著者
由井 剛 北井 保夫 野原 勝 小原 秀雄
出版者
一般社団法人日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.383-389, 2012-10-05
参考文献数
2

イプシロンロケットはM-Vロケットと同じく,内之浦宇宙空間観測所(USC)で組立,点検,打上げを行う.その際使用する地上系(施設,設備)は,既存のものを有効活用しつつ,新たな目的を持って新規開発,改修を計画した.新たな目的とは,運用の革新,つまり省人化,時間短縮,機動性,安全性の大幅な改善を実現することである.ここでは,イプシロンロケットが目指すコンパクト(少人数,短時間で実行可能)な点検・整備・打上げを可能にする自動・自律点検,ロケット管制のモバイル化(移動可能式),安全性と運用性を格段に高めた打上げを可能にする遠隔地打上げ運用を実現する地上系の開発について紹介する.
著者
高橋 善隆
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.A77-A90, 2009-09-15

アメリカ合衆国で最大のマイノリティ集団となったヒスパニックは政治の世界にどのような影響を与えているのか。2008年の大統領選挙ではニューメキシコ、ネバダ、フロリダなど民主党が共和党から奪った多くの州でヒスパニックの動向が重要であったとされている。2004年には必ずしも民主党支持を明確に示さなかったヒスパニックが2008年にはオバマの勝利に貢献したのはなぜなのか。 また人口構成の上でのシェアの拡大ばかりでなく社会的内実や質的変容においてヒスパニックはアメリカ社会にどのような変化を及ぼしているのか。 移民法改正をめぐる政治過程、移民に敵対的なカリフォルニア州の住民提案との対抗関係、西海岸にみられる新たな労働運動の担い手としてのヒスパニックの活動、などの検討を通じてヒスパニックが現代アメリカに与えているインパクトと更なる潜在的可能性について考察してみたい。
著者
小林 孝一郎 村上 真由美 富山 徹 加藤 真理子 中屋 泉美 武田 美和子 横山 雄子 平井 紀子 河上 浩康
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.371-375, 2013 (Released:2013-08-29)
参考文献数
5
被引用文献数
2

【目的・方法】在宅緩和ケアにおける多職種間の速やかな情報共有と緩和ケアチームによる苦痛緩和支援を目指して, ITクラウドを活用した地域医療支援システムEIRを導入した. 試用期間半年間に, 緩和ケアチームが関わって在宅緩和ケアに移行した5事例を対象として, 関わった医療者11名にアンケート調査を実施して, 有用性について検討した. 【結果】入力装置として全員がパソコンを使用, iPhone併用は4名, 現場で入力した経験があるのは2名であった. 入力時間は9名が5分以下で, 閲覧はさまざまな装置と場所で行われていた. 有用性は, 至急・重要メールは役立ちましたか: 3点6名, 2点3名, 1点1名, 0点1名, 情報量は適切でしたか: 3点9名, 2点2名, 連携はスムーズにできましたか: 3点9名, 2点2名, そして総合評価として在宅緩和ケアに活用できましたか: 3点9名, 2点2名であった. 【結論】在宅緩和ケアにおいて有用である可能性が示唆された.
著者
山下 樹子
出版者
三田図書館・情報学会
雑誌
Library and information science (ISSN:03734447)
巻号頁・発行日
no.66, pp.61-80, 2011

原著論文【目的】本論文の目的は, 「教育・研究支援」という短期大学図書館の機能に対する, 図書館員と学長, 事務部長の認識を明らかにすることである。【方法】2008年6月から9月にかけて, 大学との共用ではない短期大学図書館を持つ, 日本国内全ての218短期大学の図書館員と学長, 事務部長を対象に質問紙調査を実施した。調査では1)資料保存・管理, 2)相互利用, 3)利用拡大, 4)オンラインサービスの導入, 5)図書館員による教育活動, 6)図書館員の学習・研究支援, 7)図書館スペースという7 分野につき, 14の質問に回答してもらった。有効回答数は図書館員146, 学長110, 事務部長124であった。【結果】図書館員が学長および事務部長よりも重要視した項目は「図書館員の学習・研究支援」の中のレファレンスサービス業務であった。図書館員が事務部長よりも重要視したものは6項目で, 「資料保存・管理」の中の社会的資料センターとしての役割, 「相互利用」の中の学外資料の利用, 「オンラインサービスの導入」の中のウェブ上でのOPAC公開と, 図書館ホームページの開設, 「図書館員による教育活動」の中の図書館利用指導, 「図書館員の学習・研究支援」の中の図書館員を中心とした蔵書構築であった。学長が図書館員よりも重要視したものは「資料保存・管理」の中の社会的資料センターとしての役割と, 「利用拡大」の中の図書館の学外への開放の2項目であった。
著者
小林 美香子
出版者
日赤図書室協議会
雑誌
日赤図書館雑誌 = The Journal of the Japanese Red Cross Hospital Libraries (ISSN:1346762X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.9-14, 2010-10-01

当院では、2006年度より日本赤十字社事業局看護部の方針を受け、看護職キャリア開発ラダーを運用している。当図書室では、看護研究小委員会と協力し、看護職キャリア開発ラダーに連動した研究支援を実施している。看護職個人のキャリア開発を支援する際、病院図書室はアクセスが容易な知の拠点であることから、存在意義は大きい。2010年4月から開始となった新人看護職員卒後臨床研修の努力義務を受け、今後さらなる図書室環境の充実が求められている。
著者
中尾 舜一
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲 (ISSN:09155805)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.201-209, 1958-12-10

In the previous paper (Nakao, 1952), the author reported the fact that the diurnal sound-producing activity of Meimuna opalifera Walker belongs to a type of rhythmicity dependent upon the environmental conditions. But a song-length of this cicada in a day is independent to the environmental conditions, because a song-length seems to be lengthened with the lapse of time in a day irrespective of the various weather conditions. However, it is appreciably influenced by the high population density of the cicadas which gives the males more chances to meet the females or vice versa. The song-length is shortened when the population density of the cicadas becomes high, and the high population density disturbs the normal diurnal variation of a song-length. This fact seems to indicate a close connection to the active interaction between the sexes.
著者
白石 浩章 山田 竜平 石原 吉明 小林 直樹 鈴木 宏二郎 田中 智
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.283-288, 2012-09-25
参考文献数
15

多点ネットワークを構成して火星表層環境および内部構造を観測するペネトレータミッションを提案する.現在の火星内部で生じているダイナミクスを反映する地震活動度と熱的状態を調査するとともに,地球型惑星の分化過程を反映する地殻-上部マントル構造と固体内部から表層および大気層への物質輸送過程に関する知見を得ることを目的とする.ペネトレータモジュールは突入速度300m/secで火星表層下2〜3mに潜り込むプローブ本体に,耐熱シールドと空力減速機構の役割をする膜面展開型柔構造エアロシェルを統合することで小型軽量なシステムを構成する.周回衛星から分離された4機のペネトレータは,火成活動の可能性が指摘されるElysium地域に最大300km間隔のネットワークを構成して地震観測や熱流量観測を行う.一方,柔構造エアロシェルには圧力計,温度計,磁力計,カメラを搭載して大気突入時のモニタリングを行う.
著者
菊地 芳文
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
no.71, pp.149-151, 2005-11

今年度の夏休み期間中に実施された高校生対象の施設見学、自然学類体験学習および筑波大学高校生公開講座に関して、案内・解説および講義・実習に携わり、例年になく多くの高校生と接する機会を得た。そこで、それぞれの行事に参加をした高校生の感想と ...
著者
篠塚 規
出版者
日経BP社
雑誌
日経メディカル (ISSN:03851699)
巻号頁・発行日
vol.38, no.8, pp.116-118, 2009-08

心筋梗塞と同様、登山中の脳卒中も登山者の命を脅かす重大事故につながる。登山を趣味とする中高年に対しては、一度頭部のMRI検査を行い、脳血管疾患のリスクを判定しておくことが重要である。 夏休みを迎え、多くの山々は登山者でにぎわっている。

2 0 0 0 OA 喫茶余録 2巻

著者
深田, 香実
出版者
三友堂東八
巻号頁・発行日
vol.[3], 1829

2 0 0 0 OA 出たらめの記

著者
矢野竜渓 著
出版者
東亜堂書房
巻号頁・発行日
1915

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1928年03月30日, 1928-03-30

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1924年07月10日, 1924-07-10

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1912年11月01日, 1912-11-01
著者
松山 あゆみ
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科
雑誌
人間・環境学 (ISSN:09182829)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.11-24, 2010-12-20

ジークムント・フロイト(1856-1939)の初期の草稿である「心理学草案J(1950 [1895]) は再評価されているが,それに対し,その他の初期の草稿には,いまだ十分な光があてられておら ず,正確な読解すらほとんどなされていない.本稿では,メランコリーというテーマに着目し,晦 渋な初期草稿のうちの一つ,草稿GIメランコリーJ(1895)を取り上げる.フロイトがメランコ リーを主題として扱ったのは,この草稿以外には,メタサイコロジー諸編のー論稿「喪とメランコ リーJ(1917 [1915J) だけである.両者には約20年もの歳月の隔たりがあるにもかかわらず, リ ビード経済論的見地から両者を比較してみれば,メランコリーに対するその基本的見解はほとんど 一致している.これを明らかにすることにより,精神分析理論に対する草稿G のリビード論的意 義を見出すことが本稿の狙いである.