著者
福山 研二
出版者
北方林業会
雑誌
北方林業 (ISSN:03888045)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.p45-49, 1985-02
著者
森山 重治 宇高 徹総 宮出 喜生 清水 信義
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.80-86, 1994-01-15

症例は55歳,女性.咳嗽,労作時呼吸困難を主訴に近医で胸部異常陰影を指摘された.画像診断上前縦隔に腫瘍を認め,穿刺針生検で線維性胸膜中皮腫の診断を得た.24ヵ月前の検診時の胸部X線で右上縦隔に約3cm大の腫瘤を認めた.1992年4月22日胸骨正中切開で開胸.右縦隔胸膜と心嚢に強固に癒着しており,これを剥離して腫瘤を摘出した.腫瘤は重量545g,大きさ12.8×10.0×7.3cmで心嚢に癒着した部位に被膜欠損を認め,右腕頭静脈付近に一致する部位に茎が存在した.病理学的に腫瘍細胞に悪性所見は見られなかった.術後前縦隔に急速に再発し,同年7月15日再手術を施行した.腫瘤は心嚢内腔に浸潤しており,心嚢を合併切除した.再発腫瘤は重量160g,大きさ9.0×7.0×5.0cmであった.患者は再手術後約3ヵ月で心嚢内に腫瘤を形成し,心タンポナーデのため死亡した.縦隔内に有茎性に発育し,急速に増大発育した稀な症例であった.
著者
中村 振一郎
出版者
株式会社三菱化学科学技術研究センター
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

理論計算が最大限に効果を発揮すれば実測では得難がたい展開が可能である。本研究は理論およびシミュレーション計算科学を活用し、実験との融合によってもたらされる知見を獲得し、過去、全く予想されなかったジアリールエテンの極限性能の発見につながる解析結果を提供することを目的として、フォトクロミック化合物の用途開発を目的として開始した。メモリー素子など既に試された用途でなく、隠れた特性を引き出すのは基礎研究であり計算科学である。最も大きな成果は、三重項を経てフォトクロミック反応が起こるという仮説を計算によって得られたポテンシャル面が検証したことである。系間交差を可能にする要因として、これまでに知られていた重原子でなく、蛍光色素にリンクしたベンゼン環の回転によってスピン自由度の交換が可能であることが示唆された。さらに穐田教授(同領域内の実験研究者)らが合成したFe, Ru錯体についても、三重項が関与して反応が進行していることを、おなじく非経験的分子軌道計算によって裏付けつつある。スピン-軌道相互作用、ポテンシャル面の詳細など、さらに幾つかの点の詰めが終ればこの結果から、磁性に深く関与した応用用途を提案できるであろう。現在執筆中である。次に来る成果は、宮坂らが観測している量子ビートQBの解析である。励起状態の半古典ダイナミクス計算によって、確かにS1励起状態がビートを与えるように振動していることが計算から明らかになった。置換基依存性、開閉反応の量子収率との関係を考察して執筆開始予定である。最後に、松下教授(同じく同僚域)のPt系が示すフォトクロミック反応のメカニズムについても解析を始めた。この課題はこの領域ならではの難問である。おそらく、これまでの既存のパターンの反応機構とは全く違うメカニズムが予想される。
著者
MORI James Jiro 加納 靖之 柳谷 俊 大見 士郎
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

2009年7月、中国・?川地震(2008年、Mw7.9)による余震域の上空を皆既日食が通過した。これは地球潮汐が小規模地震を誘発するかどうか調べる貴重な機会となった。2008年5月から2009年9月までの期間の余震について中国地震局のデータを調べたところ、M1.3以上の地震は4万回を超えていた。われわれはスペクトル解析やスタッキング法などいくつかの方法を使って16ヶ月分のデータを研究し、潮汐の振幅の大きい日食期間中のものはとくに詳しく調べた。その結果、スペクトル解析においては、12時間の地球潮汐との弱い相関関係を見つけることができた。われわれは断層地域に掘られたボアホールでハイドロフォン観測を行うことも計画していた。しかし、ボアホールの完成が5ヶ月も遅れたため、日食に合わせて計器を設置することができなかった。その後、ボアホールに設置された地震計は多くの小規模地震を記録している。ここでも、われわれは12時間の地球潮汐との弱い相関関係を見つけることができた。
著者
奈良 次郎
出版者
法律文化社
雑誌
民事訴訟雑誌 (ISSN:00754188)
巻号頁・発行日
no.21, pp.p65-112, 1975-03
著者
本城 淳子 安藤 豊 角田 憲一
出版者
日本土壌肥料學會
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 = Journal of the science of soil and manure, Japan (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.480-487, 2000-08-05
被引用文献数
2

The relationship between the establishment of seedling directly sown on well-drained paddy field and reduction condition and/or temperature was investigated without coated calcium peroxide. The experiment was conducted in an incubation box under two different temperature conditions (15 and 17℃) and two moisture conditions (flooded and unflooded) under lighted conditions. There were four plots, i.e. high temperature and flooded plot (HTF), low temperature and flooded plot (LTF), high temperature and unflooded plot (HTU), and low temperature and unflooded plot (control, C). Change of the conditions (15 to 17℃ and/or unflooded to flooded) was carried out in 3-d intervals from 0 d after sowing (DAS). Emergence percentage (number of emerged seedlings/number of seeds sown), establishment percentage A (number of established seedlings/number of seed sown) and establishment percentage B (number of established seedlings/number of emerged seedlings) were elucidated. 1) The earlier the change of conditions, the lower the emergence and establishment percentages were observed in HTF as compared with HTU. Higher emergence and establishment percentages were obtained in HTF than LTF when flooding and temperature changes were conducted before 15 DAS. 2) Effect of the beginning time of flooding on establishment percentage B related on the growth stage of rice seedling. Establishment percentage B was divided into 3 groups by the beginning time of flooding, i.e. the lowest was 0 to 3 DAS, medium was 6 to 12 DAS and the highest was 15 to 21 DAS. 3) Consequently, the time after emergence of seedling was the suitable stage for the start time of flooding to obtain high and stable establishment of seedlings of rice plant.
著者
山澤 和子 山下 ルミ
出版者
東海学院大学・東海女子短期大学
雑誌
東海女子短期大学紀要 (ISSN:02863170)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.73-78, 2001-03-31

従来のペクチン定量法は,メトキシル基含量別の分画が不良,分析時間が長いなど若干の問題点がある。そこで,0.OlM塩酸溶液(pH2.0)に続き酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0),次にヘキサメタ燐酸ナトリウム溶液(pH4.0)を抽出溶媒^5)に使用し,短瞬間でメトキシル基含量の異なるペクチン質を分別定量する簡易法について検討した。(1)超音波による振とう攪拌を塩酸溶液および酢酸ナトリウム緩衝液で10時間の抽出中2時間毎に,ヘキサメタ燐酸ナトリウム溶液で2時間の抽出中30分毎に,各々2分間行った結果,溶出した糖量は振とう攪拌を行なかった場合に比し顕著に増加した。(2)抽出を18,25および35℃の3種の温度で行った結果,糖の溶出量は処理温度が高いほど多く,特に塩酸溶液および酢酸ナトリウム緩衝液による抽出ではこの傾向が顕著であった。(3)抽出温度35℃および超音波による振とう攪拌を一定間隔で2分間付加した場合,糖溶出に要する抽出時間は,塩酸溶液および酢酸ナトリウム緩衝液で10時間,ヘキサメタ燐酸ナトリウム溶液で4時間であった。
出版者
福井大学
雑誌
遠赤外領域開発研究 : 福井大学遠赤外領域開発研究センター研究成果報告書
巻号頁・発行日
vol.2, pp.169-174, 2001-03

The rotational spectra of H235Cl+, H237Cl+ and HD35Cl+were measured in the 180-550 GHz region using a source-modulated submillimeter-wave spectrometer. The ions were generated in a free space absorption cell by a hollow-cathode discharge in a gas mixture of H2 (D2) and Cl2 Precise rotational constants including the electric quadrupole coupling constants were determined for the three species. The centrifugal distortion constants were used to derive the harmonic force field of H2Cl+, which was then applied to calculate the zero point average structure of the ion: r2=1.32091±0.00015 Å and θz =94.228±0.023º, where errors are due to residual inertial defects of the corrected moments of inertia.
著者
前田 松韻 藤岡 通夫
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.49, no.598, pp.1-12, 1935-04-29

本著は吾國に於ける過去の都城の中で最も光彩を放つたと考へられる平安京に就て、先づその都市計畫上の性質、變遷を明にした後、古圖、古記録、繪巻物等を參考として復原的概見圖の作製を試みたものである。
著者
岸田 和明
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.49-66, 2001-11-30
被引用文献数
2

本稿の目的は, 索引作成支援システムを応用目的とした, 文献の自動分類あるいは自動索引作成のための統計的手法について実証的な分析を試み, より優れた方法を提案することにある。このために, まず, 自動分類法と自動索引法に関する先行研究を概観し, その諸手法を整理する。次に, 約9, 000件のレコードから成る『図書館情報学文献目録』のデータを使って, それらの諸手法の性能を実証的に比較評価する。そして, その結果を踏まえて, 情報検索分野のレレバンスフィードバック手法を応用した独自の方法を提案し, この方法の性能が既存のものよりも高いことを実証的に示す。
著者
片桐 麦 佐藤 良太 大池 正信 鈴木 芳人 鹿野 満 内田 龍男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.146, pp.1-4, 2009-07-16

スクリーン下側からのプロジェクタ光のみを観察者の存在する正面方向に拡散させるスクリーンを考案した。これにより明るい環境下における高いコントラスト比を有するフロントプロジェクションディスプレイを実現した。
著者
田村 典子
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.37-44, 2004-06-30
参考文献数
26
被引用文献数
3

外来種のタイワンリスが神奈川県において分布を拡大している.2002年にアンケートと現地調査によって確認された生息範囲は304km^2に及んだ.導入された1950年代からの分布拡大パターンを解析したところ,指数関数的に分布域が拡大していることが分かった.7年間にわたる標識再捕法および直接観察から,個体群パラメーターを算出し,個体数の増加速度を推定した.神奈川県におけるタイワンリスのこれまでの分布拡大パターンは密度効果のない個体数増加によって説明可能であることが明らかになった.