著者
鶴田 利郎
出版者
早稲田大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2014-08-29

本研究は、高校生に見られやすいインターネット依存の依存的な意識や行動などの特徴を改善するための効果的な教育方法を提案することを目的としたものである。そのために、高校生のインターネット依存を改善することを目的とした単元を開発し、首都圏内の高校において授業実践を実施し、実践を通した生徒の依存傾向の変化に関する調査等の分析を行うことによって効果的な教育方法を検討した。その結果、「R-PDCAサイクルの活動を継続的に行うこと」、「インターネット環境への適応を促す教育活動を継続的に行うこと」、「生徒同士がネット利用のあり方について本音で話し合う機会を設けること」などが効果的な方法として考えられた。
著者
村上 善紀
出版者
東京国際大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は、組織が高い経営成果を達成するために必要となる、組織内における上司-部下間の情報伝達を促進・阻害する要因を探求することである。 本研究では、研究目的の達成のために、包括的な質問票調査を行い、(1)情報伝達の程度、(2)伝達される情報の内容、(3)情報伝達の促進・阻害要因、を中心にデータを収集した。分析結果からは、(1)情報伝達の程度は、伝達情報の内容に大きく依存すること、(2)促進・阻害要因としては、上司の態度や職場の雰囲気が非常に重要であり、特に部下の学習・成長を促進するようなリーダーシップをとる上司に対して、部下からの情報伝達程度が高い、といった知見が得られた。
著者
福田 朝生
出版者
中央大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

石礫群と水の三次元運動を詳細に解析することが出来る数値移動床水路を用い,混合粒径の石礫による数値移動床実験を実施した.混合粒径中の粒径毎の相互干渉機構を考察するため,移動中の粒子が河床と衝突する際に受ける力を粒径毎に計測した.その結果,大きな粒子ほど鉛直上向きの力を受けて移動していることが明かとなった.球群を用いた数値移動床実験を実施し,球と石礫の両数値移動床実験結果の比較から,粒子運動に及ぼす粒子形状の効果を考察した.球と石礫の粒径別流砂量の比較より,石礫形状の粒子の方が,球と比較し,粒径別流砂量の差が小さくなることがわかった.
著者
石井 聡
出版者
大阪市立大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

疲労感の神経メカニズムの解明するために、疲労感の古典的条件付け、あるいは疲労のミラーシステムを用いた課題を開発し、従来の疲労研究とは根本的に異なる脳磁図研究を実施した。健常被験者を対象にした結果からは、後帯状回が疲労感の神経メカニズムに関わっていることが示唆された。また疲労感の古典的条件付けや、疲労のミラーシステムによるアプローチが疲労研究に有効であることが示された。
著者
岩下 綾
出版者
慶應義塾大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

本研究は、フランソワ・ラブレー作品における描写技巧と描かれたものの形象の分析を通して、描写の同時代的な役割を探るものである。『ガルガンチュア・パンタグリュエル物語』全五作の描写表現を抽出し、各作品が書かれた時代背景を検討しながら、描写技巧と著者の意識の変遷を明らかにした。他方で、ラブレーの描写と当時の造形芸術作品(主に建築)との照応を行い、また日本におけるそれらの先行研究の調査を行った。
著者
村尾 るみこ
出版者
東京外国語大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

アフリカにおける「下からの」平和構築の動態から、「上からの」平和構築の課題克服の方途を探った。特に、農作物販売に関する戦略とマクロな政治経済との関係を分析した。その結果、調査地域であるザンビア国境地帯では、植民地期からの経済構造に南アフリカ経済が浸透するなかで、地域住民による新しいトランスナショナルな経済活動が構築されていることが明らかとなった。それはアフリカ農民の高い移動性が活用され、同時に農村での生計をも維持していた。
著者
山根 啓輔
出版者
山口大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

ハイドライド気相成長法を用いて、高効率発光素子材料として期待される非極性{10-11}面、{11-22}および{20-21}面 GaN 基板の作製を行った。基板の作製には我々の独自技術であるサファイア加工基板上結晶成長技術を用いた。{10-11}面 GaNでは厚膜化に伴い、欠陥密度が急激に減少することが明らかになった。サファイア加工基板上と従来サファイア基板上において、厚膜成長した際の自発分離機構を明らかにした。最終的には発光ダイオードを試作し、我々が作製した GaN 基板がデバイスレベルで利用可能であることを示した。
著者
後藤 敦史
出版者
大阪観光大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

1855年に来日したアメリカ北太平洋測量艦隊に注目し、19世紀中葉における日本開国の国際的意義について、北太平洋という空間軸のなかで再検討する研究を実施した。本研究を通じて、アメリカ合衆国がペリー艦隊と、北太平洋測量艦隊、および後者の補完事業として派遣した測量遠征隊によって、日本列島を含む北太平洋の科学的情報を収集していったこと、また、これらの一連の測量に対応するかたちで、欧米諸国の測量活動に対する徳川幕府の外交姿勢も変化していったことが明らかとなった。以上の研究成果をうけ、今後は欧米諸国の日本測量の特質と日本側の対応について、通時的に検討することを目指したい。
著者
大風 翼
出版者
東北大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

・低温風洞実験に基づく高風速時における吹雪境界層の特徴量の把握を行った。低温風洞の床を雪の飛散しないHard snowから、新雪のようなLoose snowに切り替え、吹雪を発達させ、超音波風速計、Snow Particle Counterを用いて吹雪の特徴量を測定する実験を行った。・飛砂に関する先行研究や南極での野外観測結果などを参考に、雪の削剥に関するサブモデルの定式化を行い、申請者の飛雪現象予測モデルの雪面境界条件として組み込んだ。続いて、今回実施した風洞実験や既往の野外観測を対象に削剥のサブモデルの中に含まれるモデル係数のパラメトリックスタディを行った。パラメトリックスタディの結果を実験・実測の結果と比較し、雪の削剥に関するサブモデルのモデル係数をチューニングし、決定した。・雪の削剥に関するサブモデルを組み込んだ飛雪現象予測モデルを用いて、既往の野外観測を対象に、単体建物周りの雪の空間密度及び積雪分布の予測を行った。建物周辺でのみ削剥が発生するような低風速なケース、広範囲で地吹雪が発生するような高風速のケース、風向や風速が大きく変動するケースなど、さまざまな条件の実験を対象に積雪分布の予測を行ったが、建物側方や建物風上側の吹きだまりや吹き払いの傾向は概ね既往の野外観測を再現できることを確認した。
著者
プタシンスキ ミハウ 桝井 文人
出版者
北見工業大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

本研究では,研究代表者が過去に開発した感情解析システムを融合し話者の感情状態を読み取り会話の場面に柔軟に順応する言語モデルを構築した.また大規模自然言語コーパスに適応し会話内の感情の働きを明らかにすることに貢献した.また,構築モデルを対話エージェントへ導入し,ネット上のいじめの対策という実世界問題へ応用した.話者における怒り,落ち込み等に着目し,いじめの行動を発見することが可能となったため,今後その技術の応用によってネットいじめ被害者数の減少に貢献したい.
著者
吉澤 弥生
出版者
大阪大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

各地のアートプロジェクトの労働実態を把握すべく、日本、ロンドン、パリでインタヴューを行い、報告書『若い芸術家たちの労働』を制作した。そこでは現場の人々の厳しい労働実態だけでなく、昨今の若年者就労をめぐる構造的な問題が明らかになった。現場の芸術労働者の声を集約した冊子は前例がなく、本報告書は具体的な文化政策の提言や新しい社会運動への展開に際し問題意識の共有や議論の土台として有効に機能するだろう。
著者
齋藤 仁
出版者
関東学院大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

本研究では、2001~2011年に降雨に起因して発生した4,744件の斜面崩壊を対象とし、斜面崩壊の規模-頻度と雨量との関係、および台風の影響を解析した。その結果、累積雨量~250 mm、最大時間雨量~35 mm/h、平均雨量強度~4 mm/h を超えると、規模の大きな斜面崩壊の頻度が高くなり、台風の寄与率は最大で約40%であった。また、現在の気候下において斜面崩壊の頻度とそれによる総侵食量を最大にする降雨イベントが存在し、それらの再現期間は約40年以下であることが示唆された(Saito et al., 2014, Geology)。
著者
梅原 守道
出版者
茨城大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

連続体近似(圧縮性粘性流体の基礎方程式)を用いて天体をモデル化し,それに対して数学解析を行うことでモデルの妥当性を検証した.主な成果は次の二つである.(1)天体を構成するガスが理想気体からなるものと仮定し,かつ運動の自由さを空間1次元的に限った場合に,初期データが小さくない場合にもモデルが長時間安定して存在することを証明した.(2)理想気体からなるガスが空間3次元的球対称運動をしている場合にも,(1)と同様にモデルが長時間安定して存在することを証明した.
著者
村井 宏栄
出版者
名古屋学院大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究では、中世日本語辞書を対象とし、字体認識及び注記構造の解明を目指した。結果、『色葉字類抄』では、多くの部首分類体字書や音義書とは異なり、「作」注記が字体注記と見なしがたい例がまま見られ、「又作」と「亦作」によって用法の相違が認められること、また「亦作」の所在の偏りから編纂過程を考慮に入れる必要性を指摘した。『下学集』では「作」注記の主目的が異表記表示に移行しており、異体字注記形式は「作」から「同字」へと移行してゆき、逆に「作」注記は異表記表示に特化していくという仮説を提示した。
著者
雪丸 武彦
出版者
長崎県立大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究は市町村において導入が進められている少人数学級政策に焦点を当て、特に福岡県下市町村の実施状況から教育分野における分権改革の影響を明らかにするものである。この研究の成果として、1福岡県では県教育委員会からの市町村独自の少人数学級政策に対する関与は弱く、市町村の自主性に委ねており、これに従い 16 市町村が独自に教員雇用や学級編制基準に関する条例等を定めていること、2少人数学級政策の導入自治体(16市町)は、非導入自治体(44 市町村)と比較し財政力が高いわけではなく、統計的にその差はないこと、3財政力の低い自治体の政策導入は、全国学力テストによって判明した低学力の課題とその解決を目指す首長による主導が影響していることが判明した。
著者
今井 貴子
出版者
成蹊大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

本研究は、福祉国家再編期の重要なキーワードとなった「ワークフェア」をめぐる政治過程の分析を通じて、政権交代を契機とする制度改革のダイナミズムを明らかにすることを目的とした。研究の中心的な意義は、政権交代後に政党が改革能力を発揮するためには、制度がもたらす制約のなかで裁量の余地の最大化する条件が備わっていることが必要であるとし、その条件として、院外組織との関係、党内支持基盤、首脳部の権力配置がきわめて重要であることを実証的に明らかにしたことにある。
著者
佐藤 寛之
出版者
東京理科大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2014-08-29

ユークリッド空間における制約つき最適化問題の実行可能領域がリーマン多様体をなす場合には,その問題をリーマン多様体上の無制約最適化問題と見なすことができる.本研究では,大規模な最適化問題に対する有効な手法として知られている非線形共役勾配法のうち,ユークリッド空間において比較的弱い条件下で大域的収束性が証明されている Dai-Yuan 型の方法をリーマン多様体上に拡張することで,リーマン多様体上の新たな最適化アルゴリズムを提案した.また,リーマン多様体上の信頼領域法に基づいて,複数の長方行列の同時特異値分解アルゴリズムを提案した.
著者
生田目 大介
出版者
徳島大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2021-08-30

咀嚼筋痛障害は,主症状として筋痛,運動痛,運動障害を示すことが知られており,治療が困難なことが多い。口腔顔面痛は,三叉神経節における炎症性サイトカインであるTNF-αを介したニューロンと三叉神経節内に存在するグリア細胞との相互作用によって調節され,三叉神経節へグリア細胞機能抑制薬のミノサイクリンを投与することで痛みの軽減を認めたことが報告されている。しかしながら,咀嚼筋痛の伝達メカニズム,およびミノサイクリン投与による鎮痛効果や作用経路については不明である。本研究では咬筋痛モデルラットを用いて,咀嚼筋痛の伝達メカニズムを解明し,新規の咀嚼筋痛治療法開発の基盤を形成することを目的とする。
著者
藤原 悠基
出版者
群馬大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2020-09-11

本研究は農薬等で使用されるネオニコチノイドによるヒト中枢神経系分化・発達への影響を解析する。これまで、実験動物を用いた研究から、周産期のネオニコチノイド曝露が中枢神経系の発育・発達を阻害する可能性が報告されているが、ヒトへの影響は明らかでない。また、中枢神経系の分化・発達と同時期に構築され始める血液脳関門(BBB)への影響を検討した報告はない。以上から、ネオニコチノイド曝露による影響を「ヒト胎児由来神経前駆細胞株を用いた神経分化」、「BBB透過性及び機能」の2点から評価することで、ネオニコチノイド曝露による胎児脳神経系の発達、発育への影響とその機序の解明を目指す。
著者
山田 恭央
出版者
慶應義塾大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2020-09-11

帝王切開または自然分娩により出生したマウスに対しアレルギー喘息を誘導する。これにより帝王切開がアレルギー感受性に与える影響を調べる。さらに発症前、過程における免疫系を精査することによって、帝王切開がアレルギー感受性に影響するメカニズムを調べる。帝王切開によるアレルギー感受性への影響が、帝王切開に伴う新生仔腸内細菌の異常によるものか検証する。