著者
木下 まどか 森本 祥一
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2011年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.740, 2011 (Released:2011-07-12)

近年,インターネット上の三次元仮想世界であるメタバースが注目を集めている.中でも,米国リンデンラボ社のSecond Lifeが注目され,仮想世界上でリアルマネーを稼げることなどで話題を呼び,大手企業もマーケティングやプロモーション活動のツールとして活用している.しかし,利用者は年々減少傾向にあり,参入企業も撤退を余儀なくされるなど,メタバースのビジネスは衰退している.その背景には,利用者側の操作性や動作環境などの技術的な問題や,企業側の投資対効果の問題がある.そこで,本研究ではメタバースにおけるビジネスの現状を,メタバース自体の問題と仮想空間上のビジネスに関する問題に分けて調査し,メタバースを活性化させる新たなビジネスモデルについて考察する.
著者
古賀 広志
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2015年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.271-274, 2015 (Released:2016-01-29)

著しい技術革新の下で、新しい監視社会の到来が指摘されている。従来のCCTVによる監視もまた、顔認識などの技術により、新しいステージに進みつつある。とはいえ、監視社会の進展は、技術的要素だけではない。技術決定論ではなく、社会構築の視点が重要であるはずだ。本稿では、従来のCCTVによる監視の社会的構築の過程に注目する。具体的には、大阪のK地区における監視カメラ設置の事例研究を行う。事例研究の結果、監視社会に対する「監視の目」が社会的に生まれてくる点を明らかにしたい。
著者
伊藤 正雄 細川 泰秀 後藤 将夫 真辺 純裕 向井 和男
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.116, 2008

本稿は、経営情報学会「情報システム発展史」特設研究部会ワークショップ用に作成したものである。本稿では、新日本製鐵における情報システム発展史の総括と君津製鐵所における世界初の鉄鋼生産一貫オンラインリアルタイムシステム(All On line System)について述べ、そのシステムが果たした経営への貢献、人・組織への貢献と、そこで培った経験、教訓などについて述べる。
著者
坂本 結佳 森本 祥一
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2013年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.127-130, 2013 (Released:2014-02-03)

デマンド交通は,タクシーのように利用者の要求に応じ,指定の場所から場所への移動を路線バス並みの低料金で提供するサービスである.交通網が行き届いていない地域の課題解決や,環境への負担が少ない次世代の交通手段として期待されているシステムである.日本の各地で導入はされているが,その大半の地域では廃止され,交通手段として定着している地域は少ない.よって本研究では,過去の導入事例よりデマンド交通が適さない地域を特定し,その失敗要因について考察する.これにより,不用意な導入による失敗を避け,今後のデマンド交通のあるべき姿を明らかにする.
著者
礒部 大
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2017年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.313-316, 2017 (Released:2017-11-30)

組織にとって有効な人材像については、古くから多くの議論がなされてきた。その中で昨今では、有効な人材として「自発的行動のとれる人材」および「課題設定能力が高い人材」など、やる気があって自発的に課題を見出し解決して行く有能な人材を最上とする意見が主流となっているかのように思われる。しかし、19世紀プロイセンの軍人モルトケ(Helmuth Karl Bernhard Graf von Moltke)は、やる気のない有能な人物こそを組織にとって最上の人材とした(“モルトケの法則”)。本研究では、マルチエージェントシミュレーションを用いて、“モルトケの法則”の有効性を検証する。
著者
中村 雅子
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2019年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.276-279, 2019-08-31 (Released:2019-08-30)

国内のクラウドファンディングサイト・ユーザを対象に2018年5月に実施したオンライン調査のデータをもとにユーザ行動を分析・類型化した。①複数サイトにまたがる利用、②提案と支援の両方でのサイト利用、③利用サイトや、提案・支援テーマ等による提案の成功率の違い、④支援者層(友人・知人、活動中に知り合った人、未知の人)の比率、⑤ユーザのクラウドファンディングに対する態度・判断基準 など、特定サイトでの調査データやログでは把握できないユーザ側からみた多面的な行動を明らかにした。
著者
吉田 博一
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2017年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.253-256, 2017 (Released:2017-05-31)

マイナンバー制度の運用に伴い,地方自治体の情報システムは,特定個人情報を提供や照会するため住民情報を扱う基幹系システムとLGWAN上に設置する中間サーバとを接続するようになる.しかし,2015年5月に発生した日本年金機構の個人情報漏えい事案が発生したことにより,個人番号利用事務の基幹系システムとLGWANとインターネットの各々のネットワークも分離し,端末からの媒体持ち出し禁止,二要素認証の必須といったセキュリティ強靭化対策が求められている.このため,庁内で外部からのファイル転送ができない等の影響が生じる.本研究では,こうした状況を踏まえた,自治体情報システムの展望について論ずる.
著者
奥山 睦 高橋 和勧 村瀬 博昭 前野 隆司
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2018年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.47-50, 2018 (Released:2018-05-31)

従来型の映画は鑑賞して終わりとなりがちであり,その場での対話は想定されていなかった.そのため,鑑賞者間の「創意形成」が生まれにくかった.これに対し,NPO法人ワップフィルムが企画・製作した映画『未来シャッター』は, 鑑賞した多様なアクターが社会的課題の解決を主体的に解釈し, 自己概念と照らし合わせて反芻した後, フューチャーセッションを行っている.それによって多様なアクターの「創意形成」が生まれ,個人の強みの発見や連携の実現性への気づきを誘発し, 未来へ向けた行動変革に繋がっていく.本研究では, 映画『未来シャッター』について分析することにより, 対話型映画を使った新たな社会的課題解決の可能性について述べる.
著者
伊藤 正雄 細川 泰秀 後藤 将夫 真辺 純裕 向井 和男
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2008年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.116, 2008 (Released:2008-08-07)

本稿は、経営情報学会「情報システム発展史」特設研究部会ワークショップ用に作成したものである。本稿では、新日本製鐵における情報システム発展史の総括と君津製鐵所における世界初の鉄鋼生産一貫オンラインリアルタイムシステム(All On line System)について述べ、そのシステムが果たした経営への貢献、人・組織への貢献と、そこで培った経験、教訓などについて述べる。
著者
水野 誠
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.15-18, 2012

アフィリエイト広告はソーシャルメディア上の広告の一種で,広告の挿入が消費者に権限委譲される。すなわち,Consumer Generated Advertising Mediaと呼べる。われわれはアフィリエイトを含むブロガーとアフィリエイト広告からの購入経験者を含むブログ読者に対するウェブ調査を実施した。その分析結果から,アフィリエイト広告は読者がブロガーのプロファイルを知るほど効果的だが,アフィリエイトは他のブロガー以上に匿名性を求めるといった「逆説」が見いだされた。こうした知見に基づき,ソーシャルメディア上での広告の可能性について議論したい。
著者
橋本 泰樹 上野 修平 大内 紀知
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2015年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.160-163, 2015 (Released:2016-01-29)

近年、デジタル化の進展により、製品の高機能化・多機能化が急速に進んでいる。しかし、高機能化・多機能化が進むほどユーザーの製品理解が難しくなるため、メーカーの提案した付加価値を、ユーザーがそのまま受け入れるとは限らない。そのため、メーカーは自社や他社の提案する付加価値が、顧客にどのように受け入れられているのかを把握する必要がある。そこで本研究では、各メーカーが提案する付加価値と、それに対するユーザーの反応を定量的に明らかにすることを目的とし、デジタルカメラの製品プレスリリース、製品ユーザーレビューに対してテキストマイニングを用いた分析を行い、製品の付加価値形成プロセスへの新たな示唆を得た。
著者
川原 史也 橋本 泰樹 大内 紀知
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2016年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.61-64, 2016 (Released:2016-11-30)

近年、製品機能のオーバーシュートと呼ばれる、製品の過剰品質や性能の過剰供給による企業の収益性の悪化が問題視されている。製品機能のオーバーシュートに関しては、概念的な議論や事例研究は行われているものの、定量的なアプローチによる研究は多くない。本研究では、ミラーレス一眼カメラを対象とし、各製品の性能に関するデータを用いた分析や、各メーカーの製品発表時のプレスリリースと消費者レビューの文書に書かれている機能に関する単語の出現頻度などを比較することで、製品機能のオーバーシュートについて定量的に明らかにし、製品機能のオーバーシュートに関する新たな知見を得た。
著者
貴島 文緒 高野 研一
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会誌 (ISSN:09187324)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.17-38, 2020-06-15 (Released:2020-07-03)
参考文献数
41
被引用文献数
2

本研究の目的は若手ITエンジニアの転職希望意識の形成プロセスをモデル化することに加え,中堅ITエンジニアとの転職意識の比較検討を行い,若手に特有の要因を導き出すことである.このため,若手・中堅ITエンジニアを対象とした延べ600人のインターネットアンケートを実施した.得られた回答に多変量統計分析を適用した結果,若手は「仕事に対する価値観を確立すること」によって「自分の仕事を天職として捉える」ことができ,結果として転職希望意識の低減につながることが示唆された.また上司から与えられるポジティブなフィードバックも自分の仕事を天職として捉える傾向に有意に良好な影響を及ぼすことも併せて示唆された.一方,中堅の場合はこの傾向が当てはまらず,「キャリア確立の可能性を見いだすこと」によって,転職希望意識を抑えられることが可能となり,この傾向は自らの技能(スキル)の向上によって高められることがわかった.
著者
菊地 剛正 高橋 大志
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会誌 (ISSN:09187324)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.105-119, 2021-09-15 (Released:2021-09-29)
参考文献数
30

本邦では,社会の高齢化・長寿化の進展に伴い,老後の資産形成と取り崩しの問題に関心が高まっている.しかし,資産の枯渇に係る論点については,それを防ぐための方策を含め,必ずしも議論が深まっている状況とは言えない.本稿では,退職後の資産形成・取り崩しに係る本邦での今日的な議論に対して,実データを用いたシミュレーション分析による接近を試みる.個人の属性やリスク資産による運用を勘案した上で,外生的に与える各種シナリオにおいて,各種施策が資産の枯渇に与える影響を分析する.主な結果は以下のとおり:1)資産階級やリスク量,想定する余命に応じて資産の枯渇割合は異なること,2)資産階級の上昇に応じ枯渇率が単調に減少するわけではなく,資産残高と収支のバランスによること,3)枯渇割合を低下させるためには,個人の属性に応じたリスクテイクが必要なこと,4)公的年金給付水準の引き下げによる枯渇割合の上昇に対しては,退職年齢の引き上げや支出抑制により,当該上昇をある程度抑制しうること.
著者
真鍋 友則 中川 慧
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会誌 (ISSN:09187324)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.87-104, 2020-09-15 (Released:2020-09-28)
参考文献数
29

本稿では,日本企業におけるブランド価値評価と株価との価値関連性を分析する.特に,ビジネス関係においての企業印象指標と,企業価値の関係を調べるため,ブランド価値評価のプロキシーとして,名刺ネットワーク情報を用いた調査手法で測定された企業ブランド指標BBESを用いる.BBESの特徴としては,調査対象企業の名刺を保有しているユーザー(ビジネス上の関わりのある人物)のみを調査対象集団としていることが挙げられる.この特徴から,一般認知度の低いB2B企業についても,風評や経験に基づくブランド力が測定されていることが期待される.このBBESデータがブランド価値のプロキシーとして,株価との価値関連性を有するかどうかを統計的に検証することが本稿における目的である.日本企業を対象にした実証分析により,財務諸表における純資産と利益の情報を所与として,BBESが株価の形成を追加的に説明することを明らかにした.またその説明力は,特にB2B企業群において高い値を示した.
著者
安高 翔大 細野 繁
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2020年全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.182-185, 2021-01-28 (Released:2021-01-18)

このサービスは、患者の認知力低下による処方記憶の喪失や薬局の入力の誤りに対して処方実績の正しさを保証するサービスである。このアプリケーションは、患者の薬データの改ざんを防止し、正確なデータを表示することでデータの信用性に繋がる。しかし、現在は対応した手法が不足しており信用性が欠けてしまいサービスの提案が困難となり、お薬手帳アプリに改ざんがあった場合にアプリケーションの信用性が欠けてしまうのである。そのために、アプリケーションの信用性を改善するために、Hyperledger Irohaのプライベートブロックチェーンやブロックチェーンのハッシュ関数を用いてお薬手帳アプリの信用性を改善することが課題である。
著者
井上 尚美 西崎 雅仁
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2010年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.1, 2010 (Released:2010-11-15)

長引く不況と少子高齢化に伴って、外食産業におけるファミリーレストランの位置づけや市場規模は変化している。特に家族連れを対象としたファミリーレストランの経営は苦しい状況が続いている。そういった環境の中、客数・客単価がどのように変化し、店舗数と営業利益率との相関を研究することでポジショニングが明らかになる。 外食産業全体での低価格化、マーケットへの新規参入など伸びている業態・衰えている業態を明らかにすることで、今後のファミリーレストランの方向性を解明する。
著者
宮元 万菜美 加藤 和彦
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2019年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.38-41, 2019-12-25 (Released:2019-12-23)

「両利きの経営」は、イノベーションを論じる際に重要な概念としてよく取り上げられる経営概念である。ある企業や組織が中長期的な存続と発展を志向するならば、両利きの経営の実現を目指すのが望ましいこと自体は概ねの支持を得るところである。しかし、論者によって本概念を捉える切り口には違いがある。このことがイノベーションとの概念上の位置づけや、実行のプロセスとの関係性についていくつかの混乱を惹起することとなり、実際の企業活動との対応関係がわかりにくくなっている。本稿では探索と深化の関係を、実務時系列的な視点から整理することを提案する。
著者
野谷 あやめ 森本 祥一
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.140-143, 2015

日本の芸能産業は,『アイドル』と呼ばれる歌手や役者,タレント,モデルなどが席巻しており,独特な市場を構成している.これらのアイドルが所属している事務所の経営は,熱狂的なファンによって支えられているが,行き過ぎたファンが事件を起こすこともあり,そのマネジメントが課題となっている.よって本研究では,多くのファンを魅了し,芸能界に強い影響力を持つジャニーズ事務所をケースとして,アイドルとファンの関係を,事務所経営の視点からコミュニケーション手段ごとにリレーションシップ・マーケティングに基づいて分析し,理想的な関係について考察した.
著者
内田 康夫
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2017年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.79-82, 2017 (Released:2017-05-31)

社会人は仕事を通じて沢山のことを学ぶ。主に職場で行われる仕事の経験は、社会人の発達を促し、彼らをある時は別の人間のように変えていく。しかし、社会人の学習の場は、職場だけとは限られない。実際に多くの社会人は、職場の外で自主的に勉強をしている。そのような学習の場となっている職場の外の勉強会は、多くがプライベートな活動であるため、その実態がつかみづらい。今回の研究では、社会人がどのようなものを職場外の学習機会と捉えているか、そのような学習の機会はどのような組織的構造を持っているか、そこではどのように学習活動が行われているか、ということについて調査ならびに分析を行った。