著者
内村 博信
出版者
University of Tokyo(東京大学)
巻号頁・発行日
2015

審査委員会委員 : (主査)東京大学教授 大宮 勘一郎, 東京大学元教授 松浦 純, 東京大学准教授 宮田 眞治, 一橋大学教授 久保 哲司, 千葉大学教授 三宅 晶子
著者
伊藤 献一 矢野 利明 永坂 玲
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.48, no.428, pp.803-810, 1982-04-28 (Released:2008-03-28)
参考文献数
18

単筒エンジンをメタノールで運転し,排気管に沿う未燃燃料とCH2Oの変化を調べた.400℃以上で未燃メタノールは排気管中で酸化のため減少するのに対し,CH2Oは減少せず希薄運転では増加することを見い出し,両者の成因は異なることを指摘した.この原因は,CH2Oがメタノールの酸化に伴い生成されることにあり,排ガス温度が400~600℃において,CH2O濃度は増加現象を示すことを,定温度場における反応実験により裏づけた.
著者
中川 雅文
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.651-657, 2007-12-28 (Released:2010-08-05)
参考文献数
18

健聴者7名および難聴者5名を対象として有意味単語 (親密度の高い4モーラ音) と無意味単音 (語音聴力検査用音源 57S) を用いて音場での聴取能の比較評価を行った。健聴群では有意味単語およびそれを構成する有意味単音いずれの正答率も無意味単音よりも高値を示した。難聴例では, 健聴例同様のパターンを示すものと有意味単語と有意味単音いずれも低下するケースを認めた。親密度の高い有意味単語を用いた検査は, 脳内の処理資源 (ことばの記憶・イメージ) の活用や不足する音素を類推・補完するトップダウン処理を定量的に評価する手法として今後の臨床応用が期待できる。
著者
髙橋 瞭介 桐原 一輝 桐生 徹 大島 崇行
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.25-28, 2020-03-07 (Released:2020-03-04)
参考文献数
8

本研究では,空間認識力を育むことができる教材を開発し,ドローンを使った授業をデザインし実践した.分析1では,授業前後に行った空間認識力評価テストの得点を分析し,低位層と中位層において事後テストでの点数が有意に向上したことが明らかになった.分析2では,評価テストの誤答分析を行い,授業後に三面図に書かれたドローンの動きについて視点移動を行うことができる児童が増えたことが明らかになった.分析3では,授業以前から視点移動を獲得していた児童,授業後に視点移動を獲得した児童は授業の中で開発した教材を活用する場面が見られた.以上から,開発した教材と授業デザインは空間認識力を育む一要因になると結論づける.
著者
杉野 圭史 海老原 覚 本間 栄
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.194-199, 2016-08-31 (Released:2016-09-15)
参考文献数
17

間質性肺炎患者では,労作時の呼吸困難による身体活動性の低下がdeconditioningをもたらし,運動耐容能の低下,QOLの悪化,不安やうつ状態に繋がると考えられる.これら運動耐容能の低下,QOLの悪化,不安やうつ状態に対して,呼吸リハビリテーション(特に運動療法)による改善効果が期待できる.間質性肺炎患者を対象とした5つの無作為化比較試験のシステマティックレビューにより,呼吸リハビリテーションは運動耐容能(6分間歩行距離の延長)の中等度改善,呼吸困難およびQOLの弱いながらの改善が示されており,推奨されている1).間質性肺炎(特に特発性肺線維症)および気腫合併肺線維症患者に対して,呼吸リハビリテーションを行うに当たり,呼吸器内科医は,豊富な経験と知識を有するリハビリテーション科医師および理学療法士の協力が必要であり,チームによる定期的なミーティングを行うことが重要である.さらに,患者選択基準や運動療法の頻度や強度など多面的な解析により,実施方法について詳細な検討を行い,重症度に合わせた最適な呼吸リハビリテーションプログラムを作成することも必要不可欠である.その結果,これらの患者に対して安全でより効果的な呼吸リハビリテーションを導入することが可能になると考える.

1 0 0 0 OA 紙フェノール

著者
石原 秀樹
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
サーキットテクノロジ (ISSN:09148299)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.293-299, 1994-07-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
4
著者
濱田 忠平 宮原 利浩 川崎 秀一
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.1042-1050, 1996-07-01 (Released:2009-11-16)
参考文献数
6

プリント配線板に用いられている紙フェノール積層板のフェノール樹脂の分布状態の分析法について検討を行った。紙フェノール積層板中のフェノール樹脂の分布は, 標識となる元素が含まれていないため分析が困難であった。今回は, 前報で報告した, 木材及びパルプ中のりグニンにオスミウムを付加して, その分布状態をEPMA で観察する方法を応用して, フェノール樹脂の分布状態を観察する方法について検討した。オスミウム酸は, フェノール樹脂に付加する処理時間は, プリプレグ (フェノール樹脂を紙に含浸して一次硬化させたもの) では48時間以上, 紙フェノール積層板では72時間以上を要した。この処理によって, オスミウムはプリプレグ及び紙フェノール積層板中のフェノール樹脂に選択的に付加することが示された。この方法により紙フェノール積層板断面のWDSカラーマップを低倍率で観察すると, 各層間でのフェノール樹脂の分布が明らかになった。更に, これを高倍率で観察すると, フェノール樹脂がパルプ繊維の周囲及びルーメン内で高く分布していることが明らかになった。また, 積層板製造時にフェノール樹脂と同時に含浸される難燃剤中の臭素原子を同時に検出することにより, それぞれの浸透挙動が異なっていることが明らかになった。今後は, プリプレグ及び紙フェノール積層板中のフェノール樹脂の分布状態が紙フェノール積層板の各種特性にどの様な影響を及ぼすかについて検討を行う予定である。
著者
長谷川 智子
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.384-394, 2012-12-20 (Released:2017-07-28)

本研究の目的は,食発達における貧しさと豊かさを論じるために,生態学的な視点からマクロ水準とミクロ水準における食の現状を検討することであった。マクロ水準では,世界における貧困と飢餓,飽食と肥満の現状をとらえた上で,世界的な規模のフードシステムが生みだしている貧困と肥満を論じた。ミクロ水準では,日本での個人の食卓において,主に食における相互作用の貧しさを検討した。これらのことを踏まえて,マクロ水準とミクロ水準での食の豊かさとは何であるかが議論された。すなわち,マクロ水準での食の豊かさとは,生産と消費がより民主化されること,消費者がフードシステムの現状を理解した上で主体的に食品選択ができること,食文化が新たに創出されることであった。ミクロ水準での食の豊かさとは,子どもが家族や仲間から人間として受容されながら共食をすることだけでなく,動植物の命をいただく感謝の気持ちをもち,家族や仲間と一緒に料理をして自分たちの食べ物を作り出すことである。このような豊かな食であれば,発展途上国の貧困な食においても家族や大切な人とのつながりのなか実現できることが示唆された。

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1905年04月13日, 1905-04-13
著者
上原 佳子 長谷川 智子 北野 華奈恵 礪波 利圭 出村 佳美 安倍 博
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

健康な成人女性を対象として,タクティールマッサージの効果を,生理的指標により検証することを目的とした,成人女性20名に,一定環境下で,同一対象者に手へのタクティールマッサージを実施する【タクティール】と,安静座位を保つ【安静】を20分間,連続した別日に行い,条件の順番は被験者によりランダムとした。生理的指標として,唾液中コルチゾール,唾液中オキシトシン,心拍変動周波数解析を用いた。その結果,タクティールマッサージは,内分泌系においてストレス反応を緩和させること,自律神経系において自律神経活動を活性化させることが明らかになった。