著者
砂川 正隆
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

①まずは,健常ラットに漢方薬(抑肝散,加味帰脾湯)を投与することによって,中枢あるいは末梢におけるオキシトシン分泌の変化を調べる。②ストレスモデルラットを用い,漢方薬の抗ストレス作用を検討し,この効果がオキシトシンの分泌を介したものであるか検討する。③オキシトシンの分泌異常が関与する他の疾患モデル動物に対して,漢方薬が有効であるかを検討する。
著者
札埜 和男
出版者
岡山理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

研究代表者(札埜和男)は、社会科の模擬裁判実践が法的な考え方の育成に傾き人間不在になりがちなのに対して、「人間を深く知り、想像力を駆使して様々な角度から論理と言葉を紡ぐ」国語科で行う模擬裁判の特性を生かし、「国語科」の視点を取り入れた、新科目「公共」の模擬裁判の実践方法を開発したいと考える。具体的には与えられたシナリオを改良する型、与えられたシナリオ通りに演じる型、「公共」担当の教員でも対応可能な国語科定番の文学作品(『羅生門』、『高瀬舟』、『こころ』等)を教材とした型の、3つの実践方法を確立することで、どの学力層の学校でも教員単独でできる模擬裁判の実施方法を開発する。
著者
漆原 尚巳 杉山 大典 佐藤 泉美 橋本 梓 岩上 将夫 米倉 寛
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

医療分野におけるICTの急速な進展により、近年大規模健康情報データベースの疫学的研究への利用が可能になったが、データベースに含まれるデータは、評価したい事象を必ずしもそのまま示すものではない。そのため、各々の研究で評価すべき項目である重要なアウトカム(疾病診断や診療内容、医薬品の使用など)は、診療報酬請求上用いられる単一又は複数のコードなどを組み合わせて規定されており、この定義をアウトカム定義という。本研究では各々の研究で用いられたアウトカム定義に関する情報を蓄積し、研究者間および利害関係者にて共有し研究の透明性を高めるためのレポジトリを構築し、恒常的な運営に繋げることを狙いとする。
著者
真下 厚
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

日本上代文学を日本及び東アジア各地の声の文芸と比較することによって、文学発生の様相、東アジアの基層文化(神話や歌掛けなど)と上代文学との関わり、文字表現の背後に広がる声の生態、声の表現の文字化などのような、上代文学における声と文字との関わりの諸相について考究した。
著者
大伴 潔 林 安紀子 橋本 創一 菅野 敦
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

幼児期から学齢期にかけての言語・コミュニケーションスキルの変化を縦断的に追跡し、学齢期での支援ニーズを予測する関連要因について検討した。併せて環境的要因としての家庭での語りかけの豊富さや読み聞かせの頻度等についてアンケート調査も実施した。その結果、幼児期の総合LC指数は学齢期のLCSA指数と有意に相関し、幼児期の言語発達面の課題は学齢期の困難を予測することが示されるとともに、環境・生活要因の影響も明らかになった。幼児期の支援としては、間接的な方法としての言語環境の調整と、より直接的な介入として語彙面、統語面、対人交渉場面でのコミュニケーション面の指導に整理された。
著者
田中 敏郎 平野 亨
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

フラボノイドの適切な摂取によるアレルギー疾患に対する食事療法の開発を目指し、以下の事を明らかした。・スギ花粉症患者を対象として、2重盲検プラセボ比較対照試験において、プラセボと比較して酵素処理イソケルシトリン(ケルセチン配糖体)100mg/日摂取群においては、結膜炎症状が軽減することが明らかとなった。・喘息及びアトピー性皮膚炎モデルマウスにおいて、酵素処理イソケルシトリンの経口投与で、それぞれ気道過敏性と皮膚炎症が低下する傾向が観察された。
著者
瀧澤 淳 尾山 徳秀 曽根 博仁
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

MALTリンパ腫の発症にIgG4関連疾患(IgG4-RD)が関与している可能性を考え、当科で診断したMALTリンパ腫69例を対象に、IgG4-RD合併の有無について検討した。69例中11例(16%)にIgG4-RDの診断基準を満たす病変が確認された。MALTリンパ腫の部位別では眼窩が41例中10例(24%)にIgG4-RD合併が確認され、他は肺MALTリンパ腫7例中の1例(14%)であった。IgG4-RD合併MALTリンパ腫11例中3例に、経過中部位の異なるMALTリンパ腫や形質細胞腫が続発したことから、IgG4-RDはMALTリンパ腫などB細胞性腫瘍の発症原因となる可能性が考えられた。
著者
上田 真保子 宮沢 孝幸 大保木 啓介
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

乳がん臨床試料から得た遺伝子発現解析で、レトロトランスポゾン由来の遺伝子である「Arc」と「Peg10」が高発現することを見出した。これらの遺伝子はレトロウイルスのGag遺伝子と相同で、ウイルス様の粒子(VLP)を形成し、乳がんの転移に関わる可能性が高い。またVLPを形成可能なタンパク質をコードする、レトロトランスポゾンがヒトゲノムに多数あることから、ArcやPeg10以外にもVLPを形成する遺伝子が存在する可能性がある。本研究では、乳がん試料からVLPを形成するレトロトランスポゾン由来遺伝子をすべて同定し、そのVLPが内包するRNAが乳がん治療に向けての新しい分子標的となりうるかを調べる。
著者
渕上 竜也 神里 興太
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

異常な筋肉運動であるジストニアを生じるジストニアマウスを用いた研究を実施し、ジストニアマウスにグルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD65)と小胞GABAトランスポーター(VGAT)という2種類のタンパク質を多く発現させることで以下の研究を実行する計画である.①アデノ随伴ウイルス( AAV9 )を利用した新しい遺伝子導入技術(軟膜下注入法という新たな手術手技)によるGAD65/VGATの過剰発現による異常運動の改善②大脳運動野・頸髄におけるGAD65/VGAT増加確認:免疫組織学的検討,分子生物学的検討③脳脊髄における抑制性神経伝達物質の増加:分子生物学的検討,免疫組織学的検討
著者
荒 桃子 家入 里志 西澤 祐吏 本多 昌平 渡邊 祐介
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

鎖肛に対する肛門形成術は様々な術式が開発されているにも関わらず,術後の排便機能は必ずしも十分なものとは言えず,就学や就労といった社会活動に影響を与え,成人に至ってもQOLを損ねる要因となり得る.本研究では,鎖肛術後の排便機能の改善を目指し,患児が自宅で継続できる簡易バイオフィードバック装置の開発を目的としている.肛門内に安全に挿入できる筋電図センサーの作成と,これと連動するスマートフォンアプリケーションの開発を行う.約1年かけてセンサー,アプリケーションの開発を行い,次の2年間で臨床試験を行い,その効果を検証する.この研究により鎖肛術後患児の排便機能改善に貢献するものと考える.
著者
榎 牧子
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

海藻凝集剤と植物凝集剤は助剤を必要とする二液型の凝集剤であり、その性能は合成系高分子凝集剤に比べて劣るものである。本研究では、酵素によるタンニンの複合化反応、または金属塩を用いて、海藻凝集剤および植物凝集剤を一液型とすること、および、タンパク質吸着能の付与などの高性能化を目指した。金属塩の試験ではマグネシウム塩とカルシウム塩について検討し、いずれの場合も一液型化が可能であったが、比較的低濃度のカルシウム塩を所定の方法で加えることで、海藻の凝集作用成分であるアルギン酸を効果的に一液型とすることができた。また、得られる一液型凝集剤は高い凝集性能を示すことがわかった。
著者
漆畑 保
出版者
聖マリアンナ医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

喉頭は、発声を一つの機能とする器官であり、この組織を構成する上皮細胞は性ステロイドに対し感受性を有する。このことは音声の男女差に影響していることを意味し、また一方喉頭における新生物発生頻度は男性に多く、この組織における内分泌感受性という観点からの研究の必要性が存在する。性ステロイドによるこれら構成細胞内における作用機構の解明は、細胞活性の制御する上で重要な点である。このことを研究対象とし細胞モデルとして培養喉頭癌細胞を使用し、各種ステロイドに関して感受性実験の結果、胞喉頭上皮細胞が性ステロイド感受性の存在があり、性ステロイドに依存し細胞増殖抑制および細胞死が誘導されることが明らかとなった。なお、その細胞死の際において性ステロイドに対する特異受容体蛋白の発現することは無い(翻訳の不存在)。しかし、男性ホルモン受容体(AR)の翻訳がありそのRNAの選択的阻害により細胞増殖が促進する現象は存在する(転写の存在)。この転写の際、AR遺伝子発現の共役因子であるCBP、SRC、TIF2について検討し、その結果TIF2の転写が確認されずにAR蛋白作用に必要となるP-160の関与を否定しうる結果となった(細胞内シグナルの一部欠転写欠如)。また性ステロイドによる喉頭癌細胞死誘導の際、特異的に上昇する遺伝子発現を確認するため人遺伝子発現に関与する。更にこのことに関しマイクロアレー法により検討したが、ARに関与すると考えられる遺伝子の転写は一切発現していない事が確認された。また、RNA調節に系る段階によるこの細胞死誘導への関与を調べるべくiRNA発現に関してマイクロアレー法を用いて検討した。その結果hsa_miR_27a、hsa_miR_21、hsa_miR_23a、hsa_miR_16、hsa_miR_30c、hsa_miR_30a_5p hsa_miR_30d、hsa_miR_19b、hsa_miR_30e_5p、ambi_miR_7086、hsa_miR_17_5p等が性ステロイドによる喉頭がん細胞死誘導の際に有意に細胞内に上昇するiRNA群であることが確認された。しかし、そのAR遺伝子そのものまたは共役遺伝子に又は関係すると考えられる遺伝子等と基配列において相補的なものはまったく確認されなかった。そこで本研究の対象とする細胞がHPV感染細胞であり、HPV遺伝子が細胞増殖のサイクルに関与していることは確認されており、喉頭癌症例の数パーセントでその感染症例が示されており、そのウイルス存在又はその活性を含めウイルスの発現との性ステロイド関連遺伝子のiRNAとの相互調節も含め検討が必要であり、今後このことを含め更に研究する必要性がある。以上
著者
嵯峨 智
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は,情報化された仮想物体への直感的な双方向触覚インタラクションを実現する触覚提示手法の確立である.静電気力ディスプレイでは,触覚の知覚強度の評価実験を行うことで入力波形と知覚刺激との関連性や,オノマトペの関係を調査した.また,剪断力触覚ディスプレイでは,振動方向の独立制御により,再現性の高い触覚提示を実現した.また,空間中での熱放射による錯触覚提示システムとして,レーザ光源を用いたシステムなどを作成した.これにより多自由度かつ拘束なし,高速な応答性をもつ力覚ディスプレイのプロトタイプを完成させた.このように,多自由度双方向触覚提示手法の系統的な理論を構築した.
著者
西村 直道
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

腸内細菌叢の多様性低下を発端とする細菌叢の撹乱(dysbiosis)は、さまざまな疾病発症に関与しているため、細菌叢の多様性を高く保持することが重要である。しかし、高多様性を駆動する因子は不明なままである。腸内細菌の多くはビタミンB12やその類縁体(以下、B12/類縁体)を必要とするが、大部分の細菌種は合成能がないため、一部の細菌が合成するB12/類縁体に依存する。したがって、これらを大腸に安定供給することが細菌叢の高多様性を維持すると考えられる。本研究では、高多様性細菌叢を維持するB12/類縁体組成を見出し、その組成を実現する細菌種とこの細菌種を増やす食事因子を特定する。
著者
是澤 紀子
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、神社本殿の細部装飾が発展してゆく時期にあたる中世後期から近世に焦点をあてて、これまでに刊行された文化財修理工事報告書や修理現場で公開された情報から新たに得られた建築の変遷の情報を包括的に分析し、(1)造営に関与した各地の工匠別にみる神社本殿の特性と本殿背後の境内整備および敷地内移築との関係、(2)春日大社旧社殿にみる神社本殿の特性と河川等に基づく立地および境内環境との関係、を考察することで、工匠の移動と神社本殿の移動(移築)の実態を捉え、その流通に支えられた神社の再生の手法を明らかにするものである。
著者
片岡 大右
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、(A)近代社会における批判の諸機能を理論的・歴史的に再検討するとともに、(B)そこでのロマン主義というモーメントの重みを見定め、かつ(C)こうした経験との関係で日本的近代の問いがいかに生きられてきたのかを考究することで、全体として、(D)「文学的なもの」の近代社会における身分規定の変容を、19世紀初頭以降の西欧という時空を相対化しつつ再把握することを目的とする。
著者
山中 明
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

チョウ成虫の翅や脚に存在する毛状鱗粉が季節的な可塑性を示すかどうかを検討するため、毛状鱗粉に及ぼす幼虫および蛹期の日長と温度の影響を調べた。短日成虫の翅あるいは脚の毛状鱗粉の本数は、長日成虫のものより非常に多かった。一方、低温条件下に曝された成虫の毛状鱗粉の平均長は、高温条件下のものより長かった。翅や脚の毛状鱗粉形成に関与するホルモン(おそらく夏型ホルモン:SMPH)が蛹の脳内に存在するかを検討するため、3種のチョウの短日蛹に投与した。いずれの種においても翅や脚の毛状鱗粉数の減少が認められた。これら結果は、夏型ホルモンが毛状鱗粉形成に関与することを示唆するものである。
著者
山崎 和美
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本科研では、ガージャール朝(1796~1925)末期~パフラヴィー朝期(1925~1979)初頭の近代イラン、特にイラン立憲革命(1905~11)と第一次世界大戦(1914~18)を経た1910~1920年代の女性教育推進を訴える女性運動について、現在に至るまでの社会の変容も考慮に入れつつ考察した。『結婚と離婚』『イランの歴史を知るための50章(仮)』『教養の中東イスラーム近現代史(仮)』『(アカデミー外国語映画賞受賞イラン映画)セールスマン(公式プログラム)』『大学事典』の執筆、日本中東学会公開講演会、イラン大使館や川崎市民アカデミーなどでの講演、科研に関わる研究会での報告を行った。
著者
飯田 忠 大野 栄三郎 石川 卓哉 川嶋 啓揮 藤城 光弘
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

膵がんに代表される難治がんは免疫チェックポイント阻害剤(以下ICI)に対して抵抗性であり、その原因としてCAFが重要な役割を担っている。近年の研究によりCAFを促進性から抑制性にリプログラム(CAF初期化)させることで抵抗性が改善される可能性が示唆されているがその有効性に関しては明らかとなっていない。我々はMeflinを指標とすることでCAF初期化薬の候補薬を既に同定しており、本研究ではこれらの薬剤とICIとの併用効果を検証し、間質をターゲットとした革新的新規治療法の確立を目指す。
著者
江原 遥
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

Webの発達等により、特に英語では幅広い解説テキストが入手可能になり、これらで学習者の知識を拡充する機会が増えている。こうしたテキストを入力とし、テキストのどの部分が学習者にとってどの程度難しいか(リーダビリティ)を自動判定する技術は、教材推薦や自動作問など様々な学習支援の応用の基盤技術である。しかし、従来のリーダビリティ判定技術は「表現の難しさ」の判定が中心であった。本研究提案では、「表現の難しさ」に加えて、深層機械学習により文脈や意味を考慮することで、テキストの「知識の難しさ」をも判定できるリーダビリティ判定技術を研究する。