著者
酒井 龍一
出版者
奈良大学文学部文化財学科
雑誌
文化財学報 (ISSN:09191518)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.1-20, 1997-03

本稿は、パルミラ語碑文研究に着手する予備作業として、先ずパルミラ遺跡・パルミラ語・アラム語群・セム語一般等に関する手短かな文献を概観し、次に碑文文字編年の作業方針を提示することに目的がある。
著者
鳥居 修晃 望月 登志子
出版者
日本心理学会
雑誌
心理学ワ-ルド
巻号頁・発行日
no.16, pp.21-24, 2002-01
著者
佐々木 正晴 鳥居 修晃 望月 登志子
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.85-97, 1994

The characteristics of the visual and tactual activities were investigated in a congenitally blind person before and soon after an operation performed for regaining his sight. The subject was born blind due to congenital cataracts, and underwent aspiration of both cataractous lenses at the age of 9. Before the operation, his ERG was normal. After the operation he wore +12D lenses. The results obtained were as follows: (1) Before the operation, he could identify colors. To some extent, he could also count objects, discriminate the size of 2 two-dimensional rectangles or two circles. On the other hand, he could not identify two-dimensional figures. (2) During the 15 days after the second eye operation, his percentage of correct responses increased in all tasks, except for discrimination of the size of 2 two-dimensional circles. (3) Postoperatively, the patient no loger attempted to touch objects after counting them and discriminating the size of 2 two-dimensional rectangles, but with either size discrimination of the circular shapes or identification of shapes, he touched them after looking at them, just as before the operation.
著者
大塚 萌 オオツカ モエ OTSUKA Moe
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.30, pp.158-176, 2015-03

近年海外から日本のサブカルチャーへの注目が高まり、マンガやアニメ作品が次々と輸出・翻訳されている。ドイツでも日本のマンガが数多く翻訳・出版されている。マンガが翻訳されるとき、日本語独特の表現や語彙をどのように翻訳するかが問題となる。本論では呼称表現のドイツ語版の翻訳語選択について、特に日本語語彙流入の変遷を考察する。分析対象として、日本のマンガブームの初期から長期にわたってドイツ語版が翻訳・出版された『新世紀エヴァンゲリオン』を使う。まず、先行研究を参考に、マンガにおける文字テクストの定義・分類を行い、さらにドイツのマンガを取り巻く環境を見る。その上で、家族に対する呼称表現と呼称接尾辞を使った表現のドイツ語翻訳例を調査し、分析する。その結果、年代が下るに従って日本語語彙をそのままドイツ語版の翻訳語として採用する傾向があることが分かった。
著者
大森 毅 川原 一芳
出版者
科学警察研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

化学テロ現場において、原因物質のみを特異的に除染できる方法の開発を目指して、有機リン系化合物分解酵素であるorganophosphorus hydrolase(OPH) の遺伝子に変異を導入し、サリンやVX等を効率的に分解する酵素の開発に取り組んだ。136Leu、254Tyrおよび257Hisの3箇所のアミノ酸を置換した5種類の変異酵素を作成し、有機リン系化合物分解反応を調べた結果、Tyr254Hisの変異を導入した酵素が最も高い分解能力を示した。さらにこの酵素を担体に固定して作成したバイオリアクターは活性を維持し化学剤を分解したことから、酵素によるテロ現場除染技術への発展が可能と考えられた。
著者
東江楼主人 編
出版者
東江楼
巻号頁・発行日
vol.初編 上, 1872

4 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1944年04月19日, 1944-04-19
著者
前野 浩太郎
出版者
独立行政法人農業生物資源研究所
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

サバクトビバッタは混み合いに応じて行動や形態、生理的な特徴を連続的に変化させる相変異を示す。相変異形質の一つとして、本種の孤独相(単独飼育)メス成虫は群生相(集団飼育)のものに比べ小さい卵を産むが、成虫期に混み合いを経験すると大きい卵を産み始める。小型卵からは緑色の幼虫が孵化し、一方の大型卵からは黒い幼虫が孵化する。メス成虫がどのように混み合いに反応して卵サイズを決定しているのか調査した。まず、混み合いの感受期を明らかにするために、様々な長さの混み合いを産卵後色んな時期の孤独相メス成虫に処理し、次の産卵時の卵サイズを調査したところ、産卵2-6日前に経験する混み合いが卵サイズの決定に重要で、その感受期の間に経験する混み合う時間が長いほど卵は大型化することが分かった。次に、卵サイズの大型化を誘導する混み合い刺激(視覚、ニオイ、接触)を様々な組み合わせで処理したところ、接触刺激のみが重要であることが分かった。他個体との接触刺激を感受する部位を特定するために、混み合い処理を施す前に予め身体の様々な部位(触角、頭部、前胸、翅、脚)をマニキュアで塗り潰し、反応を調査したところ、触角が感受部位であることが分かった。孵化幼虫の体色が決まる仕組みを明らかにするために行った2種類の体色突然変異体を掛け合わせた実験より、群生相の孵化幼虫の黒い体色は色素沈着の有無を決定する遺伝子と黒化の強さを制御する遺伝子の二つが少なくとも関係していることを突き止めた。また、孵化時の大きさがその後の発育、脱皮回数、生存率に重大な影響を及ぼすことを明らかにした。非常に充実し、実りのある1年になったが、まだ研究は始まったばかりである。今後もサバクトビバッタの相変異の解明に尽力を尽くすと共に、バッタ問題に立ち向かっていきたい。最後に、研究に専念する機会を与えて下さった日本学術振興会にこの場を借りて御礼申し上げる。
著者
畠山 輝雄
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.80, no.13, pp.857-871, 2007-11-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
15
被引用文献数
5 5 1

平成の大合併では, 財政的な議論が中心となり, 住民サービスへの対応が後回しとなったため, 峠などのサニビスの地理的分断条件を伴う合併が全体の約4分の1を占めた. そこで, 地理的分断条件が高齢者福祉サービスへ与える影響について, 群馬県沼田市を事例に明らかにした. 沼田市では, 白沢地区と利根地区の間にある椎坂峠が通所サービスの分断条件となっていた. 合併後のサービス体制の不備の結果, サービス空間の再編成が行われたにもかかわらず, 峠越えによる時間的, 精神的負担および住民意識における旧市町村の枠組の残存が要因となり, 合併当初は地区間のサニビスの相互利用は進まなかった. 地理的分断条件を含む市町村においては, 合併後の高齢者福祉サービスに関する計画について, 市町村域を一体的に考えるのではなく, 地理的条件を考慮した上で, 旧市町村域もしくはさらに詳細な地域ごとに計画を作成する必要があ名.
著者
安田 正次 大丸 裕武 沖津 進
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.80, no.13, pp.842-856, 2007-11-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
25
被引用文献数
7 7

近年, 群馬県と新潟県の境にある平ヶ岳頂上部の湿原が縮小しているとの報告がある. そこで, 平ヶ岳湿原の面積の変化を航空写真より検出した. 航空写真補正用ソフトおよびGISソフトを用い, 航空写真をオルソ画像化して歪みを取り除き, 面積の算出を行った. その結果, 1971年から2004年までの33年間で湿原面積は10%縮小していた. 湿原が顕著に縮小している部分において植生調査を行った結果, 湿原内部ではハイマツを中心としたパッチ状の群落が侵入し, 面積の変化が大きい湿原縁部ではチシマザサが優占する群落が侵入していた. ハイマツとチシマザサの湿原への侵入の様子とその生態的特性を検討したところ, ハイマツは湿原へ先駆的に侵入して植生変化のきっかけとなり, 面積の変化にはチシマザサがより大きく寄与していた. こうした植生の変化は, 湿原の生成, 維持に関わっている積雪量が減少したことが原因であると考えられた.
著者
上杉 和央
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.80, no.13, pp.823-841, 2007-11-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
63

江戸時代, とりわけ18世紀以降の地図収集のネットワークについて, これまで具体的に論じられたことはなかった. 本稿では大坂天満宮祝部渡辺吉賢の収集した地図を出発点にして, 地図の貸借をしていたことが明らかな人物を網羅的に提示し, そのうち代表的な人物にっいて吉賢との関わりを論じた. そして, その上で地図収集のネットワークの広がりにっいて検討を行った. その結果, 日本中にネットワークが広がっていたこと, 身分や職業を越えて地図の貸借があったこと, そして世代を超えた時間的広がりを持ったネットワークになっていたことなどを指摘した. また, このようなネットワークは, 森幸安の地図作製にも関わるなど, 地図史の展開において不可欠な役割を担っていたことも明らかにできた.
著者
高橋 純一 山田 憲幸
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1257-1277, 2004 (Released:2005-03-28)
参考文献数
87
被引用文献数
9 17

誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)のバックグラウンドスペクトルには,試料やプラズマガスに起因する種々の多原子分子イオンが観測される.微量定量分析を妨害するこれらのイオンを除去する上で,質量分析計の手前にセルで囲ったイオンガイドを設け,気体分子とイオンとを衝突させる手法(collision/reaction cell)が非常に有効であることが示された.Collision/reactionガスの選択,セル内で副成するイオンの除去法,イオンの運動エネルギーの制御の仕方などにいろいろなバリエーションが見られ,少しずつ方式の異なる装置が市販されている.それらの原理,使用に際しての最適化,種々の試料への応用について概観する.試料への応用を通じて,期待される性能,あるいはその限界について紹介する.
著者
鈴木 均
出版者
一般財団法人 日本国際政治学会
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.173, pp.173_98-173_111, 2013-06-25 (Released:2015-06-09)
参考文献数
100

Due to Japan’s flood of export during the 1970s and 80s, Japan and the EC (European Community) member states faced trade conflict. Because the common foreign trade policy was launched in January 1970, member states were to abolish bilateral safe-guard measures and agree with Japan on a common foreign tariff. Negotiation between MOFA (Ministry of Foreign Affairs, Japan) and the European Commission, however, faced a deadlock. The Federal Republic claimed free trade and condemned France and Italy for keeping protectionist measures against Japan. Britain, however, took a unique position by both criticising Japan’s aggressive export as “abuse of free (trade) rules” on one hand, but also inviting Japanese companies, especially Nissan, to build a factory in Britain on the other. Margaret Thatcher decided to invite Nissan from the first day of her office. The British automobile industry, which had been heavily penetrated by car imports from Germany, France and Italy after Britain had entered into the EC in 1973, could export to the EC market vigorously and therefore reduce Britain’s trade deficit. A new Nissan factory would also reduce unemployment and boost economy in developing areas: Scotland, Wales or Northern Ireland. Due to its ambition to overtake its impeccable rival Toyota, Nissan agreed to Thatcher’s invitation, regardless of the costs and risks: the overall investment cost of 200 million Pounds, required high local contents of cars produced in the new factory, reliability of Britishmade parts, and frequent labour disputes. Nissan’s advance into Britain made Thatcher’s administration into a fore-runner of EC common policies of welcoming foreign investment into the EC, acquiring Japanese management techniques, and furthering free trade. For such sudden and drastic change of Britain’s EC diplomacy, Thatcher and her office was condemned not only by France and Italy but also by Germany as a “Trojan horse of Japan.”
著者
平野 智之 NGOC Pham Hieu 長谷川 浩志
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
最適化シンポジウム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, no.9, pp."301-1"-"301-2", 2010-12-09

In recent years, many researches of the biped robot for living side-by-side with people are reported. However, although many researches on a walking situation are reported, there is little research on the running situation. Therefore, we optimize the foot orbit of a biped robot using APGA (Adaptive Plan system with Genetic Algorithm). This optimization problem is tried by maximization of a reaching distance in the limit time, and its result is reported.