著者
Tatsuhiro Ishida Hiroshi Kiwada
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.889-891, 2013-06-01 (Released:2013-06-01)
参考文献数
36
被引用文献数
45 62

In contrast to the general assumption that polyethyleneglycol (PEG)-conjugated substances lack immunogenicity and antigenic, it has been reported that they can elicit antibodies against PEG (mainly anti-PEG immunoglobulin M (IgM)). In patients, the presence of anti-PEG antibodies may limit therapeutic efficacy of PEGylated substances as a consequence of inducing rapid clearance of and neutralizing biological activity of the substances. Here, we introduce specific examples of PEGylated substances including several PEGylated proteins and PEGylated particles (PEGylated nanocarriers) which induce anti-PEG antibody responses. Finally, we emphasize that the immunogenicity of PEGylated substances should be tested in the development stage and that the titer of anti-PEG antibodies in patients should be pre-screened and monitored prior to and throughout a course of treatment with a PEGylated substance.
著者
松田 美和子 鈴木 恵美子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

ヒトが生まれつき体内でビタミンCを合成できない体内状態を模倣するため、ビタミンC生合成能を失ったGNL/SMP30ノックアウトマウスを用いた。ビタミンC欠乏が不安症・うつ病の誘発リスクとなる可能性を検証した。心の病に影響する成育環境に着目し、仲間が常に同じ安定群または仲間がたえず入れ替わる不安定群を比較した。ビタミンC欠乏では、ビタミンCを十分与えた期間に比べて、不安様行動とうつ様行動が悪化した。社会的安定群は新規ストレッサーに脆弱であり雄で顕著だった。社会的不安定群は血中グルタチオン濃度が有為に低かった。本研究の結果から、ビタミンCは精神疾患の予防に重要であることが示唆された。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.945, pp.28-30, 1998-06-15

昨年7月に発生したアジア通貨危機は東南アジア、東アジアの広い範囲に波及した(下左グラフ参照)。インドネシアでは金融危機が政治危機に結びつき、スハルト大統領が約30年続いた政権の座から降りた。日本の円も1ドル140円辺りまで下落している。電機、部品、繊維など広い範囲の輸出品目で競合するアジアのライバル国の通貨が下落しても、まだ元は対ドルレートを維持している。
著者
井上 芳光 山瀧 夕紀 谷 玲子
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.1-6, 2006
参考文献数
15

本研究では,母親の運動経験や活動性が幼児の運動量や運動能力に及ぼす影響を検討するため,健康な2〜4歳児男女75名に対して日常生活下の歩行量と3種目の運動能力テスト(テニスボール投げ・20m走・立ち幅跳び),彼らの母親に対して日常生活下の歩行量および運動歴・運動スポーツに対する価値観などを問うアンケート調査をそれぞれ実施した.アンケート結果と母親の日常歩行量の関係において,母親の運動経験年数が多い者が少ない者より日常歩行量が有意に多かった.アンケートで母親が『活動的である』および『外に出かけることが好き』と回答した2・3歳児の日常歩行量は,母親が『活動的でない』および『家の中で過ごすことが好きだ』と回答した2・3歳児の歩行量より有意に多かった.なお,この関係は4歳児ではみられなかった.日常生活下の歩行量において,母親と子どもとの間に有意な正の相関関係が2・3歳児でも4歳児でも認められた.走・投・跳に関する子どもの運動能力テストと子どもの日常歩行量の関連性において,2・3歳児では,ボール投げvs.歩行量に有意な相関が認められなかったものの,20m走や立ち幅跳びは歩行量と有意な相関関係を有した.4歳児では20m走や立ち幅跳びとともに,ボール投げでも歩行量と有意な相関傾向がみられた.以上の結果,母親の運動歴が母親自身の日常歩行量に影響し,それと母親の活動性が子どもの歩行量に反映し,ひいては子どもの運動能力にも影響する可能性が示唆された.
著者
石坂 昭雄
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.91-130, 2016-12-08

ドイツ新歴史学派経済学の巨匠ルーヨ・ブレンターノは,経済理論や社会政策のみならず,経済史学においても大きな功績を遺したにもかかわらず,現在では内外ともにまったく忘れられ無視された存在となっている。その原因の一端は,彼が資本主義精神を最大限利潤の追求一般に帰し,かのマックス・ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と《資本主義の精神》」を最も早い時期から批判してきた代表者としてのみ理解されてきたところにある。しかし,ブレンターノは,当時のドイツの学界切ってのイギリス経済と経済史の専門家であり,かつその自由主義と社会改革の強固な信奉者であったし,ヴェーバーなど社会政策学会内の自由主義的改革派を率いる中心的リーダーでもあった。それゆえ,彼の資本主義精神の議論だけを捉えてブレンターノを評価するのは妥当ではない。 そこで本稿では,ブレンターノの経済史研究,とりわけイギリス経済史とヨーロッパ経済の発展にかんする全体像をとらえ,そのなかでのヴェーバーの「資本主義の『精神』」批判を検討しながら,その主張や歴史認識が,どこまでヴェーバーと重なり合うか,どの点で相互に大きく乖離することになったかを論じたい。
著者
浅田 美代子 佐藤 珠希
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.446, pp.140-143, 2019-07

──45年ぶりとなる主演映画「エリカ38」で、他人からお金をだまし取り、物欲と快楽に溺れていく詐欺師・渡部聡子役に挑んでいます。億単位のお金を詐取してタイに渡り、実年齢を20歳以上も偽って現地の男性と暮らしていた女性が起こした事件がモチーフ。映画を…
著者
大倉 正雄
出版者
拓殖大学政治経済研究所
雑誌
政治・経済・法律研究 = Politics, economics and law (ISSN:13446630)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.1-26, 2019-03

ウィリアム・ペティ(Sir William Petty, 1623-87)の主著『政治算術』(Political Arithmetick)は,名誉革命後の1690年に遺著として刊行された。その頃隣国フランスでは,ルイ一四世の財務総監J・B・コルベールによる経済政策の推進によって,国力・経済力が著しく強力されていた。この著書は,イギリスのライバル国における,このような目覚ましい躍進を目の当たりにして執着された。本書の根底には,隣国の急速な台頭に対する脅威の念が,潜んでいる。その課題は,三大強国オランダ・フランス・イギリスの国力・経済力を分析把握することである。ここでは,ペティが自ら考案した政治算術を駆使して,そのような国力・経済力の分析把握が試みられている。第1・第3章では,オランダ・フランスの国力・経済力に対する比較分析がおこなわれている。フランスは大国である割には,小国オランダと比較して国力・経済力が小さい。そのような命題が掲げられている。算術的分析にもとづいて,その命題が真であることを論証する作業がおこなわれている。しかしながら,その分析の展開の仕方には議論の余地がある。そこで採用された分析的枠組みは,妥当ではない。そのために,この算術的分析は当の命題が真であることを,十分には論証していない。
著者
小倉 博代
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.323-325, 1974-07-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
4

蓋をしないで解放の状態で加熱を行なう時はVB1の大気中への逸散が大きく, 残存率はとくに少なくなることが認められた.このことは蒸気とともに大気中に逸散されるためであると推定される.大気中への逸散を防ぐため蒸留装置を用いて加熱した場合でも還流冷却器をつけた場合でも, 加熱中に若干はVB1の臭いがすること, また実験はpHをVB1が安定である酸性に保ちながら行なったためにVB1の破壊によって残存率が少なくなったとは考えられないからである.今まではVB1の損失についてはpHが高くアルカリ性であればVB1が破壊されるため, 酸性または中性でやらなければならないとか, 加熱温度が高い (140℃以上) 場合は分解するとかに注意をはらってきた.この実験からもわかるように蒸気とともに大気中に逸散される量も非常に大きいので調理においては充分注意されねばならない.実際の調理にあたっては, pH, 温度に注意することは勿論であるが, 大気中への逸散も考慮して加熱時には必ず蓋をするとか, 食品を焼く場合はアルミニウムの箔で包んでやるとかしなければならぬし, 加熱時間もできるだけ少ない方が良いと思われる.

1 0 0 0 OA 青年立志編

著者
永田岳淵 著
出版者
富田文陽堂
巻号頁・発行日
1909
著者
渡邉 文枝 向後 千春
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.Suppl., pp.109-112, 2012-12-20 (Released:2016-08-09)
参考文献数
7
被引用文献数
1

本研究では,タブレット端末における画像と文章を含めた教材を作成し,アニメーションの有無,文章の有無の観点から,学習に効果的な提示方法,および提示方法とわかりやすさとの関連について検討した.その結果,タブレット端末に提示する教材として,字句レベルの記憶学習には画像のみを提示する方法,特に学習内容の理解においては,アニメーションを付加した画像を提示する方法が,学習に効果的である可能性が示唆された.一方で,学習者は,アニメーションを付加した画像と文章を組み合わせた提示方法をわかりやすいと主観的に認知していることが示された.