著者
近藤 ふみ 定行 まり子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.74, no.645, pp.2371-2377, 2009-11-30 (Released:2010-04-01)
参考文献数
6
被引用文献数
2 10

Recently, there has been a great demand for day nursery in Japan. The floor space per person, which is provided in minimum standards for child welfare facility, has not been revised for 60 years though this is the only criterion for the environmental level in day nursery. The purpose of this study is to consider whether it is relevant to use the floor space of eating and napping per person, for the means to reconsider the floor space per person which is not said to be well-founded scientifically. We observed four-year-old-children in detail while they were eating and napping. We also measured each space of nursery rooms. 4 nurseries fulfilling the following criteria were selected; eat and nap in the same room,20-30 children for each class, 2.0m2 per person in nursery room. As a result, we found that eating and napping space is 0.80-1.65m2 and 1.22-1.44m2 per person, respectively. Therefore, we figured that the necessary space of eating was 1.03m2 per person and of napping was 1.40m2 per person, respectively(2.43m2 per person in total)in order to make comfortable nursery room. To conclude, the eating and napping floor space may become one of the effective index to develop the nursery environment hereafter.
著者
長澤 貴 田口 鉄久 Takashi Nagasawa Tetuhisa Taguchi 鈴鹿大学短期大学部 鈴鹿大学短期大学部 Suzuka Junior College Suzuka Junior College
出版者
[鈴鹿大学短期大学部紀要編集委員会]
雑誌
鈴鹿大学短期大学部紀要 = Journal of Suzuka Junior College (ISSN:21896992)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.95-108, 2016-03-10

平成27年4 月より施行された「子ども・子育て支援新制度」により、子ども・子育て支援のあり方が変化しようとしている。平成26 年より著者二人は、それぞれ鈴鹿市(長澤)、津市、亀山市(田口)の「子ども・子育て支援会議」で、各市の子ども・子育て支援計画の策定に携わってきた。3市の「子ども・子育て支援会議」の議論から、教育・保育(保育所・幼稚園、認定こども園)および子育て支援事業(延長保育事業、放課後児童健全育成事業、地域子育て支援拠点事業、一時預かり事業)の現状とこれからについて明らかにしていく。The implementation of "The Comprehensive Support System for Children and Childrearing" in April 2015 changed the methods for supporting child-rearing in Japan. From 2014, the two authors of this article were involved in establishing the guidelines for supporting child-rearing in the city of Suzuka (Nagasawa), Tsu and Kameyama (Taguchi). Based on the discussions of "The Committee for the Implementation of The Comprehensive Support System for Children and Child-rearing" in the above-mentioned cities, this article aims to explain the current situation regarding education and childcare (nursery, kindergarten, centers for early childhood education and care) and child-rearing support (extended-hours childcare, after-school childcare, child-rearing support centers, on-demand childcare) in Japan.
出版者
CQ出版
巻号頁・発行日
0000
著者
矢野 昌充
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.A3P3143-A3P3143, 2009

【目的】<BR>筋力が増大する要因として、運動単位の動員の増加や筋断面積の拡大が考えられている.<BR>後藤らによると,筋細胞の肥大は、筋細胞内におけるタンパク質の合成増加およびサテライトセルの融合によると述べており、筋細胞数の増加に関しては、負荷増大により個々の筋細胞が肥大すると同時に小さな中心核を持った新たな筋細胞の形成をもたらすとされている.<BR>また、温熱負荷による筋肥大の機序について、温熱負荷によりタンパク質の合成が分解に対して相対的に賦活化されることで、温熱負荷のみで筋肥大が引き起こすと述べている.<BR>我々は、第24回東海北陸理学療法学術大会において報告した、8回1セットという低い運動強度での同様の実験では、温熱負荷の影響を見出せなかった.そこで本実験では、極超短波を用い肘関節屈筋群に温熱負荷を加えた後に運動負荷を上げて筋力強化を行い、筋厚の変化を検証し,温熱負荷と筋肥大の関係を明らかにすることを目的とした.<BR>【方法】<BR>被験者は実験の主旨を説明し同意を得た、神経学的・整形外科的疾患のない健常男性19名、彼らを無作為に温熱群9名(年齢21.0±1.1歳)、非温熱群10名(年齢21.2±0.4歳<BR>)とした.温熱群には極超短波装置インバータパルスマイクロージョ MJI-800W(SAKAI社製)を使用し、照射距離は被検筋の膨隆部直上から垂直に10cmの位置にし、振動周波数は2450MHz、照射時間は10分間とし、肘関節屈筋群の最大膨隆部に温熱負荷を加えた.また、両群ともに筋力強化は、鉄アレイを用い、運動強度70%1RM、反復回数は10回を3セット、頻度は週に3回、実験期間は6週間とした.筋厚の測定は、超音波診断装置(日立メディコ、ECHOPAL2)を用い、実験前後の肘関節屈筋群の最大膨留部を測定し比較・検討した.各群における実験前後の筋厚と両群の筋厚の変化度の比較は、各々、対応のあるt検定と対応のないt検定を用いた.有意水準は5%とした.<BR>【結果】<BR>温熱群において、実験前29.6±4.4、実験後31.8±5.5であり有意差を認めた.非温熱群の実験前後および両群の筋厚の変化度比較においては有意差を認めなかった.<BR>【考察】<BR>本実験では、温熱群では実験前後に有意な筋厚の増大が認められ、非温熱群では認められなかった.このことから温熱負荷によって筋肥大が生じる一定の効果があることが示唆された.しかし、両群の筋厚の変化度の比較では有意差は認められなかった.本実験では、被験者数が少なく、被験者間の効果に差違があったことが推察される.また、後藤や小島は,低温かつ長時間の温熱負荷は筋肥大を引き起こし、筋力増強をもたらす刺激になり得ると報告している.本実験の極超短波による10分間の急速な温熱負荷方法では,筋タンパク質の合成の賦活化は不十分であったことも伺われ、今後さらに、筋力増強につながるような筋肥大には温熱負荷方法と筋力強化方法を、さらに検討していく必要があると考えられる.
著者
五十嵐 世津子 森 圭子
出版者
Japan Academy of Midwifery
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.64-70, 2005-06-30
参考文献数
6

<b>目的</b><br>不妊治療を受ける多くの女性は, 様々な思いを内面に抱えながらも, 時々に折り合いをつけながら対処し生活をしていると考える。この研究の目的は, どのように自分を納得させ対処しているのか, 彼女らの「語り」を通して知ることである。<br><b>対象と方法</b><br>研究対象者は, 婦人科クリニックで一般不妊治療を定期的に受けている女性4名である。非構成的面接を行い, 不妊であることに起因して自分の思いを語っている部分に着目し, 周囲からの圧力などに対し, 自分の感情・行動を納得させている, あるいはコントロールしている内容を, 不妊治療を受けている女性の『対処』と考え, 分析のデータとして抽出した。さらに類似の内容をまとめテーマをつけた。<br><b>結果</b><br>周囲から「聞かれる」けれども【聞き流す/言わない】, 「落ち込む」けれども【落ち込まないように】, 「深刻になる」けれども【深刻に考えないように】, 「自分だけ」と思うが【自分だけでない】, 「このまま・頑張る」けれども【できないかもしれない】という『対処』の仕方が見いだされた。<br><b>結論</b><br>【聞き流す/言わない】ことは, 日常の生活の中で人間関係に軋轢を生じさせないための方策の一つと言える。そして, 「落ち込み」「深刻」「自分だけ」と, 自分を追い詰めてしまいそうな孤独の中で, 【落ち込まないように】【深刻に考えないように】【自分だけでない】と思うことは, 自分自身の心の「均衡を保つ」対処であり, 「傷つかない」ための方策となっている。
著者
石倉 慎也 塚田 章 佐々木 和男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.98, pp.1-8, 2000-05-19

運動の開始あるいはそのイメージがヒト成人の自発呼吸位相に与える影響を位相遷移曲線(PTC)を用いて調べた。鉄アレイなしであるいは1から3kgの鉄アレイ(負荷)をもって腕を振り上げたとき、被験者Bは負荷の如何に関わらず1型のPTCを、一方CとDの被験者は0型のPTCを示した。被験者AのPTCは負荷がない場合1型であったが、負荷がかかると0型に変化した。CとDは腕の振り上げをイメージするだけでも0型のPTCを示した。しかし、被験者が自ら能動的に腕を振り上げるのではなく、実験者が被験者の腕をもって振り上げた場合にはCとDのPTCは1型であった。運動として歩行を用いた場合にも同様の結果が得られた。これらの結果は、被験者によっては運動開始のプログラムやそれに基づく遠心性情報情報が呼吸リズムに影響することを示す。
著者
稲垣 千果夫 沖田 容一 折田 洋造
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.1603-1610, 1983

新生仔ゴールデンハムスターにおける蓋膜辺縁のコルチ器表面との接続形態について, 特に marginal pillar (MP) をスチレン樹脂割断法を併用してSEMで観察し, 次のような結果を得た.<br>1) MPは生後4-6日目の下方回転より出現し, 生後10-14日目にも顕著となり, 生後16日目には消失していた.<br>2) MPの出現部位は Deiters 細胞第三列目の細胞表面であり, 蓋膜下面への付着部位は辺縁よりもやや内側 (蝸牛軸側) であった.<br>3) 生後5-10日目頃では, Deiters 細胞第一列目, 二列目の細胞表面にもMPと同様の構造物を認めた.<br>ハムスターでは, MPの消失するのは聴毛の形態が完成した直後であり, 他の動物による諸家の報告を考え合わせれば, MPはコルチ器が完成するまでの間, 蓋膜を固定, 保持する作用を持つことは間違いないものと思われ, MPの消失がコルチ器の発達完了を示す指標になるものと考えられた.
著者
辻田 右左男
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.5, pp.p32-47, 1976-12

ここ数年来,筆者はイギリスの作家ダニエル=デフォー DanielDefoe に大きな関心をもち,可能な範囲で,彼の著作や評伝の入手につとめて来た. 1人の地理学徒として英文学の領域に足を踏み入れるのは場違いであるが,Defoeの作品に,17~18世紀のイギリスの地理学が集約的に投影されていると信じたからである.筆者がDefoeに興味をもちはじめたのは,小・中学校時代机を並べた竹馬の友大塚久雄氏の示唆によるところが大きい.大塚氏は Defoe のロビンソン=クルーソーを経済人(経営者)としてとらえ,ロビンソンが無人島においてイギリス入らしく囲い込みをしたり,借方貸方のバランスシートをつくっていたとし,日本の社会に新しいロビンソン像を移植した.それだけでなく, Defoe の『ブリテン周遊記』が産業革命前夜のイギリスの産業・農村の状況,とくにマニュファクチャーの様子を生き生きと描写していると指摘,わが国の経済史学に Defoe 研究の重要性を導入した.大塚氏はまた Defoe の産業都市計画にも注目しているが,経済史の側からみて興味のある Defoe の著作は,もしかしたら地理学に対しても何かを語りかけているのではないか.こういう期待が筆者を Defoe に drive させる1つの動機となった.その後,イギリスの地理学者 Baker が「ダニエル=デフォーの地理学」という論文を公にしているのを知り,これに勇気づけられ,1974年6月,人文地理学会地理学史部会で「ダニエル=デフォーと地理学」と題し,中間報告の形で発表を試みた.京都大学楽友会館で行なわれたこの例会には,恩師小牧実繁博士はじめ,室賀信夫・西村睦男・海野一隆・高橋正など,わが国地理学史の代表的学者が出席され,会後,貴重な御示教に与った.しかし筆者としては,この例会後,もう一度 Defoe の地理学を再掘するつもりは毛頭なかった. ただ「人文地理」(26巻5号)に掲載した研究発表の要旨に,1,2重大なミスがあることに気付き,機会があれば,これを訂正したいとは思っていた.
著者
中田 充 葛 崎偉 吉村 誠
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

古典文学作品に書かれた手書き文字を対象とした文字認識手法を提案し,それに基づいた認識プログラムを試作した.本手法では,特徴グラフを用いて文字の構造を表現する.認識対象文字と認識用辞書に含まれる既知文字(辞書文字)の類似性を計算し,認識対象文字を最も類似性の高い辞書文字として認識する.次に,源氏物語中に書かれた文字を対象として評価実験を行った.その結果,一文字毎に切り出された文字を対象とした場合の認識率は76.6%であり,続け字を含む縦一行を対象とした場合の認識率は54%であった