著者
武田 豊彦 鈴木 裕介 稲津 邦平 坂元 照男 前川 秀幸
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
薬学雑誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.109, no.6, pp.p395-401, 1989-06

Cephalothine sodium (CET-Na) in crystals can be obtained by freezing the aqueous solution and subsequent warming at a fixed temperature for facilitating crystallization prior to vacuum application for drying. The product has, however, been found to unavoidably contain traces of the amorphous CET-Na, which causes a rapid color development during storage. By using thermal analysis, differential scanning calorimetry (DSC), electric conductometry, and polarized light cryomicrographic techniques, the solubilities in water, freezing point, eutectic point, and melting behavior of CET-Na in aqueous solution were investigated. The investigation demonstrated that CET-Na in supersaturated aqueous solution is very stable, and that seeding with microcrystalline CET-Na to the supersaturated solution and subsequent cooling of the mixture till its freezing point gives neither any evidence for crystallization nor for growth of the seed crystals. The freeze-drying of CET-Na in the supersaturated solution after seeding has been demonstrated to give crystalline CET-Na contaning neither of amorphous nor of quasicrystalline form.
著者
豊田 啓孝 渡辺 哲史 五百旗頭 健吾 古賀 隆治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.300, pp.33-38, 2010-11-12
被引用文献数
8

送受信器が平行ケーブルで接続された3導体系の伝送線路が,システムグラウンドからある一定の距離を隔てて設置されている場合を対象として,モード等価回路を構築した.実電圧・電流の直交モード分解に基づき導出された直交モードの変換行列は,モード電圧間,モード電流間のみのモード変換を表現する.電流配分率の異なる線路を接続した場合では,線路の接続位置にモード変換電圧源やモード変換電流源を挿入することに相当する.モデル評価では,誘電体を含まない導体のみからなる簡単な系を対象とした.提案法では,ノーマルモード等価回路,コモンモード等価回路を別々に構築し,モード変換電圧源やモード変換電流源に両者を結び付けることで回路シミュレータを用いて解くことができる.解析対象を結合伝送線路と考えて回路シミュレーションで解いた場合とは非常によく一致した.さらに,フルウェーブ計算で得られたモード電流のスペクトルとも概ねよく一致した.フルウェーブ計算ではTEMモードが前提ではないため,TEMモードからのずれが計算結果に影響することを確認した.
著者
神庭 純子 藤生 君江 吉川 一枝 山口 明子 中野 照代 荒木田 美香子 仲村 秀子 山名 れい子
出版者
岐阜医療科学大学
雑誌
岐阜医療科学大学紀要 (ISSN:18819168)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.47-53, 2007

乳幼児健診の場を育児支援の機会としてとらえ,継続的なフォローアップを行うことが求められている。そこで,育児機能アセスメントッール(PAFFAT. ver. II)を用いた調査を行い3歳児健診における要経過観察群(92名)と非経過観察群(332名)を対象として育児機能の比較を行った。その結果,要経過観察群と非経過観察群において有意な差がみられた項目は4項目であった。家族の情緒機能における「家庭内の重要な決定をするのに家族がいてくれてよかったと思う」,家族の健康機能(遊び)における「子どもを友達と遊ばせている」,家族の教育的機能における「弱い人や動物を大事にするように話している」,育児満足感における「子どもを授かってよかったと思う」の各項目において,要経過観察群の方に否定的な回答が多くみられた。また,母親の経過観察が特に必要であると判断された群では,育児負担感因子4項目において育児機能の低下がみられ,育児負担感を強く感じているという結果であった。要経過観察群の育児機能の特徴をふまえて,健診後の継続的な育児支援をしていくことが重要である。
著者
佐藤 健一 北山 研一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.94-103, 2002-02-01
被引用文献数
13

超大容量のWDM伝送技術の導入が進み,伝送容量の拡大が急速に進んでいる.また,光信号を電気信号に変換することなく光のままでルーチング(クロスコネクト)等の処理を行うフォトニックネットワークの研究開発が各国で進められている.本稿では,IPオーバオプティカルパス,フォトニックMPLS,更には光ブロック転送技術であるフォトニックバーストスイッチングやフォトニックパケットルーチング等の最先端のフォトニックバックボーンネットワーク技術を解説する.
著者
近藤 弘幸
出版者
東京学芸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

日本におけるシェイクスピア作品の翻案・翻訳受容について、フェミニズム理論を用い、またナショナリズムの観点から分析した。フェミニズム分析としては、日本で初めて女性としてシェイクスピア作品の全訳に取り組んでいる松岡和子の翻訳について、その功績と問題点を指摘した。ナショナリズムの観点からは、『オセロー』の翻案小説である宇田川文海『阪東武者』を、日本が「西洋化」することの不安を反映するテクストとして分析した。
著者
小倉 加奈代 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.98-111, 2006-01-15
参考文献数
13
被引用文献数
4

日常の対話では,対話参加者全員が単一の話題を一定時間共有し,その話題に関連がある発話を行う必要がある.しかも,基本的に話し手は1 人だけで他は聴き手となることが求められるため,今交わされている話題とは直接に関係ないが,何か興味深い話題やすばらしいアイディアを思いついたとしても,それを思いついたときにすぐ話すことは許されない.その結果,せっかく思いついた内容そのものを忘れてしまうことがしばしば起こる.このように,音声対話は非常に効率が悪い側面を有している.そこで本論文では,リアルタイム・マルチスレッド対話を容易に実現可能とする音声コミュニケーションシステムを提案する.試作システムChaTEL を用いて被験者実験を行ったところ,本システムで採用した相手指定/先行発言対応機能により,これらの機能を持たない単純な音声コミュニケーションシステムよりも1 秒単位でのスレッド数,分岐数,最大同時存在スレッド数,複数スレッド同時存在の継続時間がいずれも多くなることを確認し,本システムにより音声でのマルチスレッド対話が可能となることが明らかとなった.We usually have to share single topic-thread in an everyday conversation for a while and to talk about what is related to the current thread. Moreover, we have to keep a rule of turntaking: there can always be only one speaker and the others should be listeners. Therefore, it is impossible for people who do not have "turn" to talk about what they want to talk even if they think of interesting topics or good ideas. As a result, regrettably, they often forget the topics or ideas. Thus, such a daily conversation has an inefficient aspect. Hence, in this study, we develop a novel communication system to achieve "multi-thread voice communication", named "ChaTEL". We show results of experiments with subjects for evaluating our system. Based on the results, we confirmed that, with using ChaTEL, a number of threads, a number of adjacent pairs, maximum number of concurrent threads and the duration of multithreaded conversations are more or longer than those of a simple voice communication system. Consequently, we can conclude that ChaTEL facilitates the multi-threaded conversations.
著者
Jufeng Xia Peipei Song Lingzhong Xu Wei Tang
出版者
バイオ&ソーシャル・サイエンス推進国際研究交流会
雑誌
BioScience Trends (ISSN:18817815)
巻号頁・発行日
pp.2015.01047, (Released:2015-04-21)
参考文献数
15
被引用文献数
4

Over the past few years, genetically modified organisms (GMO) have gradually become more familiar after numerous reports of problems with GMO safety, such as genetically modified (GM) potatoes disrupting immunity, GM corn inducing tumors, and GM rice being fed to unwitting Chinese children. Every time, these reports cause panic among the population and lead to objections to GMO in various fora. After each incident, the scientific community has delivered its academic appraisal and refuted rumors through slow and cautious investigations and evaluations. Unfortunately, during each event media outlets quickly scare the public about food safety and ignore the ensuing comments from scientists. Although scientists have investigated each GMO crisis and reached scientific and rational conclusions, they have less ability to disseminate information than the media, so the public is not promptly informed of their rational and objective viewpoints as experts. Thus, scientists need greater ability to disseminate information from scientific investigations and evaluations in order to correct the intemperate reporting by attention-seeking media.
著者
大岩元 高嶋 孝明 三井 修
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.772-779, 1983-11-15

日本語入力は 日本のオフィスオートメーションにおける最重要課題の一つであるが タイプライタの使用に慣れないために キーボード入力が必要以上に嫌われている.タッチタイプに関する山田らの研究に基づいて 一般人の使用にもたえると同時に 入力専門家の高速入力にも使える 多ストローク直接入力方式の可能性について検討し 30キー鍵盤を用いた一つの入力コード体系TUTコードを提案する.カナのコードは50音表の「行」と「段」の構造を利用して 体系的に設計してあるので 左手で「行」 右手で「段」を指定することにより 全部で16個のキーだけを用いて 濁音 半濁昔 よう音を含むすべてのカナを入力することができる.したがって 3時間の練習でカナをブラインド・タッチで入力することが可能となり カナ漢字変換の入力を一般人が効率的に行うことができる.漢字は残りのキーを用いて 725字を2ストロークで さらに1 800字を3ストロークで入力する.コードの設計にあたっては 連想は排して 文字の出現頻度と指の動きやすさのみを考慮して行った.とくに2ストローク入力については2字続きの文字組の出現頻度まで考慮したので 熟語が打ちやすいという特長が生まれた.これによって 入力専門家による高速入力が可能になると期待される.

2 0 0 0 OA 近古小説新纂

著者
島津久基 編
出版者
中興館
巻号頁・発行日
vol.初輯, 1928
著者
武内 ゆかり 森 裕司 菊水 健史
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

同一犬種内における気質の個体差の遺伝的背景を探る目的で,日本古来の柴犬と使役犬としても名高いラブラドールレトリバー種(盲導犬候補個体)に着目し,柴犬では飼い主による気質評価アンケートと,ラブラドールレトリバー種では訓練士による訓練評価記録と,主に申請者らが同定した気質関連遺伝子の多型との関係を解析した。その結果,柴犬では,他人に対する攻撃性とsolute carrier family 1, member 2遺伝子の一塩基多型が,ラブラドールレトリバー種では,活動性と同多型およびcatecholamine-O-methyltransferase遺伝子の一塩基多型が有意に関連していることが明らかとなった。

2 0 0 0 紙芝居

出版者
日本紙芝居協会
巻号頁・発行日
no.1, 1946-11
著者
山内 俊平 中井 恒男 国広 敏之
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
関西造船協会誌 (ISSN:03899101)
巻号頁・発行日
no.83, 1956-09

Two liberty ships, the "EVILIZ" and the "EVICYNTHIA", were elongated and reconstructed at the Innoshima Shipyard of Hitachi Shipbuilding and Engineering Co. Ltd.. Seizing this opportunity the authors measured the distribution of the locked-in-stresses along the cutted cross section of the vessels. This paper contains the results of measurement and brief consideration on them.
著者
栩木 憲一郎
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.23, pp.148-159, 2011-09

本論文は1790年代のドイツにおけるカントとフィヒテという二人の政治思想家の永遠平和にむけた政治理論の展開に焦点をあて、その一定の概説を試みる。前者であるカントは平和論の古典とも言うべき『永遠平和のために』(1795 年)で政治思想史上著名な人物であり、その永遠平和に向けた議論に対する後世の注目はきわめて高い。しかし他方、後者であるフィヒテが1790年代においてカントの問題意識を引き継ぎ、カントと同様に永遠平和に向けた政治思想を独自の形で展開しようとしていたことは、あまりこれまで注目されては来なかった。本論文では1790年代におけるカントの『永遠平和のために』における議論の展開と、このカントの著作に対するフィヒテの書評を取り上げ、当時のドイツにおける政治思想の展開の一端を明らかにしようとするものである。