著者
濱川 祐紀代
出版者
JSL漢字学習研究会
雑誌
JSL漢字学習研究会誌 (ISSN:18837964)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.28-61, 2017 (Released:2020-02-22)
参考文献数
13

本稿は,筆者が過去に実施した質問紙調査の調査票を提供し,読者と調査票を共有することを目的とするものである。本稿で共有する調査票は日本語・英語・インドネシア語・タイ語・ベトナム語・マレー語・ミャンマー語・ロシア語の7か国語が用意されており,様々な教育機関で活用されることを期待し,また妥当性を高めるための共同研究などが始まることも願っている。
著者
加藤 登紀 濱川 祐紀代
出版者
JSL漢字学習研究会
雑誌
JSL漢字学習研究会誌 (ISSN:18837964)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.111-121, 2017 (Released:2020-02-22)
参考文献数
5

1990年以降に出版された日本語学習者のための漢字学習用教材(以下,漢字教材)は25冊以上あるものの,一度に複数の漢字教材を手にとり比べる機会はないという声をよく聞く。さらに,開講されている漢字科目の多くが初級レベル相当であるという声もよく聞くため,初級レベルの漢字教材に絞り,ワークショップを行うことにした。本稿では第60回研究会(大阪)のワークショップの成果を報告し,初級漢字教材の特徴を読者と共有したい。
著者
加藤 登紀 濱川 祐紀代
出版者
JSL漢字学習研究会
雑誌
JSL漢字学習研究会誌 (ISSN:18837964)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.128-136, 2017 (Released:2020-02-22)
参考文献数
5

1990年以降に出版された日本語学習者のための漢字学習用教材(以下,漢字教材)は25冊以上あるものの,一度に複数の漢字教材を手にとり比べる機会はないという声をよく聞く。さらに,所属機関で開講されている漢字科目は初級のみであり,学習者から中上級レベルの漢字教材について相談されることが多いとも聞く。そこで,本稿では第63回研究会(大阪)のワークショップの成果を報告し,中・上級漢字教材の特徴を読者と共有したい。
著者
池田 幸弘
出版者
JSL漢字学習研究会
雑誌
JSL漢字学習研究会誌 (ISSN:18837964)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.82-86, 2017 (Released:2020-02-22)
参考文献数
11

本研究では, 500字所収の複数(4種類)の漢字教材を比較した場合,500字のうち,何字ぐらいの漢字が共通して取り上げられているか調査を行った。その結果,355の漢字が4種の教材で共通して取り上げられていること,102の漢字が4種の教材のうち3種で共通して取り上げられていること,73の漢字が4種の教材のうち2種で共通して取り上げられていること,1種の教材のみで取り上げられている漢字が128あることがわかった。また、4種の教材で658の異なる漢字が取り上げられていた。この結果から,658の異なる漢字数における複数の教材で共通して取り上げられている漢字数という割合から見ると,その割合はそれほど高くないが,各教材の500字における他の教材と共通する漢字の数の割合という点から見ると,ある程度の共通性はあるのではないかということが示唆された。
著者
星野 陽子 住谷 昌彦 日下部 良臣 佐藤 可奈子 冨岡 俊也 小川 真 関山 裕詩 山田 芳嗣
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
The journal of the Japan Society of Pain Clinicians = 日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.98-102, 2012-06-25
参考文献数
11

エピドラスコピーは腰部脊柱管狭窄症などによる痛みに対して,硬膜外腔の癒着剥離および神経根周囲の洗浄を目的として行われる治療手技である.このようなエピドラスコピーの利用法とは異なり,腰部脊柱管硬膜外腔内嚢胞性病変による腰下肢痛に対して,エピドラスコピーを造影のために使用し,Tuohy針による穿刺によって嚢胞性病変の縮小と痛みの緩和に成功した1症例を経験したので報告する.症例は52歳の女性である.半年前から左臀部痛および左下肢痛を発症し,腰椎MRI所見から第4腰椎硬膜外腔内の嚢胞性病変による第5腰髄神経根の圧迫が痛みの原因と診断した.嚢胞性病変の成因としては第4/5腰椎椎間関節滑液嚢胞が示唆された.まず行われた低侵襲治療である椎間関節ブロック,腰部硬膜外ブロック,薬物療法では痛みは軽減しなかった.そこで,エピドラスコピーを用いて直視的に嚢胞を穿破しようと試みた.しかし,エピドラスコピー本体での穿破は硬度が足りず成功しなかったため,硬膜外腔の局所的な造影で不染部から嚢胞の位置を同定し,第4/5腰椎椎間板間隙からTuohy針を穿刺し嚢胞内容の減量に成功した.穿刺直後から痛みは軽減し,その後の腰椎MRIでは嚢胞性病変が縮小した.
著者
飯田 一史 中平 真由美
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.286, 2016

はじめに在宅で過ごす重症心身障害児(者)の高齢化、重度化が進む中、短期入所のニーズは年々増加し、当センターでも4年間で登録者数は102人から225人へ増加している。気管切開や呼吸器装着の超重症児から行動障害を伴う動く重症児まで、多彩な状況の方が利用されている。今回、その方々を安心・安全に受け入れるために家族と職員・部署間で情報を正確かつ効率的に伝達、共有する方法に取り組んだので成果を報告する。方法平成26年4月に医師、看護師、支援員、ケースワーカーで構成される短期入所推進委員会を発足させ、以下の点に取り組んだ。(1)入所時の診察から関わる看護師の配置。(2)施設共通のADL表を作成、電子システム化する。(3)短期入所利用中のインシデントリストを作成、カルテに綴じる。(4)利用3日前の家族からの事前連絡を開始。(5)短期入所新聞を月1回発行。結果(1)(2)の取り組みにより収集する情報内容が充実、整理された。(3)の取り組みにより以前のインシデントの確認が容易になり、再発予防に役立った。(4)の取り組みにより事前の体調確認が可能となり、体調不良のまま利用することを防げた。(5)の取り組みにより情報の発信が可能となった。以上の取り組みの結果、生命に関わるアクシデントは平成26年4月以降認めていない。また短期入所中に体調不良となり入院に切り替えた件数は、平成27年度は延べ561件中3件であった。考察体調の変化を来しやすい重症児者を受け入れるためには、個々の情報を職員・部署間で共有することが必須であるが、膨大な情報の共有は困難である。今回情報の共有に重点を置いて取り組んだ結果、ケアの統一ならびにリスク防止につながり、家族との信頼関係の構築につながった。今後の課題は、慢性的な短期入所ベッドの不足と、病棟の空床利用のため感染流行時の利用停止などの問題に加えて、短期入所中のQOL向上にも取り組んでいく必要があると思われる。
著者
金 尚泰
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.1_32-1_37, 2016-02-01 (Released:2016-04-19)
参考文献数
4

近年ハードウェアやネットワーク技術は飛躍的な発展を遂げているが、WEB環境の中リアルタイムで自由自在に閲覧できる3DCGコンテンツは数少ない。3DCGリアルタイムコンテンツは、レンダリング手法とデータ最適化の組み合わせをバランスよく考えなければならない。その中でも自然物表現は、リアルタイム3DCGコンテンツ制作に対して最も難しい素材である。3Dポリゴンデータは、直線しか存在しないため曲面を三次元空間に表現するためには、無数の短い直線をつなぎ合わせる必要がある。したがって外形に影響しないポリゴン削減アルゴリズムの開発は大きな課題になる。本研究では、3DCGのポリゴンデータ削減に重点を置き、様々なリアルタイム3DCGコンテンツ制作環境を構築する支援ソフトウェアMDD Creatorを開発した。3DCGソフトウェアに詳しくない人でも、リアルタイムにスライダーバーを調整するだけで対象ポリゴン形状の削減率を決める事ができる。さらに、最適化された3DCGモデルをHTML形式で保存し、様々なWEB用リアルタイム3DCGコンテンツ制作に応用できるようなソフトウェアに仕上げた。
著者
安田 亘宏
出版者
コンテンツツーリズム学会
雑誌
コンテンツツーリズム学会論文集 (ISSN:24352241)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1, 2015

巻頭言「ブームで終わらせないコンテンツツーリズム研究」安田亘宏コンテンツツーリズム学会副会長・西武文理大学サービス経営学部教授本学会は2011年に従来の学術目的の学会とは一線を画し、研究、調査、考察はもとより事業化も視野に入れて議論する場、情報交換の場を目指し発足し、5年目を迎える。まだまだ学術的な実績も新たな地域ツーリズムの創出、地域の文化創造と言う想いも十分に達成していないが、会員は100名を超えた。研究者、大学院生、大学生だけではなく、自治体やコンテンツ産業、旅行業、宿泊業、メディア等で実践に係わる方々、様々なコンテンツを愛好する人など予想通り幅広い会員を得られたことが今最大の成果だと感じている。『学会論文集』もVol.2を発刊することになった。その間、研究発表大会やフィールドワークも実践し、学会メンバーによる『コンテンツツーリズム入門』も上梓した。着実に議論の輪が広がり、多様な学問領域、実践の場からの研究が進み始めてきたように思っている。コンテンツツーリズムとは、小説・映画・テレビドラマ・マンガ・アニメ・ゲーム・音楽・絵画などの作品に興味を抱いて、その作品に登場する舞台、作者ゆかりの地域を訪れる観光現象のことで、コンテンツを通じて醸成された地域固有の「物語性」を観光資源として利活用する観光のことである。本学会の研究発表の中でも「物語性」を創り出すコンテンツは前述のものだけではなく、各地で活躍するアイドルやキャラクター、歴史上の人物・事件、妖怪までもが研究対象となり、その広がりが実に興味深い。もう一度、コンテンツツーリズムの定義を議論する時期が来ているのかもしれない。コンテンツツーリズムはツーリズムである以上、人々が自らの意思で楽しむ観光であり、多くの旅行者の体験を促進すること、そしてその経済的効果や社会的効果、文化的効果を地域が享受し地域が活性化することが研究の原点にある。また、地域の文化創造、コンテンツ産業創出の視点も不可欠な要素である。アニメやマンガの「聖地巡礼」が世間から注目される一方、一過性のブームで終焉を迎えてしまった地域も決して少なくない。コンテンツツーリズムはサスティナブルツーリズム(持続可能な観光)の一角に位置しなくては意味がない。コンテンツツーリズム研究もブームで終わらせてはならない。加速するインバウンドの中での日本固有のコンテンツ、海外での同様な観光現象、そもそもコンテンツには国境はない。そんな視座も必要である。多様な人々による様々な領域からのユニークな研究の成果を期待したい。
著者
藤平 保茂 富樫 誠二 藤野 文崇 久利 彩子 小枩 武陛 村西 壽祥 岸本 眞 古井 透 酒井 桂太
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.GbPI2458, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】臨床実習は、理学療法士(以下、PT)を目指す学生にとって臨床での理学療法を経験できる重要な学外授業であり、 810時間以上(18単位)を受けなければならない必須科目である。臨床実習に臨む学生(以下、実習生)は、臨床実習指導者(以下、指導者)の指導のもと、さまざまな経験を通して成長していく。その中で、実習生が、指導者から「積極性がない」との指摘を受けることがある。これは、臨床実習評価において、しばしば問題視される点である。しかし、実習生の積極性に対する先行研究では、「積極性とは、自ら進んで物事を行う性質」という概念は一致されているものの、実習生の積極的な行動とはどのような行動であるのかを具体的に示した研究は、我々が文献検索した限りでは見当たらなかった。筆者らは、第50回近畿理学療法学術大会にて、指導者が抱く実習生への「積極性がある」因子を報告した。今回の研究目的は、理学療法臨床実習評価において、指導者が抱く「積極性がない」因子とは何かを調査し、検討することである。【方法】<調査表>独自に作成した調査票で、質問内容は、「臨床実習において、『積極性がない実習生』とはどのような学生であるか」であった。自由記載にて回答を求めた。<対象>本学の臨床実習受け入れ施設に勤務する127名のPTであった。そのうち、指導者経験のある臨床経験2年目以上の90名(男性67名、女性23名、平均臨床経験年数9.7年)の調査表を分析の対象とした。<分析方法>得られた回答をキーワードにて細分化し、KJ法を用いてカテゴリーに分類した。 【説明と同意】本研究は、大阪河﨑リハビリテーション大学倫理委員会規則に従うもので、調査にあたっては、対象者に本研究の主旨を説明し、同意を得た。 【結果】細分化したキーワードは、181語であった。これらをカテゴリー別に分類し、さらに社団法人理学療法士協会による「臨床実習教育の手引き」第4・5版を参考に技術教育から生じる行動での分類を行ったところ、態度面を行動目標とする情意領域と、知識、問題解決面を行動目標とする認知領域にあることがわかった。情意領域に属するキーワードは129語で、全体の71.3%を占めた。これらを構成するカテゴリーには、「行動できない・しない」(35語、全体の19.3%)、「目的意識・意欲がない」(32語、17.7%)、「疑問を持たない・考えない」(20語、11.0%)、「質問しない」(17語、9.4%)、「コミュニケーションがとれない」(14語、7.7%)、「反応がない・乏しい」(7語、3.9%)、「その他」(4語、2.2%)があった。また認知領域に属するキーワードは52語で、全体の28.7%であった。これらを構成するカテゴリーには、「意見を言わない」(20語、11.0%)、「課題が遂行できない」(18語、9.9%)、「自主学習しない」(12語、6.6%)、「自己評価(分析)しない」(2語、1.1%)があった。【考察】PTは、対象者としっかりコミュニケーションをとり、十分な関心と責任を持って理学療法業務に取り組むことが必要不可欠かつ重要であることを認識している。そのため指導者は、実習生に対し、実習への目的意識や意欲・関心が低い、実習を受ける態度が悪い、問いかけに対する反応が悪い、対象者や関係スタッフ以外の方と関わらない、わからないことがあっても質問しない、自分の意見を述べない、自分の考えを基に行動できなく指導者からの指示待ち行動をとる、課題ができないことが、「積極性がない」行動と捉えているものと考えられる。今回の調査にて、指導者は、「積極性がない」とは情意領域に問題があること、つまり、実習への取り組み姿勢や態度が良くないことを重大な因子と捉えていることが明確となった。知識や問題解決能力を身につけることは当然重要であるが、実習生が臨床実習に入る前に十分な心構えが出来ているか、理学療法の専門性を理解したうえでどれだけ自ら進んで対象者のために考え行動するのか、といった実習態度への関心の高さを裏付けている結果となった。養成校の教員は、臨床実習において学生指導が円滑になされるよう、学生への学内教育を強化しなければならない。【理学療法学研究としての意義】臨床実習指導者が抱く実習生の積極性について、実習生の積極的な行動とはどのような行動であるのか、その具体的な行動因子を確認することができた。今回の結果は、臨床実習における学生指導において、積極性を評価する上で参考になるものと考える。さらに、臨床実習における客観的に積極性を測定するための積極性評価尺度の作成を試みようと考えているが、その基盤となる意義のある研究である。
著者
山内 真理
出版者
日経BP
雑誌
日経アーキテクチュア = Nikkei architecture (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1154, pp.90-92, 2019-10-24

手元の資金に常に余裕がなく、所長が自らの役員報酬の支払いや立て替え経費の精算を留保する。そうした、いわゆる自転車操業の状態を招きそうな場合、いかに脱するか。「資金繰り表」を使って考えてみよう。
著者
石原 由紀 田上 陽介
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.57-67, 2019-05-25 (Released:2019-06-15)
参考文献数
31
被引用文献数
1 1

Since 2014, some Welsh onion and carrot fields have been damaged by Bradysia sp., dark-winged fungus gnat(Diptera: Sciaridae), in the northern region of Saitama Prefecture, Japan. Bradysia impatiens(Johannsen)are also known as important insect pests in various crops. In the present study, we examined the effects of temperature on the development and reproduction of Bradysia sp. and B. impatiens reared on rice bran at constant temperatures of 11, 16, 20, 25, and 30°C. The developmental periods from egg to adult emergence of Bradysia sp. were longer than those of B. impatiens at all temperatures. In Bradysia sp., 112.8 days and 26.6 days were required for development of adult females at 11°C and 25°C, respectively, in comparison with 93.3 days and 21.4 days for B. impatiens. The intrinsic rates of natural increase at 11, 16, 20, 25, and 30°C of Bradysia sp. were −0.006, 0.023, 0.043, 0.100, and −0.030 and those of B. impatiens were 0.004, 0.058, 0.103, 0.111, and 0.062, respectively. The tolerance of Bradysia sp. to low temperatures and high temperatures is lower than B. impatiens.
出版者
宮内省図書寮
巻号頁・発行日
vol.[56], 1931