著者
青木 繁 BUI Huy Duon YANG Wie KNAUSS Wolfg 北川 浩 岸本 喜久雄 YANG Wei HUY Duong BU WEI YANG WOLFGANG KNA MAIGRE H. RAVICHANDRAN ジー ROSAKIS Ares NAKAMURA Tos 天谷 賢治
出版者
東京工業大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

本研究は,日米中仏の4ヶ国の研究者の共同研究により実施するのもので,材料の破壊プロセスにおける微視的な内部構造変化について総合的に検討するとともに,それらを踏まえたメゾスコピック材料モデルを構築することを目的とする.すなわち,本研究では,原子レベルならびにナノレベルにおける微視的アプローチ,不均質材料,材料界面,高分子材料,複合材料の損傷・破壊モデルの検討,および,衝撃荷重や環境など外因の影響を踏まえた材料モデルの考察など,種々の立場から,材料モデルの構築を進めるとともに,相互に協力,啓発を行い,それらを統合化した材料の寸法尺度,時間尺度に対する階層構造を的確に捉えたメゾスコピック材料モデルの構築を目指している.本研究において設定した調査テーマは下記の通りである.(1)分子動力学法を基礎とする材料モデルの構築,(2)材料の損傷・破壊現象のミクロとマクロメカニクス,(3)界面強度特性とミクロ・マクロ材料モデル,(4)不均質材料の特性発現機構と損傷機構のミクロ・マクロモデル,(5)複合材料の損傷過程とミクロ・マクロモデル,(6)ミクロ構造を考慮した高分子材料モデルの形成とマクロ特性,(7)破壊のプロセスゾーンの損傷モデル,(8)衝撃荷重下における材料の破壊モデル,(9)材料の環境強度に及ぼす電気化学因子のモデル化また,東京工業大学,カルフォルニア工科大学,エコールポリテクニークにおいて共同研究を実施するとともに,中国,カナダ,アイルランド,ポルトガルにおいて調査研究を実施した.それらの結果,材料の内部微細構造の変化のダイナミクスを多面的に捉えるための分子動力学法,境界要素法,有限要素法などの種々の方法に基づくモデリング手法についての知見が得られた.
著者
小澤 正基 渡邉 雅之 佐々木 祐二 三村 均 池田 泰久 大橋 朗 須郷 由美 森田 泰冶 佐伯 盛久 橋本 和幸
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-05-11

高レベル廃液中で酸素酸イオンTcO4-として存在するTc(Tc-99)回収のための効果的な抽出剤を開発した。新しい配位子(2,2’-メチルイミノビスジオクチルアセトアミドMIDOAは、ジグリコールアミド(DGA)の中央のエーテル結合の部位に窒素を導入した中心骨格を持ち、Tcに対し強力な抽出能を示す。MIDOAは安定で毒性がなく、検査(治療)対象の臓器に無理なく取り込まれるTc (あるいはRe) 錯体を創製できた。クロマトグラフィ分離法による高レベル廃液処理分離プロセスを構築した。中性子捕獲による使用済み核燃料の核分裂生成物の元素変換挙動と創成元素の資源としての利用可能性を評価した。
著者
小谷 泰則 石井 源信
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究ではfMRIと脳波を用いて、メンタルトレーニングの効果を評価し、脳活動モデルをもとにした新たなメンタルトレーニング・プログラムを開発することを目的とした。本研究では、まずこれまでの日本において行われたメンタル・トレーニング研究に関して歴史的な経緯を含め、文献レビューを行った。さらに、近年の脳科学研究における内容を参考に「メンタル・トレーニングの生理心理学的メカニズムについて文献研究を通して仮説を立てた。研究1では、被験者は、大学スキー選手を対象とし、メンタルトレーニング・プログラム実施の前と実施後にそれぞれスキー滑走イメージ中の脳活動をfMRIを用いて測定した。研究2では、イメージ及び集中力、動機づけのトレーニングのトレーニングプログラム実施の前後に脳波を測定し、研究3では、動機づけと関連する脳活動について研究を行った。その結果、メンタルトレーニング・プログラムに対して以下のような新たな示唆を見いだすことができた:(1)イメージトレーニングでは、実際の運動学習場面や日常のトレーニング場面と同様に、Step by step的なイメージの内容を想起させることが重要である。(2)時付けを高めるプログラムでは、個々のトレーニング課題に明確で具体的な数値目標を設定し、その目標の何パーセントを達成できたかという「正しくて詳しいフィードバック情報」を与えることが重要であると言える。(3)また、本研究のfMRIを用いた実験から、脳の島皮質が情動をともなう情報と関連していることが示された。島皮質は、体制感覚の情報を処理し、それを意識化する働きをしていると考えられている。そのため、リラクセーショントレーニングとして、選手の心拍が低下したといった身体の安静化への意識付けが情動のコントロールに非常に効果的であることが示された。
著者
肥田野 登
出版者
東京工業大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1994

本研究では、これまで注目されることの少なかった都市内移動過程における移動者の行動に関して、文献調査および実態調査から基礎的な知識を得た。(1)文献により移動の機能の調査これまでの研究により示唆されていた移動の機能の具体像を都市内での移動過程を描いた文献をもとに分析した。対象としては日本の明治以降の小説、髄質に加え、現状にとらわれない自由な視点から移動をとらえているまんが「ドラえもん」をとりあげた。この結果、移動の機能としては大きく情報授受、心理状態の変化の2つがみられ、それらの内容が利用交通手段や移動の頻度(定期または一時)により異なることが示された。(2)移動の機能の実態調査JR常磐線、営団地下鉄丸の内線および日比谷線を対象として車内の乗客の行動の観察調査を行った。この調査では、筆記に加え小型ビデオカメラを用いて乗客の行動と周囲の状況を同時に連続してとらえた。また、本調査では車内での乗客間および乗客と設備の間での情報の授受形態を明らかにすることに重点を置いた。得られた結果としては、まず乗客の密度が情報授受形態に大きな影響を与え、座席定員程度の時がもっとも情報の授受が活発に行われることが示唆された。また、駅の間隔や地下と地上との出入りにより生じるリズムが乗客の行動をある程度規定し、したがって、これらの条件の違いによって乗客の情報授受形態が異なる可能性が示された。
著者
仁科 喜久子 五味 政信 田中 穂積 柏崎 秀子
出版者
東京工業大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

3年間の成果は次に示す通りである.1.データ作成3年間にわたり外国人留学生が参加しているセミナーのビデオ収録をし,20件各60分のデータを収集した.初年度は10件分を書き起こしたものを中間報告書として印刷,発行した.2年度以後のものも一部論文発表時に書き起資料として発表した.また,留学生を対象とする電気電子系大学院講義「科学技術日本語」における講義の書き起こしデータを作成した.2.分析 1のセミナービデオ資料あるいは書き起こしデータを語レベル,文レベル,ディスコースレベルの各レベルで被験者の日本語能力別に観察し次の知見を得た.(1)初級・中級では語のレベルでの問題と運用上の問題からコミュニケーションブレークダウンが多く見られた.上級ではディスコース上の問題が見られるようになり,発話機能の分類とディスコースマーカーのレベル付けをすることで指導上有効なシラバスを作成することができる.本研究では特に学術的な対話の場で用いられるディスコース構造のモデル化と発話機能とディスコースマーカーを整理し,新たなラベル付けをした.(2)専門知識と社会言語学的な運用法を含む言語知識との両者がそろったときコミュニケーションは円滑に進むが,言語知識が少なくても専門知識に関する概念知識が十分にあれば様々な言語的な方略を用いることで,相互理解に到達することは可能となる.以上の分析と講義データの観察から理工系知識をもつ成人の日本語学習者にとって専門に関する概念知識を利用して目標言語習得計画を作成することが理工系におけるコミュニケーションという目標に到達する早道であることを認識し,そのためのシラバスを提案した.3.成果のまとめ(1)平成5年度に中間報告書をまとめ印刷発行した.(2)平成9年3月に最終報告書をまとめ印刷発行した.(3)平成8年9月に研究代表者は学位論文「科学技術日本語学習システム開発のための基礎的研究」を発表し,本研究に関する内容を第7章としてまとめ,平成9年2月に学位授与とともに印刷発行した.
著者
石川 国広
出版者
東京工業大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
2000

本研究の目的は、学校カリキュラムへのアドベンチャー教育導入の可能性を検討することである。ここでいうアドベンチャー教育とは、体験教育・体験学習をベースにしたPA(Project Adventure)のことを指し、体育学のみならず教育学や心理学の領域の理論や知見を統合した教育活動といえる。宮城県では、県教育庁が主導でMAP(みやぎアドベンチャープログラム)事業と銘打って、PAJ(Project Adventure Japan)の指導のもと、全県(仙台市を除く)をあげて学校教育に取り入れる方針で、平成11年度より動き出した。平成13年度は、前年度よりも小学校の指定校が6校増えて小・中・高校とも各7校となり、平成14年度の全学校への普及・展開に備えている。最終的には、小学校328校、中学校159校、高校85校の合計487校における全ての教育活動でのMAPを取り入れた実践と、全ての教員のMAPの理解が目標とされている。最終目標が高く、教育庁からのトップダウン形式での導入なので、現場の教員の戸惑いや不安、無関心も多く、指定校でも進行状況には格差があるのが現状である。問題点としては、講義や資料のみでは教員側の理解を深めることが出来ず、体験を積み重ねる必要があり、指導者養成に時間と労力がかなりかかる点。実践場面での難しさとしては、PAの理念やコンセプトを既存の授業等に織り込む点と、教案通りに授業が進行するとは限らず、学習者の状況や反応を見た上で、臨機応変にその場で教案を書き換える能力が教員に問われる点等があげられている。しかし、積極的で意欲的な教員が中心となって徐々に定着している例も見られ、成果も上がってきており、今後の展開が期待される。提言としては、学校の管理職や行政サイドのスタッフ自身がPAの理解と体験を深め、県教委やMAP事務局が推進のためのハブ組織として機能すること等があげられる。
著者
中本 高道 石田 寛 長濱 雅彦 蓮見 智幸
出版者
東京工業大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

本研究では、匂い再生システムを用いて動画や音声に合わせて匂いを発生させて、芸術作品を創作する。昨年度は香り付きアートアニメーションを2編制作し、アンケート調査により香りの効果を調査した。本年度はインタラクティブ嗅覚ディスプレイを製作し、料理ゲームコンテンツを作った。ユーザからもアクションを起こしてインタラクティブにコンテンツを体験することで、臨場感の向上が期待できる。また、多くの人に体験して楽しんでもらうことを考えて料理ゲームを制作することにした。また、誰にでもわかりやすいコンテンツにすることを目指しそ、料理の題材としてはカレーを選んだ。中心に置かれたなべに、バターをしいたり、ニンニクや、たまねぎ、肉やカレーのルー、スパイスなどカレーの素材を入れていって、ユーザが操作しながらカレーを作っていく。これらの素材を加えていくと対応した香りが発生しく香りも序々にカレーに近づく。また、これらに合わせて"ジュージュー"といったような効果音により、さらにリアリティを高める。この中で、ニンニクと肉の場合は好みに合わせてその量もユーザが調節することができる。プラットフォームとなるソフトウエアを選択し、動画像の制作、画像の制御ソフトは芸大側が担当し、東工大側は匂い調合装置とのインタフェース、匂い調合装置のソフトウエアの開発を行った。そして、制作した料理体験コンテンツをCEATEC JAPAN(10/3-7,千葉・幕張メッセ)、産学官技術交流フェア(10/11-10/13,東京・東京ビッグサイト),東京工業大学大学祭(10/28-29)でデモ公開を行った。前2の展示会では168名、大学祭では163名の人に体験してもらいアンケート調査を行った。その結果、匂いの種類が大きく変化するところでは印象が強く、9割以上の人が臨場感が匂い無しに比ぺて増加したと回答した。さらに英語版のコンテンツを制作して米国で開かれた学会IEEE Virtual Reality 2007にても公開実演を行ない、好評を博することができた。
著者
舟窪 浩 山田 智明
出版者
東京工業大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は、最も重要な圧電体でありながら、これまで単結晶合成の難しさから多結晶体での研究に限られていたPb(Zr, Ti)O_3[PZT]について、申請者が世界で初めて合成に成功したPZT単結晶を用いた人工モデル粒界を作製し、ナノドーパントの圧電特性に及ぼす効果をin-situで解明することである。MOCVD法を用いて、Zr/(Zr+Ti)比を変化させて作製した分極軸に単一配向した正方晶のエピタキシャル膜を作製した。その結果以下の結論を得た。1. Zr/(Zr+Ti)比にかかわらず歪みの少ない膜が作製できることが明らかになった。2. 得られた膜の強誘電性を評価したところ、Zr/(Zr+Ti)比の減少に伴う自発分極値の低下が観察された。3. Spring8での電界下その場観察の結果、膜の圧電性はZr/(Zr+Ti)比の減少に伴って減少し、その変化は、理論から予測されたものと良く一致した。4. ラマン分光測定によって、初めてソフトモードと自発分極値の間に直線関係があることが実験的に確認された。5. 得られた膜の自発分極値とソフトモードの関係は、温度を変えて測定したデータでも良く一致しており、本研究で得られた結果が広い範囲に適用できる可能性を明らかにした。
著者
西方 篤
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

耐候性鋼製のくし型プローブ電極を試作し、新潟市の苗引橋と福山市の両国橋(いずれも耐候性鋼橋梁)において、耐候性鋼の腐食モニタリングを2年間実施した。低周波数のインピーダンスの逆数1/Z_<10mH>の平均値は、腐食減量から得られた平均腐食速度Icorrと極めて高い相関を示し、相関式(Icorr/μAcm^<-2>)=17. 7×(Z10mHz/Ωcm^2)^<-0. 16>を得た。この相関式によりモニタリングデータから直接平均腐食速度を推定することが可能となった。
著者
河合 誠之 綾仁 一哉 片岡 淳 吉田 篤正 三原 建弘
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本研究の目的は、HETE-2およびSwift衛星からインターネットを通じて配信されるガンマ線バースト速報に対応して、自動的に即時にバーストの方向を撮像する望遠鏡システムを開発し、ガンマ線バーストに伴う可視光フラッシュの観測を行なうことである。本年度は、次の作業を行なった。1.別予算にて岡山県美星天文台屋上に設置した口径30cm望遠鏡の測光精度を調査した。Landolt測光標準星との比較によれば、本システムはフィルター無しにもかかわらず、Rバンドでは標準星のカタログ等級と0.1等以下の誤差でよい比例関係をもつことを確かめた。2.昨年度に製作して宮崎大学工学部の屋上に設置したロボット望遠鏡システム第二号機の調整、試験を行い、指向・追尾性能試験および撮像試験を行った。試験観測として、美星天文台に設置した一号機とともに、変光星、獅子座流星群、超新星2002apなどの観測を行った。3.ロボット望遠鏡システムを統括制御するソフトウェアを改良し、自動観測運用を開始した。雨あるいは雪による機械的、あるいは電気的な不具合が生じたので、修理・対策を施した。4.HETE-2およびBeppoSAX衛星が検出したガンマ線バースト4個(GRB010921, GRB011019, GRB011030, GRB020124)に対して追観測を行った。可視対応天体の検出には至っていない。
著者
戸倉 和 比田井 洋史 平田 敦
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

レーザ光を水存在下で固体に照射すると固体表面で加熱されるばかりか,高温の水との反応や水が分解されて生じるラジカルと気体との反応が期待できる.本研究ではこのような反応を期待し,立方晶窒化ホウ素(cBN)の水熱加工を行なおうとするものである.そこで脱気した超純水,メタン,水素,酸素を溶存させ水,これにエキシマレーザ光(193nm),アルゴンイオンレーザ光,YAGレーザ光を照射して,ポリクロメータで活性種の発生状態を測定するとともに,写真により発光を観察した.その結果,水の構成元素ラジカルの生成を確認するとともに,メタンを溶存させた水では水面に膜が生成されることを見いだした.この膜の性質を調査し,粒径20nm程度の超微粒子から構成される網目構造の炭素膜であることがわかった.このことは炭素系超微粒子合成の道を開くものとして期待できる.これと平行して,大粒の単結晶cBNおよび窒化ケイ素に水中でエキシマレーザ光および可視光のアルゴンイオンレーザ光を照射した.窒化ケイ素では試料から離してエキシマレーザ光を照射しても表面にエッチング模様が現れた.これは上で述べた水の活性種によるものと考えられる.また,cBNにアルゴンイオンレーザを照射すると,アンモニアの発生が確認できるとともに,空気中での照射による形態とは異なる表面が得られた.これは高温で水との反応による化学作用と理解でき,水熱加工への展望が開けたものと理解できる.これら水雰囲気での一連の照射実験では飽和水蒸気中でのレーザ光照射も行った.エキシマレーザを飽和水蒸気圧下で照射した場合,照射容器であるアクリルが瞬時に曇ってしまった.これは生成された活性種によるアクリルとの化学反応が生じたものであり,レーザクリーニングへの知見を与えるものである.
著者
舘野 佑介
出版者
東京工業大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本研究では、オリゴシアル酸、ヘパラン硫酸の機能解明、標的蛋白質の探索を目指し、糖鎖の効率的な合成法の開発、生体適合性有機ナノスフィアの開発を行い、探索研究の新たな方法論の開拓を目的としている。本年度は特にヘパラン硫酸に着目し、その効率的な合成法の開発を行った。無保護糖鎖の供給しナノスフィアに固定化することで、探索研究を行う。しかし、ヘパラン硫酸の脱保護を行う十分な手法は確立されていない。これは、脱保護体が多数の高極性官能基を有するため非常に高極性となり、通常の分液操作やカラム精製が困難だからである。そこでフルオラスタグを導入し、対応する精製操作を行うことで効率的に無保護糖鎖を合成する手法を開発することとした。また糖鎖同士を連結する手法に関してもより効率的な手法を開発することとした。1)まず、糖鎖伸長法の開発を行った。通常用いられるグルコサミンの2位がアジド基のアクセプターを、グルコサミンの2位がトロック基のアクセプターを変更することで、糖鎖同士の連結反応の反応性が大きく向上することを見出し、4糖同士の連結を行うことで12糖保護体の合成に成功した。2)次に糖鎖の脱保護を行った。得られた保護糖鎖に対し、フルオラスタグを導入することで各種反応後の精製操作が容易になり、4糖体3種、8糖体1種、12糖体2種の計6種のヘパラン硫酸の合成に成功した(年次計画3)。今後、生体適合性有機ナノスフィアの開発を行い、合成した糖鎖を固定化し、探索研究を行っていこうと考えている。(年次計画4)。
著者
藤井 聡 谷口 綾子 羽鳥 剛史
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は,従前までに実施してきた社会実験的MMを継続的に実施するとともに,現地ヒアリング調査等を通じて,これらのMMの長期的効果を含む,様々な効果を測定した.そして,そこで得られた知見を踏まえて,今後,本格的な大規模MMを,我が国の実際の行政で行っていくことを目指して,これまでよりもより大規模(数千〜1万世帯程度)な世帯を対象とした社会実験的MMを実際に推進し,本格的なMMの実務的展開に向けての課題やMM施策の効果を検証した.その結果,MM施策実施後,渋滞緩和効果や態度変容効果が確認されたいくつかの事例において,その効果が継続的に持続していることが示され,MMの長期的効果が認められた.また,複数の手法を同時に用いた本格的MMを実施し,公共交通の利用者数増加や道路交通の変化などの効果を定量的に検証したところ,対象地域においてMM実施による集計的な効果が確認された.そして,複数種類のMM施策の効果を比較分析することによって,それぞれの施策の相対的な効果や特質を把握することができ,MMの実務的展開に資する知見を得ることが出来た.また,大規模MMの効果を検証するため,50万世帯に配布されている地域新聞を活用し,読者に「かしこいクルマの使い方」を呼びかけると共に,TFPへの参加を呼びかける大規模なMMを実施した.その結果,メディアを通じたコミュニケーションのみでも,読者の態度・行動変容を見込めることが示された.さらに,本取り組みの費用対効果について検討したところ,一定の費用対効果が見込めることが示された.
著者
高橋 実 有冨 正憲 井上 晃
出版者
東京工業大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

磁場閉じ込め核融合炉の第一壁・ブランケットの液体金属沸騰冷却の基礎研究として、液体金属の沸騰気泡挙動と熱伝達特性を解明することを目的としている。はじめに、鉛直円筒容器内の純水銀の水平平板におけるプ-ル飽和核沸騰に対して、水平磁場を与えた場合の沸騰気泡特性を2針電極プロ-ブを用いて調べた。実験条件は、系圧力0.026、0.1MPa、最大熱流束250kW/m^2、最高磁束密度0.85テスラである。その結果、離脱気泡直径と気泡成長速度は磁場によってほとんど影響を受けず、この傾向を気泡成長理論と気泡離脱モデルを用いて解析的にも説明できた。磁場の増加と共に気泡離脱頻度が増加し、これは待ち時間の減少によるものであることがわかった。その機構を解析的検討した結果、磁場により自然対流熱伝達が抑制され、周囲の高温度から発泡点へ熱流が増加するため、休止期間の発泡点近傍の温度上昇が速められると解釈された。次に、核融合炉相当の強磁場の水銀の飽和プ-ル核沸騰熱伝達への影響を調べた。装置は前と同様であり、立て置き超伝導磁石を用いて鉛直磁場を与えた。純水銀にチタンとマグネシウムを添加した。実験結果は、5テスラ以下では磁場の増加に対して核沸騰伝熱が低下したが、5テスラ以上では磁場増加に対しては伝熱低下がほとんど認められなかった。高熱流束になるほど磁場による伝熱低下が減少した。このことから核融合炉の磁場条件でも液体金属の沸騰による冷却が十分可能と考えられる。楕円形気泡成長モデルにより解析を行い、磁場による伝熱低下を実験結果より過小に評価することがわかった。今後の課題としては、沸騰気泡特性の結果に基づくより正確な沸騰伝熱理論の開発と、強磁場における液体金属の沸騰二相流伝熱特性の実験的把握が必要がある。
著者
梶川 浩太郎 大内 幸雄
出版者
東京工業大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1999

近接場領域での非線形分光を実現することは、短時間で高感度な検出が可能な光学系が求められる。そのため、前回我々が報告したように近接場領域における非線形光学の観察には繰り返し周波数の高い超短パルスレーザーが用いられてきたが、数10ヘルツ程度の繰り返し周波数で10ナノ秒程度のパルス幅を持つレーザー光を用いた近接場領域における非線形光学の観察例はほとんどない。本研究では10ナノ秒程度のパルス幅を持つTiSaレーザーを用いた近接場光学顕微鏡を構築した。超短パルスレーザーでは問題となる光ファイバ中におけるパルス光のひろがりなどの問題が気にならないこと、イルミネーションモードを用いることが可能であること、レーザーの単色性がよく広い波長領域(λ=690-1000nm)でレーザー発振が安定であるため分光測定に適していること、レーザーの構成が単純であり光学系に特殊な技術を必要としない、などの利点がある。実験に用いた光源はNd:YAGレーザー励起のTiSa:レーザーを用いた。パルス幅は約10-15nsであり繰り返し周波数は10Hzと非常に低いため、SHGによる近接場光学顕微鏡像は難しい。そのため、試料形状はHeNeレーザー光などを用いて通常の線形光学像として観察をおこない、注目した領域をSHG観察する構成である。ナノ秒程度のパルス幅を持つレーザー光を用いることには以下の利点がある。この顕微鏡の構築が終了し、その性能を確かめるために有機色素分子の集合体の観察を行っている。
著者
渋谷 寿一 納冨 充雄 井上 裕嗣 岸本 喜久雄
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

次世代の半導体素子は,プリント基板に実装された後に樹脂で上から基板ごとコーティングするタイプが増加すると考えられている.また,高温用タービンブレートは,耐熱性のセラミック材料を溶射によって金属基材にコーティングする.このような場合は,コーティング層の強度特性評価を充分に行わないと,材料の信頼性が得られない.そこで,コーティング層の機械的特性と湿度や応力による劣化の評価を行なうことが重要である.本研究では,金属のベース材料にコーティングが施された場合の,コーティング層の機械的特性と湿度や応力による劣化の評価を行った.本研究の成果を以下の通りである.(1)収集した情報に基づいて,コーティング素材の選定を行い,コーティング母材の試験片を製作した.(2)曲げ試験を行い,荷重-たわみ関係等を測定した.(3)x線応力測定装置で試験片表面のコーティング層の残留応力を測定した.(4)残留応力の測定結果を基に,破断荷重をワイブルプロットにより整理し,統計的な処理によって一般化破断荷重を決定できることを明らかにした.(5)ワークステーションを用い,材料中の各層ならびに層間に働く応力分布を弾性論にもとずく数値解析によって明らかにした.(6)各試験前後の試験片のコーティング層の界面を走査型電子顕微鏡で詳細に観察し,メカニズムを解明した.
著者
玉浦 裕 阿部 正紀 北本 仁孝 金子 宏 長谷川 紀子
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

集光太陽ビームをセラミックスに照射し1300-1600℃に急速加熱すると、特殊な反応中間体を経由し、空気酸素分圧下で酸素放出反応が進行することを世界で初めて明らかにし、この反応で生成したセラミックス還元体が水を分解(水素生成過程)することを見出した(特開2008-094636)。これを用いるソーラー水素生産の実用化に向け、ロータリー式太陽反応炉およびビームダウン式集光システムの開発を行った。
著者
鈴木 博 府川 和彦 須山 聡
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

将来のマルチメディア通信に向けて,高速・高信頼移動パケット無線の研究を理論と実験の両面から行った.MIMO-OFDM伝送システムを中心に検討した.送受信側で複数アンテナを用いるMIMO技術と,広い帯域幅を直交分割するOFDM技術により通信路容量の最大化を図る.統計的ディジタル信号処理の導入による高性能化,位相雑音等による劣化の低減化,広帯域ミリ波帯の開拓を行った.当初の研究目標はほぼ達成された.
著者
中本 高道 長濱 雅彦 石田 寛
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

視嗅覚情報の同時記録再生システムは、ビデオカメラによる映像と匂いセンサによる匂い記録を同時に行い、ディスプレイで映像を再生するのと同時に匂い調合装置により映像に同期させて匂いを再生させる装置である。視嗅覚情報に嗅覚情報を加えることにより臨場感が増し、五感情報通信への可能性が広がる。画像に匂いをつける試みは数例あるが映像とともに匂いセンサで匂いを記録し両者ともに同時に再生するのは初めての試みである。本研究では、匂い調合装置の検討、水晶振動子ガスセンサの成膜手法、感応膜材料の検討、ロバスト匂いセンシングの検討、オートサンプラを用いた匂いの記録再生等を研究した。本研究では水晶振動子ガスセンサを用いたが、素子間バラツキの問題を霧化器を用いた方法で低減し、リポポリマ及び自己組織化リポポリマにスペーサ分子を導入しその上に物理吸着層を設ける方法を用いて数十ppbの匂いを検出できるセンサを開発した。また、濃度変動、温度、湿度変化等環境変化にロバストな匂いセンシングシステムを実現するために、短時間フーリエ変換導入し特徴的な周波数を複数選択してそれをパターン認識する方法を開発しロバスト性の向上を確認した。さらに、匂いの記録再生システムの記録範囲を拡大するためにオートサンプラを用いて大規模な匂い調合を行うシステムを開発し、りんご、バナナ等の果実臭の記録再生に成功した。最後に動画と同時に匂いセンシングを行い、映像と共に匂いを再生するシステムを実現した。ジュース缶にセンシングプローブを近づける様子を視嗅覚の同時記録再生することに成功した。そしてインターネットを介して遠隔地で視嗅覚のリアルタイム同時再生実験を展示会で実演し、センシングした匂いが遠隔地で正しく認識できることがわかった。
著者
酒井 善則 山岡 克式 小林 亜樹
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究は検索しやすく効率良いCDNをインターネット上で実現するために、コンテンツを主体とした新しい分散制御形コンテンツ配信ネットワークの基本的アーキテクチャを確立することを目的としている。本研究の主なポイントは、(1)メタ情報をもとにコンテンツの蓄積するサーバを検索する方式の開発、(2)コンテンツあるいはメタ情報が自律的に漂流するアルゴリズムの実現、(3)遅延の小さいリアルタイムメディア転送方式の実現、(4)コンテンツを媒介とした課金・集金方式の実現、の4点である。(1)についてはメタ情報をもとにしたクエリを確率的にネットワークにフラッディングして検索する手法を開発して、その有効性を確かめた。(2)については、コンテンツに検索履歴のリーク積分値を人気値として付加して、人気値の大小によりキャッシュで消去するコンテンツを決定し、かつコンテンツコピーを蓄積するたびに人気値を分割して付加するアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムを用いることにより実効的にコンテンツの人気を推定して、かつ蓄積ノード間で情報をやりとりすること無しに、コンテンツを介してノード間の協調が可能であることを示した。(3)については、ネットワーク内ノードが再送要求パケットを観測することにより、自らの判断でプロトコルを中継して再送遅延を小さくでき、結果的に遅延オーバーによるパケット損失が小さくなることを明らかにした。(4)については匿名課金および販売の可能なプロトコルを開発した。なお、本研究成果については実験システムを試作して、各提案アルゴリズムの有効性を明らかにした。