著者
小倉 孝夫 大西 健之 福田 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TM, テレコミュニケーションマネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.600, pp.59-64, 2007-03-08

現在、電話網とデータ網をIPベースに統合して様々なサービスを提供する次世代ネットワーク(NGN)への移行が進められている。NGNでは、サーバへのDoS/DDoS攻撃は最も高い脅威の一つであり、特にSIPサーバ攻撃は大きな被害を与えることが予想される。DoS/DDoS攻撃では大半は、IPソースアドレスを詐称したIPパケットでおこなわれている。従来のアドレス詐称防止方式にはuRPF(unicast Reverse Path Forwarding)等があるが、確実にIPソースアドレスの詐称を防止する方式ではない。そこで、確実に詐称チェックをおこなうことを目的に、ユーザ側ではIPソースアドレスから作成した認証情報をIPパケットに付加してIP通信をおこない、キャリアのネットワークまたはISP内でその認証情報を使って詐称チェックする方式を提案する。また、スケーラビリティの観点から詐称チェック機能の性能評価をおこなったので報告する。
著者
尹 大榮 鈴木 竜太 影山 喜一
出版者
静岡県立大学
雑誌
経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部/学報 (ISSN:09188215)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.111-127, 2003-10-15

The purpose of this study is to show peculiarity of northern Italian industrial district which make this area innovative continuously. Through our research, we found human network, final firm, craftsmanship, historical background and so on as key factor which build this area. And also these factors is related each other. Lastly our future research agenda was discussed.
著者
伊賀 徳寿 中本 幸一 奥山 嘉昭 佐藤 直樹 檜原 弘樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.164-176, 2003-07-15
被引用文献数
4

企業向けシステムでは,システムで提供する機能をオブジェクトとしてモデル化し,相互接続性を保証したCORBAにより実装するシステム構築が広まってきている.オブジェクト指向設計による生産性向上とソフトウェアの下位層の隠蔽による移植性の向上を目的として,組込みシステムから構成されるネットワークシステムでもCORBAは有効であると期待されている.しかし,CORBAは企業システム向けに設計されており,ハードウェアリソースやソフトウェアリソースの制約の厳しい組込みシステムでは適用が難しいところがある.本論文では,企業システムとは直接には接続しない組込みシステムネットワークに特化した機能を有する組込みシステム向けCORBA(Embedded CORBA)の設計思想,仕様,実装とその評価について述べる.最近,情報家電をはじめとする組込 みシステムでは,機器の提供する機能の追加拡張を行う機能が求められている.Embedded CORBAは,このためにオブジェクトの動的追加機能を具備している.In enterprise system, CORBA becomes popular, in which the functionalities the enterprise systems are modeled as objects and the objects are implemented. CORBA is also expected to be effective in embedded system because high productivity of object-oriented design and high portability due to hiding lower software layers. Applying CORBA to the embedded systems is difficult because CORBA is basically designed for the enterprise systems and not suitable for the embedded system whose resources are very restricted in hardware and software. Embedded CORBA is suitable for embedded system networks,which are not directly connected to the enterprise systems. We describe the design philosophies, the specification and design and the implementation and evaluation of Embedded CORBA. Recently, extending functionalities in the embedded systems are required. Embedded CORBA also provides the functionalities to add objects dynamically.
著者
上園 一知 片岡 朋子 筧 捷彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.62, pp.57-64, 1999-07-22

インターネットなどの情報通信で使用できる文字はラテンアルファベットが主流であり、ネットワークの国際化の反面、未だ母語を利用できず、ソフトウェアの国際化は進んでいないのが現状である。World Wide WebにおいてもHTML自身の仕様とWeb Browserが特定のエンコーディングを対象としているため、任意に文字を混在させて利用可能な国際化の実現が困難である。そこで、X Window System上で開発した国際化ライブラリであるSystem 1を利用し、国際化Web Browserの開発を行っている。本稿では、HTML文書の表示と文字列検索を考察し、Web Browserに必要な機能について述べる。Even in such a highly cross-communicated society, the almost only script available in any computing network is still Latin alphabet, for which many native users cannot make full use of their own scripts. In the WWW environment as well, the true internationalization with any number of script mixed is hard to realize due to the specification of HTML itself and the specific encoding(s) of a Web Browser. To realize true internationalized computing, Internationalized Web Browser has been developing using internationalized library called System 1, which has already developed on X window system. This paper describes the methods and functions to display and search character strings in HTML documents on the Web Browser.
著者
大西 圭 山本 寛 尾家 祐二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.79, pp.7-12, 2005-05-18
被引用文献数
1

構造化されないPeer-to-peer(P2P)ネットワーク上でのファイル共有を想定し, P2Pネットワークを構成する機能的に対等なピアはそれらに生じるストレージ負荷に関しても対等であるべきであるとの立場から, 新たなストレージ負荷分散のための複製配置手法を提案する.提案手法は, 各ピアが保持する過去のファイル検索経路情報を用いて, 現ファイル検索経路上のピアおよびそれらの隣接ピアの中からピアを選択し, 一定の確率で選択ピアにファイルの複製を生成する.実験の結果は, 提案手法が, ファイル検索経路上のピアのみに一定の確率でファイルの複製を配置する比較対象手法に比べ, 優れたストレージ負荷分散性能を持つことを示す.
著者
市川 憲人 大西 圭 内田 真人 鶴 正人 尾家 祐二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.628, pp.125-130, 2006-02-23
被引用文献数
1

ファイル共有を目的とした非構造型Peer-to-Peer(P2P)アプリケーションにおいて,複製の配置は検索効率を高めるための有効な方法であるが,既存の複製配置手法には,一部のピアに負荷を集中させてしまうという欠点がある.そこで本研究では検索効率と両立しながら負荷分散を達成するために,熱拡散現象に着想を得た複製配置手法を提案した.理論解析の結果,提案手法は統計的に熱拡散現象と類似の挙動を示すことを明らかにした.また,シミュレーション評価の結果,提案手法は検索性能と負荷分散をうまく両立させる能力に加え,検索効率と負荷分散の多様なトレードオフ関係を開拓する能力を有することが分かった.
著者
森田 昭広 古賀 久志 渡辺 俊典 横山 貴紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.30, pp.49-54, 2006-03-17

グラフのマッチング問題は一般に計算量が膨大であるが,問題固有の属性情報などを用いて効率的な探索を実現できる可能性がある.本研究では,グラフマッチング問題が入力2グラフから生成される積グラフの最大クリークを抽出する問題へ還元できることに着目し,その効率化のために2つの属性情報利用アルゴリズムを考案した.1つ目はクリーク抽出の探索過程で属性情報を用いて探索領域を削減する方法,2つ目は積グラフの生成時に属性情報を用いて積グラフの規模自体を抑制する方法である.これらを計算機実験によって比較検証した結果,双方共に有効であるが,特に後者の有効性が顕著であることを確認した.Graph matching problem has a very high computational complexity. But we can reduce it by exploiting domain-specific information such as object's attributes. In this research, where we solve the graph matching problem by reducing it into a maximum clique problem in a product graph generated from the two input graphs, we propose two algorithms, both exploiting attribute information. One is the method of decreasing the search space by using attribute information in the process of maximum clique search. The other is the method of decreasing the size of the product graph by using attribute information during the product graph generation. Through experiments we showed that, although both are effective, the latter dominates the former.
著者
坪内 良博 前田 成文
出版者
京都大学
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.228-236, 1975-09

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。This is the second paper of our joint work on the substitutability of parental roles among the Malay peasants in Kelantan and Melaka, focussing on so called "adoption". The salient points we raise are as follows : (1) The need for adoption is felt on the part of adopters owing to childlessness or deficiency in number of children, or in order to find comfort in having small children during the post-parental period. (2) The relationship with real parents may be severed temporarily but not completely. The adoptee usually has double identity with the family-circles of both pro-parents and real parents. (3) The agent of adoption is not a categorized group but an individual or a couple. Adoption is regarded as a dyadic contract. (4) Kinship-fostering tends to be lineal pro-parenthood and adoption of relatives to be collateral. (5) We find more adoptions in Melaka than in Kelantan. In Kelantan. In Kelantan people mostly adopt children of their siblings, while children of the unrelated are frequently adopted in Melaka. These differences may be related to the standard of living and the degree of urbanization of each area. Through these observations we conclude that the concept of the nuclear family is not valid for the Malay family.
著者
糸数 学 佐藤 隆士
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DBS,データベースシステム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.141, pp.1-6, 2007-01-25
被引用文献数
1

本稿では,SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)要素を用いた英単語共有型学習システムについて述べる.本システムは,中学生を対象とし,今までのドリル型英単語学習システムとは異なった,英単語を軸としたコミュニティサイトを構築し,そのサイトのリソースを共有する事で,英単語に対する印象付けの効率アップをねらったものである.主立った機能として,画像付きメモのアップロード機能・それに対するコメントの付加機能がある.画像を単語に絡めてアップロードする事で,単語は画像のありかを探すインデックスとなり,単語に触れる時間を少しでも増やす事を狙った.
著者
土肥 拓生 吉岡 信和 田原 康之 本位田 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.88, no.9, pp.1299-1311, 2005-09-01

近年, ネットワークの拡大に伴い情報の流通速度の高速化が進んでいる. それに伴いソフトウェアが扱うべきデータも大量・複雑になり, 環境の変化に対する変更も頻繁に生じるようになってきている. そのため, すべてを人間が把握した上で処理することは難しくなり, それを補うために自律性・協調性などの人間的な要素がソフトウェアにも求められるようになる. そして, マルチエージェントシステムはこのようなソフトウェアに対する解決策の一つとなる. マルチエージェントシステムにおいて重要な要素の一つは協調性, すなわち, インタラクションである. しかしながら, 既存の実装言語では表現力が不足しており, インタラクションの設計と実装の隔たりが大きい. そこで, 本論文では, インタラクションを実装するために必要な要素を検証するとともに, その理念に基づいて設計したインタラクション記述言語IOM/Tを提案する. IOM/Tを用いることにより, 設計をもとにインタラクションを開発することが容易になる.
著者
永山 友和 佐藤 雅彦 亀山 幸義
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.42, no.11, pp.100-100, 2001-11-15

仕様からプログラムを開発する際,抽象的な仕様を具体的なプログラムへ変換することが行われている.抽象的な仕様には,用いるプログラミング言語では与えられていないデータ構造が含まれている可能性があり,具体的なプログラムとは,それらのデータ構造が実現されたプログラムである.このような変換のことを"詳細化"と呼ぶ.Honsellは,Pre Logical Relationを用いる,詳細化の正しさの証明技法を提案した.本研究では,定理証明システムCoqを用いて彼らの技法を形式化した.このことより,計算機上でプログラムの詳細化の正しさを厳密に証明することができる.In developing programs form specifications, we transform abstract programs (specifications) into concrete programs. Abstract programs may have data, which are not available in our programming languages. In concrete programs, these data are represented by data which are provided. We call these transformation data refinement. Honsell suggest proof method of data refinement which use pre-logical relation. In this paper, we formalize their method with Coq. As a result, we can strictly prove the correctness of data refinement on computer.
著者
TUANNAMTRAN TUBAOHO
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.125, pp.213-218, 2004-12-07
参考文献数
30

Inductive Logic Programming (ILP) is differentiated from most supervised learning methods both by its use of an expressive representation language and its ability to make use of background knowledge. This has led to successful applications of ILP in molecular biology such as predicting the mutagenicity of chemical compounds predicting protein secondary structures and discovering protein fold descriptions. In this paper we attempt to apply ILP to the problem of predicting protein-protein interactions which plays an essential role in bioinformatics since many major biological processes are controlled by protein interaction networks. We have used the Yeast Interacting Proteins Database provided by Ito Tokyo University as training examples. Various kinds of background knowledge have been constructed by either extracting from protein databases or using computational approaches. Early results indicate that ILP is useful for obtaining comprehensible rules to differentiate those protein-protein interactions that are highly reliable. The predictive accuracy obtained using ten-fold cross-validation is nearly 80% demonstrating a promising result of using ILP for predicting protein-protein interactions.Inductive Logic Programming (ILP) is differentiated from most supervised learning methods both by its use of an expressive representation language and its ability to make use of background knowledge. This has led to successful applications of ILP in molecular biology, such as predicting the mutagenicity of chemical compounds, predicting protein secondary structures, and discovering protein fold descriptions. In this paper, we attempt to apply ILP to the problem of predicting protein-protein interactions, which plays an essential role in bioinformatics since many major biological processes are controlled by protein interaction networks. We have used the Yeast Interacting Proteins Database provided by Ito, Tokyo University as training examples. Various kinds of background knowledge have been constructed by either extracting from protein databases or using computational approaches. Early results indicate that ILP is useful for obtaining comprehensible rules to differentiate those protein-protein interactions that are highly reliable. The predictive accuracy obtained using ten-fold cross-validation is nearly 80%, demonstrating a promising result of using ILP for predicting protein-protein interactions.
著者
長谷川明生
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.77, pp.37-42, 2004-07-30
被引用文献数
6

SpamやUCEと呼ばれる迷惑メールの数は、増加の一途をたどっている。筆者は、このようなメールへの対策を考えるために、昨年8月以来Spamメールを蓄積しており、その件数は20000件を超えた。そこで、Spamメールの傾向や特徴を分析した。その結果に基づいて、Spamメールの防止対策についても考察する。Mails so called Spam or UCE have been increasing daily by anomalous rate. Since last August, the author archives UCE mails which sent to him. And the numbers of UCE mails archived exceeds 20000. These Spam mails are analyzed to find out the source addresses, origin and other characteristics. The author will make a brief discussion on the counterplan to Spam based on the analysis.
著者
園城寺 康子
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医療短期大学紀要 (ISSN:09156933)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.76-85, 1995-03-25

P.D.JamesのThe Skull beneath the Skinは本格派イギリスミステリーであると同時に文学的スリラーと評価されている。この小説の舞台であるCourcy IslandはAmbrose Gorringeの犯罪の性質を語る重要な役割を果たしている。彼は一連の犯罪に大いにかかわったにもかかわらず,真犯人が自殺したこともあり,その犯罪は法のもとで裁かれなかった。彼の犯罪は証明が困難で,素人探偵Cordelia Grayの聖なる常識によって浮かび上がってくる性質のものであり,この視点はある意味では作者James自身のものでもある。だからこれは現代的犯罪の特殊で複雑な性質を描きだした犯罪小説と解釈できる。
著者
長島 久幸 茂木 健一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.627, pp.13-18, 2003-01-27

日常生活において、我々は日々多様な運動を連続的に行っている。その運動を微視的に観察すると、人の意思に反して、その運動を躊躇したり、その軌道を他の物の方向に変えてしまったりするなどの、無意識的な運動が起こることがある。このような現象をmicroslipsとよぶ。このmicroslips発生前後の手の軌道や形をデータグローブを用いて定量的に解析した結果、microslipsの発生は軌道のデルタ関数的な曲率変化によって特徴づけられ、その前後は通常の運動と区別できないということが判った。 また、それまでの運動が修正されてはじめて今までなされた運動がmicroslipsであると知覚されることもわかった。