著者
都竹 茂樹 平岡 斉士 長岡 千香子
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

働く世代の心身の健康増進を目的に、国はメタボ健診・保健指導やストレスチェックを義務化してきたが、心身に問題を抱える人たちは増加する一方である。一因として、心身の健康状態、健康への意識や実践状況、業務内容などが各人で異なるため、画一的かつ一方通行的な支援では、大多数の層は興味を示さず、行動変容にもつながらないことが挙げられる。本研究では、応募者が遠隔支援してきた2,000名分のデータを分析、ARCS動機付けモデルを活用して各人の行動や心身の状況に応じた、個別の健康支援策を自動選択、適切なタイミングで遠隔配信するプログラムを開発し、働く世代の生活習慣病やメンタルヘルスの発症予防・改善をめざす。
著者
廖 育卿
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学社会文化研究 (ISSN:1348530X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.365-379, 2008-03-14

Mori Ogai began his work in translation soon after his return to Japan, having studied in Germany. One of his best-known works, So-kkyou-shi-jin, is a translation of Der Improvisator. H.Denhardt, a German translator, translated the original book, the German Improvisatoren, published in 1835 by Hans Christian Andersen, from Danish into German.So-kkyou-shi-jin consists of 66 chapters and took 9 years (from 1892 to 1901) for Mori Ogai to complete. What deserves our attention is not only the length, but also the literary expression within the translation. It has often been suggested that So-kkyou-shi-jin has the same writing style as the early Germany Trilogy (Maihime (1890) , Utakatanoki (1890) , HumiDukai (1891)) . Although they seem to share the same qualities and some similarities to a certain extent, So-kkyou-shi-jin certainlyhas some notable differences to the other three works.The focus of this research is to conduct an analysis of the literary expression in So-kkyou-shi-jin by contrasting it with the German work Improvisatoren, exploring elements of Japanese expressions, classical Chinese expressions and Western expressions through comparison with the early Germany Trilogy.
著者
立花 幸司 村瀬 智之 三澤 紘一郎 山田 圭一 土屋 陽介 佐藤 邦政
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

哲学と教育哲学のあいだには研究交流の不在が国内外でたびたび指摘されてきた。このプロジェクトでは、お互いの活動に理解のある哲学者(立花・山田)、教育哲学者(三澤・佐藤)、教育実践者(土屋・村瀬)が一つのグループとなって緊密な共同研究を行うことで、日本という教育文化的風土をフィールドとして、よき認識主体としてもつべき徳と避けるべき悪徳を明らかにする。そして、この解明を通じて、理論的に妥当で教育実践上も有効な徳認識論の一つの理論を構築する。
著者
上村 直己 Kamimura Naoki カミムラ ナオキ
出版者
熊本大学
雑誌
ラフカディオ・ハーンとその時代
巻号頁・発行日
pp.65-99, 2006-03-10

本稿は、五高の初期、つまり第五高等中学校と称していた時期のドイツ語教育の実態を明らかにしようと試みたものだが、併せてその前に、まだ十分に明らかにされていない明治前期の熊本におけるドイツ語やドイツ語教育をめぐる状況についても整理して記述しておきたい。
著者
野田 雅之
出版者
熊本大学
雑誌
熊本地学会誌 (ISSN:03891631)
巻号頁・発行日
vol.144, pp.2-4, 2007-04-01
著者
福西 大輔
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学社会文化研究 (ISSN:1348530X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.277-289, 2019-03-25

A strange thing happens at the bridge is that in folklore studies it is said that the bridge is not only connected to the opposite shore but also because the Japanese have recognized for many years as a connection between this world and the other world. However, considering the example of Aso Bridge, changes in the population caused by bridges have a major influence on creating a monster. Also, the exchange with new outside due to the bridge being made is also a factor to create a monster.
著者
平岡 斉士 喜多 敏博 鈴木 克明 長岡 千香子
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

eラーニングなどの自動採点を前提としたテストは知識の確認をするものがほとんどである。一方、実際の教育場面では知識を応用するスキルの修得が求められている。しかし知識を応用するスキルを評価するテストには複数の制約があり、教育設計の知識やスキルに乏しい教員が作成することは容易でない。本研究では、知的技能の特性を踏まえたテスト作成方法を整理・体系化し、教育設計の非専門家でも使える問題作成支援ツールを開発する。あわせて自動採点テストを作成するための諸問題(手動採点用問題からの適切な代替、誤答選択肢の質、類題の確保など)を解決する方法を確立し、問題作成支援ツールと連動させたシステムを設計・開発・評価する。
著者
山田 源
出版者
熊本大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
2001

我々は本研究によって、哺乳類の外性器形成の特徴である陰茎および陰核形成メカニズムに迫った。哺乳類は脊権動物の中でも、良く発達した外性器を有している。高等哺乳類の外性器形成過程は、これまで分子発生学的に全く解明されておらず、そもそも如何なるメカニズムで胎生期に外性器原基(一種の突起構造)が伸長するのか、如何にそれが分化して外性器となるか殆ど理解されていない。陰茎および陰核はアダルトにおいてはその形態は大きく異なるものの、胎生期形態は後期に至るまで両性で類似した形を有している。ここでは体幹部から伸長、分化するメカニズムが雌雄で類似しており、さらに胎生末期から生後に到るホルモン影響下の分化の違いが出るという興味ある現象がある。我々は胎生期における陰核および陰茎形成プログラムとして間葉性のFGF遺伝子、および尿道上皮に発現するShh(ソニックヘッジホッグ)遺伝子が近接した状態で(尿道上皮のShhが中央に、両側にFGF10遺伝子が)発現し、それら相互作用が陰茎、陰核形成にとって、最も重要な尿道板/尿道形成に作用していることを世界で初めて見い出した。さらにこうしたShhおよびFGF遺伝子群が陰核、陰茎形態が顕著な哺乳類ばかりでなく、烏類胚(ヒダ状のものから突出した交接器を有するものまである)においてもこれら遺伝子発現が興味ある相関を示している事を見い出した。このようなメカニズムが今後さらに胎生後期から新生児期にホルモンの制御を受けるかに関して、これら細胞増殖因子群の遺伝子発現変化、及び形態変化を今後解析していく予定である。
著者
甲元 眞之
出版者
熊本大学
雑誌
文学部論叢
巻号頁・発行日
vol.97, pp.1-52, 2008-03-07

完新世の気候変動を考察するときに、多くは花粉分析結果を用いて論じることが多い。しかしその年代的指準は炭素年代に依拠することで、分析された花粉帯の年代にばらつきが生じて、これまではグローバルな気候変動を把握することはできなかった。そこで、年輪年代を利用することで、紀元前3000年頃までは確実な年代を捉えることが可能となり、花粉分析でえられた資料を考古学資料と相関させることで、厳密な気候変動の時期的把握を行い、気候変動の結果がどのように人間生活に影響を及ぼしたのかを検討した。
著者
佐藤 岳詩
出版者
熊本大学
雑誌
先端倫理研究 : 熊本大学倫理学研究室紀要 (ISSN:18807879)
巻号頁・発行日
no.10, pp.5-24, 2016-03

In "Modern Moral Philosophy" (1958), Anscombe put three famous claims against moral philosophy at the time: the profitability claim, the conceptual claim, and the triviality claim. Because of their keen critical characters, she had been known as one of the greatest critic of consequentialism. Unfortunately, it was, however, so keen that not so much attention had been payed to her own moral theory, compared with her critical argument. In this paper, I tried to shed light on a positive side of Anscombe's moral theory. Firstly, her diagnosis of the disease of "Modern Moral Philosophy" was outlined. Secondly, her own prescription was examined through the review of her arguments on human needs after "Modern Moral Philosophy".

2 0 0 0 OA 第五高等学校

著者
熊本大学60年史編纂委員会
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学六十年史
巻号頁・発行日
vol.[3], pp.3-19, 2014-03-03
著者
高宮 正之
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

屋久島のミヤマノコギリシダ複合体(ミヤマノコギリシダ、ホソバノコギリシダ、オオバミヤマノコギリシダ、ヒロハミヤマノコギリシダの4種とそれらの推定雑種)集団について、外部形態、体細胞染色体数、減数分裂の挙動、胞子稔性、核と葉緑体遺伝子を用いた分子遺伝学的分析を行い、雑種形成と種分化について解析した。屋久島では、これら4種間で複雑な雑種形成や戻し交雑が繰り返されていることがわかった。これらの結果、シダ植物における初めての例となる倍数体複合体の浸透性交雑を実証し、複雑なミヤマノコギリシダ複合体の形態変異の一因を明らかにした。
著者
八ッ塚 一郎
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学教育学部紀要 (ISSN:21881871)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.123-132, 2015-12-18

「いじめ」について語れば語るほど、問題の本質が遠ざかり、その解決がいっそう困難となる、言説のもたらす逆説について検討する。本稿では「いじめ」現象の記述と把握、および、マクロな言説流通の2段階に分けて整理する。特に「いじめ」言説がもたらす効果、その逆説に焦点を当てる。
著者
鶴島 博和 櫻木 晋一 亀谷 学 菊池 雄太 城戸 照子 西村 道也 新井 由紀夫 徳橋 曜 安木 新一郎 図師 宣忠 阿部 俊大 西岡 健司 名城 邦夫 山田 雅彦 向井 伸哉
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

1. 2018年5月20日日本西洋史学会(広島大学)でDr David Roffeを招聘してDomesday Moneyersと題する研究報告、5月24日熊本大学においてThe Domesday Text Projectという講義を行った。2. 9月2日から8日までは、熊本大学と同志社大学においてThe International and symposium workshop on Money and its Circulation in the Pre-Modern Western Eurasian World in 2018を開催した。報告者は地中海世界のイスラーム貨幣に関してはスペインの大学からProf. F. M.atima Escudero, Prof. Alberto Canto, Carolina Domenech Belda 、Prof. W. Schultz、と科研メンバーの亀谷学が、世界のキリスト教世界に関してはイギリスからDr William Day , Dr Adrian Popescuが、スペインからはProf. D.Carvajal de laと Vega Dr Albert Estrada-Riusが、そして科研メンバーの阿部俊大が行った。議論は、多岐にわたり、とくに少額銀貨の流通に関して有意義な知見をえた。スペイン貨幣史研究の指導的研究者である Prof. Alberto Cantoからはこれまで経験したシンポジウムの中で最良のものの一つであるという評価を得ている。これらの報告内容に関しては報告書(2029 for 2018)に収録する予定。3.熊本地震で出土した益城町出土の古銭を地元の協力を得て分析し報告書を出版した。研究を地域に貢献することができた。4.2019年1月23日から2月10日まで鶴島がイタリアでProf. Andrea Saccocci, Prof. Monica Baldassariと研究打ち合わせを行い本年度のシンポジムに関する意見交換を行った。オックスフォード大学でZomiaに関する研究会に招待されて貨幣史から見たイングランドの無統治地域についての報告を行った。3月28日は今年度まとめの研究集会を行い、29日にドイツとバルト海の交易と貨幣についてProf. Michael Northと研究打ち合わせを行った。
著者
是枝 亜子
出版者
熊本大学
巻号頁・発行日
2008-03-11

本稿では、発展途上国における法中毒学に対して学術的支援を行う目的から、CQの法中毒学的研究として以下の3つの研究を行った。まず、急性CQ中毒死事例における組織中CQ濃度の定量(第VI章)においては、簡便な高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるCQ分析方法を考案し、その方法を用いてタンザニアでの急性CQ中毒死事例におけるCQの体組織分布を調べた(Yonemitsu et al., 2002; Yonemitsu et al., 2005)。また、急性CQ中毒マウスにおけるCQの組織内分布(第VII章)においては、CQに対するポリクローナル抗体を作製し、抗CQポリクローナル抗体を用いた免疫組織染色法によって急性CQ中毒モデルマウスの組織中におけるCQの分布状態を検索し、これをCQの急性毒性機序の理解を深める一助となる様に検討を行った(Koreeda et al., 2007a)。さらに、抗CQモノクローナル抗体(MAC)を用いた試料中CQ濃度の簡易半定量システムの開発(第VIII章)では、CQの簡易検出法を開発することを目的に、 CQに対するモノクローナル抗体を作製し、これを用いた半定量法を考案してその有用性について検討した。
著者
宇佐美 しおり 福嶋 好重 野末 聖香 岡谷 恵子 樋山 光教 右田 香魚子 平田 真一 北里 眞弓
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学医学部保健学科紀要 (ISSN:18807151)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.9-18, 2009-02-27
被引用文献数
6

The purpose of this study was to show the effectiveness of psychiatric liaison consultation team for the people with chronic illness in the general hospital. Psychiatric liaison consultation team was constructed by certified nurse specialist (CNS), psychiatrist, clinical psychologist, nurse and social worker. Case manager was CNS and team intervened to the patients according to the standard of intervention by team. Intervention had been implemented by CNS mainly. Thirty one patients who consented to this study were intervened by CNS and team between July of 2007 and Feb.2008. They had chronic illness which was SLE, cancer and other physical illness without mental illness. BPRS, GAF, and LSP were written by CNS at the time of baseline before intervention and at the end time of intervention. Furthermore patients wrote CES-D and SF-36 by themselves at the baseline and the end point of intervention. Those questionnaires were returned by mail. CSQ was written by patients at the end of intervention. Thirty one patients had high depression score at the baseline and after intervention depressive state was improved. And they had lower SF-36 compared with that of the people who had chronic illness in another study. Furthermore they needed to be supported psychosocially by CNS to prevent worse their symptom. And they had psychosocial needs and those needs should be intervened by interdisciplinary team. In conclusion, the role of CNS and interdisciplinary team were discussed in order to meet the patients' needs and to prevent worse their symptom in the general hospitals.