗規子 吉田 哲也 齊藤 優子 佐々木 優 矢野 優美子 小林 正規 佐藤 友隆
出版者
日本臨床皮膚科医会
雑誌
日本臨床皮膚科医会雑誌 (ISSN:13497758)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.193-197, 2015 (Released:2015-08-27)
参考文献数
11

スナノミ症はTunga penetransと呼ばれるスナノミが感染して生じる寄生虫性皮膚疾患である.スナノミはアフリカ,南米,西インド諸島を含む熱帯,亜熱帯の乾燥した砂地に生息する.雌の成虫が宿主の皮膚に侵入し“ネオゾーム”と呼ばれる腫大した構造を呈し,これがスナノミ症を引き起こす.スナノミ症の好発部位は足の爪周囲や趾間であり,症状は刺激感や瘙痒,疼痛を生じることが多い.治療はノミの除去である.スナノミ症は細菌による二次感染をおこすため,感染に対しては抗生剤の投与を行う.スナノミ症は通常,蔓延地域への渡航歴や,特徴的な臨床所見,病変から虫体や虫卵を確認することで診断できる. KOH直接鏡検法を用いて虫体や虫卵を確認し診断に至ったスナノミ症の1例を報告する.患者は67歳男,タンザニア連合共和国に仕事で滞在中,左足第�趾爪囲の色調の変化に気がつき急遽日本に帰国し当科を初診した.初診時,左足第�趾の爪は一部爪床から浮いており爪周囲は暗紫色調を呈し浮腫状であった.趾先部の中心に黒点を伴う角化を伴った黄白色の結節を認め,スナノミ症を疑い変色部位を爪とともに一塊に切除した.自験例では皮膚の変性,壊死が強く臨床的には虫の存在は明らかではなかったが,KOH直接鏡検法を用いたところ虫体の一部と多数の虫卵を認めることができスナノミ症と診断した.病理組織でも虫体構造物を確認した.感染部位を摘出後,軟膏による潰瘍治療と抗生剤の内服で軽快,治癒した. 病変部位から虫がはっきりと見えない場合,KOH直接鏡検法はスナノミ症の診断に有用である.
著者
河邊 博史 和井内 由充子 齊藤 郁夫
出版者
Japan Society of Ningen Dock
雑誌
人間ドック = Ningen dock : official journal of the Japanese Society of Human Dry Dock (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.655-661, 2005-12-26

目的・方法:心不全の診断,治療効果判定,予後推定に有用な指標である血漿B型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)濃度を,健康診断受診者194人(男性142人,女性52人,平均年齢50歳)を対象に1999年度2003年度に測定し,その経年変化を観察した.また,その変化と心血管病易発症状態として注目されているメタボリックシンドローム関連因子(body mass index:BMI,脂質,血糖血圧)の関係について検討した.結果:両年度の血漿BNP濃度の相関係数は0.588で,両年度とも40pg/ml以上(心疾患発見のカットオフ値)の症例が4例,2003年度に40pg/ml以上に悪化した症例が10例見られた.これらの症例のうち,男性ではメタボリックシンドローム関連因子の集積が見られたが,女性には見られなかった.また,両年度とも正常値(18.4pg/ml以下)を超えていた男性13人では,両年度とも正常値であった男性100人に比べて2003年度の高血圧の頻度が高く,メタボリックシンドローム関連因子を1つ以上有する率も有意に高かった.しかし,女性では同様のことが認められなかった.結論:以上より,血漿BNP濃度の経年変化とメタボリックシンドローム関連因子の集積の関係には男女差が認められ,男性では両者の関係が認められたが女性では明らかでなかった.
著者
森下 政浩 阿曽沼 剛 栗木 茂幸 竹本 憲介 齊藤 和伸 松尾 啓
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A (ISSN:18806023)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.865-876, 2006 (Released:2006-10-20)
参考文献数
19

本研究では,爆発荷重を受ける鉄筋コンクリート構造物の設計法及び防護法の確立に資するため,豊浦標準砂を用いた覆土の有無,ペントライト爆薬の質量及びスタンドオフ距離をパラメータとして鉄筋コンクリート版試験体の近接爆発試験を実施し,試験体に生じたクレータ,スポール及び貫通孔の発生状況に着目して検討を行った.その結果,爆発荷重に対する覆土の緩衝効果が明確に認められること,McVayのスポール損傷予測法を基に本研究で提案した方法により,覆土のない場合の鉄筋コンクリート版の損傷をより精度よく予測できることなどが明らかとなった.
著者
清水 翔吾 Fotios Dimitriadis Nikolaos Sofikitis 齊藤 源顕
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.147, no.1, pp.35-39, 2016 (Released:2016-01-09)
参考文献数
30
被引用文献数
1

ホスホジエステラーゼ(PDE)は細胞内セカンドメッセンジャーであるcyclic guanosine monophosphate(cGMP)およびcyclic adenosine monophosphate(cAMP)を分解し,細胞内シグナルを調整する.PDEファミリーのうち,PDE5はcGMP選択的に作用し,精巣臓器だけでなく生殖器の様々な箇所に発現している.PDE5阻害薬は,男性不妊症の主な原因となる特発性造精機能障害の患者において,精子数,精子運動率および精子正常形態率を改善するという報告が散見される.精細管間質に存在するライディッヒ細胞は男性ホルモン(テストステロン等)の産生・分泌を行い,セルトリ細胞にテストステロンを供給する.一方,セルトリ細胞は精子形成に関与する細胞に栄養を与える機能を持つ.筆者らは,PDE5が発現するライディッヒ細胞と精細管周囲筋様細胞に着目し,PDE5阻害薬による造精機能障害改善の作用機序について検討を行った.PDE5阻害薬であるバルデナフィルとシルデナフィルをそれぞれ12週間,乏精子症かつ精子無力症患者に投薬した.投薬前と比較して投薬後では,ライディッヒ細胞分泌能の指標となる血清インスリン様ペプチド3および精液検査での精子濃度および精子運動率が増加していた.この結果から,PDE5阻害薬によるcGMPの増加がライディッヒ細胞分泌能を刺激し,精子濃度および精子運動率の増加に繋がる可能性が示唆された.さらに筆者らは,PDE5阻害薬が精子形成を促進する作用機序として,セルトリ細胞に注目した.セルトリ細胞でのPDE5の発現は報告されていないが,PDE5が発現する精細管周囲筋様細胞は成長因子を放出し,セルトリ細胞分泌能を刺激することがマウスで報告されている.筆者らは,閉塞性無精子症および非閉塞性無精子症患者に対して,PDE5阻害薬であるバルデナフィルを投薬したところ,投薬後では投薬前と比べて,セルトリ細胞分泌能の指標であるアンドロゲン結合タンパク質分泌量が増加していた.本稿では,造精機能障害におけるPDE5阻害薬の効果とその作用機序について,筆者らの研究結果を中心に紹介したい.
著者
小曳 昇 齊藤 茂 青山 剛史 梁 忠模 赤坂 剛史 田辺 安忠
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-23, 2008-02

JAXA と川田工業株式会社が、独自のヘリコプタ騒音低減技術開発のため2002 年より実験・解析の両面から共同研究で実施しているアクティブ・タブについての研究結果について報告する。実験結果より、アクティブ・タブが約3dBの騒音制御能力を有しており、ヘリコプタ騒音低減技術として有望であることを実証した。同時に、ホバ及び前進飛行条件におけるアクティブ・タブのブレード揚力、翼端渦、騒音に対する効果を数値解析により評価した。数値解析には3 次元非定常オイラーCFD コード及びFW-H 式のformulation1 に基づく音響解析コードを用いた。アクティブ・タブの動きに対応するため、CFD 計算の各時間ステップで計算格子を時々刻々切り直している。解析結果から、下反角を付したアクティブ・タブがBVI (Blade/Vortex Interaction) 発生時にブレード揚力を変化させることによるブレード/ 渦間距離の増大を可能とし、BVI 騒音低減に十分な効果のあることが明確に示された。

1 0 0 0 OA 真空排気と水

著者
齊藤 芳男
出版者
一般社団法人 日本真空学会
雑誌
Journal of the Vacuum Society of Japan (ISSN:18822398)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.511-514, 2010 (Released:2010-10-26)
参考文献数
6

Some historical background concerning studies on residual water molecules in vacuum chambers and devices are introduced. The effect of adsorbed water molecules on pumping process in initial and steady state is outlined. Pumping delay time due to sojourn time of the molecule is also discussed.
著者
齊藤 通貴
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.93-106, 2008-10

樫原正勝教授退官記念号論文本論では,特にグローバル・マーケティングの観点から,社会階層概念を導入したラグジュアリー・ブランド戦略を導出するためのラグジュアリー・ブランド購買モデルを提示し,戦略上の示唆を得ることを目的としている。社会的規範因子を用いたFishbein の行動意図モデルを援用しながら問題点を修整したモデルを考える。準拠集団や個人による主観的規範に加えて,より説明力が高いと思われる社会階層変数を導入し,ブランド選択における消費者知識についても考察される。