著者
高橋 博巳 安藤 隆穂 玉田 敦子 鷲見 洋一 伊東 貴之 川島 慶子 長尾 伸一 逸見 竜生 寺田 元一 渡辺 浩 堀田 誠三 渡辺 浩
出版者
金城学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

当プロジェクトは、18世紀の公共知の東西比較を中心に、内外の研究者と共同研究を行ってきた。とくに朝鮮通信使を介しての日朝比較には、韓国の研究者と知見を共有し、当時の文芸共和国的な側面を解明することによって、これまで国ごとに分断されていた文学や思想の研究に新生面を開くことができた。これに比べると、清朝の文人や思想家とのより広範な知的交流の解明はなお道半ばと言わざるを得ず、より一層の深い解明が期待される。個別には伊東は『心身/身心と環境の哲学』、寺田・逸見らは『百科全書の時空 典拠・生成・時空』、長尾は『複数世界の思想史』において、従来の視点を大きく転換したり深化させて、新生面を開いている。

2 0 0 0 OA 発刊のことば

著者
今沢 豊正
出版者
日本地図学会
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.1-1, 1963-04-25 (Released:2011-07-19)
著者
佐々木 政則 川合 祐史 吉水 守 信濃 晴雄
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.928-937, 2004-11-15
被引用文献数
8 12

シロサケ肉を主原料としていずしを製造し,原料の前処理過程(水晒し,仮酢漬け)と樽漬込み後,低温(5℃前後)熟成過程における化学成分と徹生物相を観察した。いずしは漬込み35日以降に食用可能となり,44日後にいずし特有の風味が生成した。いずしの有機酸は酢酸主体であり,熟成中のpHは5以下を維持した。熟成中に生菌数の著しい増加はなかったが,漬込み14日以降に一般細菌ではBacillus属が優勢となり,35日以降,乳酸菌ではLeuconostoc msenteroides subsp. Cremorisが,酵母ではDebaryomyces hanseniiが優勢種となった。
著者
原田 一敏
出版者
独立行政法人国立博物館東京国立博物館
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

自在置物は、動物や昆虫など、それらが本来的に持っている体を動かせる機能までも動かせるように作った置物である。本研究は、自在置物の歴史の探求と、それがいかにして動かすことができるかを理解するための復元にある。歴史の研究については、昨年度、メトロポリタン美術館、フライングクレインアンティークス、オリエンテーションギャラリー、ボストン美術館、ヒギンス・アーマリー博物館など海外の作品を調査したが、17年度は日本国内の遺品調査に重点を置いた。石川県立美術館では蛇、佐賀県鍋島報公会では龍、清水三年坂美術館では鯉、鯱、蝉、かまきり、蝶、蜂、カミキリムシなど総計で15点調査をするとともに、写真撮影を行った。これらの調査により明珍性の甲冑師の作品については、作者によって得意とする分野があり、たとえば明珍宗長は手長海老やヤドカリ、明珍吉久は鯉を複数製作していることなどが確認できた。また京都の高瀬好山工房の歴代の作家の作品を知ることができた。復元的研究については、16年度、明治時代以来自在置物を作っている工人の家に生まれた京都在住の冨木章(工人名は宗行)氏に伊勢海老の部品の制作を依頼するとともに、その制作過程を映像記録した。17年度はその完成品の制作を依頼し、完了した。これによって伊勢海老については、その制作法が明らかとなり、今後鍛金、彫金の専門家であれば、だれでもこの伊勢海老が作れることとなり、技術の伝承が可能となった。
著者
宮竹 貴久 岡田 賢祐
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

オオツノコクヌストモドキの闘争行動の勝敗と記憶力の関係を調べた。本種のオスは勝利の経験は覚えないが、敗北の経験は4日間覚えていた。人為選抜実験によって闘争の記憶時間には遺伝変異のあることを明らかにした。本種では敗北期間中は戦いに投資しないが、射精への投資を増やした。オスは敗北経験による学習によって、交尾後のオス間競争である精子競争の投資を調整した。さらに雄同士が後脚を用いて配偶者獲得のために闘争するホソヘリカメムシを用いて闘争行動に明瞭な日内パタンのあることを明らかにした。
著者
李 景みん
出版者
札幌大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

本年度は主として、北朝鮮における大戦の終結について研究した。ソ連軍は一般に言われるほど、参戦当初において、破竹の勢いで北部朝鮮に進撃したのではなかった。日本軍の抵抗は根強く、日本が降伏した8月15日の時点で、ソ連軍は成鏡北道で足踏み状態であった。しかし、戦争が終結し各地において戦闘が停止すると、その先遣隊は順調に南下を始めた。そして、8月24日には平壤に進出した。8月30日までには北朝鮮のほぼ全域を制圧するに至った。ソ連軍の進駐と同時に日本軍の武装解除が行なわれ、北朝鮮の各地はソ連軍の占領状態に入った。日本の植民地行政機関はソ連軍によって接収され消滅したが、それに取って代わり、朝鮮民衆の自治機関が占領軍当局の力によって新たな権力機関として誕生した。確かに、ソ連軍は、米軍とは異なり、表面的には朝鮮民衆の自発的な行動を認め、間接的な占領統治体制を施いた。長年民族の独立を希求してきた朝鮮民衆は、こうしたソ連軍を解放軍として歓迎したのである。しかし、ソ連軍は社会主義者を中心に「人民政治委員会」を樹立し占領政策に臨んで行った。それは朝鮮民衆の反発をかうものとなった。
著者
高橋 英和
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.474-483, 2003-06-10 (Released:2010-08-10)
参考文献数
5
被引用文献数
4 8

義歯安定剤には, 義歯粘着材と呼ぶべき粘着性の強い製品群と, 義歯床と口腔粘膜の間隙を補填して, 適合性を改善することで吸着性を向上させる家庭用裏装材 (ホームリライナー) の製品群に分類できる. 義歯粘着材では, さらに製品形状により粉末タイプ, クリームタイプ, テープタイプに分類できる. 義歯粘着材の主要成分は, 天然ゴムもしくは水溶性高分子であり, 口腔内や義歯の水分を吸収して膨潤し, 粘着性の高い液体となり, 義歯の維持力を増加させる. それに対しホームリライナーの主成分はポリ酢酸ビニル樹脂であり, 義歯と粘膜面の間隙を閉鎖することで維持力を発揮させる. 使用時にゴム弾性を示すのでクッションタイプとも呼ばれる. 義歯安定剤の接合力を測定したところ, 義歯粘着材は被着材の種類にかかわらずある程度の接合力を発揮するが, ホームリライナーはアクリル板でのみで大きな接合力を発揮する. また, 義歯安定剤には厚みがあるため, 咬合関係を誤った位置に導くことが懸念される. 実際にこれらを口腔内で使用したところ, 義歯粘着材は義歯の吸着を改善するが, 粘膜面からの除去が難しく, 不潔になりやすい. ホームリライナーではあまり義歯の吸着を改善しなかった. このように, 義歯安定剤は義歯粘着材とホームリライナーで大きく性質が異なり, 区別して考える必要がある.
著者
Naoto Takahata Reika Yokochi Yoshiro Nishio Yuji Sano
出版者
GEOCHEMICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
GEOCHEMICAL JOURNAL (ISSN:00167002)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.299-310, 2003-06-20 (Released:2008-04-08)
参考文献数
32
被引用文献数
9 15 12

Twenty three gas samples were collected from hot and mineral springs associated with Ontake volcano in central Honshu, Japan from June 1996 to June 2000. The chemical compositions, He, Ar, C and N isotopic ratios were measured using a gas chromatography, noble gas and stable isotope mass spectrometers, respectively. The 3He/4He ratio decreased with increasing distance from the central cone of the volcano to the sampling site, while δ13C value of CO2 increased with the distance. Such trends are consistent with those observed from November 1981 to June 1993 in the literature, suggesting that source of magmatic helium and carbon is located beneath the volcanic cone and they are continuously emitted into surroundings. The δ15N value of N2 increased with the distance while most 40Ar/36Ar ratios were similar to the atmospheric value. Magmatic nitrogen may also be carried by a fluid flowing through the volcanic edifice and diluted by crustal nitrogen. Significant increase of 3He/4He ratio from 1996 to 2000 was observed at the site close to the fault formed by a M6.8 earthquake that occurred in September 1984, which agrees well with the 3He/4He change from November 1981 to June 1993. Anomalous increase of δ13C value was observed at Shirakawa site from June 1993 to June 2000. The change cannot be explained by a simple two-component mixing between magmatic and crustal end-members and may require another model with three end-members, mantle, limestone and sediment.
著者
森 浩一 蔡 暢 岡崎 俊太郎 岡田 美苗
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.29-44, 2013-08-30

To elucidate the neural basis of stuttering, brain activation for reading words was compared between adults who do and do not stutter (AWS/ANS) with functional MRI. Japanese native speakers read aloud familiar (F), unfamiliar (U) and pseudo- (P) words of 4 or 5 syllables. P contained much fewer native syllable sequences than F or U. F primarily activated the left angular/supramarginal gyri (lAG/SMG), U Broca's area, and P the left ventral premotor/motor areas (lvPMA/MA), respectively, in ANS. AWS showed lower activation in lAG/SMG and Broca's area, but higher activation in lvPMA/MA, implying that AWS cannot read native syllable sequences as efficiently as ANS.
著者
湯川 武
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.89-95, 1971-10

特集東西交渉史
著者
三井健史 伊藤智也 中西勇人 濱川礼
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.1-6, 2014-05-30

本論文では,SNS の投稿に含まれた感情を記録するライフログシステム 「Emote」 について述べる.近年,様々なライフログシステムが流行している.ライフログのために画像情報,音声情報,位置情報,感情情報などを記録している.画像情報,音声情報,位置情報はデバイス機器の発達により自動化が発達した.だが,感情取得の自動化は中々進んでいない.そこで Twitter,Facebook の投稿文の感情を分析し,分析結果を自動的に記録していくライフログシステム 「Emote」 を開発した.「Emote」 では Twitter,Facebook 各投稿から感情分析を行い,各感情を可視化し手軽に利用できるライフログシステムの提供を目的とする.事前に SNS(Twitter) の投稿データ,約 3 万件を収集し,これらの投稿から自然言語処理とナイーブベイズ分類器を用いて単語ごとの感情を学習させた.「Emote」 では,その学習データを用いて Twitter,Facebook に投稿されている各文章の感情を決定している.それらを用いて,各投稿を自動的に 6 つの感情に当てはめ感情をカレンダーとともに色で表現している.
著者
山崎 正勝
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

この研究の発端となったのは,1994年放映のNHKの番組,「原発導入のシナリオ〜冷戦下の対日原子力戦略〜」である.原子力問題に関する柴田秀利(『戦後マスコミ回遊記』)の役割を,その番組ではじめて知ることができた.初年度は,アイゼンハワー図書館の資料を調査整理することに費やされた.同図書館で得られた重要な資料は,国家安全保障会議の原子力関係文書である.翌年,国立公文書館で国務省関係の資料を収集した.これらの資料から,アメリカ政府はビキニ事件の直後から,日本への原子力の平和利用計画を積極的に展開しようとしていたことを理解することができた.目的は,ビキニ事件で日本国内の反米,原水爆禁止活動を相殺することだった.柴田秀利の活動は,このアメリカの戦略に助けられたのではないかというのが,その時の感想だった.第3年度には,柴田秀利氏が残した文書の調査を行った,日米の資料をつき合わせることで,柴田秀利の活動の背後に,アメリカ政府の対日政策が存在していた事実をあらためて実証的に確認できた.また,柴田の『戦後マスコミ回遊記』で,柴田とアメリカとの橋渡しをしたとされているダニエル・スタンレー・ワトソン氏が,当時,国連軍の指揮官の任務に就いていたジョン・ハルの部下であった事実も明らかにできた.この関連で,柴田秀利氏の手紙から,氏の「毒をもって毒を制する」(原子力{平和利用}という毒によって日本国内の原水爆禁止運動と反米感情という毒を牽制するという意味)発言の時期が,1954年12月末であったことがほぼ確定できた.
著者
松井 道夫
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.230, pp.42-44, 2003-11

——「みんなが西向きゃ俺は東」。近著のタイトル通り、「あえて普通の人間がやりそうなことの逆をする」。証券業界を変えた逆バリ発想の原点は? ひねくれているだけですよ。劣等生の処世術ですね。僕は、劣等生の意識が非常に強い。小学校の時もサラリーマン時代も、何をやってもほかの連中に敵わない気がしてならなかった。
著者
深見 嘉明
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.486-491, 2013

2013年7月にGoogleはRSSリーダー,Googleリーダーのサービス提供を終了した。変わって情報収集ツールとして活用されているのが,TwitterやFacebookなどのタイムラインインターフェイスをもつサービスである。用いられるツールの変化により,情報収集はコミュニケーションと一体化して,論点の創造まで一気通貫になされるようになった。タイムラインインターフェイスは,コミュニティベースでの価値創造を一般化,ならびに迅速化したのである。本論文では,ソーシャルネットワーク上のタイムラインが実現した価値創造プロセスの変化と迅速化について,筆者の経験に基づいて分析するとともに,その対処について考察する。

2 0 0 0 OA 数学大全

著者
林茂増 著
出版者
帝国教育研究会
巻号頁・発行日
1914