著者
齊藤 健一 太田 裕文
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.46, no.531, pp.247-253, 1998-04-05 (Released:2010-12-16)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

Two design considerations to the exact linearization method that yield a robust controller to parameter variations are proposed. The first one is that the feedback gains using exact linearization are determined to be equal to those of the linear approximated design. This means that the closed-loop system has no less robustness than the corresponding linear approximated design. Another design consideration is based on the idea that two vector fields before and after the nonlinear transformation are made to be equal each other near the design point. Thus, the transformed system retains the original stability characteristics. The first consideration is then used to design a nonlinear controller of an aircraft with a jump phenomena due to roll coupling. The equations of motion are examined from viewpoint of exact linearization, and the required ransformation is obtained analytically. The designed controller is examined for the control input magnitude and parameter variations, and the robustness is compared with a linear controller.
著者
齊藤 康廣 門田 暁人 松本 健一
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2013-SE-179, no.5, pp.1-7, 2013-03-04

本稿では,自然言語で記述された提案依頼書 (Request For Proposal ;以下 RFP とする )に記載された非機能要件の記述の明確さを機械学習により評価する方法を提案する.提案方法では,まず,RFP から非機能要件に関するキーワード群を抽出し,個々の非機能要件の特性とマッピングさせる.次に,各キーワードの出現頻度と文脈ベクトルに着目して重み付けを行い,ランダムフォレストによって,非機能要件の記述の明確さをモデル化する.70 件の RFP を題材として,提案方法によって多数の非機能要件の記述の明確さを 3 段階で評価した結果,エキスパートによる評価に対する完全一致率の平均が 69.8 %となった.また,完全不一致率 (評価が 2 段階外れること) は極めて小さかった.このことから,エキスパートがいない状況においても,機械学習によって RFP の品質の自動評価をある程度行えることが分かった.
著者
栗山 直子 上市 秀雄 齊藤 貴浩 楠見 孝
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.409-416, 2001-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
21
被引用文献数
1

我々の進学や就職などの人生の意思決定においては, 競合する複数の制約条件を同時に考慮し, 理想と現実とのバランスを満たすことが必要である。そこで, 本研究では, 高校生の進路決定において, 意思決定方略はどのような要因とどのような関連をもっているのかを検討することを目的とした。高校3年生359名に「将来の目標」「進学動機」「考慮条件」「類推」「決定方略」についての質問紙調査を実施した。各項目の要因を因子分析によって抽出し, その構成概念を用いて進路決定方略のパスダイアグラムを構成し, 高校生がどのように多数存在する考慮条件の制約を充足させ最終的に決定に達するのかの検討を行った。その結果, 意思決定方略には,「完全追求方略」「属性効用方略」「絞り込み方略」「満足化方略」の4つの要因があり, 4つの要因間の関連は,「熟慮型」と「短慮型」の2つの決定過程があることが示唆された。さらに,「体験談」からの類推については, 重視する条件を順番に並べて検討する「属性効用方略」の意思決定方略に影響していることが明らかになった。
著者
笠井 易 齊藤 実
出版者
山梨学院大学
雑誌
山梨学院大学経営情報学論集 (ISSN:13410806)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.23-37, 2011-02-09
被引用文献数
1
著者
新目 真紀 権藤 俊彦 大沼 博靖 齊藤 長行 山根 信二 玉木 欽也
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013-CE-118, no.13, pp.1-6, 2013-02-01

産官学民のさまざまな事業においてソーシャルメディアを活用できる人材の育成が必要とされている.著者は,これを情報リテラシー教育の先にある次世代人材育成と位置づけ,ソーシャルメディア/デジタルコンテンツの適切な利用環境をデザインしさらにアセスメントできる 「ソーシャルメディア系の人材育成」 の研究開発に着手した.この新たな人材像にもとづき,多業種にまたがって活躍できる人材を育成する教育プログラムを確立することが本研究の目的である.そのモデルとして産学官民の連携を通じて青山学院大学ヒューマン・イノベーション研究センターが大学の既存科目の中で実装する教育プログラムについて報告し,今後の展望を示す.
著者
齊藤 彩
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.217-227, 2015
被引用文献数
5

思春期の子どもにおける不注意および多動性・衝動性に関する行動傾向が引き起こす二次的な内在化問題の存在が指摘されてきているものの, その発現メカニズムや具体的な関連要因についての十分な実証研究は行われていない。本研究は, 通常学級に在籍する中学生を対象とし, 不注意および多動性・衝動性から成る注意欠陥/多動傾向が学校ライフイベント, 自尊感情を媒介して内在化問題と関連するかどうかを検討することを目的として行われた。中学生826名と学級担任教員22名を対象に質問紙調査を実施し, 教員評定により生徒の不注意および多動性・衝動性を測定し, 生徒の自己評定により学業と友人関係に関するライフイベントの経験頻度, 自尊感情, 内在化問題を測定した。不注意, 多動性・衝動性, 注意欠陥/多動傾向の各変数と内在化問題との間には有意な正の相関関係が確認されたが, パス解析の結果, 注意欠陥/多動傾向から内在化問題への直接の有意なパスは見られず, 注意欠陥/多動傾向は, 学業ならびに友人関係の両イベント, 自尊感情を媒介して内在化問題へと関連することが明らかとなった。
著者
伊奈 治行 齊藤 毅 川瀬 基弘 王 偉銘
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.113, no.10, pp.542-545, 2007-10-15
被引用文献数
4

The genus Liquidambar (Hamamelidaceae) is one of a number of taxa associated with the Daijima-type floras of late Early to early Middle Miocene age, which also include many warm-temperate to subtropical elements. However, Liquidambar is very rare or absent in the Aniai-type floras of the early Early Miocene. We describe fossil leaves, fruits and pollen of this genus found in the Lower Miocene Nakamura Formation in the southern part of Gifu Prefecture. The flora of the Nakamura Formation (Hiyoshi flora) shows features common to those of the conformably underlying Hachiya Formation (earliest Early Miocene) but differs from the unconformably overlying Hiramaki Formation (late Early Miocene) in the same region. This fact combined with the occurrence of Liquidambar in the Hiyoshi flora, associated with warm-temperate elements such as Pseudolarix, Castanea, Celtis and Lindera, clearly supports one of two former views : the flora is of a southern type within the Aniai-type floras.
著者
齊藤大介 野田敏生 古川公宣
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
第50回日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
2015-05-01

【はじめに,目的】厚生労働省の報告では,腰痛は,84%の人が一生のうちに一度は経験するといわれている国民的愁訴であり,慢性疼痛患者の半数以上に腰痛の訴えがあるとしている。腰痛は職業性疾病の6割を占め,長時間のデスクワークや長距離運転等で増悪するといわれており,腰痛予防対策が,労働者の健康確保にとっても大きな課題となっている。そのため,慢性腰痛症に対する対策の必要性があり,予防的に介入することで経済損失を効果的に減じることができるという報告もある。諸家の報告において,デスクワーク従事者は,椎間板ヘルニアの発生率が高く,坐位姿勢は立位姿勢と比較して,椎間板内圧が上昇する事や後部椎間板線維輪が伸張されるといわれている。また,腰部障害に影響を及ぼす因子として坐位時間が挙げられており,慢性腰痛症の誘因の1つである。O’Sullivanらによって報告された腰椎の生理的前弯を保つ坐位姿勢(Upright sitting)は,深層筋を優位に働かせて脊柱の靭帯軟部組織への負担を軽減するとされている。一方,胸腰部を脱力して骨盤を後傾した坐位姿勢(Slump sitting)は,脊柱起立筋にFlexion Relaxation Phenomenon(FRP)が出現し,腰椎を生理的前弯に保つ力源を非収縮性の受動性組織に依存するとされている。この姿勢を長時間保持することは,脊柱の靭帯軟部組織が伸張され,菲薄化することで強度低下を起こし(クリープ現象),脊柱の安定性が損なわれるといわれているが,腰部筋活動に関して経時的な変化を調査したものはない。そこで今回我々は,Upright sittingとSlump sittingの坐位姿勢を保持する間の腰部筋活動の経時的な変化から,異なる坐位姿勢が腰部筋活動に与える影響を調査した。【方法】健常成人男性14名,年齢:30.7±6.8歳(平均±標準偏差),身長:171.1±5.1cm,体重:65.0±9.3kg,を対象とし,1年以内に強い腰部痛の経験がなく,腰部に障害を残遺する疾患及び外傷の既往がない者とした。被験者は大腿骨を坐面と平行にし,膝関節屈曲90°,足底は床から離すようベッドに着坐し,体重の20%の重錘を両側肩関節上からベルトを用いて垂直方向に懸垂した状態でUpright sittingとSlump sittingをそれぞれ20分間保持した。被検筋は,左右の腰部腸肋筋と腰部多裂筋とし坐位保持中の筋活動を表面筋電計にて測定した。また,試行間には十分な期間(7日間以上)を設けた。統計学的解析は,経時的変化に反復測定分散分析と多重比較検定(Dunnet法)を用い,危険率5%未満を有意とした。【結果】Slump sittingの左右の腰部腸肋筋,腰部多裂筋の筋活動電位は,時間経過に伴う変化は示さなかった。また,Upright sittingにおいても腰部腸肋筋の筋活動に有意な変化は見られなかったが,両側の腰部多裂筋の筋活動は経時的に有意に増加し,右側(12分後)の増加が左側(16分後)よりも早期に出現した。【考察】Upright sittingでは,腰部多裂筋の筋活動が経時的に有意な増加を示したが,腰部腸肋筋の変化は認められなかった。このことから,脊柱の靭帯軟部組織への負担が少ないとされるUpright sittingを保つ時でも,保持時間が長くなると下部腰椎に後弯方向のストレスが生じ,筋疲労を誘発している事が推察された。左右の出現時期の違いは坐圧の不均衡によるものと考えられるが,今後の検討課題である。また,Slump sitting開始時の腰部筋活動電位は,平均約8.4μVと低値を示した。これは,FRPが出現したと考えられ,この姿勢を保持するときには筋による力源ではなく,腰部受動性組織の張力へ依存していることが推察された。本研究の限界として,長時間の坐位保持を重量負荷にて再現したため,本来の長時間坐位保持による変化と異なる可能性がある。今後は日常的な作業環境での評価を行えるよう研究を進める計画である。【理学療法学研究としての意義】本研究結果は,臨床の現場や腰痛予防教室において,デスクワークまたは長距離運転等に従事する者の慢性腰痛症を予防するための作業環境設定,適切な作業姿勢の指導を行なう一助となると考える。
著者
高橋 応明 伊藤 公一 齊藤 一幸
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では,インプランタブルアンテナを体内に植え込んだ時に,埋め込み部位の組織構造がアンテナの特性へ与える影響について検討を行った。周波数400MHzおよび950MHz,2.45GHzにおいて,胸部,腕部の組織構造を表現した高精細人体ファントムを用いて解析し,従来の均一組織での検討では適切でないこと,層構造の解析が必要であることを確認した。また,それぞれの周波数に適したインプランタブルアンテナの提案を行った。
著者
中山 真孝 齊藤 智
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.249-257, 2015

The present study investigated principles of phonological planning, a common serial ordering mechanism for speech production and phonological short-term memory. Nakayama and Saito (2014) have investigated the principles by using a speech-error induction technique, in which participants were exposed to an auditory distractor word immediately before an utterance of a target word. They demonstrated within-word adjacent mora exchanges and serial position effects on error rates. These findings support, respectively, the temporal distance and the edge principles at a within-word level. As this previous study induced errors using word distractors created by exchanging adjacent morae in the target words, it is possible that the speech errors are expressions of lexical intrusions reflecting interactive activation of phonological and lexical/semantic representations. To eliminate this possibility, the present study used nonword distractors that had no lexical or semantic representations. This approach successfully replicated the error patterns identified in the abovementioned study, further confirming that the temporal distance and edge principles are organizing precepts in phonological planning.
著者
野地 保 荻野 正 齊藤 まゆ子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SWIM, ソフトウェアインタプライズモデリング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.70, pp.7-11, 2010-05-28
被引用文献数
1

救急医療の現場では,救急隊員が搬送先と直接連絡して受け入れ先を探索する手法を用いており,救急患者の受け入れ先を探索して決定するまで長い時間を要するため,結果として「たらい回し」の現象に繋がっている.我々は,探索時間の短縮を図るため,同時に発言できるチャットシステムを同報通信手段として用い,共有するクラウド上の空き情報に基づき,受け入れ可能な病院を探し当てる搬送先探索モデルを提案する.我々の電話探索モデルとチャット探索モデルの実現性評価結果では,チャット探索モデルは,電話探索モデルに比べて,救急患者の受け入れ先病院が3件以上決まらない場合に時間短縮の効果が得られた.提案するモデルは,救急医療における搬送先探索モデルとして有効であることが分かった.
著者
齊藤 健太郎
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 社会科学系列 (ISSN:02879719)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.239-258, 2013-03

イギリスにおける熟練労働者への技能習得の訓練は、19 世紀以来の「自由な労働市場」の枠組みを背 景に、使用者・労働者双方のボランタリズムによって形成されてきた。これは、20 世紀初頭から漸進的 に導入された一般的な職業訓練でも同様であり、政府が職業教育に介入することは20 世紀中半に至るま で稀であった。しかし、第二次大戦後、1960 年代より、福祉国家的諸政策の展開から、職業訓練にも政 府が積極的に介入するようになる。その後、1980 年代、この傾向はサッチャリズムと市場主義的な新自 由主義政策の展開によって減速し、保守党政権の末期には、伝統的な職業訓練である徒弟制度の再編と 拡大という形をとりつつ、使用者主導のボランタリズムが再生する。1997 年に政権についた「新しい労 働党」は、この方向を維持しつつ、徒弟制度の拡大をはかるが、訓練の到達度はむしろ後退した。さら に、2010 年に政権についた連立政府において、その政策全体における職業訓練の優先順位はむしろ低下 し、イギリスにおける職業教育は現在、多くの困難に直面している。