著者
砂原 俊彦 堀尾 政博 橋爪 真弘
出版者
長崎大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

バングラデシュの首都ダッカにおける過去20年間の気象データとコレラやその他の下痢症患者数のデータベースを構築した。このデータを用い、降雨量および気温と患者数の関連を時系列統計解析を行なって調べた。その結果、週平均降雨量の増加によりコレラ患者数は14%増加し、コレラ以外の下痢症は5%増加することが明らかとなった。逆に、平均降雨量が減少してもコレラ患者数が増加することも明らかとなった。森林環境を好むマラリア媒介蚊Anopheles dirusのベトナムの森林伐採地における分布を、高解像度の衛星画像と標高データから得られる地被覆および地形の情報を利用して解析した。一般化線形モデルにより、この蚊が森林から20km程度の範囲では自然林に依存していないこと、深い谷があるような地形に多いこと、ゴムの植林地は生息に不適だがカシューナッツの植林地は好適であるらしいことが明らかになった。この地域のAn. dirusは森林から農地へと生息環境を移行させており農薬に用いられるピレスロイド系殺虫剤への抵抗性の獲得が懸念される。都市環境で人工容器を主な発生源とするネッタイシマカに媒介されるデング熱動態の数理モデルを、マイクロソフトエクセルをベースにして開発した。気温、湿度、降雨量が蚊の発生源の数や蚊の生存率、蚊の体内でのウィルスの潜伏期間に影響するというメカニズムを微分方程式で表した。容器の数などを未知のパラメータとし、適当な初期値を代入したモデルに現実の気象データを入力し、計算されたデング患者と現実のデング患者との差が最小になるように未知のパラメータを決定するSimplex法をプログラムに組み込んだ。このモデルを用いてデング熱患者を最小にする殺虫剤噴霧のタイミングを計算したところ、先行研究で示されたものとは異なり患者数のピークよりも前が最適であると結論された。
著者
藤井 美知子 直野 公美 井ノ上 憲司 古賀 掲維 丹羽 量久
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学大学教育機能開発センター紀要 (ISSN:21856281)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.55-65, 2010-03-01

Individual universities have been seeking for better ways of teaching information processing skills. In order to grasp what first year students at Nagasaki University have learned and acquired as to computer related skills, the following study has been conducted since 2006: a questionnaire study of information literacy and computer related skills. This paper aims to show how much the first year students are accustomed to exercises of computer skills and second, to consider effective ways to fill the gap between the knowledge and the skills previously acquired, and the skills required to gain in Nagasaki University. The computer related skills are those which all students are expected to authentically demonstrate before graduation.
著者
松尾 俊和 中越 享 中村 司朗
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.23-27, 2009-06-25
被引用文献数
2

魚骨穿通による肝膿瘍の1例を経験したので報告する。症例は74歳の女性で、右上腹部痛、発熱を主訴に入院となった。入院時胸部CTで肝外側区域から背側に突出するような低濃度腫瘤と線状陰影を認め、魚骨刺入による炎症性肉芽と診断した。Free airはなく魚骨は胃から離れていたため、心不全、脱水の治療を優先し、待機的に手術施行した。術前の造影腹部CTでは、肝外側区域に肝膿瘍を形成していたため、魚骨摘出と肝膿瘍ドレナージ術を施行した。一般的に本症の診断は困難であるが、MDCTの施行により術前の確定診断が比較的容易となった。
著者
内藤 真理子 庄子 幹郎 佐藤 啓子 雪竹 英治
出版者
長崎大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

歯周病原細菌Prevotella intermediaの病原因子の一つにバイオフィルム形成能があげられる。これまでの研究からこの活性にはType IX 分泌システム(T9SS)が必須であることが示唆された。本研究では本菌の全遺伝子からバイオフィルム形成に関わるT9SS輸送タンパク質と予測される候補遺伝子を6つ抽出し、うち5つの遺伝子の変異株の作成に成功した。解析の結果、これらのうち2つがバイオフィルム形成に必須であることを明らかにした。
著者
坂口 末廣 宮本 勉 片峰 茂
出版者
長崎大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1996

プリオン病の病原体は感染型プリオン蛋白からのみ構成されるというプリオン説が、広く受け入れられている。しかし、我々はプリオン病感染マウス脾臓と唾液腺において感染型プリオン蛋白と感染価に乖離が認められることを報告した。そして、プリオン蛋白欠損マウスに感染実験を行ったところ、感染後29週の欠損マウスの脳内にわずかながら感染価を検出した。これらのことはプリオン説に反し、プリオン病の病原体が感染型プリオン蛋白で構成されていない可能性を示唆した。このことをさらに確認するために、感染後50週、56週、58週、94週、100週、112週にプリオン蛋白欠損マウス脳を摘出し、それぞれの脳乳剤を正常マウス(ddY)に接種して感染性の検討を行った。50週後の脳は12匹のマウスに、56週後の脳は10匹のマウスに、58週後の脳は11匹のマウスに接種したが、すべてのマウスは発症しなかった。しかし、94週後の脳を接種した9匹のマウスのうち1匹が139日後に、100週後の脳を接種した15匹のマウスのうち13匹が182〜426日後に発症し、112週後の脳を接種した17匹のマウスのうち10匹が193〜378日後に発症した。そして、これらの発症したマウスの脳内には感染型プリオン蛋白が認められた。これらの実験結果は、プリオン病の病原体が感染型プリオン蛋白で構成されていない可能性をさらに強く示唆した。しかし、10 ^5LD_<50>くらいの感染価を含む脳乳剤を接種したにもかかわらず、94週、100週、112週後の脳内に認められた感染価は10 ^3LD_<50>以下であった。50週、56週、58週後の脳内には全く感染性が検出できなかったことは、94週、100週、112週後の脳内に認められた感染価がはじめに接種した脳乳剤からのものではないことを示している。
著者
山口 典之
出版者
長崎大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

(a)雄の配偶者防衛行動は雌の受精期にあたる、産卵日の数日前にピークを迎える。雌は、喉部の赤い羽毛の面積が小さい雄(=遺伝的に優れていない)とつがった際に、雄による配偶者防衛行動からよく逃げ出し、つがい外配偶行動を求めることが明らかとなった。また、このような雌は実際に多くのつがい外子を残していた。しかし喉部の羽毛面積や雌の浮気強度は雄の配偶者防衛行動と関連が見られなかった。一方で、雌が積極的につがい外配偶を求めたつがいの巣では、雄が養育投資を削減することが明らかとなった。(b) 2つがいからホルモンを採取し、変動を調べたところ、受精期前に高いレベルを示していたテストステロンレベルが、初卵日の数日前をピークに減少することが明らかとなった。配偶者防衛行動などの行動と関連することが示唆された。
著者
森内 浩幸
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

牛白血病ウイルス(BLV)はヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)の近縁のウイルスであり、多くのウシが感染していることから、ヒトへの感染の有無が心配される。(1)BLVのプロウイルスDNA(pDNA)の検出末梢血単核細胞(PBMC)からのBLV pDNAの検出を、PCR+Southern blotting(SB)またはreal-time PCRを用いて行った。一部の検体からごく僅かのBLV pDNAが検出されたが、確認実験の成績は不安定であった。閾値ギリギリの微量であることが予想し、検出感度を高めるためにウイルス感染細胞と推測されるB細胞をEBウイルス感染によって不死化させ増殖させた上でDNAを抽出し検索したところ、一名の健常人検体ではSB法でtax・env遺伝子で陽性、pol遺伝子もPCR法で陽性となった。この健常人検体より増幅されたBLV env遺伝子の配列を解析し、既知のBLV遺伝子配列と共に系統樹解析を行ったところ検体中のenv遺伝子は米国や豪州のBLVと近縁で、本邦の牛のBLVと同一グループに属した。しかし、pDNAの全域の増幅と塩基配列の決定を試みたが、増幅困難な箇所が多々みられ未だ確認に至っていない。(2)抗BLV抗体の検出BLV持続感染細胞の細胞抽出液や培養上澄液に存在するBLV蛋白や、GSTとの融合蛋白としてBLVのEnvやTaxなどのウイルス蛋白を実験室内で精製した。これらを抗原として研究対象者の血清中の抗BLV抗体の有無をWB法で調べたところ、健常人で陽性1/11(9%)・保留1/11(9%)、乳癌患者で陽性1/32(3%)・保留3/32(9%)であったが、BLV pDNA検出結果との一致は明らかではなかった。【考察】過去の報告に比し人におけるBLV抗体保有率は低く、また現段階ではこれが真の感染を示唆するものかどうかの確証は得られなかった。一検体において複数のウイルス遺伝子配列が検出されたが、検出範囲は短くpDNAが全域存在する確証は得られていない。以上の結果からBLVの人への感染はあっても比較的稀であることが推察された。
著者
一ノ瀬 仁志 木下 裕久 中根 允文 三根 真理子 太田 保之
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.222-225, 2006-09
被引用文献数
1

長崎原爆投下時に爆心地から半径12km以内であって被爆者援護法で指定されていない地域に居住または滞在していた住民(以下,「被爆体験者」とする)は,放射線の推定線量から判断して,身体的な健康に影響は保有していないとされてきた。しかしながら,被爆体験者の被爆体験に起因する精神的・身体的影響が現在においても存在する可能性が否定できないことから,平成12年度に厚生労働省は国立精神神経センターを中核とした研究班を立ち上げ,調査時点で半径12km以内に居住する被爆体験者の精神的・身体的状態に関する疫学調査を行った。この調査によって,被爆体験者は,原爆投下と放射能被害に基づく精神的不安(トラウマ)が原因となって,今日においても精神的・身体的な悪影響を受けていることが確認された。この結果を受けて我々は,現在半径12km以遠に居住する被爆体験者においてトラウマがどのような精神的・身体的な影響を与えているかを分析するための実態調査を行なった。この調査では,平成12年度の国立精神神経センターが行った調査方法を踏襲する形式で行い,国立精神神経センターが得た調査結果との間で比較検討を行うことによって,半径12km以遠に居住する被爆体験者のトラウマが現在の精神的・身体的健康状態にいかなる影響を与えているのかを分析した。
著者
岡田 二郎 本木 和幸 中川 哲 杉村 東陽 藤崎 顕彰 内田 誠一
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、動物集団がしばしば示す同期的行動として、干潟で高密度に群生する短尾甲殻類チゴガニのウェービング(オスがハサミを繰り返し振上げる求愛行動)に注目した。近隣個体間におけるウェービング同期のメカニズムを明らかにするために、任意のタイミングで動作可能なウェービング模倣ロボットを開発し、実験室内でカニの行動とロボットの動作との時間的関係を調べた。個々のカニは対面するロボットに対して先行するようにウェービングを行うこと、カニ集団中におけるロボットの稼働はウェービングの同期の程度を変容させることを明らかにした。さらにウェービング遂行中のカニのハサミ運動筋から電気活動を記録することに成功した。
著者
佐伯 和信 分部 哲秋 弦本 敏行
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

骨格の形態的特徴が縄文人と多くの点で共通する南九州地域の古墳時代人(古代ハヤト)の遺伝的系統関係を明らかにするため、人骨のミトコンドリアDNAの解析を行い、ハプログループの頻度構成を導き出した。過去の分析例も加え、計16例のタイプを決定することができた。内訳はハプログループAが2例(12.5%)、Bが3例(18.8%)、D4が5例(31.3%)、Fが3例(18.8%)、N9bが1例(6.3%)、M7が1例(6.3%)、M8が1例(6.3%)であった。この結果はD4が多い点は現代日本人と共通しているが、縄文人に高頻度で出現するM7aや N9bもみられ、縄文人の遺伝的影響も残していると考えられる。
著者
鈴木 啓司
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

放射線被ばくによる健康影響として発がんがよく知られているが、放射線発がんの分子メカニズムの全貌は未だに未解明のままである。唯一、放射線起因の小児甲状腺がんでは、高頻度に見られるドライバー変異として、RET/PTC等の遺伝子融合型変異が報告されているが、これらの発がん変異が、放射線被ばくにより直接誘起されたものかどうかは実際のところ定かではなく、その検証なしには、放射線発がんの分子メカニズムの解明、ひいては、放射線発がんリスクのモデルの科学的妥当性の議論はかなわない。そこで本研究では、『放射線誘発の発がん変異は被ばく特有のゲノム・エピゲノムシグニチャーを留める』との仮説を証明することを立案した。
著者
前田 昭彦
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学留学生センター紀要 (ISSN:13486810)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-16, 1997-03-25
著者
山口 典之 樋口 広芳 辻本 浩史 井上 実 森 さやか 佐々木 寛介
出版者
長崎大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

1. 空中餌資源を把握するための飛翔性昆虫採集ユニットを作成し、ドローンに搭載して採集を行った。ドローンの飛行は安定しており、比較的高速 (ca. 40km/h) で行えたが、捕集できた昆虫類は少なかった。空中餌資源の分布や量がかなり疎であることが理由なのか、捕集システムに大きな問題があるのか検討を重ねる必要が残った。2. ハリオアマツバメの GPS 遠隔追跡を順調に実施し、データを蓄積した。巣からの採食トリップの空間スケールや高頻度利用域の解析を進めた。個体によっては時折、数10km以上の遠方まで直線的に移動していることも明らかになった。利用環境は農耕地(牧草地、耕作地)と林縁・防風林を含む森林だけでなく、都市部の緑地帯や公園にもおよび、都市部についてもかなりの利用が認められた。3. 給餌に持ち帰った餌生物サンプルを蓄積し、空中でどのような餌生物を捕獲しているのかについての解明を進めた。多様な餌を利用していることがわかったが、ケアリ類やクロスズメバチがよく利用されていた。空中での個体数が多い、集中的に分布しているなどの理由が考えられた。どのようにして、そのような集中的に餌生物が発生しているところを発見するかについて、今後、実験アプローチを取り入れて調査を進めることになった。4, 巣箱の設置を継続し、2 年にわたって高い利用率での繁殖誘致に成功した。本種の人工的繁殖場所の提供および生態研究のための環境整備について順調に進捗した。本種は繁殖場所となる大径木の現象に伴い個体数を減らしている。そのような種の保全に役立つ知見を提供することができる見通しが立った。5. 野外調査地で気象調査ドローンを飛ばし、空中の精度高い気象データを計測した。6. 上記の 2, 3, 4 についての現時点での成果をとりまとめ、日本鳥学会 2019 年度大会で発表した。
著者
田代 隆良 浦田 秀子 岩永 喜久子 辻 慶子 半澤 節子 鷹居 樹八子 宮原 春美 宮下 弘子 石原 和子
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.51-55, 2003-06
被引用文献数
1

長崎大学医療技術短期大学部看護学科では,B型肝炎防止対策として平成2年度からHBs抗原・抗体の測定を実施し,平成10年度からはHBs抗原・抗体陰性者に対するB型肝炎ワクチン接種を行っている.平成2年度から13年度までの入学生932名のHBs抗原陽性率は0.54%,HBs抗体陽性率は1.82%であった.B型肝炎ワクチン接種は315名に行い,3回のワクチン接種による抗体獲得率は97.8%であった.抗体を獲得しなかった6名に追加接種を行い,4名がHBs抗体陽性となったが,抗体価は低かった.また,ワクチン接種後の経過を追跡した76名では,3年次に8名(10.5%)がHBs抗体陰性となった.Antigen and antibody tests for hepatitis B (HB) have been conducted from 1990 to 2001, and HB vaccination has been performed from 1998 to 2001 to the student nurses in School of Allied Medical Sciences, Nagasaki University. The overall positive rates of HBs antigen and HBs antibody were 0.54% and 1.82%, respectively, in 932 students. The seroconversion rates in 315 students who received 3 shots of HB vaccine, was 97.8%. Additional vaccine inoculation to nonresponders showed seroconversion in four of six, but HBs antibody titers were low. HBs antibody returned to negative in 8 (10.5%) of 76 at 3rd grade who acquired HBs antibody by vaccination at 1st grade.
著者
岩永 竜一郎 村田 潤
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorder ; PDD)児には感覚過敏が見られることが多い。とりわけ聴覚過敏は高頻度に見られ、それによって情動や行動の問題が生じやすい。そのため、それへの対応が急務であった。本研究の目的は、PDD児の聴覚過敏に対するノイズキャンセリング(NC)ヘッドフォンの行動の問題への使用効果について検証することであった。NCヘッドフォンは電気的に外来ノイズを打ち消す装置がついたヘッドフォンである。対象は研究への参加に同意が得られた4歳~16歳のPDD児17名(男児13名、女児4名)であった。まず、各対象の聴覚刺激に伴う問題行動に基づきゴール達成スケーリング(Goal Attainment Scaling ; GAS)スコアを設定した。そして、NCヘッドフォンを使用しないコントロール期間とNCヘッドフォン使用期間をそれぞれ2週間ずつ設けた。NCヘッドフォン使用期間は対象児が日常場面でいつでもNCヘッドフォンを装着することを許容した。それぞれの期間中に保護者にGASスコアをつけてもらった。そして、両期間でGASスコアについて比較した。その結果、聴覚刺激によって不快反応を起こすことが多かったPDD児は、NCヘッドフォン使用によってGASスコアが改善した(z=-2. 533, p=0. 011)。よって、NCヘッドフォンの使用は聴覚過敏のあるPDD児の刺激に伴う行動の改善に役立つことが明らかになった。聴覚過敏のあるPDD児のあるPDD児に対するノイズキャンセリングヘッドフォンの効果を示した研究はこれまでになかったが、本研究でその効果が実証されたため、これを多くの聴覚過敏があるPDD児に適用できると考える。