著者
井上 佳祐
出版者
横浜市立大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

我が国の自殺率は、低下傾向ではあるものの、諸外国に比べて依然として高いままである。自殺は、世界的にみても主要な死因の一つであり、メンタルへルス問題を基盤にした「防ぎ得る死」である。自殺予防のためには、精神科疾患に罹患した者を見つけ・適切な治療を行うことが重要である。しかし、精神疾患に罹患した者は、精神科以外の診療科を受診し、精神科を受診しないことが多く、精神科医以外の医師であっても、精神科疾患についての知識を有していること、さらに、自殺リスクの評価ができることが重要である。精神科以外の医師を対象とした、自殺予防に関する研修会は、全国各地で行われてきたが、その効果測定は不十分なものが多い。さらに、臨床研修医に限ると、自殺予防について体系だって学ぶ機会はほとんどなく、またどのような教育内容が効果的かすらわかっていない。本研究では、臨床研修医が自殺予防について必要な知識が習得でき、自殺リスクを評価できるようになるための、教育プログラムを開発し、その効果測定を行うことを目的とする。2018年度は、国内外の自殺予防の教材・資料を元に、講義資料を作成した。2019年11月より、初期研修医に対しての講義を行い、その前後で、評価尺度を用いた、自殺の危険性が高い者に対する態度や対応技術の測定を開始した。2020年1月で講義は終了となった(3月より、新型コロナウイルスの影響により講義が中止となったため)。講義は合計2回実施し、計15名が参加した。2020年度に研究結果の解析を進めた。
著者
山本 吉則 嘉戸 直樹
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.15-18, 2020 (Released:2020-12-28)
参考文献数
10

Sensory information is required to perform appropriate movements. Not all sensory information is input during movements, and only necessary sensory information is extracted by the nervous system. When promoting sensory input for cases with sensory disorder, it is important to conduct exercises with low frequency and pay attention to the joint movements while the subject consciously performs the exercise. In this paper, we describe the relationship between sensory function and motor function, and present self-training for cases with sensory disorder.
著者
伊藤 信輔 小田原 修一 山口 勝矢 平野 実
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.82, no.12, pp.1719-1725, 1989-12-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
15

The relationship between the direction of rotation and the leg supporting the body in figure-skating was thought to be based on the cristo-spinal reflex. Skaters stand or jump with the leg of the same side as the rotation when turning around a vertical axis. This suggests that the movement of endolymphatic fluid towards the ampulla of the ipsilateral horizontal semicircular canal as the direction of rotation exerts a facilitatory action on the extensor neurons. On the other hand, they land on the ice with the opposite leg after turning in the air. This can be interpreted as a phenomenon similar to postrotatory nystagmus; that is, the ampullopetal flow takes place in the semicircular canal opposite to the rotation after cessation of turning, resulting in activation of this canal.
著者
鷹巣 純
出版者
読売新聞大阪本社
雑誌
道教の美術 Taoism art
巻号頁・発行日
pp.334-336, 2009
著者
YASUHIRO YAMADA
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
Anthropological Science (ISSN:09187960)
巻号頁・発行日
pp.2202192, (Released:2022-05-19)

Archaeological study of the social structure of the Jomon period has advanced through discoveries about the relative positions of graves, the presence or absence therein of accessories and grave goods, head orientations of corpses, types of tooth extraction, and so on. In recent years, research using anthropological information—both physical and biological—obtained from excavated human bones has begun to elucidate the social structures of that time. This approach is called bioarchaeology. In the analysis of the social structure of the Jomon period, bioarchaeology has three principal uses: to reconstruct burial subgroups by 14C dating of human bones; to estimate genetic relationships between adjacent human bones; and to estimate the proportion of migrants in the overall population. Here, I review the analysis of the cemetery of the Odake shell-mound as an example of bioarchaeological research while touching on the history of archaeological research of Jomon social structure.
著者
秋山 美紀
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.100-108, 2018-02-28 (Released:2018-02-28)
参考文献数
27

緒言:効果的なヘルスコミュニケーションプログラムは,個人はもとより,組織,コミュニティ,そして社会全体を健康な方向に変えていく影響力を持つ.本稿は,健康課題を抱える人を取り巻くマクロな環境を変えることを念頭に置いたヘルスコミュニケーションの実践例や教育プログラムを紹介しながら,人と環境との交互作用の重要性を再確認する.内容:コミュニケーションは単体でも,当該社会における健康課題や優先課題を知らしめたり,組織間関係を強化することが可能である.しかしながら,起きた変化を持続させたり,より複雑に絡み合う課題を解決するには,他の戦略と組み合わせる必要があることが知られている.このことから,ヘルスコミュニケーションの研究,実践,教育は,他分野と融合しながらダイナミックな広がりを見せており,例えば,欧米の公衆衛生大学院ではアドボカシーや住民参加型ヘルスリサーチ等を関連科目として教授するようになっている.最近のヘルスアドボカシーの顕著な成果として,糖分を多く含むソーダ飲料への課税が挙げられる.Berkeley市を筆頭に米国の複数の都市で導入されることになったものである.親の会,学校,公衆衛生の専門家らによる効果的なパートナーシップが,キャンペーンを成功に導いた事例である.まとめ:日本でも多分野の知見を導入しながら多層的に健康活動が展開されていくことが求められている.そのためにはヘルスコミュニケーションの裾野をさらに広げていく必要がある.
著者
吉田 舞
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.671-687, 2021 (Released:2022-03-31)
参考文献数
28
被引用文献数
1

本稿は,外国人技能実習生の日本の労働市場への従属的包摂の仕組みを,受け入れ制度と労務管理に着目して考察する.技能実習生は,日本人労働者とは異なる労働力として,さまざまな制度的制約のもと,労働市場に組み込まれている.従来,これらについては,人権問題や労働問題として,その過酷な実態が告発されてきた.しかし,技能実習生は,必ずしも直接的な強制や,非人間的な抑圧だけで,管理されているわけではない.むしろ,その制度的立場ゆえに,「よくしてくれている」雇用主に対して,「ものが言えない」状況が強化されることもある.本稿では,このような視点から,制度と労務管理に組み込まれた「恩顧」のイデオロギーに着目する.そのために,以下を明らかにする.まず,地方の家族経営体で働く技能実習生の労務管理の事例から,職場における雇用主との疑似家族的労使関係や,労務管理の実態を明らかにする.次に,これらの労務管理に対する,技能実習生の4 つの対応パターン(耐える,帰国する,逃げる,闘う)を考察する.ここから,疑似家族的労使関係や制度的制約が実習生の対応選択に及ぼす影響を分析する.この結果,技能実習制度では,政策から現場レベルまで,「援助=よくしてやる」という恩顧の論理が貫徹しており,そのなかで,技能実習生が労働市場の底辺に組み込まれていることを明らかにする.
著者
苅部 治紀 加賀 玲子
出版者
神奈川県立生命の星・地球博物館(旧神奈川県立博物館)
雑誌
神奈川県立博物館研究報告(自然科学) (ISSN:04531906)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.50, pp.137-141, 2021 (Released:2021-03-30)

キバネツノトンボは、良好な草地に生息するアミメカゲロウ目の大型の昆虫で、各地で激減している種である。神奈川県内では過去に 12 地点から記録があるが、近年の記録がごくわずかしかないことから、神奈川県レッドデータ生物調査報告書 2006 では絶滅危惧I類に選定されている。筆者らは 2017 年に本種を確認以降、県内各所で本種の現状について集中的に調査を行ってきた。その結果、県北部の相模原市緑区旧藤野町地域を中心に 20 か所で確認することができた。一方、類似の環境があっても確認できない地域がほとんどであり、その分布は局限されていた。本県における本種の現存環境は人為的な草刈りが継続されている草地で、その環境は多様であるが、産地の安定性は脆弱で、産地数は増えたものの、分布の局所性とともに、絶滅危惧度は依然高いものと判断された。
著者
高畑 尚之
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.167-171, 1983-07-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
21

1 0 0 0 津別町史

出版者
津別町
巻号頁・発行日
1971