著者
栗崎 周平
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

このプロジェクトは近年の日本の安全保障政策の変化が安全保障環境に与える影響を分析したものです。特に集団的自衛権の効果について理論的そして実証的な研究を行った。理論的には、ゲーム理論を用いて、集団的自衛権を備えるだけでは日本に米国の同盟コミットメントも日本に対する抑止力も向上することはないが、日本を取り巻く安全保障のジレンマを緩和する効果が得られる条件を明らかにした。実証的には、過去2世紀の同盟データと国際紛争のデータを分析し、同盟内における双務的な防衛義務は、非対称的な防衛義務と比べて、同盟国による開戦を抑制し、同盟国による一般抑止を改善するが、攻撃回避や同盟の信頼性を高めないことが分かった。
著者
酒井 徹
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

大豆中に含まれるイソフラボンは、これまで血清脂質低下作用、骨粗鬆症予防およびホルモン依存性の悪性腫瘍予防に関わることが明らかにされている。今回の研究では、大豆イソフラボンが免疫機能にどのように作用するか検討を行った。大豆イソフラボンの一種であるエクオールは、血中の抗原特異的IgE抗体を上昇させた。また、マウスでの実験的大腸炎の系では、炎症を増強することが明らかとなった。
著者
細井 浩一 福田 一史
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

文化資源としての「デジタルゲーム」の保存活動の基盤となるデータベースにおいて、今後も増え続けていくゲームタイトルを継続的に捕捉し、その関連情報の信頼性を担保しつつ継続的に更新していくことが可能なスキームを構築することを目的として、①学術界・産業界における実用的なゲームのメタデータに関するニーズ調査とそれに基づくメタデータ設計、そして ②「作品」を用いた外部とのデータ接続と、データセットの収集・統合の自動化を目的とした実装を行う。
著者
大和 進 三井田 孝 立川 英一 中川 沙織
出版者
新潟薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

アルツハイマー病患者では脳内エネルギーが不足状態にあると報告されており、脳内エネルギーを増加させることはアルツハイマー病の新規治療要因となると考えられる。本研究によって、ケトン体がエネルギー生成を増加させ、アルツハイマー病バイオマーカーであるアミロイドβタンパク(Aβ42)を微減させる結果を得た。一方、茶由来ポリフェノールのカテキン類は、ケトン体生成酵素であるHMG-CoAリアーゼを阻害することが示された。
著者
林 裕 鷲津 仁志 大宮 祐也 木之下 博
出版者
沖縄県立芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究では、安定的に高速・正確なチェロの演奏を実現する楽器付属品の改良を検討する。とくに、エンドピンの形状の工夫による楽器の安定的保持を実現する手法、弓の形状の工夫による運弓の高精度化を実現する手法について、機械工学および実技の両側面から明らかにする。前者は、小柄な奏者が多い日本人のチェロ演奏技術の向上に資する。後者は、演奏技術の向上方法の提案のみならず、擦弦楽器のモダン化という音楽史上の問いに摩擦学の観点から答えるものとなる。
著者
武者小路 公秀 浜 邦彦 洪 貴義
出版者
大阪経済法科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、対象も手法も異にする研究者らが領域横断的に協力しあうことによって、さまざまなディアスポラ集団の個別性を捨象することなく、より普遍的な視野から把握できるためのディアスポラ概念を構築することを目的としてきた。この目的のために、本研究では定期的にディアスポラ研究会の定例会を開き、その他にも関連する研究会・シンポジウムを共催してきた。中でも主要なものは、2006年9月に開催したCAPP(大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター)プレシンポジウム「アジアの中のディアスポラ-日本の状況を踏まえて」および、2007年2月に開催したCAPP国際シンポジウム「移住者の人権と多文化共生を目指して-アジアとアフリカのディアスポラの比較」である。後者の内容は、武者小路公秀監修、浜邦彦・早尾貴紀編、『ディアスポラと社会変容-アジア系・アフリカ系移住者と多文化共生の課題』(国際書院、2008年)および、英文報告書Diaspora and the Social Transformation,(CAPP,2008)として刊行した。本研究において議論の焦点となったのは、ディアスポラの両義性、(親密圏における)ハイブリッド化、マイノリティの可視性/不可視性、労働の女性化および人種化、トランスナショナル資本主義と労働の分割、市民権概念、国籍といった問題である。本研究を通じて、これまで出会うことのなかったさまざまな研究者が集まり、議論の場とネットワークを作り出していったことは、ディアスポラ研究の今後の発展のための、重要な契機となった。
著者
石原 陽子 郡 和宏 永井 厚志
出版者
東京女子医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

コラーゲン特異的分子シャペロンHSP47の肺の気腫化・線維化への関与について、ブレオマイシン肺臓炎、長期喫煙、TNF-α過剰発現肺線維症マウスを用いて下記の点を検討した。1.肺の気腫化と線維化病巣の並存においてHSP47は関与しているか。肺線維化と気腫化並存モデルでは、HSP47の明確な関与を示唆する明らかな所見を認めなかった。その原因として、長期喫煙暴露でのマウス肺の気腫化と線維化が軽度でありHSP47遺伝子発現へ影響するほどの肺傷害が誘導されなかった可能性があり、短期間で肺の気腫化と線維化が発現する実験モデルを作成し、さらに検討する必要がある。肺線維化に関しては、肺線維症モデル実験から、HSP47が肺線維化に関与している可能性を示唆する所見が得られた。2.HSP47遺伝子発現量と肺線維化・気腫化の発症・進展メカニズムとの関連性。喫煙モデルでは、肺気腫発症へのHSP47の関与を示唆する所見は得られなかった。可逆的肺線維症では、初期に一過性のHSP47遺伝子発現を認め、非可逆的線維症モデルでは発症よりもむしろ進展過程でHSP47遺伝子発現抑制が観察された。この結果は、非可逆的及び可逆的肺線維化の発症及び進展へのHSP47の関与を示唆する所見と考えられた。3.HSP47が可逆性及び不可逆性肺線維化の規定因子の一つとなりえるか。可逆性と不可逆性肺線維化モデルの成績を比較した場合、可逆性肺線維症では、HSP47遺伝子発現量の増加は一過性であり、不可逆性肺線維症では遺伝子発現の抑制が見られたことから、HSP47はその規定因子の一つとなりえる可能性が見いだされた。4.HSP-47の分子レベルでの発現量を調節することにより、肺マトリックス及び正常肺構築の保持は可能か。非可逆性肺線維症モデルでは、肺換気パターン、肺HOP、病理所見で肺線維化の著明な進展が認められた時期にHSP47遺伝子発現が抑制され、その状態は1年後まで保持された。この結果は、HSP47遺伝子制御によって肺マトリックス及び正常な肺構築への修復は不可能であるが、その進展を抑制することによって代償性肺呼吸機能を保持できる程度に制御できる可能性が示唆された。5.HSP47の調節による遺伝子治療の可能性。上述した実験成績から、HSP47遺伝子発現量の制御によって、ヒトにおいても肺線維化の進展抑制が出来る可能性が見いだされた。
著者
益崎 裕章 高山 千利 島袋 充生 松下 正之 小塚 智沙代
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

慢性的な高脂肪餌の摂取が食欲中枢の視床下部において小胞体ストレスを亢進させることにより、高脂肪餌への嗜好性をさらに高める悪循環の分子機構をマウス病態モデルで明らかにした。玄米含有餌を与えたマウスの解析から、玄米に特異的かつ高濃度に含有される生理活性物質、γオリザノールが経口摂取後、脳に移行し、小胞体ストレスを軽減する分子シャペロンとして機能することが明らかとなった。γオリザノールは高脂肪食によって糖尿病を来したマウスの膵島(インスリン分泌細胞)における小胞体ストレスの亢進を緩和し、β細胞の保護と機能回復に貢献することも明らかとなり、天然食品由来成分を活用する新たな医学応用の基盤が確立出来た。
著者
中村 哲子
出版者
駒澤大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

ジャガイモ飢饉とも呼ばれる1840年代後半にアイルランドを襲った大飢饉は、飢饉の最中から飢饉直後までに多くの旅行者によってその実態が書き残された。こうした旅行記とともに、飢饉は小説においてもさまざまに語られ、アイルランドの記憶として受け継がれることとなった。フィクションをノンフィクションと比較検討することにより、飢饉の文学的語りと表象の意義を解明する研究である。
著者
谷山 牧 若林 和枝 保母 恵 渡部 瑞穂 岩上 さやか 藤田 千春
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

現在、日本では生活保護受給者(以後, 受給者)に対して福祉から就労に向けての支援が行われているが、受給者のうち就労可能と判断され支援を受けても,実際に就労し生活保護から外れるものはごくわずかである. また, 医師により就労可能との判断を得たものであっても, 身体的, 精神的, 社会的健康の準備状態が整っていないものも多い. 就労支援の内容は自治体によって異なり, 受給者の心身の準備段階や個別性に配慮した支援が十分に行われているとは言い難い状況である. 本研究の目的は, 生活保護受給者の就労に向けた心身の準備段階のアセスメントとその段階に応じた就労支援プログラムの作成と評価を行うものである.
著者
浅川 哲也
出版者
東京都立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

日本語母語話者の誤用例の「ら抜き言葉」は多くの言語研究者たちによって合理的な言語変化であると擁護されてきた。しかし、近年のインターネット上の言説や刊行物の書き言葉の中に「ら抜き言葉」の進行した形態の〈れれる言葉〉や〈ら入れ言葉〉など、現代日本語の先端的な動向を示す例が観察されるようになった。また、「ら抜き言葉」には可能の意味以外に受身・尊敬の用法が発生している。過去の言語研究者たちが「ら抜き言葉」を可能表現専用であると擁護した根拠は消滅したのである。本研究は、現代日本語の先端的な動向を捉え、現代日本語にいま起きている母語話者の誤用を体系化し、日本語の言語史の中に位置づけるものである。
著者
中瀬 朋夏
出版者
武庫川女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

これまで、本研究課題において、乳がん悪性化進展のプロセスには亜鉛シグナルが重要で、その標的分子のひとつとして低酸素誘導性因子Hypoxia-inducible factor-1 (HIF-1)を明らかにしてきた。本年度は、乳がん細胞の低酸素環境適応能力の発揮における亜鉛イオンの機能的役割と亜鉛イオンを介したHIF-1の制御機構の解明に取り組んだ。低酸素環境条件下におけるエストロゲン受容体陽性ヒト乳がん細胞MCF-7の生存能力は、HIF-1αの活性と強く相関した。そのHIF-1αの活性は、細胞内亜鉛イオン濃度に依存した。さらに、ジンクフィンガードメインを持ち、HIF-1の安定化と機能に密接に関与することが報告されているMetastasis-associated gene‐1 (MTA-1)は、低酸素環境条件下で、HIF-1αの活性化とともに高発現し、その発現量は細胞内亜鉛イオン濃度に比例した。低酸素環境条件下における細胞内亜鉛イオンの供給には、MCF-7の細胞膜ならびに細胞内のオルガネラ膜上に局在する亜鉛トランスポーターの発現比率が重要であることを、亜鉛トランスポーターのノックダウン実験から明らかにした。以上より、MCF-7の低酸素環境適応性には、細胞内亜鉛イオンとその制御分子である亜鉛トランスポーターが必要であり、亜鉛イオンのターゲット分子としてMTA-1が関与している可能性が示唆された。本年度は、亜鉛シグナルの解析として、低酸素環境適応における亜鉛イオン(Zn2+)を介したHIF-1の制御機構の一端を明らかにすることができた。乳がん細胞における亜鉛の役割から、乳がん悪性化進展に大きく関与する低酸素環境適応性に迫った研究はこれまでになく、乳がん治療の新戦略開発に有益な知見である。
著者
石橋 みゆき 吉田 千文 樋口 キエ子 丸谷 美紀 伊藤 隆子 雨宮 有子 諏訪部 高江 神谷 明美 平野 和恵 林 弥生 木暮 みどり
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は、療養の場の移行支援の構築を目指し、退院支援に係る看護技術を体系化することである。計26病院に勤務する協働して退院支援を実施している関係にある看護師ら計48名へ半構成インタビューを実施し、先行研究の枠組みを基盤に内容を分類・統合し計21の退院支援技術が明らかとなった。退院支援に係る21の看護技術は、#0本人の意向を見極めセルフケア能力を高める、#1家族への支援と家族との協働、#2医療福祉専門職との連携と協働、#3退院支援体制発展に向けたシステム構築という4段階で体系化でき、個への支援(ミクロ)から地域への貢献を意図した支援(マクロ)に向かって拡大する方向であると考えられた。
著者
青山 亨
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

14世紀に書かれた古ジャワ語宮廷年代記『デーシャワルナナDesawarnana』(通称『ナーガラクルターガマNagarakrtagama』)の校訂本に基づきローマ字翻字による電子版を作成するとともに、日本語への翻訳をおこなった。また、15世紀に書かれた中期ジャワ語歴史物語『パララトンPararaton』の校訂本に基づきローマ字翻字による電子版を作成するとともに、日本語への翻訳をおこなった。『デーシャワルナナ』はマジャパヒト王国の宮廷詩人プラパンチャが書いた古ジャワ語の韻文98詩編384詩節からなる叙事詩的形式をもった作品である。原題は「地方の描写」を意味する。14世紀後半のハヤム・ウルク王治世期に最盛期を迎えたマジャパヒト王国の繁栄と、13世紀前半成立のシンガサリ王国に遡る王統の系譜を描いており、同時代のジャワの歴史を研究するために最重要な史料である。『パララトン』は15世紀後半に書かれた著者不明の散文の歴史物語である。原題は「諸王の書」を意味する。前半はシンガサリ王国の創建者ケン・アンロックの伝奇的な生涯を描き、後半は元寇の余波で生まれたマジャパヒト王国の成立の過程から、東西王宮の対立に起因する内乱をへて王国の後期までを描く。後代の編纂であり、また、史実からの逸脱が明かな部分もあるが、シンガサリ王国からマジャパヒト王国の末期までを理解するための根本史料の一つである。本研究の成果の一部は、岩波講座東南アジア史の第2巻におけるシンガサリ・マジャパヒト王国の歴史記述に用いられると共に、国際学会における発表の基本データとして利用され、インドネシア史の研究に還元されている。
著者
池澤 聰 片山 成仁 河嶌 讓 山口 泰
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

知性、創造性、芸術、リーダシップ、あるいは特定の学術分野において高い潜在能力を有するギフテッドの人々は学校、職場で不適応など種々の心理社会的機能上の問題を抱える。背景には、彼らが潜在的に高い処理能力を有するだけでなく、様々な感覚的情報も大量に取り込み、強く反応する“過興奮性: Overexcitability”の特徴を有することが想定される。本研究では、ギフテッドの基準を満たす人々及び年齢性別をマッチさせた定型発達者を対象として、認知機能、過興奮性および日常生活機能の関連を検討し、過興奮性および日常生活機能の改善を目指した介入法の開発につながる基礎情報を得ることを目指す。
著者
奥村 賢
出版者
明星大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本プロジェクトは、「日本映像カルチャーセンター」(1972年設立)所蔵の作品コレクションに再び光をあて、貴重な映像遺産の意義をあきらかにしようとするもので、具体的作業としては映像作品の目録化(カタロギング)の完成に力を集中した。この作業では、既存の 所蔵情報の誤りを正しながら、将来の映画利用の基盤となるより正確かつ有効な作品目録を実現させた。また、重要度の高いいくつかの作品について音声や字幕の日本語化作業も同時並行で実施し、映画上映のさいに活用できる日本語資料も作成した。
著者
木村 徹
出版者
杏林大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は腎臓嚢胞形成が特徴で、最終的に透析を伴う末期腎不全になる場合が多い。またADPKDは腎臓のみならず、肝臓、脳硬膜、膵臓などにも嚢胞を併発する場合がよくみられるが、その詳細は理解されていない。本研究計画では、嚢胞組織でのアミノ酸輸送経路を解明し、それをターゲットとする嚢胞形成抑制薬の開発につなげる研究を行う。
著者
櫻澤 誠
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

まず2020年度(1年目)前半は、沖縄・東京を中心とした広範な史料収集に注力する。そのうえで、以降も史料収集は継続しつつ、2020年度(1年目)後半から2021年度(2年目)には「①沖縄県設置(1879年)から尚泰死去・首里での葬儀(1901年)まで」の検討を行う。続いて、2022年度(3年目)には「②尚典への代替わり(1901年)から沖縄戦(1945年)まで」の検討を行う。さらに、2023年度(4年目)には「③敗戦・占領(1945年)から日本への復帰(1972年)まで」の検討および本研究全体をまとめる作業を行う。
著者
平川 新
出版者
宮城学院女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

江戸時代は、武士と百姓との身分が厳格な社会であり、兵農分離体制が貫徹した社会だというのが戦後歴史学の通説になっていた。豊臣秀吉による刀狩令以来、百姓は武装解除され、武士以外の帯刀は一部の特権者しか許可されていなかった、すなわち武力は武士の独占するところであり、百姓は武器を剥奪されて耕作に専念する体制になったという理解である。だが本研究によって、江戸時代には初期から幕末にいたるまで列島全域に大量の庶民剣士が存在してきたことを発見し、その存在を確認することができた。そうした実証をふまえて、江戸時代は「庶民剣士の時代」であることを完全に論証することができた。
著者
礪波 亜希
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

先進国の外国直接投資政策は近年、推進から規制へ、経済成長から安全保障へと急激な方向転換をしたが、この背景には投資受入側が外国に対して抱く脅威認識があった。本研究は、外国投資推進・規制制度はいかなる根拠に基づいて形成され、誰にどのように許容され、結果的にどのような影響を及ぼすのかを学術的問いとする。事例研究を研究手法として、国際関係論・国際政治経済学のコンストラクティビスト・アプローチを参照しつつ、物語的政策枠組み(Narrative Policy Framework, NPF)を活用する。事例研究の対象として、EUを含む欧州諸国の投資推進・規制制度、北極域への投資推進・規制制度を検討する。