著者
Atsushi Oshiro Naoki Nishigami Takumi Yamamoto Yosuke Nishida Julian Webber Masayuki Fujita Tadao Nagatsuma
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE Electronics Express (ISSN:13492543)
巻号頁・発行日
pp.18.20210494, (Released:2021-12-07)
参考文献数
30
被引用文献数
9

In modern optical communications, pulse amplitude modulation 4 (PAM4) is employed to achieve higher data rates than that achieved by conventional non-return-to-zero format. Meanwhile, there is an increasing interest to convert wired connections to wireless in data centers using high-speed millimeter-wave and terahertz (THz) links. Here, we introduced the PAM4 modulation for THz wireless communications using a resonant tunneling diode (RTD) receiver. Compared with a Schottky-barrier diode receiver, the RTD receiver has higher sensitivity, and a stronger nonlinearity at low input power when it is operated with an amplified detection scheme. We achieved 24-Gbaud (48-Gbit/s) transmission in the 300-GHz band with a quasi-real-time digital signal processing (DSP), which is the fastest PAM4 wireless communication without an offline DSP to the best of our knowledge.
著者
西崎 信男
出版者
日本経営診断学会
雑誌
日本経営診断学会全国大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.138-141, 2009

スポーツの商業化の進展に伴い、ファンの利益とクラブの利益の相反が起こる。それを解決する仕組みとして英国(サッカーとラグビー)で「サポータートラスト」が政府の後押しで発達してきている。トラスト(信託)という名の相互会社を作り、クラブ株式購入、取締役派遣等クラブ経営に積極的に関与するスキームである。地域・ファンのサポートがクラブの存続に不可欠な大多数のチームで有望な仕組みと言える。企業スポーツ中心であった日本のスポーツも、この不況の影響もありスポンサーが撤退する動きが見られる。ファンクラブ、持株会、サポータートラスト、相互会社等、プロスポーツクラブの企業統治におけるファンの経営参加について論じる。
著者
柴田 惠美
出版者
拓殖大学言語文化研究所
雑誌
拓殖大学語学研究 = Takushoku language studies (ISSN:13488384)
巻号頁・発行日
no.145, pp.31-55, 2021-10-29

能という日本独自の文化表象に,憐憫というキリスト教的概念が内包される可能性を示した論考である。能『恋重荷』の主人公,悪霊となって皇妃を責め苛んでいた荘司が,僧侶の調伏の場面もなく一転して皇妃の守護神へと変身する唐突とも言える劇展開は,中世に発達した神仏習合思想及び菩薩信仰によって論理的に解釈する事が可能である。それはまず,「苦しむ神」荘司と,人間としての業の深さと救われなさという現実を直視した皇妃両者の心に抱える「苦しみ」を通して彼らが心身共に一体化するという考え方を前提とするが,一体化する事で荘司の思いが成就し,妄執から解き放たれた彼がより高い仏性を感得し,結果として皇妃を見守る守護神へと変身したとする捉え方である。そして次に,皇妃の心に宿った憐憫の情,慈悲の心に菩薩性が宿り,その菩薩性に触れた荘司が慈悲と祈りによって救済され,最終的には彼自身が菩薩となって皇妃の守護神になるという考え方である。一方,劇展開における荘司と皇妃の内面の変化は,ベルクソンの説く人格的傾動・人格的ないし利己主義的情念,または共感的ないし愛他主義的傾動によって説明されうる。共感的ないし愛他主義的傾動には憐憫(pitié)の作用が係るが,このpitiéというキリスト教用語が示す概念と,少なくとも『恋重荷』で読み取れる憐憫や慈悲という仏教的観念は,魂救済への切実な祈りが内包されるという点において,ほぼ同義のものであると言えよう。
著者
黒岩 裕市
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
no.100, pp.221-246, 2021-09-30

二〇〇〇年代前半のフェミニズムへのバックラッシュの中で、ジェンダーフリー教育が「性別」をなくす企てであると攻撃の対象になった。一方、バックラッシュへの対抗言説でも、「性別」をなくすということ自体は否定的にとらえられ、結果的に性別二元論が温存されることになった。この点を批判的に問う先行研究を参照しつつ、本稿では「性別」をなくすというテーマが見られる村田沙耶香の『無性教室』(二〇一四年)を、バックラッシュをめぐる議論と関連づけつつ考察する。この作品の「私」が通う高校では「性別は禁止されている」。その「性別のない教室」がいかなるものかを検討しつつ、「性別」がなくなるということに対する「私」の不安をたどる。しかし作品終盤では「私」は「無性別の世界」をむしろ肯定する方向に向かっていく。このような展開に注目することで、性別二元論を再生産することなく、バックラッシュに抵抗する道筋を想像させるきっかけになり得るものとしてこの作品を読む。

1 0 0 0 OA 元気

著者
日本弘道会 著
出版者
日本弘道会
巻号頁・発行日
1905

1 0 0 0 OA 司法資料

出版者
司法省調査課
巻号頁・発行日
vol.第142号 徳川禁令考後聚(第一帙), 1931
著者
佐野 亘
出版者
人間環境大学
雑誌
人間と環境 (ISSN:13434780)
巻号頁・発行日
no.4, pp.17-29, 2001-01

近年、民主主義の促進を通じて環境問題を解決すべきとする主張がある。多くの環境問題が「官僚制の失敗」や「利益集団の圧力」によって発生しており、その解決には、一般市民の意見を政治の場に反映することが必要であるという。実際、岐阜県御嵩町のように、住民投票によって環境破壊がくいとめられることが少なくない。また、環境問題に対する市民の意識の低さも、民主主義の促進によってこそ改善される。地方分権がすすみ、住民投票がおこなわれることにより、人々は環境をめぐる決定に直面し、生活環境の重要性を再認識することになろう。だが、私見では、民主主義は常にあらゆる環境問題を解決できるわけではない。第一に、「環境」という価値と民主主義は必ずしも一致するわけではない。また、環境をめぐる問題はときに深刻な価値の対立を引き起こすが、民主主義はこのような対立を妥協に導くことはあっても、解決するものではない。さらに、民主主義の「境界」の問題がある。環境問題はしばしば政治的共同体の範囲を超えて、外国や将来世代にも影響を及ぼす。このような場合には、民主主義という手続だけでは環境問題を解決するには不十分だろう。
著者
國本 麻悠子 大江 秋津
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2020年全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.61-64, 2021-01-28 (Released:2021-01-18)

本研究は、バーチャル空間を活用した研究室がもたらす研究室内のコミュニケーションに焦点を当て、その効果が学生の研究意欲に与える影響を実証する。分析では、バーチャル研究室を利用している学生41人のアンケート結果から、共分散構造分析を行った。その結果、3次元ではなく、2次元的なデザインのバーチャル研究室でも、学生は近くに人がいると充分錯覚でき、学生間の交流が活発になることを実証した。この学生間の交流が組織としての一体感を生み、研究意欲を向上させることを実証した。この結果から、バーチャル研究室がコロナ下における一時的なものではなく、アフターコロナ後も教育ツールとして活用できる可能性を提示した。
著者
橋本 令子 加藤 雪枝
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.127, 2004

【目的】現代はIT化、デジタル化時代といわれるが、人は時間に追われストレスに埋もれている。その緩和策として快い音を耳にしたり、美しいものを見ることにより安らぎ感や安心感を得ようとする。そこで今回は、生理評価と心理評価の測定を、環境音に映像を加えることで聴覚と視覚の刺激が複合され、相乗効果が期待できると考え研究を行った。【方法】音刺激はのどかな、わくわく、騒々しいといった観点から、川のせせらぎ、小鳥の鳴き声、列車音、海辺の波音、花火の音、街の騒音の6種とし、映像刺激は音の効果を反映するものとした。被験者は13名である。生理評価は、椅子に腰掛けた閉眼状態で音のみ呈示した場合と、開眼状態でスクリーンに提示された映像をみた場合の脳波(α波含有率、1/fゆらぎ)と心電(心拍変動)を測定した。その後、心理評価として10形容詞対を用いてSD法を行い、呈示方法の違いによる生理と心理評価の関連を追究した。【結果】音と映像による心理評価は「快適性」と「活動性」の因子が抽出された。映像の種類によってα波含有率に差が生じ、花火、列車音は映像呈示することによりα波が喚起され快適感が得られ相乗効果が認められた。川のせせらぎ、小鳥の鳴き声、海辺の波音は音のみ呈示、映像呈示ともに快適感が得られた。しかし街の騒音は、映像呈示により不快感が増しα波が抑制された。1/fゆらぎは、映像呈示後の出現人数が最も増加し、視覚から得られた情報が終了後も反映された形態を示した。心拍変動については映像呈示中にリラックス感を得た。生理と心理評価との対応において、α波含有率は「快適性」「活動性」の因子と関係が明らかとなり、心拍変動は「快適性」の因子と関係が認められた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.174-177, 2004-07

街の景色に溶け込んだ白亜の洋館。緑に囲まれたプール付きの庭で、花火の音とともに大歓声が上がった。その中心では若いカップルが弾けるような笑顔を見せている——。 ここ数年、邸宅風の会場で結婚パーティーを行うカップルが増えている。この「ハウスウエディング」と呼ばれる挙式スタイルで婚礼市場に革新を起こしたのがテイクアンドギヴ・ニーズ(以下、T&G)だ。
著者
田村 岳 ニャムサンジャ フラン 渡邊 眞紀子 ボロルマ オユンツェツェク
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2021, 2021

<p>隣接した異なる2つ、あるいはそれ以上の生態系間の移行帯であるエコトーンは、植生等地上景観の変化に富んだ空間として注目されている。しかし、その形成には気候、母材、人間活動等の影響を強く受けることから、植生ー土壌システムとして土壌性状を調べることで、エコトーン形成要因の時間・空間的な理解を深めることが可能であると考えられる。そこで本研究では、気候や母材に差のない環境において、植生がもたらす水熱環境の変化が性状に現れやすい土壌遊離鉄に着目し、エコトーンの特徴づけを試みた。</p><p> 調査対象地はモンゴル国ウランバートル中心市街地から北西に約15kmに位置するBaruun Salaaである。Baruun Salaaはヨーロッパアカマツを主構成とする林分とステップ草地、さらにその間にエコトーンのシラカンバ林が見られる森林ステップである。本研究では、それら3地点(Pine、Birch、Grassland)における各5つの土壌試料を105℃、550℃、850℃で段階的に加熱し、ヘマタイト化(赤色化)させることで、遊離酸化鉄の特性の差異を調べた。処理した試料は土色(CIE表色系L*,a*,b*)測定を行い、その後a*/b*値の平均値の差を統計的に評価するために対応のあるt検定(両側検定、<i>p&lt;0.05</i>)を行った。さらに、試料中の全鉄と全ケイ素含量の測定をエネルギー分散蛍光X線元素分析装置(EDX)により、ヘマタイト等鉱物の同定をX線回析装置(XRD)によりそれぞれ行った。</p><p> 土色分析の結果から、105℃、550℃、850℃の温度上昇とともにa*/b*値の平均値は、地点ごとに分離されることが判明し、とくに850℃ではPineとGrassland間、PineとBirch間で有意差が見られた。このことからBirchの遊離酸化鉄の性質はGrasslandに類似すると考えられた。一方、EDX、XRDの結果から、全鉄含量に対するヘマタイト含量の値、全ケイ素含量に対するイライトの含量の値は、ともにBirch>Pine>Grasslandの順に大きくなり、Birchでは、土壌の粘土化が進んでいるということが判明した。遊離酸化鉄の活性度や鉄を含む層状珪酸塩の脱水酸化物反応は、火災の影響を強く受けるほど大きくなる(関 2012, Ulery et al. 1996)ことから、Birchでは火災の影響をより強く受けた可能性が示唆された。このことは、燃えた切り株や焚火の跡がBirch調査区で認められた観察結果(田村 2020)と整合した。</p>
著者
田中 輝彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集H(教育)
巻号頁・発行日
no.1, pp.7-14, 2009

土木系学生の初学年オリエンテーション授業,高校生や親子教室,ロータリークラブなど一般対象の教室において土木技術をわかりやすく解説するための教材開発に取り組み,その考え方と教育効果を紹介する.教室で進める授業では身近な事例を示すことによって理解を深めることに留意し,簡単な実験を目の前で行う,あるいは受講者自らが実施することによって各種構造物の機能や土木工学の基礎知識を教育する効果が実証的に確認された.
著者
桑畑 洋一郎
出版者
宮崎学園短期大学
雑誌
宮崎学園短期大学紀要 = Bulletin of Miyazaki Gakuen Junior College (ISSN:18831559)
巻号頁・発行日
no.3, pp.123-138,

本論文は、沖縄のハンセン病療養所退所者を事例とし、退所者が現在もパッシング(1) を実践していることを記述するものである。そのことで、現在もパッシング実践が必要とされる背景を考察するための基礎を築くことを目的とする。
著者
岡田 創 大熊 武司 丸川 比佐夫 片桐 純治 鶴見 俊雄
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.173-178, 2012

本研究では、屋根面に作用する風圧を風洞実験により測定し、負側ピーク値を確率・統計的に評価することを検討している。本研究では、非ガウス的な屋根面風圧の確率密度分布をエルミートモデルでモデル化した確率密度分布の和として表せるものとした。近似した確率密度分布から推定した負側ピーク値と時系列を小サンプルに分割して評価したピーク値のアンサンブル値は良い一致を示す。推定値の精度は歪度、尖度の評価時間に依存するが、十分に統計値が安定して評価できる時間にすればその影響は小さい。