著者
樋口 忠彦 川崎 雅史 出村 嘉史
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、近代以降市街地の急速な拡大にもかかわらず、自然と市街地とが一体化した良質な景域が形成された京都の山辺の丘陵地形を対象にして、CGを援用した地形・敷地の空間デザイン分析、および文献資料調査、ヒアリング調査などにより、自然環境と密接に関連した景域の敷地計画と景観設計に関する新たな知見を得ることを目的とした。1.複数の丘陵地を利用した住居群・街路網・広域庭園の景観設計京都の神楽岡界隈の景域を対象とした。近代以前の敷地構成、特に吉田神社・真如堂・金戒光明寺境内との接続によって形成された街路網と土地造成を明らかにした。次に近代における吉田山斜面の広大な茶室庭園と計画的住宅群開発や、その周辺に発達した街路網に着目し、大文字山への眺望特性を地形データに基づくCGから分析し、斜面建築と庭園の統合的な敷地造成と広域な景観設計法を評価した。2.「野」の緩傾斜地形に展開する疏水と沿線都市の景観設計浄土寺・鹿ヶ谷の景域および南禅寺周辺の景域を対象とした。測量データに基づくCGを用いて敷地構成の原形を分析し、複数寺院の境内と建設された琵琶湖疏水分線を軸として「哲学の道」と文人が居住した住居地域界隈の、地形断面などに基づき敷地構成および景観特性を明らかにし、広域でまとまる景観形成の手法を評価した。3.山裾の広域傾斜を利用した広域公園の景観設計円山公園の界隈を対象とした。近世における複数の時宗寺院の塔頭群が複合して名所界隈を形成した景域を絵画史料や現地形に基づく再現CGにより解析し、急傾斜地形の眺望性に特化した懸崖建築と一体的造成による回遊庭園の統合的な景観設計を評価した。次に、近代公園の庭園敷地において微地形を考慮した敷地造成と疏水利用による景観の展開を調査し、広域的な景観設計の解明を行った。
著者
圓谷 裕二
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は、メルロ=ポンティの哲学における真理論と存在論と芸術論に焦点を絞りながら、彼の哲学のもつ哲学史上の画期的な意義について明らかにすることである。本研究は、このことをメルロ=ポンティの前期哲学から後期哲学への移行を跡づけながら照らし出している。第一章は、主として前期の主著である『知覚の現象学』に即しながら、メルロ=ポンティの真理論を彼のパースペクティヴ主義との不可分な関係から解明している。世界内存在としての身体主体は世界を上空飛翔的に認識する主観ではないし、認識や定立の根底にある前述定的知覚はパースペクティヴ的にしか物や世界を生きることができない。彼のパースペクティヴ主義の独自性こそが同時に彼の世界論や時間論そして真理論の固有な展開を可能にしている。第二章は、後期哲学の核心をなす内部存在論に着目しながら、そこでの方法論の特徴を析出し、前期の現象学から後期の存在論へと重心を移動させた主要な理由を解明している。第一原因も究極目的も措定しえない状況の中で、根源について問いかけるための方法がいかなるものなのかを論究するのが第二章の課題である。第三章は、第二章での方法論の考察を踏まえながら、後期メルロ=ポンティの存在論を<見えるもの>と<見えないもの>の弁証法的関係として解釈している。第四章は芸術論を主題とするが、メルロ=ポンティの芸術論は、芸術を他のさまぎまな領域から区別される独自の領域と見なすのではなく、むしろ、世界と我々との原初的な出会いの場の典型的なモデルとして位置づけている。言い換えれば、芸術とは何かという問いは、知覚経験の根源的在り方を問うことにほかならない。
著者
木田 章義
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

建仁寺両足院所蔵の、抄物を中心として、仮名を含む文献を中心に資料調査を行い、写真撮影と整理作業、それに平行して、担当者を決めて資料分析を行った。禅僧の抄物が非常に専門的な内容であり、かつ、大部なものが多いため、予想外に分析に手間取り、資料の影印刊行の予定も大幅に遅れてしまった。調査資料に関する纏まった成果は、1~2年後からということになるが、若手研究者も数人育ち、関係資料もほぼ整理ができた。同時に、漢籍・仏典の調査も行っていたので、五山禅僧の教養の基盤もかなり明らかになり、この面でも大きな成果があがった。
著者
伊藤 直紀 野澤 智 和南城 伸也
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は,相対論的Sunyaev-Zeldovich効果に関して,十分な成果を上げることができた。相対論的Sunyaev-Zeldovich効果は,銀河団内部の高温電子の熱運動による熱的効果と,銀河団全体が宇宙背景放射に対して運動することによる,運動学的効果の二つの効果がある。本研究において,われわれは,この両方の効果に関して,非常に精度の高い結果を導出することに成功した。われわれの理論的研究の成果は,すでに,世界各国で始まっているSunyaev-Zeldovich効果の精密観測の結果の解析に取り入れられている。本研究の過程で,研究代表者は,各国のこの分野の研究者を訪問し,非常に有意義な討論を行うことができた。2004年には,5ケ月にわたって,Cambridge大学Cavendish研究所に滞在し,同研究所の多くの研究者たちとSunyaev-Zeldovich効果に関して詳細な討論を行うことができた。その後,同研究所の定期的な訪問者として,2005年,2006年,2007年の夏に同研究所を訪問して,討論を継続している。また2005年9月と2007年4月に,ドイツ国GarchingのMax-Planck-Institut fuer Astrophysikを訪問し,所長のSunyaev教授と,懇談する機会をもつことができた。Sunyaev教授は,言うまでもなく,Sunyaev-Zeldovich効果の研究の創始者であり,同教授と2回にわたって懇談できたことの意義は,計り知れないほど大きい。これ以外にも,本科研費により,Princeton大学,Roma大学,CERN研究所を始めとする,多くの研究機関を訪問し,招待講演を行った。このことにより,本研究は国際的に非常に高い評価を受けるにいたった。
著者
別府 俊幸
出版者
松江工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

エンジニアリングデザインとは、メーカにおいてクライアントの要求に適合するシステムやコンポーネント、プロセスを開発するプロセスである。研究では、卒業生がデザインプロセスに参画して能力を発揮することを目的として、教科内容および教科書の作成を進めた。ものづくり体験に立脚したデザインプロセスの学習、および学習した知識を応用するデザイン演習を組み合わせた教育法を提案した。現在、教科書を作成中である。
著者
二宮 修治
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本研究では、屋内外に展示されているブロンズ製彫刻のアシッドライン(線状の腐食)のメカニズムを究明することを目的とし、異なった環境での大気汚染調査とブロンズの化学組成との関係について検討した。金属試験板、大理石試験板の環境暴露試験として、市販あるいは溶製されている大理石、青銅(BC6)、古銅(東大寺大仏殿屋根材の再現)、銅(JIS-H-3100)、炭素銅(JIS-G-3141)を使用して、屋内外の暴露試験を行い、同時に環境汚染物質の測定も併行して行った。大理石では環境の汚染度の指標となること、銅製品金属試験板では、青銅中の亜鉛と鉛に及ぼす環境因子の影響が顕著に認められ、塩基性硫酸銅、塩基性硝酸銅の生成が確認され、塩基性炭酸銅は検出されなかった。ブロンズの化学組成により腐食の進行が異なることを定性的に見出したので、本研究では、(1)東大寺八角灯篭の再現(Cu94% Sn2.5% Pb1% As2.5%)、(2)ロダンのブロンズの組成(Cu94% Sn4% Zn1%)、(3)ロダンのブロンズから亜鉛を除いた組成(Cu95% Sn5%)、(4)JIS規格の青銅(BC7)の4種類のブロンズ製テストピースを専門の鋳造家に依頼して作成し、博物館の屋内外の暴露試験・リーチング試験を行った。暴露期間が短いため、明確な結果を得るまでに至っていないが、さらに、環境暴露を継続的に行っているので、今後の調査により明らかになるものと期待される。大気環境の異なる3博物館(都市部の中心地域、沿岸地域、火山地域)における雨水と博物館内・外での大気環境(ガス、ミスト)中の汚染物質の計測を行った。大気汚染物質の量は、発生源に関係するが、季節的な変動やその輸送経路としての気象条件が関与することが見出だされた。また、環境によるブロンズの腐食に違いが見られ、環境汚染因子との相関性が認められた。
著者
小山 智幸 小山田 英弘 陶山 裕樹 孫 玉平 伊藤 是清 船本 憲治 田中 利光
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

フライアッシュ、砕石粉、各種非反応性スラグ、焼却灰など、発生量が増大している種々の副産粉体を、コンクリートの性能を向上させながら大量に有効利用する方法を確立することを目的とし、既に得られた実験室レベルの成果をもとに、構造部材レベルにおける構造性能と設計方法ならびに耐久性能を総合的に検証した。結果、本コンクリートは構造体コンクリートとして使用できること,及びその調合設計,構造設計ならびに耐久設計の方法を明らかにした。
著者
中田 知生 岩間 暁子 高田 洋 中井 美樹 岩間 暁子 高田 洋 村上 あかね 中井 美樹
出版者
北星学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究においては、欧米において社会学分野の学術雑誌に頻繁に用いられる新しい分析モデルについて、理解し、社会学研究にどのように適用できるかを考え、実際に分析を行ってみることである。本研究においては近年の社会学の理論構築のために収集された調査データ、特に、変化を扱うことが可能であるパネルデータや、調査においての回答拒否を含んだデータなどは、従来の分析方法では正確な推定値を算出することができないからである。本研究では、アメリカの大学における統計学・データ解析に関する実際を知った上、それらを分析する方法としてのそれらの新しい統計モデルやそれらを分析するソフトウェアに関する情報を収集した。採取的には、雑誌論文において、これらの新しい方法のいくつかについて、論文を執筆して掲載した。
著者
秦 明徳
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

岩石の風化作用は気圏,水圏,生物圏,岩石圏といった地球サブシステム間の相互作用として成り立っており,地球システムとして説明できる身近な好例である。本研究では風化作用を軸とした花崗岩地帯学習の在り方について取り上げ,地球システム教育の一般教育における重要性とその可能性について探った。具体的にはシステム論的視点にたった花崗岩類風化作用の教材開発・カリキュラム資料の作成するとともに、実験授業を行い,その評価を踏まえながら新しい地球学習のありかたについて提案した。
著者
篠藤 明徳 日詰 一幸 伊藤 雅春 佐藤 徹 前田 洋枝
出版者
別府大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

市民討議会の全国事例(2006年から2010年)調査を通し、身近なテーマ、青年会議所と行政の共催、プログラムの類型等が明らかになり、高崎市、豊山町の事例調査では、参加動機等を分析できた。ドイツでの変形型プラーヌンクスツェレの状況やアメリカでのアメリカスピークス、ケッタリング財団など全国組織の支援体制を調査できた。その結果、参加者の多様性の担保や情報提供の公正等、市民討議会の質保証の基準を明確化すると共に、データバンクの構築・公開、表彰・認証制度の創設などを提案できた。
著者
狩俣 繁久
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

3年間で白保方言の臨地調査と波照間方言・白保方言の比較研究を行った。日本語の影響は、予想以上に大きく、回答を得られない単語が近接する方言間の言語年代学的な数値を出すには無視できない数であった。そこで、さまざまな音環境にあらわれる母音、子音がどのように音韻変化したかを詳細に比較した。両方言で類似するものの多くは、分岐する以前の祖方言の形式を保存するだけでなく、変化の要因などを共通に有したまま分岐し、別々に平行的に変化したものがあることがわかった。波照間、白保方言に特徴的にみられる語末のN音挿入も分岐した後に平行的に変化したものである。母音の音位転換と子音の音位転換があることを指摘したが、音位転換は分岐後の収斂変化であることがわかった。形容詞の代表形を収集し、波照間方言と白保方言を比較した。その結果、波照間白保祖方言の形容詞語尾は-haNであったが、両方言ともに、周辺方言、とくに石垣島中心市街地方言の影響で一部の形容詞の語尾に-saNと-sahaNを有する語があることがわかった。saN形容詞は借用語形であり、sahaN形容詞は、saN形容詞のsa連用形をhaN形容詞の語幹として取り込んだものである。語尾にsahaNをもつ形容詞の発生は両方言で平行的に変化したものである。形容詞語尾の違いが八重山方言、宮古方言の下位区分の重要な指標になりうることもわかった。文法現象は、名詞の語彙に比べて借用されにくく影響も小さい。文法現象が体系的であることを反映して、借用された形容詞語彙は、その判別が名詞に比べて容易であることもわかった。
著者
石塚 修 今村 哲也
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

臨床的な観点から考えると、膀胱の再生においては、膀胱頚部、つまり尿道括約筋部の再生が、尿失禁の予防には重要である。まず、われわれは、ラビットの大腿骨骨髄より注射針で骨髄由来幹細胞を採取し培養し増殖することを可能とした。その培養細胞を、障害を与えた尿道括約筋に移植し、尿道括約筋部の再生を免疫染色およびRT-PCR法にて組織学的に、また、機能的検査にても確認することができた。
著者
西田 友昭 河合 真吾
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

白色腐朽菌および白色腐朽菌の産生するリグニン分解酵素は、ブチルパラベン類(防腐剤)、ジクロフェナク(抗炎症剤)、メフェナム酸(抗炎症剤)およびトリクロサン(抗菌剤)の分解と毒性除去に有効であることを明らかにした。さらに、リグニン分解酵素は、現行の下水処理における除去効率が10%以下である難分解性のカルバマゼピン(抗てんかん剤)をも分解しうることを見いだした。
著者
木越 治
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

近世小説史の記述に用いられる「初期読本」というジャンル呼称は、その始発に位置する都賀庭鐘自身が明確に有していたそれ以前の小説と自らのそれとを区別する意識を受け継いで設定されたものである。また、その発展とみなされる京伝・馬琴らの江戸読本とも一線を画そうという意図をも内包している。それゆえ、今後の文学史記述においてこのジャンル呼称を用いる場合は、こうした評価軸を意識しつつ、所与のものとしてではなく、選ばれた作品のみに与えるジャンル名として用いていく必要がある。
著者
北島 勲 仁井見 英樹 畠山 登
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

炎症反応の中核を成す転写因子NF-κB活性化状態を病院検査室で利用できる高感度・迅速な計測方法を開発する。本研究は液相における物質のブラウン運動を計測する一分子蛍光相関法を基盤にした応用開発である。救急医療での迅速な対応が要求される全身炎症反応症候群(SIRS)病態に関わるNF-κB活性化状態の迅速検査法を確立することでSIRSの予後予測と早期対策が期待できる。
著者
町 博光
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

消滅の危機に直面している奄美諸島方言の方言敬語法の調査をおこない、統一的な記録法で保存活用するのが本研究の目的であった。奄美諸島10地点で調査をおこなうことができた。奄美諸島の敬語法のおおよそが把握できた。奄美大島本島での北部の方言敬語法の簡素化、南部での古態性などが指摘できた。徳之島方言が奄美方言での南北の特徴を持っていること、与論・沖永良部方言が沖縄方言的であることなどが明かにできた。
著者
鵜野 ひろ子
出版者
神戸女学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

エミリ・ディキンスンは1850年代、新聞から日本について、さらにはペリーの遠征当時国会議員であった父親から直接、日本を力づくでも開国させようという米国の外交政策について知っていた。それが1860年以降の彼女の隠遁という生き方に影響を与えたことがわかった。それについての論文は『エミリ・ディキンスンの詩の世界』に掲載した。1850年代の資料収集に時間がかかったので、彼女の1860年代、70年代の、クラークや新島との関係についての資料収集が中途半端に終わった。
著者
坂西 友秀
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

研究の第部では、15世紀から19世紀末までの西洋人と黒人に対する日本人の人種ステレオタイプに関する歴史的、心理的過程について検討した。港町に住む人々は、16世紀にはすでに黒人に対する人種ステレオタイプをもっていたかもしれない。貿易、軍事、海外の事件に関わる諸問題は、江戸時代の末になって初めて、日本人と西洋人との間の関係に影響を及ぼす重要な心理、歴史的背景要因になった。明治末期から、心理学専門の学会誌として発行された「心理研究」をとりあげ、内容分析を行った。その結果、日本民族・人種の改良を説く「優生学」的な論文が多く出されており、人種や民族への関心が極めて強かったことがわかる。西洋人に対する憧憬と侮蔑の二面をもちながら、西洋人並みに日本民族を優良化することが重要課題であった。研究の第二部では、セクシャル・マジョリティのセクシャル・マイノリティに対する態度と反応を吟味した。異性愛者は、同性愛者特にホモ・セクシャルの人に対して強い否定的な感情を抱く割合が高かった。また、日本人の成人の人種ステレオタイプと偏見を、絵本の挿絵から抜き出した(ちびくろ)サンボに対する彼等の反応を分析することによって明らかにした。つまり黒人の子どもに対しては、知的ではなく、文化的でもなく、責任感もないといった印象を強くもっている人が多かった。これらの研究は、今日、多くの日本人が、マイノリティや人種集団に対してステレオタイプや偏見をもっていることを示唆するものである。
著者
里 直行
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

スタチンがマウスにおいて脳内ベータ・アミロイドを低下させることおよびその機序を明らかにした。スタチンはベータ・アミロイドの産生を抑制し、かつベータ・アミロイドのクリアランスを増大させた。ベータ・アミロイドのクリアランス増大の機序としてはLRP-1の増加が考えられた。両者においてイソプレニル化が関与していた。
著者
遅澤 壮一
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

四国中央部の三波川高圧型変成帯を広域マッピングした。マッピングは、大歩危砂質片岩、緑泥石帯主要部、緑泥石帯Lテクトナイト、ガーネット帯、アルバイト-黒雲母帯、オリゴクレース-黒雲母帯に、帯区分して行った。その他、砂質片岩、石灰質片岩、ピーモンタイト珪質片岩、マフィック片岩、アンフィボライト、エクロジャイト、変成超塩基性岩の特徴的な岩相を独立にマッピングした。エクスヒューメイションはデタッチメント断層を伴うウェッジエクストルージョンに始まり、アウトオブシークエンススラスト(OST)とデュープレックスに引き継がれ、最終的に正立褶曲に装飾されている。中央構造線は三波川変成岩のルートである。エクロジャイトは御荷鉾オフィオライトのメタモルフィックソール由来と思われる。