著者
乾 彰夫 中村 高康 藤田 武志 横井 敏郎 新谷 周平 小林 大祐 本田 由紀 長谷川 裕 佐野 正彦 藤田 武志 横井 敏郎 藤田 英典 長谷川 裕 佐野 正彦 佐藤 一子 本田 由紀 平塚 眞樹 大串 隆吉 関口 昌秀 上間 陽子 芳澤 拓也 木戸口 正宏 杉田 真衣 樋口 明彦 新谷 周平 安宅 仁人 小林 大祐 竹石 聖子 西村 貴之 片山 悠樹 児島 功和 有海 拓巳 相良 武紀
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、変容する若者の学校から仕事への移行実態を把握するため、調査開始時点で20歳の若者の18歳時点から24歳までの間の就学・就労等をめぐる状態変化と、その過程での諸経験・意識等を、同一対象者を継続的に追跡するパネル方式で調査したものである。このような調査では対象者からの毎回の回答率を維持し続けることが最も重要であるが、本研究では中間段階で予定を上回る回答率を達成できていたため、調査期間を5年間に延長する計画変更をおこない、最終年度を待たず次課題繰り上げ申請を行った。調査は次課題期間にわたって継続する予定である。収集されたデータの中間的分析はおこなっているが、本格的分析は今後の課題である。
著者
藤田 香織
出版者
首都大学東京
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究は,伝統構法による木造五重塔の振動特性を定量的に明らかにすることを目的としている.新築の伝統構法五重塔である三重県津市の津観音五重塔にて加速度計8台により地震観測を行っている.本年度は得られた地震応答加速度データの解析を行い,微動時・中規模地震時の塔の動的特性の考察を行った.伝統構法木造五重塔の動的特性,固有振動数や減衰定数はその最大振幅に依存すること,微動測定の結果とは異なる振動モードで振動することなどを明らかにした.更に,(独)防災科学技術研究所の大型振動台にて,伝統木造五重塔の1/5縮小模型を対象に振動台加振試験を行った.昨年度,三重県津市で観測した2004年9月5日紀伊半島沖地震の加速度記録を用いた加振実験を行った.試験体は飛鳥様式五重塔の1/5模型であるため,相似則を考慮し入力波の時間軸を0.7倍に補正したものと源波および1995年兵庫県南部地震の加速度記録(JMA神戸NS)等を用いた.合計100カ所に計測器を設置し各部の変位・加速度を詳細に測定した.その結果,伝統構法五重塔の様式の差違,また加振波の違いによらず,地震観測で得られた結果と同様の傾向が認められることを明らかにした.本研究の成果を,日本建築学会大会および第3回都市地震工学国際会議にて発表した.
著者
武林 弘恵
出版者
首都大学東京
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本年度は、3つのテーマのうち2に重点的に取り組み、1・3にも一定程度の進展をみた。1、売春婦管理史料の史料学的分析を進めるために、長野県立歴史館所蔵の信濃国内の宿場・温泉場の飯盛女・湯女関係史料の調査や、長崎歴史文化博物館所蔵の肥前国長崎における幕府公認遊廓関係史料の調査を実施するなど、フィールドを広げて史料収集をおこない事例蓄積の進展をみた。2、幕府のみならず諸藩の政策動向もふまえて近世売買春の構造的特質を理解するという立場から、奥州二本松藩を中心に売買春政策の特質を検証した。この関連で、支配の様相を解明するために、郡山市歴史資料館が所蔵する同藩領郡山宿伝来の御用留帳およびそれに類する史料の悉皆調査をおこなった。その成果として、「近世後期の宿駅再建と売買春政策-二本松藩領郡山宿を中心に-」(東北近世史研究会夏のセミナー)・「近世後期二本松藩における都市振興政策と売春業-郡山宿を中心に-」(遊廓社会研究会)・「近世後期の都市振興政策と売春業-奥州二本松藩を事例に-」(千葉歴史学会例会)の3口頭報告をおこなった。また、近世期における全国の売春婦設置状況一覧、および売買春関連の幕府諸藩仕置例を悉皆的に収集・電子化したデータベースを作成した。これにより、幕府諸藩の売買春関連の通時的・全国的な政策傾向を把握することが可能になった。3、遊女屋奉公人の一類型である遣手奉公人の実態解明のため、肥前国長崎丸山町・寄合町遊廓における遊廓関係史料の収集を実施した。
著者
田村 新 タムラ アラタ Tamura Arata
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
pp.1-123, 2014-07-17

首都大学東京, 2014-07-17, 博士(文学), 乙第95号
著者
鈴木 敦真
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
pp.1-74, 2014-03-25

首都大学東京, 2014-03-25, 修士(文学)
著者
木村 草太
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本年度は、採択課題について、諸外国の差別対策法理の研究を進めるとともに、研究業績を雑誌論文の形で公表した。また、秋には、学会にて、国内の問題状況についての研究報告も行った。まず、本年度は、ヨーロッパ人権裁判所、アメリカ連邦裁判所、ドイツ憲法裁判所の諸判例を研究した。分野としては、トランスジェンダーや同性婚に関するもので、諸外国と日本法の比較の上で、ベースラインの設定の仕方が異なる点などについて研究を深めた。公になった研究実績としては、専門雑誌に、平等原則と非差別原則を概観する論文を発表した。同論文では、同性婚などの問題については、いわゆる権利着目アプローチと、平等着目アプローチがあり、アメリカ法の権利着目アプローチには、幾つかの問題があることを分析した。また、日本の最高裁判例においては、平等原則と立法裁量の問題について、時間的視野のないままに、過去の不合理を解消するための立法裁量と、将来の不合理を解消するための立法裁量の区分の重要性を意識しないものがあり、同一の裁判官が、ある判例では過去の不合理解消のための立法裁量を認識しつつ、別の判例ではそれを認識しないという現象が起きている。最高裁判事レベルで、適切な理論の認識ができていない現状の問題も指摘できた。秋には、全国憲法研究会にて、特に沖縄問題について研究発表を行った。差別感情は、合理的配慮や適性手続の不足を招くことが指摘されており、沖縄米軍基地問題の歴史から、その点を研究する報告を行った。差別と構造的な類似性を示す問題として、政教分離問題がある。今年度は、専門雑誌に政教分離問題に関する研究も発表し、別分野の構造を分析し、研究分野の構造を明らかにすると言う手法での研究も実績として示すことができた。また、関連分野としては、権利主体たる子どもの問題にも取り組んだ。新しい研究分野を発見するきっかけとなると思われる。
著者
張 鈺
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
pp.1-84, 2017-03-25

首都大学東京, 2017-03-25, 修士(都市科学)
著者
茅原 崇徳
出版者
首都大学東京
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では,身体負担の総合評価関数の定式化について検討した.はじめに,身体部位ごとに任意の作業負荷をかけて負担感を計測する実験を行った.複数の近似モデルで負担感評価関数を作成し,ロジスティック関数を用いて負担感を高い精度で予測できることを確認した.さらに,上肢および全身の総合負担を予測する評価関数を定式化した.具体的には,すべての部位の負担が低い場合は平均値に影響され,一つ以上の負担感が高い場合には最大値に影響される関数として定式化した.提案した総合負担評価関数の有効性を実験により検証し,従来手法と比較して精度の高い評価指標であることを実証した.
著者
加藤 佑一
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
pp.1-30, 2019-03-25

久慈川流域と阿武隈川流域はお互いの上流部である福島県の棚倉付近において接しており,この地域において,久慈川水系による阿武隈川水系の争奪を示唆する地形が存在している.このような指摘はこれまでも行われてきたが,争奪の年代について詳しく明らかにされてはいなかった.この河川争奪部およびその周辺には河成段丘が広がっており,段丘編年の確立により,争奪の年代を知ることができると考えらえる.そこで,本研究では棚倉付近の河成段丘を編年し,河川争奪の年代を求めることを目的とする.まず段丘区分図および縦断面図を作成し,その上で野外調査を行った.現地では,露頭探査を行い,露頭が不十分な場合には打ち込み式オーガーによる簡易的なボーリング調査も行った.野外調査の結果を基に各々の段丘面毎に被覆テフラや構成層を検討し,各段丘面を編年した.本研究で取り上げる久慈川水系による阿武隈川水系の河川争奪は主に3つある.これらは,2つの期間に分けて争奪されたとされており,本研究では,先の期間に争奪されたものについて古上台川,後の期間に争奪されたものについて古向原川,古下羽原川と名付けた.対象地域の河成段丘は,阿武隈川水系に形成時の侵食基準面を持つ,社川高位面(YH),社川中位1面(YM1),社川中位2面(YM2)と,久慈川水系側に形成時の侵食基準面を持つと考えられる,久慈川高位0面(KH0),久慈川高位1面(KH1),久慈川高位2面(KH2),久慈川中位0面(KM0),久慈川中位1面(KM1),久慈川中位2面(KM2),久慈川低位0面(KM0),久慈川低位1面(KM1),久慈川低位2面(KM2)に区分した.KM1面は構成層層厚2m,被覆層層厚3m程度の段丘で姶良丹沢テフラ(AT:30ka)に覆われている.被覆層はAT直下よりフラッドロームとなる.したがって離水年代は30kaより少し前である.KM2面は構成層層厚が4m前後で顕著なロームによる被覆は認められない段丘である.この面は山地の谷筋の出口付近に多く,礫径も大きく淘汰も良くないので,氷期に形成され,その後侵食されてできたできた段丘であると考えられる.ATより新しい氷期の段丘となると,その離水年代は20~15kaであると考えられる.KL1面は,被覆層は載らず,構成層は亜円礫で層厚が1~2mである.詳しい年代を推定する試料はないが,段丘面上に縄文晩期の遺跡を載せ,KM面群より低い段丘であるからその離水は15kaから2kaよりは新しいと考えられる.YH面は古上台川が形成しその後争奪された.被覆層層厚約8m,構成層層厚約4mの段丘であり,被覆層と構成層境界の1~2m上に那須白河テフラ6~12(Ns-Sr6~12:150~200ka)のいずれかの2枚が観察された.よって離水年代は200~150kaである.YM2面は古向原川,古下羽原川が形成し,その後争奪された.構成層層厚が2~3mであり,被覆層は多くとも1m以下である段丘である.KM2面と地形的・地質的特徴が似ていることから,KM2面と同時代の段丘であり,久慈川水系による争奪後に段丘化したと考えると離水年代は20~15kaごろかそのやや後である.以上から,各々の争奪の年代を推定する.古上台川が形成したYH面はその離水年代がMIS6末期である.一方,古上台川が形成したYH面は温暖期に形成されるであろう明瞭な開析谷を持たない.よって,MIS5eまでに上流部を久慈川水系に奪取されたものと考えられ,その争奪は200~125ka頃と推定される.古向原川,古下羽原川は,YM2面形成以降,KL1面形成までに争奪されたと考えらえる.すなわち争奪の年代は,20ka~2ka頃と推定される.これらの争奪の要因に,久慈川水系の侵食基準面が低いこと,また,いずれも氷期ないし氷期から温暖期にかけての期間に発生していることから気候変動が挙げられる.争奪の年代より,争奪前の地形から現地形までの侵食速度を求めることができる.ここでは,試算的に古上台川の争奪後からの侵食量を求めた.結果は,42.0~102.0m/10万年となり,これは先行研究でまとめられている段丘面からみた各河川の浸食速度とおおよそ似た値を示し,求めた争奪の年代が大きく間違ったものではないことを示す.久慈川の中・下流域の段丘と本研究を比較すると,本研究におけるKM面群は,中・下流域における低位面に対比される可能性が高く,KH面群は中・下流域の中位段丘に対比される可能性が高い.この点は今後の課題である.
著者
川上 和人 鈴木 創 千葉 勇人 堀越 和夫
出版者
首都大学東京
雑誌
小笠原研究 (ISSN:03868176)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.111-127, 2008-03

南硫黄島の鳥類相の現状を明らかにするため、2007年6月17日〜27日の期間に現地で調査を行った。海鳥としては、海岸部でオナガミズナギドリ、アナドリ、アカオネッタイチョウ、カツオドリが、標高400m以上の山上ではシロハラミズナギドリ、クロウミツバメの繁殖が確認された。この他、巣は確認されなかったが、標高800m以上でセグロミズナギドリが繁殖しているものと考えられた。シロハラミズナギドリは、1982年の調査では山頂周辺では確認されていなかったが、今回は多数が確認されたことから、島内分布が変化している可能性がある。陸鳥としては、カラスバト、ヒヨドリ、イソヒヨドリ、ウグイス、メジロ、カワラヒワの生息が確認された。シロハラミズナギドリ、セグロミズナギドリ、クロウミツバメ、カワラヒワの分布は小笠原諸島内でも限定的であり、人為的攪乱が最小限に抑えられた南硫黄島の繁殖地の存続は、これらの種の保全上極めて重要である。しかし、南硫黄島の環境は安定的でなく、自然災害や病気の流行などにより、南硫黄島の繁殖集団が縮小する可能性は否定できない。このことから、今後これらの鳥類の個体群推移についてモニタリングを続ける必要がある。
著者
大林 隆司
出版者
首都大学東京
雑誌
小笠原研究年報 (ISSN:03879844)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.23-35, 2006-03-31

小笠原諸島では現在、さまざまな外来種に対する対策がとられつつあるが、その中で最近よく話題にのぼる"ニューギニアヤリガタリクウズムシ"について、発見から国外・国内の分布拡大までの経緯、小笠原諸島への侵入の経緯、生物的防除の素材としての認識から"侵略的外来種"としての認識への変化を述べるとともに、小笠原諸島における侵入確認後の研究を概説した。また、本種に関する最近の話題(外来生物法、広東住血線虫との関係、小笠原でとられつつある対策)についても述べた。
著者
渡邉 英徳
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

これまでのデジタルアース・アーカイブの研究成果を活かして,インド洋大津波のデータ,企業ビッグデータのデジタルアーカイブを作成し,公開した。加えて,ニューラルネットワークを用いた自動色付け技術を用いて,マスメディア(朝日新聞社,沖縄タイムス,岩手日報社)の所蔵する災害アーカイブなどの資料をカラー化し,取材・時代考証を踏まえた補正を加えたものを,ソーシャルメディア(Twitter,Facebook)で発信する実験を行なった。毎日,その日付に起きた出来事にまつわる画像をアーカイブから選定し,カラー化したものを発信した。各々の着彩写真は数千〜数百回リツイート・シェアされ,年度内のインプレッション数は合計6000万回となった。カラー化写真に対して,ユーザからは多数のリプライ・引用リツイートがあり,写真への感想,時代考証,撮影地の特定など,さまざまなコミュニケーションが創発した。その結果,写真の撮影地や被写体の詳細が判明するなど,資料内容の特定への寄与もみられた。さらに,カラー化した写真をもとにして,若者たちと災害の当事者が語り合い,交流を深めるワークショップを,広島原爆・東日本大震災をテーマとして開催した。このことにより,ローカルなコミュニティ形成に貢献した。カラー化写真およびワークショップは,朝日新聞朝刊一面(6/23)をはじめとするTV・新聞などのマスメディアで多数取り上げられ,年度内に34件の報道があった。こうした反響を受け,カラー化した写真を,日本新聞協会主催の展覧会「よみがえる沖縄1935」などで展示した。
著者
福原 明雄
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
pp.1-124, 2015-09-30

首都大学東京, 2015-09-30, 博士(法学), 甲第551号
著者
藤田 卓 高山 浩司 朱宮 丈晴 加藤 英寿
出版者
首都大学東京
雑誌
小笠原研究 (ISSN:03868176)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.49-62, 2008-03
被引用文献数
1

2007年6月の南硫黄島調査において採集された約700点の維管束植物標本を固定した結果、現時点までに96種(未同定種も含む)が確認された。南硫黄島において初めて確認された植物は、ミズスギ、オオハナワラビ属の1種、コケシノブ科の1種、ホングウシダ、ナチシケシダ、シンクリノイガ、イネ科の1種、テンツキ属の1種、コクランの9種であった。過去に発表された植物リスト(大場、1983)と、今回の調査によって確認された種を合わせると、本島には、シダ植物44種、双子葉植物59種、単子葉植物26種、合計129種が記録された。これらの中には18種の絶滅危惧種(準絶滅危惧も含む)とともに数種の外来植物も含まれ、特に25年前には全く確認されなかったシンクリノイガが島内に広く生育していることが確認された。これらの外来植物は鳥や風・海流などを介して運ばれた可能性が高いことから、今後も周辺の島から新たな植物が侵入することが懸念される。
著者
副田 あけみ
出版者
首都大学東京
雑誌
人文学報. 社会福祉学 (ISSN:03868729)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.83-110, 2008-03

本論の目的は、ケアマネジメントの展開がソーシャルワーク論に及ぼした影響について、アメリカとイギリスにおける言説を検討し、わが国におけるソーシャルワークのアイデンティティ論に必要な論点を確認することである。アメリカとイギリスでは、(2)実践内容・方法、(2)ソーシャルワーカーの役割、(3)専門職としての自律性(対行政組織)、(4)基盤とする価値、について影響が論じられていた。特に、イギリスでは、ソーシャルワークのアイデンティティを(4)価値の観点から再確認しようとする説が目立つ。わが国の高齢者に対するソーシャルワーク論では、特に、(4)、(4)に関し議論することが課題であると指摘した。