著者
西野 有
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.87, no.11, pp.934-938, 2004-11-01

MEMS (Micro ElectroMechanical Systemの略)技術による高性能,高機能な高周波デバイスは,数年内の実用化を目指し,様々な障壁を乗り越えようとしている.今後は,可動部分の長寿命化や,可変機能回路の新構成などメリットが目に見える研究だけでなく,集積技術や実装技術など,実用化のための技術にも注目が集まる.特に,集積技術は回路の小型化を通じて低価格化へつながる重要な技術である.本稿では集積化の必要性と,解決のために必要な技術の例を紹介する.
著者
粕谷 貴司 近藤 正芳 茂手木 直也 松岡 康友 矢野 雅 秋山 貴紀 境野 哲 貞田 洋明 堀越 崇 畠山 英之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ASN, 知的環境とセンサネットワーク
巻号頁・発行日
vol.114, no.65, pp.45-46, 2014-05-22

スマートシティを実現する技術の1つとして注目を集めているMQTT(MQ Telemetry Transport)を建築設備システムへ適用した。また、建築設備への適用を目的に仕様策定が進められているIEEE1888とMQTTの連携をクラウド環境において実現し、ビル設備・スマートシティへの適用に充分なスケーラビリティ、堅牢性、相互接続性を持つことを検証した。
著者
藤田 翔平 村山 愛 林 豊彦 中村 康雄 小島 英敏 道見 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.80, pp.25-28, 2006-05-19

これまで我々は,嚥下機能を無侵襲かつ定量的に測定・評価するために,喉頭運動,嚥下音,舌骨上筋群筋電図を同時計測する嚥下機能評価システムSFN-1を開発し,本システムをビール飲み込み時の嚥下動態の定量評価にも応用してきた.本研究では,まず解析の効率化のために測定波形の自動解析システムを開発し,次にそのシステムを用いてビールの苦味の違いが嚥下動態に及ぼす影響について調べた.被検飲料は,苦味の程度が異なる2種類のビールとし,上記のシステムで連続的な飲み込み動作を測定した.実験から次の結果が得られた:1)自動解析システムにより筋電図波形から活動区間を自動抽出し,分析パラメータを得ることができた;2)比較的苦味の強いビール嚥下時には,筋活動量が多い;3)苦味の弱いピール嚥下時には,嚥下音が小さい傾向が認められた.
著者
海野 敏 曽我 麻佐子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.466, pp.19-22, 2010-03-05

Web3D技術とモーションデータを用いて,古典バレエのソロダンスを3次元CGアニメーションとして再生できるシステムを作成し,"Virtual Dance Theatre"と名付けた.モーションデータは,プロのバレエダンサーの実際の演技からモーションキャプチャシステムを用いて収録した.このシステムでは,利用者は3次元CGの環境でダンスアニメーションとそれを視聴する視点を対話的に制御することができる.このシステムは,(1)ダンスの記録・保存,(2)ダンスの学習・教育,(3)ダンスの研究・分析,(4)ダンスの鑑賞・娯楽の応用領域で有望である.そこでバレエ関係の専門家の協力を得て調査票による評価実験を行った結果,このシステムが通常のビデオ撮影よりも有用であることが明らかになった.
著者
沖 将且 小林 康秀 沖田 豪
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.41, pp.31-38, 1999-05-13

これまでに, ハマースタインシステムの同定は, 主として入出力の相関関数を用いたノンパラメトリックな同定法が提案されている. それらは, 線形部の次数および非線形部の多項式の次数を既知とし, 非線形部に連続関数を仮定しているため, リレー, 不感帯特性など非線形性の強いシステムには適用できない. ニューラルネットワークは, 広範な非線形特性を表現でき, 学習, 汎化能力に優れているため, ハマースタインシステムの非線形部をNNで表現し, 広範な非線形特性をもつシステムの同定法を提案する. システムの線形部はARXモデルで表現し, その次数は未知とし出力は観測雑音で汚されている. 非線形要素を表すニューラルネットワークの重み係数および線形部のシステムパラメータは, 観測値を教師信号として一括して学習を行う. また, ニューラルネットワークのユニット数および線形部の次数は, MDL 情報量基準により推定する. 最後に, 不連続など強い非線形性をもつシステムに対して, シミュレーションを行い, 本手法の理論的正当性を検証する.
著者
熊野 雅仁 天野 美紀 有木 康雄 上原 邦昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.369, pp.1-6, 2004-10-14
被引用文献数
5

本論文では,編集を意識した映像撮影を支援,教示することを目的として,映像文法を背景とするリアルタイムカメラワーク判定に基づいた撮影ナビゲーションシステムを提案する.カメラワークの解析法についてはいくつかの研究が行われているが,本システムでは,カメラワーク解析のリアルタイム性が要求されるため,処理速度が速く,また,手ぶれやカメラワークの安定性を十分に検証できる方法として投影法を用いた手法を採用した.カメラワーク解析により出力された結果からショット検出を行い,ショットを14通りの状態に分類し,編集には使用できない使用不能区間の表示,また,映像文法に従って編集に最も適した映像区間の表示を行う.これにより,撮影者は効率的に取り直しの作業を行うことができ,また,撮影した映像で編集に適した部分を瞬時に把握することが可能となる.
著者
森田 孝夫 藤本 眞一 城島 哲子 吉川 正英 石指 宏通 赤井 靖宏 青山 美智代 白嶋 章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.268, pp.17-22, 2009-10-30

チーム基盤型学習(TBL)は個人学習、グループ学習、全体セッションの三つの過程からなるインタラクティブな授業方法である。「LENONシステム」((株)寺田電機製作所)はレスポンスアナライザーの一種で、クラスメンバーの意見を「face to face」で瞬時に把握できるため双方向対話型授業に有用であり、TBLにおいては全体セッションを効果的に運営するために用いられていた。今回、TBLの「グループ学習」で用いる「PCスクラッチカード」を新たに開発し「LENON」に追加したため、「LENON」はTBLのすべてのプロセスを支援できるツールとなった。「LENON」によるTBLの支援の概要について報告する。
著者
辻川 知伸 薮田 火峰 荒川 正泰 林 晃司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.130, pp.45-49, 2014-07-03

従来の制御弁式鉛蓄電池に代わる次世代の通信用バックアップ電池として、大容量リチウムイオン二次電池の開発を進めている。通信用バックアップ電源においては、満充電に近い電圧でフロート充電を行いながらスタンバイ状態を維待しなくてはならないため、長寿命および極めて高いレベルで安全性を担保する必要がある。また、データセンタ用バックアップ電源においては、短時間バックアップが要望されるため、極めて大電流で連続的に放電させる必要がある。本検討では、ホスファゼン系難燃剤を添加した電解液とマンガン元素の一部をマグネシウムに置換した正極材料を用いて100Ah級電池を構成した。フロート寿命試験を実施した結果、25℃の使用環境下では約7年の寿命を期待できることがわかった。また、放電試験を実施した結果、電流5CAで定格容量の95%を放電できることを確認した。さらに、安全性の確認のため過充電試験および釘刺し試験を行った。その結果、電池は破裂、発火することがなかった。
著者
辻川 知伸 薮田 火峰 松下 傑 松島 敏雄 荒川 正泰 林 晃司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.150, pp.61-64, 2008-07-17

マンガン系リチウムイオン二次電池が劣化する要因として,主に正極材料からのマンガン溶出が考えられている。一方,電解液にホスファゼン系物質を添加すると,電解液に難燃性を付加できることがわかっているが,マンガン溶出を促進させる副作用がある.そこで,本報告では電解質塩に着目し,これを変更することで,マンガン溶出量を低減できることを確認した.
著者
辻川 知伸 薮田 火峰 荒川 正泰 林 晃司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.396, pp.47-51, 2013-01-17

従来の制御弁式鉛蓄電池に代わる次世代の通信用バックアップ電池として、大容量リチウムイオン二次電池の開発を進めている。通信用バックアップ電源においては、満充電に近い電圧でフロート充電を行いながらスタンバイ状態を維持しなくてはならないため、長寿命および極めて高いレベルで安全性を担保する必要がある。本検討では,ホスファゼン系難燃剤を添加した電解液とマンガン元素の一部をマグネシウムに置換した正極材料を用いて200Ah級電池を構成した。フロート寿命試験を実施した結果, 25℃の使用環境下では約10年の寿命を期待できることがわかった。また、通信バックアップでの使用を想定した安全性試験を行った。その結果、電池は破裂,発火することがなかった。
著者
辻川 知伸 薮田 火峰 松下 傑 荒川 正泰 林 晃司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.151, pp.13-16, 2010-07-22
被引用文献数
4

通信用電源のバックアップ用途にリチウムイオン電池を使用するためには、コスト、寿命に加え、鉛蓄電池を使用している既存システムとの整合性のための放電電圧の平坦性や、安全性が重要な因子となる。我々は、放電電圧の平坦性や、過充電および内部短絡時における電池の熱安定性の観点から、マンガンスピネル系化合物を正極材料に用いたリチウムイオン電池にっいて研究を進めた。まず、リチウムイオン電池の電解液および正極に、ホスファゼン系難燃剤を添加することで、電池の安全性を向上させた。さらに、電池の長寿命化の目的で、正極マンガン元素の一部を他の金属元素に置換した材料を使用することで、電池を長寿命化できる見通しを得た。
著者
仲田 剛 早川 富士男 則武 康行 安藤 重男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.96, no.471, pp.15-22, 1997-01-23

自動車のスピーカシステムの放射音特性は、スピーカ取り付けや内装板などの車室内における物理的要因の影響を受ける。そのためドアに設置されたスピーカの放射音特性を解析により求めるためには、スピーカの直接音と同時に, スピーカ後面の音圧によって加振される内装板等の構造物の振動による放射音を考慮する必要がある。また, ドアはドアパネルとドアトリムの二層構造になっていることを考慮する必要がある。そのため上記ドア構造を考慮したシミュレーションシステムを構築した。シミュレーションの手法として, 振動解析と音響解析には汎用FEMプログラムを用いた。FEM解析の結果を元に, ドア放射音特性を算出する。今回、自動車のドア形状を用いて、シミュレーションを行ったのでその結果を報告する。
著者
岩見 哲也 西 正博 吉田 彰顕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.92, no.1, pp.224-232, 2009-01-01
被引用文献数
2

これまで陸上伝搬のみならず海上伝搬特性を明らかにすることを目的として,多くの電波伝搬実験が行われてきた.本研究で対象とした瀬戸内地域は,対岸からの電波が到来しやすい環境であるが,その測定例は少ない.筆者らは,今後地上デジタルテレビ放送や移動通信への利用が検討されているUHF帯に着目し,標高の異なる2箇所の受信点において瀬戸内海上を伝搬したUHF帯テレビ放送波の定点測定を行った.18か月間の測定データから各受信点における伝搬損の月ごと累積確率分布や1時間ごとの伝搬損変動幅を算出することで,伝搬特性の定量的な評価を行った.また,直接波と海面反射波を想定し,従来から知られている2波モデルに基づいて大気屈折率と潮位の変動を考慮し,伝搬特性の考察を行った.測定の結果,受信点の標高が高く直接波と海面反射波の経路長差が大きいほど,伝搬損の変動が大きくなることを確認した.この伝搬損変動は大気屈折率の変化に伴うK形フェージングによって生じること,また大気屈折率が変化せず伝搬路が安定する場合にも,反射点の潮位の変化に伴って約12時間周期の伝搬損変動が生じることが分かった.また2波モデルによる考察から,瀬戸内地域におけるUHF帯電波の海上伝搬特性は,大気屈折率と潮位の両方の影響を考慮する必要があることを示した.
著者
緒方 信 四倉 達夫 森島 繁生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.582, pp.53-58, 2000-01-21
被引用文献数
4

感情音声が合成可能となれば、人間と機会とのノンバーバルなコミュニケーションが実現できるのみならず、人間同士の対話も円滑化する新しいコミュニケーションシステムが実現可能となる。しかし自然音声に感情を付加する為には、原音声のクオリティ、発話内容、話者の情報を保ちつつ、韻律情報を制御しなくてはならない。本稿では、音声系列中の各母音を切り出してピッチ制御を行い、文節単位でイントネーションを変化させ、さらに発話速度や音の強弱の制御によって、感情表現付加が可能なシステムを開発した。本手法により無感情音声から原音声のクオリティを保ったまま合成感情音声の作成が可能となった。
著者
川上 大喜 大久保 寛 内田 直希 竹内 伸直 松澤 暢
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.474, pp.169-174, 2015-02-23

相似地震(微小繰り返し地震)とは,同一のアスペリティ(固着域)が原因となって発生する地震のことを指す.相似地震は発生時刻が異なってもほぼ同一な波形,つまり相似な波形を伴う性質を持つことがわかっている.この相似地震を解析する事によって,個々の地震の原因となるアスペリティの特性を抽出することや,プレート境界で生じるすべりの時空間発展をモニタリングする事が可能となる.本研究では相似地震の検出法としてフーリエ位相相関法とその手法に対して地震の主要周波数を考慮して帯域制限を施したフーリエ帯域制限型位相相関法,直交3成分地震波データに用いたコヒーレンス関数を適用し,その有効性について検討した.また近年,演算能力の高さから関心を集めているGPU(Graphics Processing Unit)を利用した汎用計算アーキテクチャであるGPGPU(General Purpo Secomputation on GPU)を応用した並列計算処理による高速化についても検討し,処理に要する計算時間を比較した.加えて,これらの一次元信号の対する相関処理演算に対してマルチGPUによるGPGPUを適用し,その有効性についても併せて検討した.
著者
MOON Jin-Seob JEON Joo-Seong
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on communications (ISSN:09168516)
巻号頁・発行日
vol.86, no.10, pp.2975-2981, 2003-10-01

Direct conversion techniques commonly used for the transmitter in basestation rely on analog performance of the quadrature modulator. In this paper, simulated results show that imperfections in analog quadrature modulation gain and phase error and dc offset have a devastating effect on digital predistortion for power amplifier linearization circuits. We construct compensation circuit to remove these errors, and conduct an experiment. The imbalance errors are compensated by using the output spectrum of modulator. The image spurious (-56.74 dBm) with gain, phase and the dc offset spurious (-43 83 dBm) are reduced to -93.21 dBm and -93.56 dBm, respectively. These experimental results illustrate that modulationerrors can be eliminated.
著者
KIM ByungKyun CHOI HyungJin
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on communications (ISSN:09168516)
巻号頁・発行日
vol.81, no.3, pp.647-658, 1998-03-25

In this paper, we propose a teletraffic model and evaluate the performance in the terrestrial/satellite integrated mobile communication networks having hierarchical structure consisting of terrestrial microcell and satellite spot beam. In the proposed teletraffic model, both the subscriber terminal mobility in the terrestrial microcell and the satellite mobility in the LEO satellite spot beam are considered. The overflow traffic from microcell can be accommodated by the satellite spot beam and is analyzed by IPP(Interrupted Poisson Process) which is often used to analyze non-random overflow traffic. Various reservation channels for handoff calls in terrestrial microcell and satellite spot beam are considered. New calls initially directed to the satellite spot beam are also considered for reservation channels. Carried traffic, blocking, forced termination and non-completion probabilities are evaluated for the overall integrated networks.
著者
大貫 繁雄 安達 三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27

SEPAC(Space Experiments with Particle Accelerators)の再実験が,スペースシャトル・アトランティスで1992年3月末に行われた.この実験では主に人工オーロラの励起と変調電子ビーム放出の実験が行われた.変調電子ビームの実験は,変調周波数0.05〜7.04kHz,パルス幅0.1sec,最大電力1.4kWで行われ,日本上空をスペースシャトルは1度通過し,そのとき変調電子ビームの放出が行われた.また国内の6カ所(札幌,金沢他)でVLF波の観測が行われた.しかしながら6カ所の観測所において,変調電子ビームによるVLF波の信号は観測されなかった.SEPACの再実験では,変調周波数が低域ハイブリッド周波数,ω_<LHR>近傍で行われたが,VLF波の信号は地上において観測されず,電子ビーム速度,変調周波数などの実験条件にいくつかの問題点が残された.本報告ではこれらに対する二,三の検討を行ったので,その結果について述べる.
著者
加藤 正美 臼井 憲義 田坂 修二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.749-759, 1997-09-25
被引用文献数
13

本研究は, PHSの二つの通信チャネルを使用し, 蓄積されたH.263圧縮ビデオ情報をARQで, 蓄積されたADPCM音声情報を無手順で伝送しながら再生する場合を考える. このとき, H.263の符号発生量とPHSの伝送容量がほほ等しいため, 再送による遅延はビデオのメディア内同期を乱す. 特に, 蓄積されたビデオの伝送では, 通信状態に応じた符号発生量の制御が難しく, メディア内同期をいかに制御するかが課題となる. 更に, 別の通信チャネルで同時に音声も伝送する場合, ビデオのメディア内同期の乱れは, 音声とビデオのメディア間同期の乱れとしても問題になる. そこで本研究は, ビデオや音声のメディア内同期や両者のメディア間同期を維持するために, 送信側においてBブロック廃棄制御方式を提案する. 更に, 受信側において出力開始遅延制御を適用すると共に, スライド制御方式を提案する. そして, ランダム誤りとバースト誤りの各環境下で, 実際のビデオ情報と音声情報を使用したシミュレーションを行い, メディア同期の性能評価, および主観評価により本提案方式の有効性を示す.
著者
鈴木 信弘 岡村 敦 桐本 哲郎 峠 誠 小牧 昌彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.98, no.7, pp.27-32, 1998-04-20
被引用文献数
1

フリーフロー方式のETC(Electronic Toll Collection system)では, 無線機を搭載した車輌と搭載していない車輌を区別するため, 車載無線機の位置を測位する必要がある.測位方式として, 路上中央にそれぞれ水平角と上下角を測角する2つのセンサを配置して, 車載無線機からの電波の到来方向を測定し, これらの測角値と車載無線機の地上高とを用いて測位する方法を提案する.この方式では, 無線機の搭載位置を仮定するため, 測位誤差が生じる.本報告では, 車載無線機の高さ誤差に加え測角誤差に対する測位誤差の感度解析を行う.また, 電波実験により, アレーアンテナを用いた測角センサの素子数と測角精度の関係を評価するとともに, 上記考察結果の検証と, 測位精度の評価を行う.