著者
川本 思心
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション = Japanese journal of science communication (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
no.19, pp.135-146, 2016-06

現在、科学技術政策において安全保障関連技術の研究が積極的に推進されている。一方で、大学や研究機関の対応は遅れている。デュアルユース研究(軍民両用研究)に関する意思決定において、研究者個人、研究組織、独立の審査機関、そして政府がどのような役割を果たすべきか、専門家による議論が求められる。その際、市民が大学や研究機関におけるデュアルユース研究をどのように捉えているのかを把握し、それを議論に反映させることが重要である。しかし、市民の意識について現状では十分に把握されていない。本稿はデュアルユース研究をテーマに開催した公開シンポジウム「デュアルユースと名のつくもの~科学技術の進展に伴う両義性を再考する」の参加者に対して実施した質問紙調査の結果について報告する。サンプルバイアスがあるため、この結果から議論できることは限定的である。しかし、賛成と反対が二分された結果は示唆的である。科学技術コミュニケーションの観点からも、デュアルユース問題に関して専門家と市民の議論を喚起する必要がある。
著者
細井 克彦
雑誌
教育学論集 (ISSN:02884909)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-16, 1988-05
著者
内海 美保 徳永 仁 山岡 由美子 高村 徳人
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.9, pp.657-666, 2010 (Released:2012-03-15)
参考文献数
11
被引用文献数
7 3

In order to clarify the status of clinical skills education in the faculties of pharmaceutical sciences at pharmacy schools in Japan,we carried out a questionnaire survey of such faculties at 74 schools in Japan.The results revealed that 67.9% of the pharmacy schools were providing clinical skills education such as that regarding physical assessment and assessment of vital signs.As for the amount of time spent in education on clinical skills,the median lecture time was 225 minutes and the median practical training time was 540 minutes.The ranking of lecture content was :[1]basic knowledge related to vital signs,[2]basic knowledge related to electrocardiography,[3]basic knowledge related to clinical laboratory test results,[4]pathophysiology and symptomatology and[5]Procedures for using assessment equipment,and the ranking of practical training :[1]primary or secondary emergency medical care,[2] assessment of vital signs,[3]electrocardiography measurements and analysis,[4]auscultation,[5]nursing and patient care.The ranking for equipment available at pharmacy schools was :[1]stethoscope (availability rate 50.9%),[2]mercury sphygmomanometer (41.5%),[3]AED trainer (24.5 %),[4]electrocardiograph (22.6%),[5]pulse oxymeter (20.8%).Based on the results of our survey,it is felt that clinical skills education in pharmaceutical science courses will enhance the professional capabilities of pharmacists,and enable them to make greater contributions in various fields including emergency medical care and home medical care.
著者
山本 めゆ
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
no.13, pp.5-17, 2014-05-31

本研究では、黄禍論の広がりととともにアジア人への排斥が進んだ20世紀初頭、南アフリカに移入した日本人の地位とその変遷に注目する。当国の移民政策に対して日本側はいかなる交渉、適応、抵抗を見せ、それは人種の境界をいかに動揺させたのか。反アジア主義的な移民法をめぐる研究史のなかにこれらの関心を位置づけながら、人種主義研究の観点から検討することを目指す。南アフリカでは19世紀後半よりインド人、20世に入って華人労働者が導入されたことによりアジア人排斥の動きが広がり、1913年にアジア人移民の規制強化を目的とする移民規制法が制定された。日本人がアジア人として規制の対象となったことに強い危機感を抱いた日本政府や領事館は、南アフリカ当局に対し粘り強い交渉を続けた。その結果、1930年に両国間で合意が交わされ、いくらかの制約を含みながらも、日本人の商人、観光客、研究者が禁止移民から除外されることとなる。その背景には日本側が渡航者の身分を商人や駐在員に限定し労働移民を排除するという方針を提示したことや、前年からの大恐慌で南アフリカが羊毛の市場開拓を迫られていたという事情もあった。本稿は、当時の日本人移民の地位について、バレットとローディガー(1997)によって提示された「中間性」概念を重視しながら粗描し、南アフリカの人種政策に対する日本側の批判とその限界について再検討を加える。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1751, pp.34-37, 2014-07-28

一般企業の場合、商品価格の引き上げは顧客の流出につながりかねないから、まずはぎりぎりまで自らの身を削る。そして契約内容もできる限り要望に応じようとする。確かに北電も、昨年の値上げの前提条件として折り込んだ368億円の効率化に今年は210億円を上乗…
著者
加藤 謙吉
出版者
専修大学社会知性開発研究センター
雑誌
専修大学社会知性開発研究センター東アジア世界史研究センター年報
巻号頁・発行日
vol.1, pp.51-66, 2008-03-17 (Released:2011-11-04)

文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業オープン・リサーチ・センター整備事業
著者
有田 博之 西口 猛 小川 一貴 本間 泰造
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.1119-1124,a1, 1987

農業集落排水処理施設の維持管理についてのアンケート (1985.9) 結果の分析。<BR>本報では,(1) 使用料,(2) その他施設関連事項についてとりまとめ, 問題点を概括した。<BR>使用料は定額制を採用する地区が多い。一般家庭以外の使用料徴収体制は不十分で今後検討の余地が残る。市町村の要望には維持管理のマニュアル化を求めるものが多い。また, 施設の更新費に対する補助体制の整備要望も強い。
著者
山田 哲好
出版者
史料館
雑誌
史料館研究紀要 (ISSN:03869377)
巻号頁・発行日
no.10, pp.p51-84, 1978-03
著者
堀内 久弥
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.241-245, 1980
被引用文献数
1 2

もち生地のレオロジー的測定を目的として,製法が簡単で均一な組織の生地がえられる白玉もち生地の実験室的調製条件を,針入度計による見かけの粘度から検討し,次の結果をえた.なお,硬化したもち生地に適した水分測定法を設定した.<br> 1.白玉粉捏和生地の加熱方法は,分割した白玉団子の煮沸より,全体を一度に蒸熱した場合のほうが,安定した糊化生地がえられる.<br> 2.練り笛し,型詰め後の冷却時間に従って見かけの粘度はS字状に増加して硬化するが, 48時間までは見かけの粘度は必ずしも濃度に比例しない.加水量45%以下の高い濃度では, 48時間以上冷却した生地の粘度増加は急激である.生地調製操作上で適当な濃度は加水量45%前後である.<br> 3.蒸熱時間は15分が最適である.<br> 4.乾式製粉のもち米粉末では良好な白玉もち生地はえられない.
著者
森泉 豊栄 宮原 裕二 塩川 祥子
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.98-114, 1985-02-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
86
被引用文献数
1

バイオセンサーは,生体の化学物質識別能力を利用した化学センサーである.特に酵素,抗体などの特異性を利用すれば,体液中の物質を高い選択性のもとに検出できる.本稿では,はじめにバイオセンサーの基本原理と酵素を使ったバイオセンサーの実用例を述べ,続いて,バイオセンサーの新しい研究勤向である半導体を使った小型化,複合機能化,集積化センサー,およびその他の電子デバイスと結合する試みなどを紹介する.
著者
志岐 常正
出版者
法律文化社
雑誌
人間生存の危機 : 地球史の中で考える
巻号頁・発行日
pp.1-25, 1984-03

I 人間生存条件の危機 : その本質と構造
著者
孟 琦 熊丸 陽奈 今村 美穂 中尾 隆人 小幡 明雄 菅原 悦子
出版者
The Japan Society of Cookery Science
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.214-220, 2014

調理加熱前後の生醤油と火入れ醤油から,香気濃縮物を調製した。香気濃縮物のGC-O分析により生醤油では火入れ醤油より甘く香ばしい香気成分が多く感知でき,スモーク様の香気成分は少ないこと,生醤油は調理加熱により感知できる香気成分が加熱前より増加することが判明した。AEDA分析により,生醤油で最も高いFDf成分は甘いカラメル様のHEMFと花様の2-phenylethanolであり,火入れ醤油ではHEMFと燻製様の4VGであることが判明した。さらに,調理加熱後も生醤油ではHEMFの寄与が最も高く,火入れ醤油ではHEMFの寄与度が低下した。甘く香ばしい香りを持つ生醤油は,調理加熱後も火入れ醤油と比較してより複雑な香りになることが明らかになった。さらに,官能評価により,調理加熱した生醤油の甘く香ばしい香りは調理加熱した火入れ醤油より有意に強いことが確認され,この香りの特徴は「豚肉のしょうが焼き」において好まれる傾向があることが判明した。
出版者
日本聖公会
巻号頁・発行日
vol.大正4年, 1914