著者
アーメド M.ファリドウヂン ラハマン S.M.ルトフォル アーメド A.S.M.メスバーウヂン アリ M.エムラン
出版者
岩手県立大学
雑誌
総合政策 (ISSN:13446347)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.239-250, 0000
被引用文献数
1

本研究はバングラデシュ、Gazipur地域(以前はDhaka地域と称していた)の最小行政地区(uapzmas)としてのGazipur,Kapasia,Kaliakairを対象とし、各地区から30戸の農家を選定して調査したものである。調査にあたり、農家菜園の構造、作物構成、作物の多様性、農家の食糧確保に対する貢献、作物種類の維持、作物の生産性の制約、社会経済的な農業森林体系維持上の重要性に着目した。農家菜園の平均規模は8アールで、農家規模が大きくなると菜園も大きくなる傾向が認められた。土地なし農家と小規模農家の菜園では、樹木並びに疎林は狭小である。調査地域平均では、43種類の有用樹木(果樹並びに木材用樹木)が確認された。すべての農家で果樹が最重要であり(Shanonの多様性指数はH=7.25)、ついで木材用樹種となる(H=4.83)。全43樹種のうち28種は園芸用であり、15種は用材、燃料用である。農家経営規模が大きくなると農家所得も多くなる。調査地域では多岐にわたる野菜(32種)が生産されているが、多くは自家消費むけである。ジャックフルーツ、マンゴー、ナツメヤシ、ライチ、マホガニー、ナンバンサイカチの下作としてアマランサス、インド・ホウレン草、アロイド、カボチャ、唐辛子、パイナップル、ウコン、豆類、蕪などが栽培されている。まだカントリー・ビーン、苦ひょうたん、スポンジひょうたん、ささげ、しょうがなどはジャックフルーツ、マンゴー、ライチ、マホガニー、ナンバンサイカチに這わせて栽培している。農家は菜園で生産した樹木、果物、野菜の一部を販売して所得を得ている。大規模農家では樹木からの所得が大きく、この5年間の平均で22,458カタ(バングラデシュ通貨単位:1タカは約2円に相当)に達し、ランドレス・ファーマーでは6,150タカにとどまる。総所得も農業経営規模が大きくなるにつれて多くなる。ジャックフルーツはとりわけ収益性の大きい樹種である。多くの農家は用材、燃料材より果樹を好んで栽培する。樹木の栽植にあたって問題となるのは獣害であり、調査農家の68%に及んでいる。虫害も多く、27%がその被害を報告している。菜園は、より適切な管理、調査、協力体制の整備と普及によって改善の余地がある。また、低生産性の作物を生産性の高い作目に転換することにより改善できる。
著者
百瀬 弥寿徳
出版者
東邦大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本研究は飲酒時の心拍数増加作用について、アセトアルデヒドは心臓洞房結節ペースメーカー細胞を直接活性化し発現するとの仮説を基に、アセトアルデヒドの心拍数増加作用を明らかにすることを目的とした。アセトアルデヒドは交感神経終末よりカテコールアミンの遊離作用を持つことが知られているが、単離細胞標本では作用部位がpost-synaptic membraneに限局されることから、アセトアルデヒドの心拍数への効果が明らかにされると考える。本研究ではウサギ心臓洞房結節ペースメーカー細胞を単離し、アセトアルデヒドが陽性変時作用を有することを確認した。次にパッチクランプ法によりIfチャネル、T-type Caチャネル、Na/Ca exchange currentsを計測してアセトアルデヒドの陽性変時作用機序を検討した。その結果アセトアルデヒドはT-type Caチャネルを活性化することが明らかとなった。またL-type Caチャネルも著明に活性化した。このことは細胞内Ca濃度の増加がアセトアルデヒドによって起こりペースメーカーの発現に促進的に働くことが示唆された。またIfチャネル、Na/Ca exchange currentsに対してアセトアルデヒドは明らかな影響を及ぼさなかった。以上の研究結果は、アセトアルデヒドがこれまで考えられた交感神経終末からのカテコールアミンの遊離作用に起因する心拍数の増加作用以外に、直接洞房結節ペースメーカー細胞に作用し陽性変時作用を起こすことを明らかにした。その機序はT-type Caチャネルの活性化と細胞内Ca濃度の増加に起因するものと結論した。
出版者
日経BP社
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.340, pp.34-37, 2011-03

ウェブサイト「日経ビジネスオンライン」では『日経マネー』とのコラボ企画を連載中。「マネ美と金蔵デスクの企業年金探偵団」「新人金融記者マネ美が行く! 香港アメリカ突撃ルポ」などマネー最新事情を分かりやすい切り口でお伝えしています。http://business.nikkeibp.co.jp/マネ美 金蔵デスク、株主優待ってウチの雑誌の人気企画なんですよね。
著者
龍山 智栄 宮下 和雄
出版者
富山大学
雑誌
富山大学工学部紀要 (ISSN:03871339)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.85-94, 1972-03

Electrical properties of layer-type semiconductor GaSe and GaTe have been measured.All crystals have been produced by Bridgman technique. GaSe is p-type with two activation energy, of which the value is about 0.29 eV above 200°K and 0.20eV below 200°K for one specimen. GaTe is also p-type, and the activation energy is about 0.13eV for one specimen. According to the temperature dependence of the Hall mobility which exhibits the form μ ∝ exp(hω/kT)-1, the scattering mechanism of these crystals is explained by the interaction of carriers with homo polar optical mode of lattice vibration. Electric field dependence of the conductivity of GaSe parallel to the c-axiz is interpreted by an "anomalous" Poole-Frenkel effect. Estimated dielectric constant is ε_∞=5.4.周期律表のIII A族とVI A族のうちのある元素を1対1の割合で化合物をつくると,結晶構造が層状をなす化合物半導体が得られる。このうち層状半導体といわれるものはGaS,GaSe,GaTe,InSeである。これら物質はc軸方向(へき開函に垂直方向)にY(VI)-M(III)-M(III)-Y(IV)よりなる4つの層が,共有結合で強く結合した基本層をつくり,この基本層がVan der waals力で積み重なった結晶構造を持っている。このため基本層間は容易に剥離することが出来1μm以下の厚さの単結晶を得ることも困難ではない。このような結晶構造のため,電気的,光学的物性におよぼす異方性の影響が注目されるのである。著者は,さらにバンドギャップが広いこと,直接遷移であることという観点から,GaSeとGaTeについて電気的,光電的特性を調べて来たが,ここでは電気的特性について述べる。GaSeおよびGaTeの電気伝導度Hall係数が測定された最初の報告はおそらくFieldingらによるものと思われる。しかしこの実験はGaTeの伝導をn型であるとするなど充分なものではなかった。1962年,FieldingとBrebnerはGaTe, GaSeの電気的特性を測定し,150°K以上の温度領域でのキャリアの散乱機構は音響型格子振動による散乱であるとした。1967年になってFivazとMooser はn型,P型のGaSeの移動度μを測定し,それらがいずれも200°K以上の温度範闘で_<μα>T^<-2.1>の温度依存性を持つとした。そしてこの原因をhomo polar optical modeの格子振動による散乱であるとして,そのフォノンエネルギーを40meVと求めた。一方IsmailovらもGaSeのHall係数を測定し,200°K以上の温度で_<μα>T^<-1.6>となることから,散乱は音響型格子振動によるものであるとしている。以上はいずれも電流をへき開層に平行方向に流したものであるが,GaSe,GaTeのへき開層に垂直方向での電気伝導度の電界依存性を測定したものにAbudullaevらの報告がある。彼等はこれをPoole-Frenkel効果によるとしている。その根拠として,誘電率の値が5になることを上げているが彼等の実験結果はPoole Frenkel の式では誘電率は20になるので単なるPoole Frenkel 効果とするのは誤まりであると思われる。本論文ではまずGaSe,GaTeの結晶製作について述べ,得られた結晶のキャリア濃度,移動度の測定より不純物の活性化エネルギー,キャリアの散乱機構について考察する。また,GaSe のc軸方向の電気伝導度の電界依存性が"anomalous" Poole-Frenkel効果によって支配されていることを示す。
著者
齋藤 滋
出版者
診断と治療社
雑誌
産科と婦人科 (ISSN:03869792)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.479-483, 2016-05
著者
オズボーン マイケル・A
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュータ = Nikkei computer (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.907, pp.46-49, 2016-03-03

労働人口の約半数が近い将来、人工知能(AI)やロボットに代替される——。衝撃的な論文を2013年に発表したことで知られるオズボーン准教授。「シンギュラリティ」の到来に向けて、社会や産業は劇的に変化していくと主張する不可避な変化に備え、教育システムを…
著者
宮﨑 照雄 佐々木 誠一 豊田 淳 白井 睦 池上 正 本多 彰
出版者
国際タウリン研究会
雑誌
タウリンリサーチ (ISSN:21896232)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.19-22, 2019 (Released:2020-09-20)

タウリン生合成能がないネコでは、タウリン枯渇食の供与により生体中のタウリンが欠乏状態に陥る。タウリンの欠乏により、タウリンの胆汁酸抱合率が顕著に減少する。さらに、胆汁中の胆汁酸濃度の有意な減少と胆汁酸組成の変化が生じる。そこで、タウリンの欠乏が、肝臓における胆汁酸合成過程に及ぼす影響について、胆汁酸合成経路の中間代謝物である酸化ステロールの変化について検討した。その結果、タウリン欠乏ネコの肝臓において、胆汁酸合成経路のClassic pathway の酸化ステロールの有意な増加とAlternative pathway の酸化ステロールの有意な減少が確認された。タウリン欠乏による胆汁酸組成の変化は、胆汁酸合成経路で異なる中間代謝物の変化に伴っており、タウリンが胆汁酸合成系の代謝に関与する可能性が示唆された。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.670, pp.82-84, 2010-07

「本は包装したら売れない」という業界の常識を覆し、コミック本のフィルム包装市場を開拓した。先駆者というだけではなく、故障時における代替ユニットの即日発送、無償の開店準備支援など、圧倒的なアフターサービスで他社の参入を許さない。今ではどこの書店でも見掛けるフィルムで包装されたコミック本。
著者
浅田 徹
出版者
日本近世文学会
雑誌
近世文藝 (ISSN:03873412)
巻号頁・発行日
vol.112, pp.55-67, 2020

Fujitani-Nariakira and Banbayashi-Mitsuhira, the "kokugaku" scholars of the Edo Period, divided the history of the styles of early modern <i>waka</i> poetry into two periods. While <i>Sangyoku-shū</i> established an elegant and ethereal style of poetry from the Muromachi Period to the late eighteenth century, the plain style of <i>Ruidai-fukugyoku-shū</i> became more dominant in the nineteenth century. In the eighteenth century the Jige poetical circles were explosively on the rise. Under the influence of the Dōjō school they usually referred to <i>Shin-dairin-waka-shū</i> and other poetry collections of the school which were modeled after the works of Emperor Go-Mizunoo's circle. In this way the trend of eighteenth-century poetics was created through the publishing media. In the nineteenth century, however, the school's ambiguous tone became out of fashion. Instead, as the number of lay poets was on the increase, the Jige school developed its own plain style more suitable for topics from their daily life. This is the goal of early modern poetics.
著者
日髙 昇平 高橋 康介
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.25-38, 2021

<p>Visual perception, receiving a two-dimensional (2D) visual input, often constructs the three-dimensional (3D) perceptual image. Although there are generally multiple structures in the external world that give an equivalent two-dimensional retinal image, the perceptual process naturally and easily infers only one 3D structure as the solution. However, the following problems are not obvious at all: what kind of structure can be obtained as a 3D perceptual image from certain 2D information, and why do we get a three-dimensional perceptual image instead of a two-dimensional one. In the present study, we investigate this problem by untangling the Necker Cube phenomenon, and propose a novel theory of three-dimensional visual perception from the viewpoint of the efficiency of information coding. Among the possible structures that can yield the 2D retinal image of the Necker Cube, the structure of the typical three-dimensional perceptual image of the Necker Cube maximizes the symmetry (in group theory). This maximization of symmetry is characterized by the pairs of adjoint functors (in category theory). Therefore, according to this proposed theory, "the Necker Cube" in the three-dimensional space is perceived as the most efficient encoding of the two-dimensional retinal image.</p>
著者
金沢大学附属図書館
出版者
金沢大学附属図書館
雑誌
こだま (ISSN:09158782)
巻号頁・発行日
no.208, pp.1-4, 2022-01-05

徳田秋聲生誕150年記念特集
著者
西郷 甲矢人 日髙 昇平 高橋 康介 布山 美慕
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.70-83, 2021

<p>The aim of this article is to provide references to cognitive scientists, who are interested in learning category theory and using it in their research. This article consists of the three sections, question-and-answers on category theory, utility of category theory on cognitive science, and tutorial materials. In the question-and-answers on category theory, we answered to questions, with which beginners of category theory may come up. In the utility of category theory on cognitive science, we raised the three items of utility of category theory in building cognitive models. The learning materials share the books, slides, and videos on the web, recommended to start with.</p>
著者
大山 智徳
出版者
日本大学社会学会
雑誌
社会学論叢 (ISSN:0582933X)
巻号頁・発行日
no.201, pp.1-32, 2021-07
著者
松崎 一平 榎原 毅
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.259-263, 2020-12-15 (Released:2021-12-11)
参考文献数
6

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症対策として,山下病院では患者に関わる全スタッフに対して,勤務中はフェイスシールド着用が義務化された.フェイスシールド着用義務化以降,スタッフより頭痛やめまいの訴えがよく聞かれるようになった.そこで,医師・看護師全員に対してアンケートを実施し,フェイスシールド装着義務化前後での頭痛・めまいの頻度および症状の程度を比較検討した.当病院に従事する全ての医師12名および看護師89名にオンラインアンケートを実施した結果,フェイスシールド着用前に比べ,義務化されて以降,医療従事者の頭痛の頻度が増加している傾向(p=0.056)が示された.フェイスシールドを装着することでめまいを訴える頻度も有意に増加していた(p<0.01).フェイスシールドの長時間着用により,頭痛・めまいが誘発されている可能性が示唆された.人間工学的なフェイスシールド・デザイン,連続装着時間の指針など,人間工学研究の展開が望まれる.
著者
上田 景子 金子 周平 水海 吉太郎 田中 研実 近藤 隆一郎
出版者
福岡県農林業総合試験場
巻号頁・発行日
no.1, pp.49-54, 2015 (Released:2020-02-03)

果樹園から排出されるカキノキ(Diospyros kaki)剪定枝の新たな処理方法を開発するため,剪定枝チップを培地の基材としたヒラタケ(Pleurotus ostreatus)の無殺菌栽培を検討した。無殺菌の剪定枝チップにヒラタケ種菌を混合して温湿度無管理で培養を行った後,プランターに埋設する手法とした。本手法では,チップだけでも子実体は発生し,2.5kgの菌床あたり積算収穫量が355g,収穫回数は3.0回だった。栄養材として米ヌカを添加することで,それぞれ1035gおよび6.0回に増大した。種菌量の違い(培地全体重量の10%,20%および40%)で積算収穫量に有意な差はなかった。子実体が形成生育する場所,すなわち発生場所としては,クヌギ林内で積算収穫量および収穫回数がそれぞれ679g/菌床および5.4回と建物の軒下よりも多かった。プランター内の剪定枝は収穫開始から約1年後には原型をとどめない程度まで形状が崩壊していた。以上のことから,チップ化したカキノキ剪定枝を培地としたヒラタケ無殺菌栽培は,柿農家が特別な施設なしに剪定枝を処理できる方法として期待されるとともに,収穫した子実体も収入源にできる有効な技術と考えられた。