著者
本村 裕之 斎藤 参郎
出版者
日本文理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

渡航需要関数の推計においては現実のデータに照らしてほぼ正確に予測できることが示された。近年の急激な韓国人観光客の増加のほとんどを輸送コストの変化により説明できることを意味している。また、初めて来訪した観光客とリピータとの特性の違いを明らかにすることができた。これらマイクロ行動データの潜在的な価値は、外国人観光客の地域経済への影響を推計できる点にある。
著者
田邉 信太郎
出版者
国際武道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

本研究の目的は、我が国近代(特に明治末期から昭和戦前期)に、主として民間の場で展開された健康文化の実態を明らかにすることであり、同時に今日の民間の場で展開されている健康文化への影響を検討しつつ、今後の我が国での新たな健康文化の形成にとっての意義を考察することであった。また、当時のこのような健康文化は、近代医学に対抗する性格を含んでおり、健康観・身体観・病い観、さらに治療観に特色のあることから、これらを代替的癒しの実践としてとらえ直して考察した。その結果、代替的癒しの実践は多様な内容と成立の経緯を有しており、今日に影響を残すものも少なくなく、さらには一部が国際的な民間健康文化にまで発展しつつあることが、明らかとなった。代替的癒しの実践を類型化してみると、まず目的からは強健法,保健法、治療法に大別されるが、それらの混合したものもあった。これらは近代医学・医療との関係でみたときに、特徴がさらに明確となった。すなわち、目的においては、健康や医療一般の活動と共通する面が大きいものの、それらの手段や背景の理論において、近代医学・医療のオルタナティブ(代替)としての性格を有している。たとえば手段に関して、全体として無薬療法を特徴としており、呼吸、身体操作、精神作用を媒介としたり、当時の近代医学・医療では採用していなかった各種機器を用いたりした。理論に関しては、全体として、自然良能(人間本来のもつ治癒力)への信頼を特徴としており、また生きた人間のからだへの経験的洞察に基づくものが多かった。これらの内容は、今日のいわゆる生活習慣病の時代において、我々の生き方と健康観全般に対して、なおオルタナティブとしての意義を有しており、さらにはからだと心の統合的把握のために、改めて示唆を与えるものと思われる。
著者
棚次 正和
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本研究の目的は、宗教的な「救済」と科学的な「医療」の双方を包括するような概念としての「癒し」に着目し、その「癒し」の思想や意味を特に人体観や呼吸との関連の中で考察することを通して、宗教と科学(特に医学)の相互関係を解明するとともに、人類の新たな世界観の提示に結びつくような認識地平を開拓することにあった。学問的方法や知の内容に関して、宗教学と自然科学(医学)との間に大きな乖離が存在することは否定できないが、本研究では、その双方の学問領域の研究成果を統合化するための予備的作業として、まず宗教と科学における自然観や人間観の相違を可能な限り明確に浮き彫りにすることに努めた。その作業を通して、少なくとも次の三点が確認されたと思われる。1.宗教団体やニューエイジ共同体で実践されている「癒しの業(浄霊)」や「自然農法・有機農法」には現代自然科学(医学を含む)の知と技術の体系には包摂しきれない存在の深みの次元-哲学的宗教的には存在根拠や生命の根源と呼ばれる-への顧慮がある。2.その深みの次元に対する考察の射程を持たない自然科学の有効性と限界を承知しておく必要がある。3.自然科学の知見と精神科学(哲学や宗教学を含む)の知見とを統合するための視点の一つが、物質と精神を結ぶ、あるいは体と心を結ぶ「生命」に固有の次元を捉える視点と重なると考えられる。以上の研究成果を受けて、われわれは、呼吸や人体の構造などに現れた「生命」現象を探求するための手掛りが、生物固有の「波動」(ベルクソンの「持続」に近い)概念の解明にあることを示唆した。この探求が切り開く地平には、世界および人間の存在構造全体を見渡しうるような地点が用意されていよう。
著者
岡崎 友子 堤 良一 金 善美 金水 敏
出版者
就実大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

現代語の指示代名詞の研究については、これまで多くの成果が出ているが、フィラーや古代語の指示詞については未だ分からないことが多い。そこで本研究では、様々な分野の研究者が連携し、古代・現代語の指示詞の用法について調査・分析を行い、その用法を究明した。さらに研究期間中に収集・整理した古代語の指示詞の用例や、TV番組におけるフィラーについて、公開のためにデータベース化をおこない、指示詞用例集として刊行した。
著者
汐月 哲
出版者
東京電機大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

双方向遠隔操作時における人間の通信遅延に対する適応能力を評価できるシステムとその評価手法を確立することを目的として実験的研究を行なった。特に、テレビ会議システムと連動できる実験装置を構築し、視覚と力触覚の混在する状況での通信遅延に対する人間の適応能力に着目した。ひとつの知見として、PID制御器モデルのパラメータの変化として遅延適応能力を評価できる可能性が確認された。
著者
小野 修三 永岡 正己 小笠原 慶彰 坂井 達朗 米山 光儀 松田 隆行 永岡 正己 小笠原 慶彰 坂井 達朗 米山 光儀 松田 隆行 長沼 友兄 安形 静男 安東 邦昭
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

石井十次の岡山孤児院は明治20年に、加島敏郎の大阪汎愛扶植会は明治29年にそれぞれ設立され、一時合併話もあったが、競合する児童保護団体だった。この両者の運命を決定的に分けたのは明治43年韓国併合と同時に、加島が朝鮮扶植農園という移民事業に挺身した点である。本研究は事務所日誌の翻刻により、また朝鮮総督府文書の調査により、両者間の比較を行ない、殖民思想の違いの他、セツルメントに着手するなど社会事業としての共通性も明らかにした。
著者
岡田 三津子 鈴木 孝庸 櫻井 陽子
出版者
大阪工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

奥村家関連資料は、京都当通座の最後の最高責任者であった奥村允懐一の所有していた楽器・文書類を主とする資料の総称であり、現在、京都市歴史資料館に寄託されている。本研究では、奥村家関連資料の悉皆調査および正確な書誌データ収集を第一の目的とした。調査の結果、謡本として認識されていた資料が、従来未知の波多野流平曲譜本のほぼ一揃いであることが判明した。資料調査の成果をふまえ『京都当道座奥村家関連資料総目録』を作成した。
著者
森永 由紀 尾崎 孝宏 高槻 成紀 高槻 成紀
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

遊牧の知識の客観的検証のために、モンゴル国北部のボルガン県の森林草原地帯で気象学的・生態学的・人類学的調査を実施した。一牧民の事例ではあるが、谷底にある夏営地と斜面上の冬営地の気温差から、盆地底の冷気湖の上にある斜面温暖帯に冬営地が設置されている可能性を指摘し、家畜にとって冬営地の気象条件が夏営地のそれより、冬季にいかに有利かを体感気温の観点から検証した。また、家畜の群れを移動群と定着群に分けて体重測定を実施した結果から、移動する場合のほうが体重増加に有利であることを示した。さらに、聞き取り調査により、調査地域が都市近郊に形成されている牧民集中地域であり、現在のモンゴル国における典型的な牧畜戦略のひとつとして、都市近郊に居住することで現金収入を最大化させようとする志向があることを明らかにした。
著者
加戸 隆介 難波 信由
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

1998年の猛暑による影響で脱落した護岸壁潮間帯生物群集の修復を図ることを目的に、岩手県越喜来湾崎浜地区の鬼間ヶ崎側護岸壁を調査対象地点として、チシマフジツボに着目して本研究を3年間行ってきた。結果1.捕食動物の侵入を制限すれば護岸壁の潮間帯生物群集再生可能:対照である護岸壁の現状に大きな変化はなく、3年前と同様に種数も個体数も改善が見られない。一方、チシマフジツボを付着基質とした群集は健在である。ムラサキイガイに被覆されてもチシマフジツボは生き残り、ムラサキイガイ群集の貝殻を付着基質として第2次付着生物(フジツボ類、コケムシ類、海藻類)群集が形成された。これが捕食動物の侵入を制限した場合の潮間帯極相と見られる。昨年秋の荒天によりチシマフジツボを覆っていたムラサキイガイが大きく剥離した。このサイズのチシマフジツボ群集はウニによる捕食を受けにくいため、今後のチシマフジツボの生残はチヂミボラに依存していると言えよう。2007年の初春にチシマフジツボの新たな世代加入があり、初めて2世代が同居できるかに興味が持たれる。2.凹凸を付与は春以前に実施する必要がある:凹凸を付与したコンクリート板は明らかに生物群集を形成・維持しやすいが、管棲多毛類やコケムシ類がこの付着基質に先に付着・被覆した場合には、立体的で複雑な生物群集は発達しにくい。これを考慮すると、複雑な生物群集を形成させるためには、試験基盤設置(将来的には護岸壁処理)を冬に実施し、チシマフジツボの付着を優先させることが望ましい。3.手のかからないキタムラサキウニ排除方法が生物群集再生の決め手:護岸壁潮間帯生物群集の再生には、チシマフジツボの付着と殻径が10mm程度に成長するまで捕食者から保護することが必要である。そのためには、基質表面をウニが匍匐しにくい処理を施すことが決め手であり、次の段階としてその方法を考案することが重要であると考えられた。
著者
中島 幹夫
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的はビブリオ・バルニフィカス(以下Vibrio vulnificus)に対する迅速な診断法を確立し、本症の救命率を向上させることにある。平成20年度にV.vulnificus感染を疑った5症例に対し患者家族から同意を得て、患者背景、臨床症状、既往歴等の情報収集を行うとともに、提供を受けた創部の滲出液や血液検体について簡易迅速培養検査および遺伝子増幅検査を行った。その結果、5例中2例において遺伝子増幅検査(LAMP法)では検査開始から約5時間、2種類の培地による簡易迅速培養検査では約1日で患者収容医療機関に情報提供を行うことができた。また、この結果は、検査開始から2日後に得られた従来の培養結果と一致した。残念ながら、本感染症の確定診断に至った2症例ともに医療機関受信時すでにショック状態を呈していたため、早期診断結果も救命には繋がらなかった。感染モデル作製報告はないため、経口感染による実験動物モデルの作製に着手した。今回は肝機能が正常なマウスを用いて感染実験を実施したが、今後の臨床的研究推進のためには肝障害マウスの作製が必要となる。従って現在下記手順に則り肝障害マウスの作製と感染実験を計画中である。
著者
酒井 理
出版者
大阪商業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、消費者の安全性ニーズに応えながら効率的に農産物が流通するシステムの成立可能性について検討した。具体的には、安全性の高い農産物として有機農産物を取り上げて、農家と小売業者の直接取引モデルの成立可能性を検証した。結果、農産物生産者が取引に参加するためのインセンティブが与えられないことが明らかとなった。このインセンティブが与えられない限り小規模な農産物生産者と小規模青果小売店の直接モデルは成立しないという結論を導いた。
著者
陳 幸生
出版者
神奈川工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

情報システムの使用者の急激な増加と伴い、デジタル化した情報の爆発的な増加になっている。高精度の情報検索システムの開発が急務になってくる。特に、利用者の検索特徴を学習しながら検索精度を向上できる検索システムが望まれている。本研究では、本来人間同士が話すとき、"潜在的会話背景"を無意識に利用し、会話を進めると同様な原理で、利用者の検索意図に沿う高精度の検索システムの開発を目的として、研究開発を行った。利用者の検索意図の抽出方法、利用者検索意図に沿う検索方法、および、検索精度を向上するための検索意図学習方法を研究成果として得られて、その有効性を、実験を通して確認した。
著者
栢下 淳
出版者
県立広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

嚥下障害や咀嚼障害者に対する栄養管理は、経口からの栄養補給と非経口からの栄養補給を併用することが多い。経口摂取する場合に、適切な物性の食事提供は難しいと考えられている。そこで、経口摂取を進めるために段階的な嚥下食物性値に準じた市販食品に分類およびレシピについて検討した。また、この段階的な嚥下食物性値は、2009年から施行された厚生労働省特別用途食品えん下困難者用食品の基準策定にも用いられた。
著者
平野 博之
出版者
岡山理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

「太陽熱を蓄える池」という意味のソーラーポンドを利用し,各種施設の暖房用熱源としての利用の可能性について,実験と数値解析の観点から検討を行った.実際に用いたポンドは,塩水の上に淡水を置き,太陽光を塩水に蓄熱するという塩濃度勾配型とよばれるものを用いた.このポンドでは,塩水と淡水の間の濃度勾配層が蓋の役割を果たすために蓄熱が可能となる.検討の結果,太陽熱の20%程度の量を蓄熱することが可能であることがわかった.
著者
田村 淳二 高橋 理音
出版者
北見工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、基本的に電力系統に接続しないスタンドアローン形のウィンドファームを想定し、風力発電出力を用いて電気分解装置により水素製造を行うシステムの設計を行った。具体的には、固定速風力発電機から成るシステム、交流励磁形誘導発電機から成るシステム、永久磁石形同期発電機からシステムを対象として、風力発電機、電解槽、蓄電装置の協調制御により水素を発生するシステムを構築し、それぞれの性能を検証した。
著者
渡邉 孝男 猿渡 英之
出版者
東北文教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

日中韓の成人、 園児等地域住民を対象に陰膳法の食事調査で採取した検体によりてケイ素摂取量の測定を実施した。(1)日本国内の飲料水中のケイ素は九州と東北地方に20 mg/Lを越す高濃度地域が認められた。食事中ケイ素摂取量は数十mgと推定されるが、飲料水のSi高濃度地域は食事摂取量の50%を越すことが示唆される。日本のケイ素濃度は中国よりも全体的に高い。(2)園児の爪中のケイ素等各種元素の測定を実施した。元素濃度は個人、園間での変動幅が大きい。
著者
原田 純孝
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

「平成の農地改革」を標榜した2009年の農地制度改正について、その課題並びに内容と特徴を農政改革の全体的な文脈のなかで分析し、(1)農地貸借の自由化により農地制度の方向性が逆転したこと、しかし、(2)それが農業の構造改革にどう寄与するかは未知数であるうえ、制度改正自体も「道半ば」の状態にあり、(3)その行きつく先の如何(とくに所有権取得の自由化の成否)によっては、土地法制全体にかかわる様々な問題が生じうることを明らかにした。
著者
大町 真一郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

自ら移動して環境の情報を積極的に取得して行動する知能ロボットへの応用を想定し、映像を用いた実環境中の物体の頑健でかつ高速な探索法を開発することを目的として研究を行った。高速化を実現するために、画像を多項式で表現する手法、および、多項式を用いて探索を高速に行う方法を開発した。まず、画像を関数で適切に表現する手法について検討した。様々な関数形を調査した結果、多項式により画像を十分な精度で表現できることが分かった。ただし、多項式で近似する際に最小二乗法等の良く知られた方法を用いたのでは計算誤差によって適切な近似画像が得られないことも確認された。そのため、直交多項式を用い、直交多項式の完全性を利用して画像の近似を内積計算で実現する手法を開発した。次に、画像を近似する多項式と入力画像との類似度計算を効率よく行う手法を検討した。その結果、多項式の係数ごとに類似度を計算し、それを足し合わせることで、高速に類似度計算を行う手法を開発した。実験を行い、従来の高速化法と比較して、提案手法がはるかに高速であることを確認した。ところで、一般に画像パターン認識では単一の画像を用いるよりも、複数の画像を用いて統計的に適切な認識結果を得る方が一般に性能が良い。これらを考慮し、提案手法を部分空間法に適用する手法を提案した。部分空間法では、複数の学習パターンからそのパターンを表わす基底を構築し、基底への射影成分を求めることで認識を行なう。これにより認識精度が向上するだけでなく、一般に基底は低周波成分の多いパターンとなるため、多項式による近似精度も向上させることを可能とした。さらに、本手法の考え方を、代表的な信号処理の手法である連続ウェーブレット変換の高速計算に応用した。多項式を用いた内積計算の高速化法を拡張し、連続ウェーブレット変換に必要な積分計算を高速化する手法を開発した。
著者
中野 栄二 庄司 道彦 王 志東 高橋 隆行
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

1.実験機の試作操縦型連続移動歩容の検証のために,18自由度をもつ脚車輪ロボットの実験機を製作した.2.オペレータによる操縦に的確に反応する脚相管理歩容の実現オペレータの指示する速度が限度を超えたときに,脚の復帰動作が間に合わずに推進動作が停止する問題が明らかになり,この点の解決に特に重点を置き,集中的に研究を行った.その結果,これまで提案してきた脚相管理歩容ときわめて親和性の高い,かつ効果的な方法の開発に成功した.この方法の主要な部分は以下の通りである.(1)ベースとなる脚相管理歩容とは,脚が可動限界に到達して推進動作が継続不可能になる時刻を予測し,それに基づいて脚の復帰動作開始タイミングを決定する手法である.この手法は,脚の機械的な可動限界到達までの時間と,可動限界からの復帰に要する時間を比較し,継続的な推進動作を実現するものである.(2)しかしながらオペレータの指示速度が過大で,脚の動作タイミングの制御のみでは推進動作の継続性が維持できない場合,速度指令を強制的に小さくすることにより,機体が実現可能な範囲内で最大の速度が出せるようにする.この二つの手法を併用することにより,制御対象である脚車輪型ロボットを不整地上で継続的に動作させることに成功し,また速度指令が一定の場合については,脚の復帰動作を最小限に抑えた効率的な推進動作が実現できることを確認した.3.安定性を考慮に入れた脚相管理歩容の拡張上述の脚相管理歩容を,任意に設定した転倒安定余裕を確保しつつ継続的推進動作が可能なように拡張した.
著者
屋良 朝彦 金光 秀和 本田 康二郎 蔵田 伸雄 須長 一幸 永澤 悦伸 大小田 重夫 坂井 昭宏 長谷川 吉昌
出版者
長野県看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

(1)科学技術によってもたらされる不確実なリスクに対処するための意思決定モデルとして、「予防原則」を検討した。その際、予防原則にはどのようなレベルのリスクに対処するべきか明確な基準が欠けていることが明らかにされた。そのため、予防原則はリスクに関する合意形成モデルによって補完される必要があることが示された。(2)科学技術による不確実なリスクの本質を知るために、それをリスクコミュニケーションの観点から分析した。