著者
中野 鐵兵 佐々木 浩 藤江 真也 小林 哲則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.46, pp.77-84, 2008-05-15
被引用文献数
5

音声・言語アプリケーションにおける従来の語彙情報作成手法の問題点を解決するため,集合知を利用した語彙情報の収集・共有・管理システムを提案する.具体的には,語彙情報を集中管理するためのオンラインデータベースシステムを構築し,それを利用者に公開する.提案システムでは,Web 資源からの語彙情報の自動収集の枠組みを備え,データの集約を図る.また,アプリケーション用語彙の新規作成から,その継続的な更新まで包括的な解法を提供し,これまで各々の開発者がアプリケーション毎に用意していた語彙定義のプロセスの一元化を図る.さらに,インタフェースを広く公開し,アプリケーション間の語彙定義の共有や,アプリケーションで使用する語彙の自動更新のサポートを図る.本稿では,実際に提案システムの実装として開発されたプロトタイプシステムと,提案システムによって実際に有効な語彙リストの生成が可能である事を示した評価実験について述べる.In order to solve the problems of the conventional approach of designing lexicons, we propose a new approach: using a lexical data collection, sharing, and management system using collective intelligence. In particular, we construct and operate a new online database system for lexical informations. The proposed system is designed as a data intensive system so that it can collect lexical information from all web-based resources. Also, the system provides the comprehensive solution of designing lexicons so that the designing processes of lexicons can be standardized. Besides, the system interface is published so that lexical informations are shared by many applications. In this paper, the prototype system developed based on the proposed approach and the feasibility test for designing lexicons are described. The assessment result showed that the proper lexicons can be generated from the proposed system.
著者
新津 望 中田 正幸
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5, pp.404-408, 1995-07-25

非ホジキンリンパ腫(NHL)の気管支内病変は稀であり, 内外あわせて約40例の報告を認めるのみである。今回われわれはNHLの病期決定のために気管支鏡検査を行い, 気管支粘膜病変の有無について検討した。対象はNHL184例中68例で, 初発例49例, 再発例19例である。68例中4例(5.9%)に気管支粘膜病変を認め, 同部の生検にてリンパ腫細胞が検出された。3例は初発例で, 1例は再発例であり, 全例胸部画像上異常がみられない症例であった。以上の4例はともにB細胞性で, 化学療法により粘膜病変は消失し, 完全寛解となっている。気管支鏡検査の進歩によりNHLの気管支粘膜病変の報告が増加している。今回の検討では胸部画像診断にて異常を認めない症例(特にB細胞性NHL)でも気管支粘膜病変を認めることにより, 病期分類には積極的に気管支鏡検査を行う必要があると考えられた。
著者
杉山 滋郎
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
大学の物理教育 (ISSN:1340993X)
巻号頁・発行日
no.2001, pp.43-45, 2001-03-15

大学の物理教育の改善について議論するとき,大学での物理学の教育について論じているだけでは不十分ではないか,というのが本稿の趣旨である.
著者
安岡 良介
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.361-373, 1990
被引用文献数
10

糖尿病における網膜と歯肉内縁上皮の細小血管症について, 太田らの方法により微細血管鋳型標本を作製し, 微細血管構築の変化を立体的に走査電顕で観察した. また網膜毛細血管壁の超微形態の変化についても観察した.<br> その結果, 網膜微細血管構築では糖尿病発症後10週より細小血管症が出現し, 16週後では, 硝子体側と脈絡膜側の毛細血管網は粗く平面的となった. 20週後では毛細血管瘤を認め, 硝子体側, 脈絡膜側の毛細血管網は粗く, 毛細血管は部分的に狭窄し文通枝は減少した。また毛細血管の分布密度は低下し, 2層構造は不明瞭であった. 網膜毛細血管の超微細形態では, 糖尿病発症後16週から基底膜に部分的な軽度の肥厚を認め, 20週後の基底膜では部分的な肥厚を呈し, 剥離して重層化しているものもあった. 周皮細胞には飲小胞をほとんど認めず, 内皮細胞には扁平化, microvilli様の突起の減少, 空胞変性を認めた.<br> 歯肉内縁上皮の微細血管構築では, 糖尿病発症後6, 10, 16週でほとんど変化を認めなかった. しかし20週後から急激に細小血管症が出現し, 歯肉内縁上皮下方の毛細血管網は粗雑となり, 上方の歯肉内縁上皮では毛細血管loopの高さが低くなり, 連珠状の毛細血管を呈した.<br> 以上のように, 網膜における細小血管症は段階的に進行していくが, 歯肉内縁上皮では糖尿病発症後20週から急激に血管構築の変化が出現した. したがって, 網膜の変化の観察は, 糖尿病病期決定に有用であることが確認され, 糖尿病罹患期間が長くなると, 歯肉内縁上皮にも細小血管症が出現することが明らかとなった.
著者
根本 正之 村山 英亮
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究. 別号, 講演会講演要旨 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
no.43, pp.20-21, 2004-04-16

一般に都市的環境下にある道路の植えます、公園、寺社の境内、校庭、グラウンドなどに侵入して<る雑草(侵入植物群)は程度の差こそあれ、踏み付けや刈り取りという人間による物理的な攪乱を受けている。これとは対照的に都市空地は上述のような攪乱がみられなくなった都市の空間として位置づけることができる。人間による攪乱が取り除かれたり、管理が放棄された場合、他からの侵入や埋土種子に由来する雑草の定着によって当該立地の二次遷移が進行、しばしば都市にふさわしくない景観が形成される。本研究では空地発生雑草を省力管理するための基礎的知見を得る目的で、人間によるさまざまな干渉が停止する直前の立地環境の違いが、その後の二次遷移系列にどのような影響を及ぼしているのか調査した。
著者
横山 尚 千代 章一郎
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.72, no.621, pp.229-236, 2007
被引用文献数
1

This paper aims to clarify the change process of the landscape of tourism of Hiroshima Castle as the famous place after the Second World War. Analyzing the guide texts of the sightseeing bus tours and the interview to a person who experienced bus tour guide, we can find out that the history of the castle in the military city is more emphasized than the present castle as the public park in the guidance of recent years. The meaning of Hiroshima Castle as the famous place was limited to the place guided about the definite history with the view from the outside of the castle.
著者
丹下 健 金 坂基 佐々木 惠彦
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.138-143, 1994-03-01

マツ材線虫病の進展過程におけるアカマツ成木の幹木部組織活性の変化を明らかにするために、枯死木の肥大成長停止時期の推定と自然感染によって枯死に至った立木の幹木部呼吸速度の変化を調べた。マツ材線虫病による枯死が毎年発生しているアカマツ林を調査地とした。枯死木の年輪解析から、肥大成長の停止は春材形成から夏材形成へ移行する時期と推定された。8月下旬にすべての針葉が褐変し枯死した供試木の呼吸速度は、7月下旬から減少し始めた。それ以前は、枯死しなかった供試木の呼吸速度と違いがなく、傷害呼吸による呼吸速度の増加はみられなかった。年越し枯れを起こした供試木の呼吸速度は、枯死する約1ヵ月前の5月下旬の時点ですでに他の供試木の呼吸速度の約50%に低下し、その後も減少傾向にあった。マツ材線虫病で枯死した供試木および枝条中にマツノザイセンチュウの存在が確認された供試木では、葉色等に異常がなく、測定部位の幹木部呼吸速度も低下していない時点で、日中に気温の上昇にともなう幹木部呼吸速度の上昇がみられ、すでに樹冠部で通水阻害が生じ、樹液流速度の減少が起こっていると推定された。
著者
皆川 洸
出版者
一橋大学
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.212-228, 1959-03-01

論文タイプ||論説
著者
向井 務 村田 英一 吉田 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.2080-2086, 2002-12-01
被引用文献数
25

近年,ユニバーサルアドホックネットワークや,無線アドホックネットワークとして研究されているマルチホップ自律分散無線ネットワークは,インフラを必要とせず自律的にネットワークを形成する技術である.マルチホップ無線ネットワークでは端末間で通信を行うため,送受信端末間の通信距離を短くすることが可能である.そのため,端末が自律的に適切な中継端末と通信チャネルを選択することができれば,周波数繰返し距離が短くなるため周波数利用効率が高いシステムとなりうる.本論文では多数の端末が存在する環境を仮定し,チャネル選択アルゴリズムの提案を行い,マルチホップ無線ネットワークの周波数利用効率と送信電力の検討が行われている.その結果,簡易に算出したセルラネットワークの周波数利用効率,総送信電力特性との比較では大幅な劣化は見られず,マルチホップ自律分散ネットワークの可能性が示されている.
著者
後藤崇行 常松 祐一 渡辺 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.66, pp.31-36, 2005-07-08

フィルムグレインは、フィルムで撮影したコンテンツ特有の模様である。一般に雑音成分として捉えられがちだが、フィルムグレインによってフィルムコンテンツの質感を表現することができるため、質感を表現したい場合、除去されないことが望ましい。しかし、フィルムグレインを含んだ画像に圧縮符号化を施すと符号化による影響を受け失われてしまう。特に近年標準化された動画像符号化方式H.264/AVCにおいては、デブロッキングフィルタや4x4整数変換により、フィルムグレインが失われやすくなっている。H.264/AVCの拡張方式FRExt(Fidelity Range Extensions) では、映画コンテンツなどフィルムグレインを含む高解像度画像において画質改善を行う様々な符号化ツールが追加された。そこで筆者らは、更なるフィルムグレインの再現性を考慮したH.264/AVC符号化方式について検討してきた。本稿では、符号化モード決定のコスト値について考察し、フィルムグレインの再現性を更に向上させる手法の検討を行う。Film grain is a specific texture of film conttents. Though it generally tends to be recognized as a noise,it is preferable for film grain not to be removed to express the feeling of quality of film contents. However,film grain is influenced and lost easily by encoding. Especially,in H.264/AVC which is the state-of-the-art video coding standard,it is more easier for film grain to be lost by performing de-blocking filter and 4x4 integer-transform. In FRExt(Fidelity Range Extensions) which extended the conventional H.264/AVC,various coding tools were added to improve the quality of high definition size images such as movies containing film grain. We have been studying the H.264/AVC encoding method considering the fidelity of film grain. In this paper we consider the method to improve the fidelity of the film grain further by changing the cost value of the encoding mode decision.