著者
Masaki Moriuchi Yoshiharu Kariya Mao Kondo Yoshihiko Kanda
出版者
The Japan Institute of Metals and Materials
雑誌
MATERIALS TRANSACTIONS (ISSN:13459678)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.805-812, 2022-06-01 (Released:2022-05-25)
参考文献数
29
被引用文献数
7

The creep deformation mechanism of Sn–Ag–Cu alloy doped with Bi and Sb (SACBiSb) alloys is theoretically and experimentally analyzed in order to clarify the effect of solid solution additives in Sn–Ag–Cu alloys. The theoretical prediction results and test results are found to mostly agree with each other. The breakaway stress which is the stress at the transition from Class II to Class I in particular is finely reproduced in the theoretical prediction, with a stress of 25 MPa found both by the prediction and test results. In the stress range where the stress is higher than the breakaway stress, the creep strength of SACBiSb is higher than that of Sn–Ag–Cu, while it was predicted that the creep strength of Sn–Ag–Cu would be superior to that of SACBiSb in the range of stress lower than the breakaway stress. The thermal fatigue life of SACBiSb was predicted to be longer than that of Sn–Ag–Cu in the temperature profile mainly used above the breakaway stress. However, in the temperature profile mainly used in the low-stress range, a reversal of the creep strength between SACBiSb and Sn–Ag–Cu was predicted to occur and the loss of the superiority of SACBiSb in the thermal fatigue life was also predicted.
著者
田中 俊徳
出版者
日本環境学会
雑誌
人間と環境 (ISSN:0286438X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.3-13, 2009

1972年のユネスコ本会議において採択された世界遺産条約は,2008年10月現在,185の条約加盟国と878ヵ所の世界遺産地域を有し,その規模と知名度,人気から成功している条約と目されることも多い。しかし,1993年に発表されたイコモスの調査報告において,世界遺産は文化遺産に大きく偏り,地域別に見ても,ヨーロッパ・北米に著しく偏っていることが指摘された。また,遺産の内容も,とりわけキリスト教に関する宗教遺跡や世界的に有名な「エリート」遺産に偏っているとされた。このような世界遺産の偏りを是正するために,1994年の世界遺産委員会において「グローバル・ストラテジー(Global Strategy for a Balanced, Representative, and Credible World Heritage List)」の採用が決定した。これは,「バランスがとれ,代表的かつ信頼できる世界遺産リスト」を達成するために,地域間の世界遺産数のバランスや文化遺産と自然遺産のバランスを考慮し,世界遺産概念の多様化を狙ったものである。以降,世界遺産委員会と世界遺産条約事務局であるユネスコ本部世界遺産センターでは,このグローバル・ストラテジーを基本方針として,条約運営を実施することになった。グローバル・ストラテジーの採用から15年,この基本方針の運用はどのようになされたのか,文献調査と筆者の実務経験から検証した。結果として世界遺産概念の多様化は達成されたが,地域間における格差は拡大傾向であることが分かった。また,文化遺産と自然遺産の格差も拡大傾向であった。その理由として,世界遺産新規推薦件数の増加による審査の厳格化が挙げられる。審査の厳格化は,世界遺産登録に関してノウハウや研究蓄積があり,そのための予算も多いヨーロッパなどの先進国に有利な傾向となり,途上国には一層困難なものとなりつつある。このような矛盾を抱えつつも,世界遺産委員会や世界遺産センターではグローバル・ストラテジーに則した政策運営の努力がなされている。
著者
古市 幸生 窪田 靖司 杉浦 洋一 梅川 逸人 高橋 孝雄 河野 省一
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.165-172, 1989-04-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
23
被引用文献数
1

エクストルーダーによる大豆タンパク質の組織化に最低必要とされている140℃よりもかなり高い温度 (175, 216, 239℃) で全粒大豆を二軸エクストルーダーで処理し, 以下の結果を得た。1) 処理温度が高くなるに従って褐変現象は顕著となったが, 塩酸加水分解後定量のアミノ酸の組成には差は認められなかった。さらに, FDNB法によって求めた有効性リジン含量についても変化は認められなかった。2) レクチン, ウレアーゼおよびトリプシン・インヒビターはほぼ完全に失活した。3) トリプシン・インヒビターの失活により, トリプシンによる人工消化試験での消化性は顕著に高くなった。また, 動物実験によって求めた栄養価 (PER, BV, NPU) についても顕著な向上が認められた。
著者
吉田 聖一
出版者
一般社団法人 日本高圧力技術協会
雑誌
圧力技術 (ISSN:03870154)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.13-23, 2019 (Released:2019-02-28)
参考文献数
10

The current seismic design codes of aboveground oil storage tanks (ASTs) are conducted based on the beam-type vibration with circumferential wave numberm=1. The oval-type vibration withm≥2 in which shell plate vibrates in a petal shape due to local mass and stiffness, initial imperfection or nonlinear vibration occurs in ASTs. The initial stress due to hydrostatic pressure was reported to increase the natural frequency in highm range by several studies. The circumferential tensile stress on shell plates caused by hydrostatic pressure increases the stiffness and as a result the natural frequency is also increased. Wind girders are installed to the shell plates in ASTs for the prevention of buckling by wind pressure. The wind girder which is a ring stiffener increases the stiffness of the shell plate. In this paper, the natural frequency of the oval-type vibration in a large sized AST is analyzed and the effect of the wind girder on natural frequency is studied. The method is the free vibration analysis by axisymmetric finite element method considering coupled vibration of internal liquid and tank.
著者
田中 滋子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会誌 (ISSN:03862666)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.51-57, 1971-03-01 (Released:2017-11-29)

It is generally said that some difficulty is experienced in removing the shells from hard boiled hen eggs, when the eggs are fresh. Investigations were conducted as to the removability of the shells to know how such shelling differs depending upon conditions such as place of storage, time of storage, size of eggs, and cooling time. As for the eggs used in these experiments, 273 eggs produced on the same day by white leghorns raised in the same environment were collected and about half of them were then stored in the room and the rest in the refrigerator. Experiments were conducted with 5 eggs respectively of large, medium and small size, all having been assorted by weight. The eggs were placed in the saucepan containing a fixed quantity of cold water, which was then heated up to the boiling point, or simmering temperature, of 97℃., and the eggs were thus boiled for 10 minutes. The eggs were then immediately cooled by being kept in contact with a continuous fresh supply of water at 20℃. for five different period of times, i.e., few seconds, 5, 10, 15 and 20 minutes respectively. It was found that the shells were removed most satisfactorily when the eggs had been stored in the room for 4 days or more and in the refrigerator for 8 days or more; and the small eggs better than the large ones; and though there was little difference, if any, resulting from the cooling, the eggs cooled for 15 minutes in running water showed the best result of all.

1 0 0 0 近代将棋

出版者
近代将棋
巻号頁・発行日
vol.6(10), no.67, 1955-09
著者
生田 まちよ
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

医療的ケア児の療育を第三者に委譲できず、他者の支援や社会資源の活用が少ないことで家族や社会との関係性に悪影響をきたしている母親が少なからず存在する。これは医療的ケア児と母親の関係依存による障害が要因ではないかと考えた。このアディクションの視点に立ち、犯行増加面接や共依存チェックリスト等での調査を行い、医療的ケア児と母親の関係性を解明して、療育を抱え込む母親の解き放ちのためのプログラムを開発することである。最終的には、その母親らしく、その医療的ケア児らしく、その家族らしく生活するための関係性造りに少しでも寄与することである。
著者
丸山 英樹 齋藤 有香 吉田 陽香
出版者
Japan Wetland Society
雑誌
湿地研究 (ISSN:21854238)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.47-52, 2020 (Released:2020-08-10)
参考文献数
8

エストニア共和国は小さな国であるが,大きな湿地を持ち,持続可能な開発に関する市民活動も多い国の一つである.他方,日本の大学や非政府組織は海外スタディツアーを行ってきて久しい.近年は特に,持続可能な開発をテーマにしたスタディツアーが見られるようになった.本レポートでは,持続可能な開発のうち湿地に着目したエストニアへのスタディツアーについて紹介する.まずスタディツアーの概要について紹介した後,現地のリソースと日本側となる大学の単位付与についての組み合わせおよび工夫を記す.最後に,教育プログラムとしての湿地のワイズユースの可能性をラムサール条約における CEPA プログラムの枠組みから捉える.
著者
堀内 ゆかり Yukari Horiuchi
出版者
学習院大学外国語教育研究センター
雑誌
言語 文化 社会 = Language, cultute and society (ISSN:13479105)
巻号頁・発行日
no.19, pp.120-147, 2021-03

「フランス語ができるようになったら何をしたいですか?」、と毎年初回の授業アンケートで学生にきいている。「旅行に行ったときに使ってみたい」「フランス語圏の人と話してみたい」という答えとともに、数は多くないがかならず「絵本を読んでみたい」という声がある。これをきっかけに、教材として使えそうなフランスの絵本を探してきた。『星の王子さま』を挙げる学生も時々いるが、この本のフランス語は意外とむずかしい。紆余曲折1 を経て『ぞうのババール』にたどり着いた。本稿では『ぞうのババール』の原書および日本での翻訳について、この本を教材として使う実践について述べていきたい。
著者
岡本 誠 井田 齊 杉崎 宏哉
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.113-119, 2001-11-26 (Released:2010-06-28)
参考文献数
16

Larvae and a juvenile of two tetragonurids, Tetragonurus cuvieri (8 specimens, 6.8-18.5 mm BL) and T.atlanticus (4 specimens, 6.0-10.9 mm BL), collected by larval net from waters off eastern Japan, represent the first records of such from the North-West Pacific. Both species possessed spines on the interopercle and subopercle in their early life stages, a juvenile (18.5 mm BL) of T.cuvieri having one spine on each element, and a postflexion larva (10.8 mm BL) of T.atlanticus having two interopercle spines and one subopercle spine.
著者
五島 光 尾池 勇紀 山下 貴子
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングレビュー (ISSN:24350443)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.3-11, 2022-02-28 (Released:2022-02-28)
参考文献数
7

本研究では,狭小商圏型ドラッグストアの顧客購買行動の特徴を明らかにし,重要度が高い顧客セグメントを特定したうえで,重要度の高いカテゴリーのシェアを拡大する方策について検討を行った。地域特定的なポジションを活かしたPB商品戦略を用い,テスト店舗でビジュアル・マーチャンダイジングに基づいた売場展開を行った場合と,そうでない場合の実績の差を明らかにし,当該戦略の実現可能性の高さを検証した。まず,顧客ID-POSデータを用いてRFM分析を行ったところ,特に来店頻度が高い顧客セグメントは「一次商圏内に住む」「男女65~89歳」「ベビー用品購入者」であることがわかり,これらのカテゴリーのシェアを獲得すると,来店頻度が向上し,顧客と従業員の接点が増えることでストア・ロイヤルティ向上が見込めるという結果を得た。次に,地域性を付加価値としたプレミアムPB商品戦略をISM(PB商品戦略とVMD)の考え方に当てはめてドラッグストアの店頭で実証実験を行った結果,来客数・販売個数・売上金額に対してチラシ・ポイントデー・気温・天候による影響は見られず,VMDの効果により販売個数と売上金額が増加したことが実証され,当該戦略の実現可能性の高さを認めることができた。狭小商圏型ドラックストアが顧客ロイヤルティを獲得するために経営資源を集中的に投下すべき顧客の特性と購入する傾向が強い商品カテゴリーを明らかにし,ISMを構築することで店舗イメージのコモディティ化から脱却し,競合他社から差別化できる可能性を見出した。
著者
新井 武志 大渕 修一 小島 基永 松本 侑子 稲葉 康子
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.781-788, 2006-11-25 (Released:2011-02-24)
参考文献数
29
被引用文献数
24 20

目的: 本研究は, 地域在住高齢者の介入前の身体機能レベルと運動介入による身体機能改善効果との関係を明らかにすることを目的とした. 方法: 対象は東京都内の7つの自治体の地域在住高齢者276名 (平均年齢75.3±6.5歳) であった. 個別評価に基づいて高負荷筋力増強トレーニングとバランストレーニング等を組み合わせた包括的な運動トレーニングを3ヵ月間行った. 運動介入の前後に最大歩行速度, Timed Up and Go, 開眼・閉眼片足立ち時間, ファンクショナルリーチ, 筋力, 長座位体前屈などの身体機能測定を行い, 各体力要素の改善効果と初期の身体機能レベルとの関係を検討した. 結果: 対象者の運動介入前の平均最大歩行速度は85.8±30.6m/分と虚弱な対象であったが, トレーニングの脱落率は8.0%と低値であった. トレーニング後, 閉眼片足立ちを除き, すべての身体機能において有意な改善を認めた (P<.01). 最大歩行速度の変化量以外, 身体機能の変化量・変化率は, 初期の身体機能レベルと負の相関を示した(|r|=.20~.59, P<.01). また, 重回帰分析の結果, 各身体機能の変化量を説明する変数として複数の身体機能要素が抽出された. 結論: 虚弱高齢者を含んだ対象への運動介入の結果, 身体機能レベルが低い者ほど, 身体機能改善効果が高いことが示された. 適切な対象を選択することがトレーニングの効果を高める重要な点であることが示唆される. トレーニングの対象をより明確にして介入を加える, いわゆるハイリスクアプローチが有効であると考えることができる.
著者
松島栄一, 武者小路穣 編
出版者
盛光社
巻号頁・発行日
1967

死の灰、旧石器のかりうど、南極越冬隊、原子の火、オートメ時代、東京オリンピック、等16章。 (日本図書館協会)
著者
大和 祐介 鈴木 麗璽 有田 隆也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回 (2019)
巻号頁・発行日
pp.1D4J104, 2019 (Released:2019-06-01)

人間は,特定の知識が自分の記憶に存在するかどうか,あるいはどれだけ正確に存在するかを認知する事が出来る.このような主観的な記憶に対する認知能力はメタ記憶と呼ばれる.Hamptonは遅延見合わせ課題を用いてサルが回避応答パラダイムにおけるメタ記憶の基準を満たすことを示した.しかし,これらのパラダイムはメタ記憶の判断を被験者の主観による報告ではなく,振舞いによって行っている.回避応答パラダイムにおいては,特定の刺激と回避行動を関連付けて覚えて難しい課題を回避することでメタ記憶判断の基準を満たし得ることが指摘されている.本研究の目的は,構成論的アプローチによって,メタ記憶能力を持つニューラルネットワークを進化させることである. 最初に,回避応答パラダイムにおけるメタ記憶の基準とメタ記憶を持つニューラルネットワークの最小要件の基準を明確にする.次に,遅延見合わせ課題によって進化したニューラルネットワークに対してメタ記憶の基準を軸に分析を行う.メタ記憶の基準を満たすニューラルネットワークの動作メカニズムを追求することで,ネットワークのメタ記憶的判断のメカニズムを明らかにした.
著者
薄井 晴
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2020年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.218, 2020 (Released:2020-03-30)

1.既往研究の課題と研究目的 出生率は地方部で高く都市部で低いという傾向が,欧米諸国や日本で共通して確認されている.しかし,そのような分布パターンが生じる要因が解明される段階には至っていない(Kulu 2013). このように出生率の空間的分布パターンが立ち遅れている原因としては,市区町村別統計表を分析する際の作業量が膨大である点と出生率の地域差が生じる要因が多岐にわたる点が想定される.しかし,インターネット上での統計表公開が進み,とくに前者の障壁は克服可能なものになりつつある. 以上を踏まえ本研究では,全国的かつ通時的な統計分析を実施し,合計特殊出生率の地域差が生じる要因として有力な仮説を提示することを目的とする.2.研究方法 本研究ではまず,Kulu(2013)の枠組みに基づき,出生率の規定要因として想定される候補を提示する.そのうち,国勢調査を用いた指標化が可能であるものを取り上げ,合計特殊出生率との単相関分析を行う.分析対象地域は日本全国,分析対象年次は2000年以降とし,分析指標の数は最大157となった. なお,本研究では可変単位地区問題によって分析結果の解釈に混乱が生じることを避けるため,以下の手順を踏まえる.(1)都市雇用圏を用いて市区町村を「中心都市・郊外・都市雇用圏外」等に区分する.そして,その区分別に合計特殊出生率の構成比を検討することで,出生率分布により厳密な説明を加える.(2)相関係数を計算する際には,都道府県と市区町村の両方を分析単位として設定し,両者の結果を比較しながら分析する.3.都市雇用圏と合計特殊出生率の関係性(1)「大都市雇用圏に含まれる自治体」「小都市雇用圏に含まれる自治体」「都市雇用圏外」の順に,合計特殊出生率の高い自治体の割合が増していく傾向が確認された.(2)「中心都市」「郊外」「都市雇用圏外」の順に,合計特殊出生率の高い自治体の割合が増していく傾向が確認された.ただし,2005年になるとこの傾向は小都市雇用圏を中心に変化する.(3)都市雇用圏を総人口で区分した結果,都市雇用圏内の総人口が増加するにつれて,合計特殊出生率の高い自治体の割合が減少していく傾向が確認された. 以上の結果より,出生率の地域差を分析する際に,都市圏構造を無視することはできない点が指摘される.4.合計特殊出生率と規定要因の候補との単相関分析結果 正の強い相関関係が確認された指標は,高齢人口割合の高さ,1世帯あたり人員の多さ,通勤時間や通勤距離の短さ,住宅の広さ,居住地移動の少なさに関するものであった.負の強い相関関係が確認された指標も,上の結果と概ね対応するものであった. 以上の結果より,独立転居によって親族から子育て世代への支援が減少している点,人口過密問題によって長い通勤時間や狭小な住宅が強いられている点が,とくに都市圏の中心都市・郊外における合計特殊出生率の低下に寄与していることが推測される.参考文献Kulu, H. 2013. Why Do Fertility Levels Vary between Urban and Rural Areas?. Regional Studies 47: 895-912.