著者
岡田 昌也 鳥山 朋二 角 康之 間瀬 健二 小暮 潔 萩田 紀博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.534, pp.77-82, 2006-01-13

目に見えない発見にあふれる現実世界での体験学習は, 人々を社会的な不思議に気付かせるための重要な教育領域である.人間の注意は限られているが, 学習者が体験時に重要性を認識できずに見落とした体験の中にも, 気付きのきっかけになるものは潜在的に多くある.現実世界における知的活動を通した気付き, 特に, 無意識的な気付きは抽象度が高く計算機では扱いにくかった.本研究は, 実世界学習における無意識的な気付きの顕在化を目的として, 発見の土台となり得る体験をウェアラブル体験記録装置によって網羅的に記録し, その中から気付きの可能性のある体験を時空間的に可視化する手法を提案する.
著者
神谷 俊之 原 雅樹 矢入(江口) 郁子 猪木 誠二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.591, pp.23-28, 2004-01-16
被引用文献数
6

我々は,従来から多様な歩行者の身体状況に応じた経路案内を行う歩行者支援GISについて研究開発を行っている.本稿では,バリア・バリアフリー情報を蓄積した歩行者移動支援GISの利用場面として,観光地などでのナビゲーション用途を想定し,ナビゲーションに適したユーザインタフェースとして3次元景観映像を用いた案内方法について検討を行った.さらに検討結果に基づき,自宅での予習的な利用を想定したPC版と利用者が実際に持ち歩くことを想定したPDA版の2種類のシステムの試作を行った.
著者
坂本 憲司 村松 正吾 貴家 仁志 山田 昭彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.108, pp.9-14, 1999-06-11

新たな動画像符号化規格であるMPEG4では,従来のMPEG1,2のマクロブロック(16×16画素)単位の動き補償(MC)に加えて8×8画素単位の動き補償モード,8×8ブロックモードが用意されている.そこで,本報告では,従来型のPEの内部構成を改良することにより,この8×8ブロックモードを含む動き検出器(ME)の新たな線形アレー構成を提案する。本提案は処理要素(PE)と比較器のみを改良し,入力は従来型と全く同じである.PEの内部構成に従来型の構成にマルチプレクサ,アキュムレータを加えることにより,MPEG4で必要とされる8×8ブロックモードでの差分絶対値和(SAD)の選択,アキュムレートを可能にしている.また,8×8ブロックモードのSAD出力タイミングは,16×16ブロックモードと異なるため,8×8ブロックモードのための2種類の比較器を提案する。さらに,提案するPEのVHDLモデルの論理合成結果より,VLSI実現への性能の見積もりを行う.
著者
高見 誠一 横須賀 俊之 黒川 仁 草谷 友規 鈴木 研 久保 百司 宮本 明 今村 詮
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.350, pp.61-63, 2001-10-09

LSIデバイスの極限的な集積化を目指して、シリコン半導体のさらなる微細化・統合化が進められている。我々は、従来の実験やマクロスケールのシミュレーションに加えて、非経験的に薄膜成長機構や電気的特性を予測できる手法の開発が、シリコン半導体のさらなる発展を支えるものと確信している。本発表では、我々の高速化量子分子動力学法の開発、特にその高速化・高精度化への取組みと、本手法をシリコン系材料の単純系から大規模系にまで適用を行ない、シリコン系材料における本手法の有効性を確認した結果について講演する。
著者
上村 郷志 稗圃 泰彦 小頭 秀行 中村 元
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.22, pp.83-88, 2009-04-30
被引用文献数
2

テレビ・ラジオ番組など特定のイベントを契機として,一斉かつ大量のアクセス要求が発生する事象が増加している.これらのアクセス要求は,時間的集中度が極めて高いため,要求を受け付けるエンドサーバの負荷を急激に増大させ,当該サーバの不安定動作あるいはシステムダウンを引き起こしうる.この問題に対して,筆者らは,エンドサーバの前段に設置したアクセスパスサーバにおいて制御情報を記載した整理券を発行し,ユーザの発信タイミングを遅延させることによって,エンドサーバの同時接続セッション数を所望の値以下に制御するアクセス制御システムを提案している.しかしながら,当該システムでは,平均サービス時間に基づき制御情報を算出するため,個々のユーザ端末におけるサービス時間が平均サービス時間と一致しない場合,所望の制御を実現できない問題があった.そこで,本稿では,エンドサーバにおけるサービス時間の確率密度関数に基づくアクセス制御システムを提案し,その制御効果について検証を行った結果を示す.
著者
西村 公佐 鶴沢 宗文 宇佐美 正士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.431, pp.55-60, 2000-11-09

バルク吸収層を有する電気吸収型導波路の光誘起屈折率変化による相互位相延長を用いた、偏光遅延干渉型one-armマッハ・ツェンダ干渉計波長変換装置によるCバンド内波長変換実験を10Gbps疑似ランダムパタンで行った。変換光バルスの良好なアイ開口とエラーフリー動作が確認され、波長変換による信号品質の大きな劣化は生じていないことがわかった。ビットエラーレート10-9でのパワペナルティは1.8dBであった。
著者
小森 麻央 阿部 秀尚 橘 恵昭 山口 高平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.709, pp.41-42, 2001-03-12

知識発見プロセスは,大きくデータ前処理とデータマイニングに分けられる.本稿では,属性処理と属性値処理に焦点をあてて,シーズ属性に基づく属性集合の決定方法について実験を行い,評価した.属性選択法としては,すべての属性の組合せを探索することはごく小規模な問題でしか現実的でないため,属性の出現頻度を考慮した少数のシーズ属性集合に,属性値処理を適用し,その中から最良のものを初期属性集合とし,さらに逐次的に他の属性を付加しながらよりよい属性集合を選択していく方法を採用した.小規模な野球のデータに対してはこれらの方法論は有効であった.今後はもっと大規模なデータ集合に対しても実験を行い,より一般的な知見を得,前処理の支援環境に結びつけることが目標である..
著者
久保田 文人 江川 尚志 日野 浩志 長谷川 聡 長谷川 亨 加藤 聰彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.437, pp.55-60, 1999-11-19
被引用文献数
4

多様な要求に応じてユーザにカスタマイズしたサービスを提供するためには、ルータやスイッチ等のネットワーク機器の振舞いをユーザがプラグラミングすることを可能とするアクティブネットワークが有望な技術の一つである。これに対して、筆者らはネットワークの高品質化やユーザに提供するQoS (Quality of Service)の差別化への適用を目的として、ストリームコードと呼ぶアセンブリ言語をベースにしたアクティブネットワーク処理系を開発した。開発したアクティブネットワーク処理系は、ストリームコードのアセンブラならびにパケット毎に付加されたストリームコードを実行するストリームコードエンジンから構成される。本稿では、本処理系の実装概要および本処理系を輻輪制御に適用した結果について述べる。
著者
大川 耕一 安藤 英浩 福元 暁 佐和橋 衛 安達 文幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.20, pp.25-29, 1999-04-23
被引用文献数
1

W-CDMA 5fMHz帯域における3マルチコード多重による2-Mbps伝送特性をハードウェアフェージングシミュレータを用いる室内実験により測定した. SF=4と小さいためにパス数か増大するにつれてマルチパス干渉で特性が劣化するものの, マルチパス数が2の時に2ブランチアンテナダイバーシチ, 2フィンガ/アンテナRake受信を用いることにより所要E_b/N_0=約8dBで平均BER=10^<-6>以下を実現できることを示した.
著者
樫木 勘四郎 野原 光夫 藤本 貴 矢野 裕明 中村 博行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.395, pp.159-164, 2006-11-22
被引用文献数
2

本稿では,コグニティブ無線に適用可能な無線ビームスイッチング方式について,無線周波数利用効率の観点から,Web閲覧時のレスポンスタイムを評価関数として検討を行った.スイッチング方式とは,基地局間のリンクにおいて,1つの周波数帯域を周波数分割するのではなく,全帯域を対向する基地局間で時分割で共用する方法である.ネットワーク構成は,単純なトポロジーから2段接続,3ブランチの場合も検討を行った.その結果,ビームスイッチングを行うと,固定割当よりもレスポンス特性が良くなり,ユーザの周波数利用効率の観点からは有用であることが明らかになった.ビームスイッチングアンテナの開発も平行して行っており,通信装置も含めたシステム全体の特性についても今後検討を行っていく.
著者
矢口 勇一 大島 万里恵 河合 天士 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.64, pp.59-64, 2009-05-21
被引用文献数
1

本論文では,Web中にあるからの感性情報の検索を行うために,Web動画中の音声検索システムを用いての類似性を基に感性検索をする方法を提案し,その予備実験を報告する.Web上のビデオデータは極めて多種多様であり,これらの感性的意味を単一の記号によって表現することか不可能に近いといえる.このような時系列データを対象にして,感性語に対応するビデオデータの区間を検索することは,かなり一般化された手法を用いる必要がある.本論文では,フレームワイズな音素識別に基づく音声検索手法をWeb上で実装したAiZoomというシステムを用い,検索したクエリと類似する音声区間を含むビデオデータの部分を抽出し,その類似区間の感性を分類した感性ヒストグラムを用いて,その動画の感性特徴を得る.また,この感性特徴を得た区間のオプティカルフローを調べて,個々の感性特徴に対応する画像特徴が得られるかを検証する.
著者
諸橋 信一 伊村 領太郎 佐野 尚樹 鈴田 雅敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SCE, 超伝導エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.183, pp.23-28, 2001-07-07

X線などの電磁波の照射で生成される準粒子のトンネリング効率の向上が, 超伝導トンネル接合を量子型検出器として動作させるためには重要である。到達真空度4 x 10^<-9> Paの超高真空電子ビーム蒸着により, 基板加熱温度500〜700℃でサファイア基板上にエピタキシャルNbおよびTa薄膜作製を行なった。Nb薄膜では超伝導転移温度(Tc)〜9.3K, 残留抵抗比(RRR)〜50, Ta薄膜ではTc〜4.5K, RRRが45〜140が得られた。
著者
出水 祐樹 佐野 睦夫 西口 敏司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.199, pp.163-168, 2008-08-29

近年,画像処理技術を利用して人間の行動を理解する研究が盛んに行われている.人間の行動を理解することは,人間とコンピュータとの自然なインタラクションを実現するのに必要不可欠である.特に視線は,人間の意図や注意を認識するのに大きな役割を果たしている.視線を検出することができれば,様々なインターフェースに適用できる.例えば,視線情報を利用して人間同士のコミュニケーションを促すエージェントなどが挙げられる.本稿では,AAM (Active Appearance Model)とパーティクルフィルタを用いたノイズにロバストな視線追跡方法について述べる.まず始めにAAMを用いて顔特徴点の抽出を行う.顔特徴点の情報をもとに顔向きの推定を行い,どの方向を見ているのかを検出する.次にAAMで求めた目領域に対して,パーティクルフィルタを用いて視線追跡を行った結果を示す.
著者
内田 英夫 川村 實 中込 和徳 野溝 春子 二木 克巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.398, pp.7-12, 2003-10-24

射撃場から1km離れた別荘地域で騒音苦情が発生したため,射撃音の調査を行った.射撃音の指向性は,左右対称で,射撃の前方では後方に比べて25dB以上大きい強い指向性を示した.射撃場内で160mまでの地点で距離減衰を計算すると155-13.8×lo9(r^2)となり,倍距離6dBの距離減衰よりやや大きかったが,別荘地域までで計算するとさらに0.5dB/100m程度の減衰があった.射撃場の対岸にあたる別荘地域の標高別の調査では,射撃場が見通せる位置から射撃音が大きくなっており,遮音壁で問題となる別荘地が見通せなくなれば騒音が低減することが示唆された.しかし,射撃場斜面に遮音壁を作ることはコストがかさむので,指向性の点から一番騒音レベルが高くなる射撃地点を使用禁止にする処置で騒音レベルがどのように低減するかなどの検討も行った.
著者
寺岡 文男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.137, pp.15-20, 2008-07-17

我々はクロスレイヤアーキテクチャCEALを提案しており、これをネットワークレイヤにおける高速ハンドオーバ、TCPにおけるハンドオーバ時の最適な輻輳制御、SCTPにおける高速フェイルオーバや高速ハンドオーバなどに応用している。本稿はこれらの技術について概略を紹介する。
著者
Sinsuat Marodina Shimamura Ichiro Kubo Mitsuru Kawata Yoshiki Niki Noboru Kakinuma Ryutaro Kaneko Masahiro Eguchi Kenji Ohmatsu Hironobu Tominaga Keigo Moriyama Noriyuki
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.226, pp.1-4, 2006-08-26

近年開発されたマルチスライスヘリカルCTは、従来のヘリカルCTと違い1回のスキャンで複数枚のCT画像を得ることができる.そのため同じスキャン時間でも従来に比べて多くの画像が得られ、スライス間隔の小さい鮮明な画像が得られることとなった.スライス間隔が小さくなることにより異常陰影がより鮮明に写ると考えられ、専門医による読影に関しても診断能が向上することが期待できる.そこで、本報告では同一の被験者から得られた2mm厚と10mm厚のマルチスライスCT画像を読影医が合議制による読影実験を行った結果について報告する.読影実験の条件は、被検者数360人、撮影期間2000年9月〜2001年9月、読影医は国立がんセンターの医師6名である.
著者
片瀬 泰幸 三輪 昌也 半田 志郎 大下 眞二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.512, pp.37-42, 1999-12-16

ディジタル無線通信において,効率のよい電力増幅を考えた場合,増幅器の非線形領域までも利用することになる.その時,AM-AM,AM-PM歪みにより符号誤り率は劣化する.本稿では,振幅位相変調方式について,非線形増幅器が用いられた場合のスペクトルの拡大,符号間干渉,符号誤り率について考察している.白色ガウス雑音通信路およびフェージング通信路に対して,多シンボル遅延検波および同期検波が用いられた場合のスターQAMの符号誤り率を検討し,多シンボル遅延検波の方が,同期検波よりも良好な誤り率特性が得られることを確認した.
著者
馬場 暁 山崎 亮輔 大平 泰生 新保 一成 加藤 景三 金子 双男 サマンタ サチャ ロックリン ジェイソン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.468, pp.7-11, 2009-02-27

グレーティングカップリング表面プラズモン共鳴法は、金属で覆われたグレーティング基板上に入射した光の波数にグレーティングベクトルが足し合わさることによりプラズモンの波数と一致してSPを共鳴励起する方法であり、プリズムを必要としないことなどから、実用的なセンサーへの応用が検討されてきている。本研究では、金属グレーティング上での白色光照射多重励起型表面プラズモン共鳴現象を利用したセンサーへの応用を行ったので報告する。また、可視域で大きなエレクトロクロミズムを持つPEDOT-PSS/テルピリジン鉄錯体ポリマーを用いて、センシング感度の向上を試みた。
著者
真田 勝 鈴木 光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.79, pp.37-41, 2009-06-04

NGNなどの双方向の高速・大容量通信インフラの家庭への普及,クラウド技術によるスケーラブルなサーバ実装技術の発展,携帯電話を中心としたライフログ技術の萌芽などといった情報通信ネットワークの発展は,臨場感通信,動画も含めたWeb2.0などの新たなサービスの可能性を高めている.本論文では,距離と時間の差を克服して人と人とが共感できる新たなコミュニケーションサービスを提案し,その技術的課題を考察する.視覚から得る情報が最も共感に影響を与えることから,映像を主体とするテレビ電話サービスをベースとし,個人の情報の記録に関連するライフログ技術を適用した補完サービスを想定し,その実現性について検討を行った.
著者
西口 克彦 小野 行徳 藤原 聡 猪川 洋 高橋 庸夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.549, pp.23-28, 2006-01-19

MOSFET技術で作製した室温で動作する単一電子転送素子と高感度電荷検出素子の複合デバイスについて報告する.転送素子は直列に接続された2つの細線FETで構成され、各FETを交互に開閉することで単一電子が電子蓄積部へと転送される。ハーフピッチ50nmの作製技術とバイアス条件の最適化により室温での単一電子転送が可能となった.また、微小チャネルを有する電荷検出用FETを電子蓄積部に近接して配置することで単一電子検出が可能となり、室温で0.005e/〓Hz@2Hzという高感度を得ることに成功した。高速な電子転送と長い電子保持を生かした応用例も示す.