著者
アヴォカ エリック
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

学術雑誌ならびに講演録に9本の論文を公刊した。さらに、過去3年間に執筆した5本の論文の公刊が決定している。また、フランスおよび日本において、多様な聴衆に向けて、シンポジウムやセミナーで9回の口頭発表を行った。上記の成果のほとんどは、「フランス革命期における演劇と雄弁」を主題とする本研究課題に直接関連するものであるが、浮世絵師の北斎に関する著書のような少数の例外もある。
著者
石井 明 清國 祐司 大西 美智恵 中西 美恵子
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

小児期における近視の発症と進行には長時間の近業が大きく影響するが、その抑制には十分な屋外活動が有効である。そこで、児童が視力を低下させない保健行動を取らせるための保健モデルを提案した。このモデルは、①自動視力計による視力測定、②視力に関するアンケート調査、③視力に関する講義の3つから構成される。これを県内の小学校で実施した結果、児童の視力に対する関心が高まること、視力が心配な児童は視力を低下させない保健行動をとることがわかった。
著者
薄井 勲 戸辺 一之 箕越 靖彦
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究計画で我々は、脂肪組織M1/M2マクロファージ(Mφ)とインスリン感受性との関連について、特にM2Mφとインターロイキン10(IL-10)の働きに注目し検討した。PPARγ活性化作用を持つテルミサルタンは脂肪組織MφのM2極性を誘導し、一方脂肪組織低酸素はM1極性を誘導した。ジフテリアトキシンの投与によりM2Mφを欠失することができるM2Mφablationマウスは脂肪細胞が小型化し、インスリン感受性が改善した。視床下部のIL-10シグナルの活性化は骨格筋のミトコンドリア関連遺伝子の発現を増強させ、耐糖能を改善させた
著者
小田 尚也
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

下院議院269人中、6割を越える166議員(61.7%)が土地所有者として認識されており、パキスタン国政において依然として土地と権力の結びつきが見られる。しかしこの数値はパンジャーブ州の数値に大きく影響されている。パキスタン経済の中心であるパンジャーブ州では下院選出議員の8割近くが大土地所有者である。地方政治においては在地権力の存在が依然として見られるが、国政レベルにおいては土地と権力との結び付きが低下しているとの見方が多い。パンジャーブ州を除く3州ではその傾向が見られるようであるが、パンジャーブ州では依然として在地権力が国政において大きなプレゼンスを誇っていることが確認できた。
著者
日下部 豊寿 佐藤 嘉晃
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目標は、加齢による変化を歯の移動を通して歯周組織を観察する事により明らかにすることである。第1段階として、咬合機能している歯としていない歯の歯髄腔内の違いを調べたところ、咬合機能が低下することにより、同じ歯の歯髄内においても部位によって微小血管腔、歯髄細胞の数に生じる変化量が異なり、特に髄角部における組織の活性の低下が生じており、歯冠部歯髄の組織の性状に差がある可能性が示唆された。さらに第2段階として、歯の移動時における歯槽骨の骨吸収について調べたところ、若齢に比べ老齢では骨吸収が少ないことが解り、また高血糖下における若齢と老齢の間では、特に骨吸収に違いは認められないことが解った。
著者
岩清水 伴美 鈴木 みちえ
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

若手保健師が乳幼児虐待ハイリスク家庭を支援するためのチームケア能力を向上させる関連要因は、リフレクションと学習、支援への気持ち等であった。先輩保健師の課題としては、若手保健師に見せる・伝える、先輩のスキルアップ等が明らかになった。新人保健師のチームケア能力向上するためには、ケースの個別支援を展開すること、苦手意識を芽生えさせないため「高い技能を求め、高い挑戦」をさせる教育内容の示唆を得た。
著者
戸田 須恵子
出版者
北海道教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

幼児の仲間関係に影響を及ぼす親の諸要因を明らかにする為に、幼稚園へ通っている4歳以上の幼児を持つ両親へ研究への参加を求め、214名の母親と186名の父親から協力が得られた。仲間関係に影響する社会的行動(向社会的行動、攻撃的行動、引っ込み思案行動、情緒性、不安傾向/散漫性)については先生に評価してもらった。ソシオメトリー指名法は、親の反対によって中止された。親の養育態度は、権威的、権威主義的、許容的養育態度とその下位因子を因子分析によって抽出し、社会的行動との関係を見た。母親の権威主義的養育態度は、向社会的行動や自己主張と負の相関が見られ、父親の権威主義的養育態度は幼児の暴力/破壊的行動と正の相関が認められた。母親の権威主義的養育態度に影響を及ぼす要因としては、幼児の落ち着きのなさ、未熟な行動、頑固さといった性格が影響し、自分の不安・うつ的性格や暗い性格(感情的、不安定、不満ぽい、嫉妬深い、神経質等)も権威主義的養育態度を規定する要因であった。又、権威主義的養育態度を示す母親は、家族を喧嘩の多い、感情的でストレスのある家庭として見ていた。又、夫婦関係においても言い争いが多く、問題を無視・回避するといった態度が見られた。権威的養育態度を示す母親は、家族を調和のとれた理想的家族と見ており、夫婦関係においても相互に援助しあっている関係として捉えていた。このような母親の養育態度は、幼児の友好的性格や自分の明るい性格が影響していた。父親に関しても同様な傾向が見られた。又、両親の父母の養育態度の影響に関して見ると、父母が権威主義的養育態度であれば両親も権威主義的養育態度を示し、父母が権威的養育態度だった場合は、両親も権威的養育態度を示した。即ち、子どもに示す親の行動・態度は、親から娘、息子へと受け継がれ、彼らが親になった時、又同じ行動様式をとる事が明らかにされた。
著者
西岡 利晃 大倉 良司
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

変動圧、特にパルス状加圧を用いた建物外皮の気密性測定法開発のため以下の理論的および実験的研究を行った。理論的には、容器の質量保存の式に、空気の状態方程式を適用して、隙間特性値をパラメータとした容器の圧力変動の式を導いた。この式は非線形微分方程式となり、一般解は求まらず、容器内で空気の発生が無い場合で圧力減衰過程は解析的に解けることを示した。圧力減衰の測定値を解析解に適用することによって、パラメータである隙間特性値を同定する計算法を導いた。実験的には、気密容器と流量測定装置を制作し、面積形状の判明した隙間を対象に定圧法と変圧法(圧力減衰過程)により気密性=隙間特性値を測定した。変圧法では、送風機で給気し一定圧力差を形成してから送風を停止してその後の圧力の減衰過程を用いる方法と、高圧空気ボンベから一気に空気を放出し放出停止後のそれを利用する方法を行った。測定した隙間特性値を相当隙間面積に換算し、実際の隙間面積と比較した。定圧法は、隙間面積の広い範囲で実際の隙間面積とよく一致したが、変圧法(減衰過程)では、隙間面積が大きくなると一致しなくなり、隙間面積の大きさにかかわらずほぼ一定値になる。変圧法(減衰過程)では、気密性が悪くなるとすなわち隙間面積の大きさがある一定値より大きくなると、圧力減衰が急激になり、正確な数値近似が困難になると思われる。高圧空気ボンベの放出を用いるパルス法(パルス状加圧を用いる方法)は、送風機や送風用のダクトが不要で、建物外皮に特別な養生を施さずに行える利点がある。実在建物の気密性能を評価する優れた方法であるが、気密性の高い建物すなわち一定以上の気密性のあるそれにしか適用できない。隙間面積を小さくしたパルス実験で、適用限界を求めた。
著者
木宮 敬信 戸田 芳雄
出版者
常葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

在日外国人児童を対象とした防犯教育プログラムを開発するため、在日外国人学校や本国の教育課程で行われている防犯教育内容を調査した。この結果を踏まえ、知識学習からフィールドワークにつなげるe-learningプログラムを開発した。プログラムの特徴は、日本で生活する上で必要な防犯知識や非行予防に力点を置いた薬物教育をクイズ形式のアプリとして開発したこと。また、地域連携を視野に入れ、知識学習を終えた児童が地域安全マップを作るプログラムをweb上で公開したこと。また、これらをつなぐためのポータルサイトを作成したことである。その他、学校での時数不足を補うため家庭で個人使用ができるように工夫している。
著者
岡野 祐子
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、国際家族に関するEU統一規則について、わが国を含むEU域外諸国の市民にこれらの規則が適用される際の問題点を分析、検討するものである。EUの統一規則は、EU域内の市民のみならず、EU域外の市民をも適用対象とするが、本来EU域内の市民を念頭に置いた「内向きの規則」であるため、EU域外国の市民に適用される場合には問題が生じうるものとなっている。本研究では、国際離婚、扶養義務、夫婦間の財産分与を対象として、具体的にどのような問題が生じるのかを考察する。
著者
宮崎 章夫 矢野 伸裕
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究の目的は、高齢ドライバーが示すリスクテイキング行動(Risk Taking Behavior, RTB)の特徴を解明し、それを防止するドライバー教育の方法を検討することである。調査の結果、高齢ドライバーは周囲の車両から物理的・精神的な圧力を受けており、その圧力から逃避するためにRTBをとりやすいことが明らかになった。こうした知見を自動車教習所指導員へ伝えたうえで、指導員同志の集団討議をおこない、RTBを防止するための助言・指導の方法を検討した。
著者
望月 桂
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

新しい環状配位子の金属錯体を合成し、芳香族ハロゲン化物の脱ハロゲン化における、これら金属錯体の触媒作用について研究した。その過程で、光を利用し、環状配位子-ニッケル錯体を触媒として用いた芳香族臭化物の脱臭素化システムを、新たに開発した。
著者
安島 博幸 村上 和夫 佐野 浩祥
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

これまで観光地の誕生から成長・発展、そして衰退に関する理論は、R.バトラー(1974)による「観光地のライフサイクル理論」により,ライバルとの地域間競争や環境容量による制約によるものと説明されてきた。本研究では、観光地の盛衰の要因は、当該観光地の価値の増減にあるとの前提に立って、発展衰退モデルの理論的な枠組みを提示することを目的とした。まず、観光地の価値についての理論を実証的に検討し、価値はどのような要因によって増減するかについて考察を行なった。次に、価値について得られた知見を総合し、観光地の価値の増減に基づく観光地の成長・発展と衰退過程に関する理論モデルを提示した。
著者
西口 美津子 渡部 美紀子 芥川 一則 芥川 一則 大野 邦夫
出版者
福島工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、キャリアの履歴を分析するツールである「マトリックス履歴書」を用いて、被災地の中高年女性の起業を支援する手法の開発を目指したものである。まず、歴史上や実在する女性起業家のマトリックス履歴を分析することで成功に必要な要素を洗い出した。次に中高年女性へのアンケート調査により地域に必要とされる起業や能力開発のニーズを明らかにした。さらに、中高年女性を対象としたセミナーを実施すると共に、参加者からの声を反映し、今後のセミナーや能力開発に活用できる「女性のための起業マニュアルー未来は自分で切り開く!-」(161頁)を制作、地域の女性等に配布した。最後に、研究の成果を国内外の学会で発表を行った。
著者
MAHONEY Sean 猪井 新一
出版者
福島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は全国の小学校に2011年から導入した外国語活動の実態、または中学校の英語教育への影響を探ることが目的であった。全国調査で小学校5・6学級担任の先生(1802名)と、小学校を務むALT(389名),中学校の英語教師(515名)と、中学校ALT(169名)から大変貴重なデータを得た。数量及び質的なデータ分析をし、国内論文(1件)と国外向けの論文(1件)の発行は決定した。
著者
足立 アホロ 小林 隆久 山内 洋 増田 一彦 石元 裕史
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

潜在的に豪雨をもたらす可能性のある積雲を直前に検知するための手法をシミュレーションを用いて開発し、そのアルゴリズムを実際のレーダー観測に用いて検証を行った。その結果、豪雨を伴う積雲では、地上で豪雨が発生する10分ほど前に、上空に降雨強度の高い領域が発生し、また反射因子差(ZDR)の高い領域が気温0度の高度よりもさらに上空にまで達していることがわかった。このような特徴は豪雨を伴わない積雲には見られなかったことから、これらの特徴が潜在的に豪雨をもたらす積雲を識別する指標になり得ることが示唆された。
著者
濱田 初幸 前田 明 小山田 和行
出版者
鹿屋体育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

柔道の前回り受身の補助機能付上衣「初転君」を用いた指導は、前回り受身の際の圧力分布パターンが、熟練型パターンに近づき滑らかな回転動作を習得することができた。さらに内省報告による理解のしやすさからも、従来の柔道衣による指導よりも即時的効果が高まることが明らかとなった。このことから、「初転君」は指導用教材として有効であることが検証された。柔道を専門としない体育教員が受身を指導する際の効果的な教材として有効であることも示唆された。
著者
猿渡 敏郎 山内 信弥 藤井 千春
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

近年、小型底魚類が未利用水産資源として注目されている。メヒカリ(アオメエソ属魚類)モデル分類群とし、小型底魚類の生活史の解明を図った。マルアオメエソがアオメエソの異名であることが判明した。世界で初めてアオメエソの発光観察と撮影に成功した。アオメエソは、仔稚魚が黒潮に乗り?方海域から輸送され、10-11月ごろ駿河湾内に加入・着底し、翌年湾外へと移動する。本種が、大回遊を行う小型底魚であることが判明した。
著者
池本 幸生 松井 範惇 坪井 ひろみ
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

社会的企業は、経済性を維持しつつ、援助や支援に頼ることなく社会的目的を達成する持続的活動として多くの国で実践されている。このような活動を成り立たせている仕組みは利他的動機から生まれており、アマルティア・センのケイパビリティ・アプローチによって説明することができる。本研究では、バングラデシュのグラミン銀行の活動、ベトナムのコーヒー、タイの有機農業を事例とし、その仕組みと効果に関する分析を上記の枠組みで分析を行った。
著者
原 健二 久保 真一 柏木 正之
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

火災で発生する熱分解物すなわち煙成分を焼死体の血液から証明する研究をした。方法としては、固相マイクロ抽出を使って揮発性成分を抽出し、低温濃縮ガスクロマトグラフィー質量分析法を使った。この方法により、熱分解産物であるフェニルアセチレン、スチレン、インデン、ナフタレンが熱傷を伴う焼死体の血液から検出されることがわかった。すなわち、この分析において、焼死体の血液から火災で発生した煙成分を証明することができる。煙成分の検出は火災発生時において焼死体が生存していた証拠になる。