著者
寺田 光徳
出版者
熊本大学
雑誌
文学部論叢
巻号頁・発行日
vol.100, pp.81-104, 2009-03-10

La tuberculose est parfois mentionnee comme maladie incurable dans la litterature du XIXe siecle. On sait bien qu'il y a eu au cours du siecle un grand evanement que fait epoque dans l'histoire de medecine. C'est la decouverte du bacille de Koch en 1882. N'a-t-elle pas exerce aucune influence sur la litterature? Susan Sontag a decrit comment la maladie fonctionne comme metaphore dans la litterature dans son excellent essai intitule ilnesse as metaphor (1978). Est-ce que nous n'avons plus rien a ajouter a ses etudes? Nous prenons ici les romans francais de XIXe siecle qui sont inseparables de la tuberculose et essayons d'en analyser les fonctions narratologiques. Dans cette Iere partie nous avons pour objet La Peau de Chagrin (1831) de Balzac, La Dame aux camelias (1848) d'Alexandre Dumas fils eet Les Scenes de la vie de boheme (1848) d'Henry Muger.
著者
原田 幸一
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学医学部保健学科紀要 (ISSN:18807151)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-6, 2006-01-31

鉛貧血については、鉛により赤血球膜の浸透圧に対する脆弱性が増大し、そのため赤血球が破壊することによる溶血性貧血と、ヘム生合成への鉛の阻害作用による貧血の2つの観点から理解される。ここでは、ヘム生合成に影響する鉛による貧血について考察する。
著者
横瀬 久芳 小林 哲夫 長岡 信治
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

琉球弧北部のトカラ列島における火山活動の実態解明を目的に,ドレッジを用いた海底調査を実施した。海底より回収された火山岩類は,海面下にも第四紀火山活動が広く分布していることを示す。特に,海底カルデラ地形の近傍では,現地性流紋岩質軽石が確認でき,トカラ列島における巨大海底カルデラの存在を強く示唆する。火山岩類の地球化学的特徴から,北部琉球弧の火山活動や鉱床形成過程は,沈み込むフィリピン海プレートの形状によって支配されている事が判明した。
著者
吉村 豊雄
出版者
熊本大学
雑誌
文学部論叢 (ISSN:03887073)
巻号頁・発行日
no.29, pp.p28-49, 1989-03

小稿の課題は、端的にいえば、大名の参勤交代を規定した寛永武家諸法度第二条が、実は肥後熊本藩主細川忠利が提示した意見(献策)を相当に組み込む形で審議・制定されたのではないか、この知られざる事実とその政治的意義を明らかにすることにある。
著者
増田 曜章
出版者
熊本大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

小径線維ニューロパチー (SFN) は、糖尿病、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー (ATTR-FAP) など様々な末梢神経障害に関与しており、早期治療のためにも小径線維障害を早期から正確に検出することが重要である。本研究では、SFNの早期診断および病態評価に有用なバイオマーカーの探索を行った。ATTR-FAPでは早期より皮神経脱落が認められ、無症候の時期においても認められた。皮神経脱落は罹病期間や末梢神経障害のパラメーターと相関した。以上より、皮膚生検は、SFNの早期診断および病態評価法として有用であり、臨床試験のバイオマーカーとして応用できる可能性が示された。
著者
田中 健一郎
出版者
熊本大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

私は多くの疾患の原因が活性酸素による組織傷害であることに着目し、活性酸素を消去するストレスタンパク質、SODに注目した。私は、SODにリン脂質を結合させその組織親和性と血中安定性を向上させたDDS製剤・PC-SODを開発し、この薬が炎症性腸疾患、肺線維症、COPDの動物モデルで予防・治療効果を発揮することを見出した。
著者
堀畑 正臣
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

室町後期の古記録〔言継卿記〔トキツグキャウキ〕(記録期間1527~76)、兼見卿記〔カネミキャウキ〕(1570~1610)、上井覚兼日記〔ウワイカクケンニッキ〕 (1574-86) 、言経卿記〔トキツネキャウキ〕(1576~1608)〕の記録語・記録語法を調査し、1)中世古記録・古文書への宋代以降の中国口語の影響として「得境〔トクキャウ〕」と「生涯〔シャウガイ〕」の論考をまとめ、2)『上井覚兼日記』の「被賜・被給(タマハレル)」を考究し、3)「生涯(シャウガイ)」の意味変遷と構文の関係を考察、4)研究成果報告書を作成し、5)記録語・記録語法を収集し今後の研究に利用できるようにした。
著者
秦 裕緯 シン ユウイ Qin Yuwei
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学社会文化研究 (ISSN:1348530X)
巻号頁・発行日
no.17, pp.243-253, 2019

STRAY LEAVES FROM STRANGE LITERATURE is written by Patrick Lafcadio Hearn in New Orleans. LES COULISSES and THE GHOSTLY KISS are two special essays in this work since they share a special scene: the theatre. Which is barely appears in other essays of Hearn. The description of the theatre scenes in these two essays also shares many similarities, such as the association between this the stage and life, which Hearn called "the shining temple" ; and the association between the backstage and "the Unknown World" Correspondingly. The emphasis on the light and shadow also appears in both of the two essays. By analyzing these special ways Hearn describing the theatre we can find a deeper significance inside this scene, which reflects the author's views of life and death, and also exerts a far-reaching influence on the later works after Hearn came to Japan.
著者
熊谷 エツ子
出版者
熊本大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

われわれは、これまでに経験年数の長い診療放射線技師の中に放射線の影響と考えられる染色体異常やEBウイルス(EBV)に対する液性免疫応答異常の疑われる人が存在することを明らかにしてきた。本研究では、熊本県が成人T細胞白血病(ATL)の好発地域であることに着目して、診療放射線技師におけるhuman T cell lymphotropic virus typeー1(HTLVー1)と放射線被曝との関係を、ATL細胞、HTLVー1抗体、および染色体異常を指標として調べた。また、転座染色体と癌遺伝子存在部位との関連を調べるとともに、EBVと同じヘルペス科ウイルスであるサイトメガロウイルス(CMV)抗体の動態から低線量放射線の長期複曝の影響を追求した。その結果、1.HTLVー1抗体陽性例は診療放射線技師(経験年数が1年以上)99名中3例(3.0%)、対照群96例中4例(4.2%)みられた。その中の技師1例の末梢血にATL細胞が50%観察された。この技師の白血球数は8500/mm^3、Ca値は9.2mg/dlであり、当大学病院で慢性型ATLと診断された。しかし、残りのHTLVー1抗体陽性例にはATL細胞は見いだせなかった。2.構造異常を有する染色体が放射線技師(53名)には2.5%、対照群(36名)には1.6%の頻度で観察された。構造異常では転座染色体が最も多く検出され、その頻度は技師群が対照群に比べて有意に高かった。相互転座染色体の中ではt(7;14)の頻度が最も高かったが、技師群と対照群との間には有意差はみられなかった。7番染色体と14番染色体間の相互転座例の大多数が7q32ー36、14q11ー12の部位で部分交換をしていた。ATLでは14q11ー12に切断点を有する異常が報告されているが、今回対象としたHTLVー1抗体陽性例にはクロ-ンとしての異常はみられなかった。また、ski、abl、myb、mos、myc、Nーmycなどの癌遺伝子存在部位での転座例も若干みられたが、クロ-ンとしての異常は観察されなかった。3.CMV抗体量と低線量放射線被曝量との間には特定の関連はみられなかったが、CMV抗体異常陽性(ELISA OD値≧0.4)の放射線技師ではCMV抗体陰性の技師に比べて、EBVーVCA/IgGおよびEA/IgG抗体異常陽性例が高率にみられた。
著者
山梨 八重子 ヤマナシ ヤエコ Yamanashi Yaeko
出版者
熊本大学
雑誌
先端倫理研究 : 熊本大学倫理学研究室紀要 (ISSN:18807879)
巻号頁・発行日
no.12, pp.84-89, 2018-03

我々は自殺を試みようとする者を目の前にしたとき、とっさにそれに介入し阻止するだろう。阻止介入に対して、その当事者からの非難や抗議の声があるとしても、社会通念は介入を当然の行為とみなし、もし介入せずに放置したならば道徳的な責めを受けるであろう。しかし自殺自体は本人の意思による行為であり自己決定を優位にとらえるならば、それを阻止する介入は、その自己決定に対する侵害と見なされる可能性もある。本レポートでは、意志ある者で行為可能な者による自死に限定し、自死に対する道徳的判断とさらに、自死を踏みとどまる時、我々の中に生起する思いとその判断の根底にあるものを、R・ドゥオーキン(Ronald Dwoekin)の人間の生の「本来的価値」を手がかりに検討することを目的とする。
著者
J マーク ラムザイヤー エリック B ラスムセン 森 大輔 池田 康弘 モリ ダイスケ イケダ ヤスヒロ J.Mark Ramseyer Eric B. Rasmusen Mori Daisuke Ikeda Yasuhiro
出版者
熊本大学
雑誌
熊本法学 (ISSN:04528204)
巻号頁・発行日
vol.143, pp.170-128, 2018-07-30

本稿は原題 J.Mark Ramseyer and Eric B.Rasmusen,"Lowering the Bar toRaise the Bar : Licensing Difficulty and Attorney Quality in Japan" Journal ofJapanese Studies Vol.41(2015),pp.113-142を翻訳したものである。
著者
仁野平 智明
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学教育学部紀要 (ISSN:21881871)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.7-15, 2016-12-19

本稿は、改訂前の平成16年検定済から、改訂後の平成22年、現行の平成26年検定済教科書までの俳句教材の変遷を調査・分析し、「伝統的な言語文化に関する事項」の新設と教材の指定が、小学校国語教科書教材に与えた影響について考察することを目的とする。
著者
渡辺 孝太郎
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学政策研究 (ISSN:2185985X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.87-98, 2016-03-31

現在我が国の行政は、あらゆる政策の構想から実施に至るまでの過程で、パブリックインボルブメントを実施することが求められている。パブリックインボルブメントには、様々なメリット・デメリットがあるが、行政の構想から実施に至るまで、複数の手法を組み合わせて多重多層に展開する必要性が指摘されている。そこで本稿では、サイエンスカフェをパブリックインボルブメントの手法の一つとして活用することの可能性を探求するために、既存のパブリックインボルブメントの手法で得られた意見とサイエンスカフェの意見を、テキストデータとして統計的に取り扱い、比較・分析を行ったので報告する。Recently in Japan, public involvemnet is required to the government in the all process of the policy. Public involvement have various advantages and disadvantages, However, it is pointed out that the need to deploy the multiple and multilayer methods by combining several methods. This paper report the results of comparison and analysis of the opinions obtained from the existing public involvement methods and Science Cafe by handling text data of the opinions statistically, in order to explore the possibility of Science Cafe as one of the methods for public involvement.