著者
今井 五郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.798, pp.798_1-798_16, 2005
被引用文献数
8

1960年代に「大気圧工法」と銘打ってわが国に導入された「真空圧密工法」は, その後の積極的な実用化努力にも拘らず, 実用工法として広く受け容れられないままに終わり, '80年代は空白の期間であった. ところが'90年代に入ってから中国やフランスで実用化が達成され, 施工実績が急増し始めた. 日本もその例に漏れず, 現在では土木学会年次学術講演会や地盤工学研究発表会で「真空圧密」のセッションが設けられるほどの研究対象までになっている. このように一時の休眠期間を経た後で再評価された地盤改良工法はめずらしい. そのような特異な経緯を辿った背景と理由があるはずである. それらを明確にし, 地盤改良工法としての「真空圧密工法」をさらに発展させようというのが, 本論文の目的である.<br>いずれの地盤改良工法にもその目的を達成するための「原理」及びそれを具現化するための「手段」がある. そしてそれら総体としての工法にそれ特有の「特徴」が自ずと備わる. これらのすべてを「真空圧密工法」について論じ尽くせれば言うことは無いのだが, この論文では「原理」を中心に据えた議論を展開する. 「原理」に対する理解不足が, 当時の地盤内減圧技術の未熟さと相俟って, 上述した「真空圧密工法」の休眠期間を生んだと考えるからである.
著者
紀伊 雅敦 横田 彩加 高 震宇 中村 一樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_507-I_515, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
9
被引用文献数
6

本研究は共有型完全自動運転(LV5)車両の普及モデルを構築し,車両価格,都市半径,人口,走行速度が普及に与える影響を分析した.その結果,1) 共有型LV5車両は,個人所有の従来型車両の10倍以上の費用でも普及しうること,2) 普及には車両費用のみならず,都市半径と走行速度も影響し,都市半径が小さく,走行速度が高いほど普及率が高まること,3) 都市人口は普及率に影響しないこと,4) 車両費用が高くても半径の小さいコンパクトな都市では普及率が高くなりうることが示された.以上より,システム価格の高い初期段階では,空間的にコンパクトな小都市やエリア限定での導入が普及率を高める上で効果的であり,車両費用の低下に応じた大都市への展開やサービスエリアの拡大が,普及率の向上には効率的なことが示唆された.
著者
小峯 秀雄 緒方 信英
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集
巻号頁・発行日
vol.2002, no.708, pp.133-144, 2002
被引用文献数
5

高レベル放射性廃棄物の地層処分において, 処分孔や坑道を充填する緩衝材や埋戻し材には低透水性や膨潤性が要求されており, ベントナイトを用いた材料が有望である. 産業廃棄物処分場における遮水材としてもベントナイトを用いた材料が利用され始めている. 本研究では, 砂とベントナイトの配合割合が5~100%と広範囲に亘るベントナイト系緩衝材・埋戻し材の基本的な透水特性を調べるとともに, 乾燥密度の影響や最長120日間における透水係数の長期変化および膨潤変形前後での透水性の変化について実験的に調査した. また, 著者らが提案するパラメータ「モンモリロナイトの膨潤体積ひずみ」を用いて, 緩衝材・埋戻し材の透水特性を簡易に評価する方法を提案した.
著者
冨岡 展行 高橋 智幸 今井 健太郎 越村 俊一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
no.52, pp.266-270, 2005

2004年9月5日23時57分にM7.4の地震が紀伊半島南東沖で発生した. 震源は南海トラフ沿いに位置しているが, 東南海地震の想定震源域とは異なっていた. この海域で想定されているのはプレート境界型地震であり, これによる津波被害は既に調査済みであるが, 今回のような南海トラフ沿いで発生するプレート内部型の中規模地震による津波は未想定である. よって, 今後の津波防災において今回のような地震津波をどのように取扱うのか検討するため, 各研究機関から発表された断層パラメータを参考にして, 津波の数値計算を実施した. その結果, 大部分の地域でプレート境界型地震による津波の方がプレート内部型によるものより大きくなることが確認された.
著者
阿久井 康平 嘉名 光市 佐久間 康富
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D1(景観・デザイン) (ISSN:21856524)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.32-44, 2016 (Released:2016-09-20)
参考文献数
46

本研究は,大阪市街地における第一次都市計画事業により架設された全154橋の橋梁意匠に着眼し,その骨格をなす高欄,親柱及び照明柱といった[橋梁付属物]を手掛かりに,市街地における展開や実態の特徴を解明しようとするものである.本研究では分類化した[橋梁付属物形式]に加えて,全橋共通で把握可能な[橋梁諸元・立地条件]及び[設計思想との対応]に関する要素を総合的に導入した数量化III類を行い,橋梁意匠を【橋梁デザインの格】と【橋梁付属物形式の趨向】の軸により位置づけ,6パターンの橋梁群に類型化した.各橋梁群は,市街地空間における一定のエリア及び空間軸でまとまりをもって展開され,事業期間における[橋梁付属物形式]の趣向の変遷を明らかにした.
著者
青木 治夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
日本土木史研究発表会論文集 (ISSN:09134107)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.32-37, 1983

辰巳用水は、1632 (寛永9) 年に9ケ月ほどで造られた金沢城中用水である。我が国で、始めて用水路に隧道を用いて地形を克服した赤穂用水・五郎兵衛用水につづくものである。辰已用水の延長は10kmで、そのうち隧道は3.3kmもあり、両用水に較べて著しく長い。現在、隧道部分ば4.3kmになっているのは、寛政大地震 (1799) による崩壊と天保期 (1836) に水の流れをよくするため、隧道に改造したためである。この隧道は、僅かな支保木と幕末以後に行われたらしい切石巻立によっただけで、360年前のツルハシ刃先跡を明瞭に残した素掘区間が2km以上もある。<BR>この区間で、寛永期の掘削工法や近世初期の測量術の水準を調べ、併せて用水の末端で、水圧が10mもかかる逆サイフォンについて述べる。
著者
藤原 俊雄 南木 均
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
no.19, pp.361-366, 1999

中山隧道は新潟県の山間地、山古志村小松倉地区に在り、1998年12月に新トンネルが開通して50年間余の大役を終えた。手掘り隧道建設以前の小松倉は集落戸数が60戸余り、生活の不便はいうにおよばず、積雪深4m以上となる冬季には医療の恩恵を受けられぬまま生命の危険にさらされていた。<BR>地域社会の将来を考え、集落の人々は私財を投げうち、自らの手でツルハシを握り、長さ約1kmに及ぶ全国一の手掘り隧道を昭和8年から16年間の歳月をかけて掘り抜いた。<BR>住民の力にあまる長大な隧道を自らの手で造り上げた精神と行為は、改めて社会資本の意義、役割を考えさせる貴重な土木遺産であり、さまざまな角度から研究するに値する遺産である。
著者
井上 雅夫 小澤 一雅 藤野 陽三
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.190-203, 2013 (Released:2013-12-20)
参考文献数
36
被引用文献数
1

近年,我が国では設計技術の変化,設計業務の入札契約方式の変化など多くの要因により土木設計照査制度のあり方が問題となっている.日本,米国,英国,ドイツ等において行政が運用する道路橋設計照査制度について,監査論等を参考に視点を設定し比較整理した.その結果,米国,英国,ドイツの照査制度では,発注者の照査義務の内容,受注者等による照査の信頼性などは異なるが,1)発注者の照査義務が明確,2)発注者における照査担当組織の整備,3)受注者等による照査の履行の担保,が共通してなされていることがわかった.国土交通省の照査制度では,1)~3)がなされていない.発注者および受注者等による照査の履行が担保されておらず,そして,受注者等による照査の信頼性が低いと考えられる.
著者
高橋 浩 谷井 敬春 石松 辰博 進士 正人 中川 浩二
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
トンネル工学研究発表会論文・報告集
巻号頁・発行日
no.12, pp.45-52, 2002

In the construction of tunnel in squeezing rock, where the creep is taking a part, there is a need to consider about the displacement occur on the primary support. It is necessary to place the lining because the existence of long-time convergence. At the present, the design of the lining, the handling of the primary support, the design load in such ground condition above, have not established yet. In this paper, authors proposed the new consideration of total load acting on the lining from viewpoint of life cycle cost minimum in consideration of long-term degradation of the primary support strength and the ground.
著者
田中 理久 島田 良 石川 仁憲 小峯 力
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.I_1019-I_1024, 2020 (Released:2020-09-28)
参考文献数
9

全国約200箇所の海水浴場におけるレスキューは2,000~3,000件/年であり,毎年多くの溺水事故が発生していることから,ライフセーバーには重大な事故に繋がる前の迅速な救助が求められる.しかしながら,繁忙期は,数万人の利用者に対して数十人のライフセーバーで活動を行っていることから,すべての溺水に対して迅速な救助は難しい.一方,近年はAIを活用した技術開発が進んでおり,AIが溺水者を自動検知することができれば,監視体制の強化に繋がると考えられる.そこで,本研究では,溺水者を自動検知するAIの開発を試みた.AIモデルにはYOLOv3を用いた.教師データには室内,屋外,海水浴場の3箇所の計12,326枚の画像データを用いた.AIによる溺水者の検知精度を評価した結果,F値は0.7~0.9程度であり,AIによる溺水者検知の可能性を示すことができた.
著者
寺部 慎太郎 一井 啓介 柳沼 秀樹 小野 瑞樹 田中 皓介 康 楠
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_669-I_679, 2019 (Released:2019-12-26)
参考文献数
37

観光客の回遊行動の把握は,従来はアンケートによる調査やGPSを用いた調査に依っていたが,近年ではWi-Fiパケットセンサーを用いた調査がなされている.本論文の目的は,Wi-Fiパケットセンサーを用いて歩行者や観光客の行動を把握し分析した研究論文をレビューすることと,それを踏まえて筆者らの取り組みからまだ発表されていない分析例を提示することである.特に,歩行が主な交通手段である比較的狭い地域内での観光スポット間OD交通量は従来の手法ではなかなか得にくいものである.そこで,1年目から3年目における2日分の成果を比較する.3時点のセンサー設置地点間のODパターンを比較したところ,その相関係数は高いものの少数のOD交通量が多いため,当センサーで得られたデータの範囲内では必ずしも類似性があるとはいえないことが分かった.
著者
熊谷 真之介 有働 恵子 真野 明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
no.54, pp.991-995, 2007

It is important to predict the quantitative variation of<I>Noctiluca</I> and the occurrence of the red tide. The grazing relationship between<I>Noctiluca</I>and the prey is modeled by taking account of carbon budget. It presumes that one Noctiluca has to take <I>Heterosigma akashiwo</I> as preys in 2400cells for increase. The model is able to predict the number of <I>Noctiluca</I> at the peak well. Moreover the model expresses the characteristic of <I>Noctiluca's</I> proliferating rapidly in rising period about water temperature in March and April, and decreasing considerably in high water temperature period in May, June and July.
著者
金井 昭彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_305-I_314, 2014

19世紀フランスにおいては鉄道黎明期から,エンジニアや建築家によって駅舎配置計画類型の理論的分析が行われた.その中で標準型とされたのは,出発と到着の諸室を線路両側に配置する両側面型であった.また,フランスにおいては,旅客は荷物を預けた後は,出発直前まで待合室にいなくてはならず,ホームに立ち入ることは許されていなかった.当初からこの搭乗方式は批判が相次いだが,自由入構制度が導入されるまでには半世紀近くも要した.やがて,新方式が導入されたことによって,駅舎配置も影響を受け,待合室よりエントランスホールが機能上重要となり,徐々にL型配置が採用されるようになる.本研究では,フランスにおける駅舎配置計画の理論的分析と,実際の歴史的変遷の影響関係を明らかにする.
著者
エスパダ イアン 中辻 隆 タナボリブン ヨッポン
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.695, pp.177-186, 2002

HCM等これまでに提案されている無信号交差点における容量算定式は, 一時停止制御と譲れ制御の相違を明確には考慮していない. 無信号交差点を含む市街地道路へのマクロ交通流モデルの適用にあたっては, 容量算定式が不可欠であることから, T字交差点を対象として両制御の相違を考慮したパラメータを新たに含む容量算定式の開発を行った. 次に, 当該算定式を組み込んだ高次項を含むマクロ交通流モデルの作成を行い, 主道路における交錯交通量を変化させたシミュレーション解析を行った. その結果, パラメータ値は, 一時停止制御では旧HCM式より小さく, 譲れ制御では大きくなることを明らかにした. さらに, 渋滞時には, 譲れ制御も実質的に一時停止制御状態となる現象を表現するよう算定式の改良を行った.
著者
木下 瑞夫 田雜 隆昌 牧村 和彦 浅野 光行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.625, pp.161-170, 1999

本研究は, 活性化が喫緊の課題となっている都心地区における歩行者回遊行動を把握するための新たな調査手法を提案し, その有用性を明らかにするものである. まず, 5種類の調査手法について, データ収集の信頼性や実態調査の難易等の観点から総合的に比較検討して, 現地配布・郵送回収による都心地区交通結節点を起終点とする歩行経路地図上記入方式が最も適していることを明らかにした. つづいて, この実態調査手法を用いて歩行者回遊行動調査を地方中核都市で実施し当該都市のパーソントリップ調査と比較した結果, 回遊トリップ数, 回遊距離, 回遊経路などの把握状況において手法の有用性を確認した. また, 来街手段別歩行回遊状況, 商業施設間の回游実態, モールや地下道利用実態など, 都心の歩行空間整備計画の指汁となるデータが効率的に収集できることが確認できた.
著者
齋藤 奏磨 松本 綾乃 渡部 哲史
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.I_261-I_267, 2020

<p> 本研究では気象庁による観測を基に気温および降水量と積雪深の関係について推計し,2020年における積雪深の特徴をこれらの関係から明らかにした.2020年は積雪の少ない年であったが,その背景と考えられる気温と降水量の傾向は地域で異なり,北海道では記録的少雨,本州では記録的高温の年であった.これは各地域の気温および降水量と最深積雪の相関の傾向と一致した.さらに,地球温暖化対策に資するアンサンブル気候予測データベース(d4PDF)の日本域予測値を基に,対象期間で最深積雪が最も小さい年の気温と降水量の2℃,4℃上昇下の気候での出現頻度を算出した.気温2℃上昇時にも2020年のような少雪事例は1~2年に1度という高頻度で出現し,近い将来標準的な事例になる結果を得た.</p>
著者
高畠 知行 柴山 知也
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.I_1507-I_1512, 2017 (Released:2017-10-17)
参考文献数
15

海岸保全施設の粘り強さの向上や避難者同士の共助には人的被害の低減効果が期待されるが,減災効果を定量的に評価・比較した事例は少ない.特に海水浴場を対象とした場合には定量的な効果に不明な点が多い.本研究では,地元住民・来訪者に関する既往のアンケート調査を分析し,来訪者の行動を考慮した津波避難モデルを構築した.構築したモデルを由比ガ浜海水浴場に適用し,これらの津波対策効果を定量的に検討した.その結果,防潮堤の粘り強さの向上は人的被害低減に有効だが,防潮堤高が低い場合は効果が小さくなること,また土地勘のない来訪者がいる状況下では避難誘導が有効な対策であることがわかった.さらに,道幅が狭く避難者が多い地域では道路混雑を考慮して避難計画を策定する必要性を示した.
著者
横山 一博 尾中 俊之 鈴木 善晴
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_499-I_504, 2015 (Released:2016-01-29)
参考文献数
11
被引用文献数
1

The current study conducted numerical experiments using nonhydrostatic mesoscale meteorological model to examine the mitigating effect of weather modification in the early stage of cloud development by cloud seeding on torrential rains. Based on simulated two heavy rain events in the Kitakyushu and Tokai regions of Japan, sensitivity analysis was performed by manipulating some conditions of cloud seeding implementation, i.e., area, height, time, duration time etc., in incremental steps. As a result, by carrying out cloud seeding in the early stages of cloud development, the mitigating effect was acquired from two or more viewpoints, and the mitigating effect appeared compared with the stage of cloud development. Results show that rainfall area and hourly rainfall, as well as maximum areal rainfall, can be decreased by cloud seeding, depending on the condition of its implementation, and that the number of cases with rainfall mitigation tends to be greater than that with rainfall promotion. It was also clarified that in the case of rainfall mitigation by cloud seeding the vertical updrafts at peak hour can become weak and the supplementary process can be supressed with increase of ice crystals after cloud seeding.
著者
伊藤 悠一郎 中村 晋一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.74-83, 2021 (Released:2021-07-20)
参考文献数
13

水害への対策を検討したり,将来の水害被害を予測するうえで重要となるのが水害被害を記録した長期統計である.日本の水害被害を扱う記録としては1961年より行われている水害統計調査があるが,それ以前の水害の規模や発生地域,発生要因等を把握する長期統計は存在しない.そこで,本研究では,地方気象台等が作成した水害記録を用いて,日本における水害統計調査開始以前の水害データベースを構築した.本データベースは水害統計調査が開始される以前の日本全国の水害被害を記録した最も詳細且つ長期の水害統計である.この水害データベースを分析した結果,これまで記録の無かった1941年から1945年にも1930年代と同等の水害が発生していたこと,水害イベントの発生頻度及び強度は 1950年以降明瞭に増加する傾向が示された.
著者
内山 一則 奥田 朗 吉原 進
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
no.17, pp.437-444, 1997

The five stone-masonry bridges over the Kotsuki River, which flows along the center of Kagoshima City, have provided a historical outlook to this City. Among them, the Nishida Bridge has ornamental balustrade with beautifully designed balusters and this bridge is very famous as the main gateway bridge of the old Satsuma province. This paper investigates why these stone-masonry bridges were chosen for construction in kagoshima, which lies at the southern edge of Kyusyu, the circumstances of construction of these bridges and so on.