著者
渡辺 秀章 田崎 武信
出版者
日本計量生物学会
雑誌
計量生物学 (ISSN:09184430)
巻号頁・発行日
vol.27, no.Special_Issue, pp.S33-S44, 2006-09-30 (Released:2012-01-23)
参考文献数
21

In clinical trials, missing data often happens for a variety of reasons, such as dropouts, making it difficult to analyze the primary variable measured longitudinally and to interpret the results of the primary analysis. While handling missing data sometimes causes bias in the results, there have been no established statistical approaches applied to missing data in appropriate situations. In November 2001, Committee for Proprietary Medical Product of the European Medicines Agency, issued “Points to Consider (PtC) on Missing Data”, which focuses on several points that should be taken into account when handling missing data in clinical trials. In this paper, we review the contents of this PtC, which assumes that the primary analysis is based on the ITT principle, and discuss some of the approaches for handling missing data and the difficulties in interpreting these results.
著者
近藤 勝則 中村 彰宏 三友 仁志
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.35-44, 2015

近年、インターネットを利用すると同時に、テレビやラジオも視聴する、あるいは音楽も聞く、といった他の消費行動も同時に行う「インターネットのながら利用」が増加している。このようなインターネットのながら利用は、時間を多重的に使っている点に特徴があり、予算制約式に時間を含めて効用最大化行動を分析する枠組みでは、その便益を推計することは困難である。本研究では、その推計の1つの手法として、技術の進歩によってインターネットのながら利用ができるようになった点を新サービスの市場への投入と捉え、新サービスの登場による消費者便益の増加を推計する手法を援用して、インターネットのながら利用による便益の推計を試みた(推計の対象は「ながら利用ができること(機能)」ではなく、「インターネットをながら利用すること(利用実績)」)。<br>推計の結果、インターネットのながら利用による消費者余剰は平均的な利用者において約3,500円/日程度となっており、こうした新サービスは相応の便益を生じていることが示唆される。<br>また、本研究では利用できるデータの制約上スマホ普及前の時点でのインターネットのながら利用の便益を推計したが、現在のスマホの利用環境下ではさらに大きな便益が生じていることが推測される。
著者
高林 武彦
出版者
物性研究・電子版 編集委員会
雑誌
物性論研究 (ISSN:18837808)
巻号頁・発行日
vol.1953, no.66, pp.48-72, 1953 (Released:2009-11-26)
参考文献数
7

The formulation of quantum mechanics in terms of the ensemble in phase space is investigated in some points. The subsidiary conditions for the phase space ensemble to represent a pure state are clarified, and the equivalence between this formulation and the alternative one in terms of quantum potential is verified.
著者
太田 伸生
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.102-103, 2018-01-15

文部科学省の学校保健安全法施行規則の改正によって,蟯虫の検査は2015年度で終了となった.誰もが思い出すセロファンテープ法による蟯虫検査であるが,今後,学童の記憶から徐々にフェードアウトしていく運命である.中央部が青色に着色されたセロファンテープを,起床時に肛門に当てて,肛門周囲に産卵された蟯虫卵を検出する方法を“テープ法”,“セロファンテープ法”,“スコッチテープ法”などと呼んでいた.法改正の後,私たちの業界でもいろいろなことが起こり,ここしばらくは混乱が続くであろう.というのも,このセロファンテープの供給が継続できないことになったからである. 蟯虫は別名pin warmとも呼ばれる体長1cm内外の腸管寄生線虫であり,虫卵を経口的に摂取して感染した後,成虫は腸管回盲部に定着寄生する.腸管粘膜侵入性もなく,宿主免疫応答も軽微であるため,感染者はほとんど自覚することはない.雌虫は宿主の夜間就眠中に肛門に出てきて産卵し,肛門周囲の違和感によって手指で触る際に虫卵で汚染され,それが再び経口感染するが,その他に感染者の衣類や手指の接触を介して他者に感染が及ぶこともある.そのような感染パターンのため,感染者は未就学児童や小学校低学年学童が多く,また,同居家族にも感染が及ぶ傾向がある.疫学的には住居内の1人当たりの専有面積と反比例するとされ,集合住宅居住者に多いなど,都市型寄生虫感染症である.セロファンテープ法であるが,ご承知の通り,2日連続検査が行われる.この方法に限らず,検便検査の感度は決して高くなく,蟯虫検査のセロファンテープ法でも,2日法では約半数が偽陰性となることが知られており,9割程度の診断効率を得るには5日連続検査が必要である.最近の都市部学童の蟯虫陽性率は0.3%前後であることからすると,日本国内では学童の200人に1人程度の感染者がいることになる.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.366, pp.62-64, 2004-12-24

住宅の裏手の斜面で工事中,地山が崩れて作業員が死傷した。2週間以内に降った数回の大雨が一因。1カ月前に隣接工区で類似の崩落が起きており,警察は発注側の設計担当者と施工者を書類送検。だが,地検は2004年10月までに不起訴とすることを決めた。 神奈川県横須賀市内の国道16号に面する住宅の裏手にある斜面で,急傾斜地崩壊対策工事を行っていた。元請け会社は市内の山崎組。
著者
河野 由 小笠原 一生 水村(久埜) 真由美
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.205-212, 2017 (Released:2017-12-28)
参考文献数
7

バレエにおいて上肢の動きは,豊かな表現を実現する上で欠かせない.しかし,表現を伴う上肢動作の3 次元的な運動学的特徴を報告した研究はなく,表現に必要なスキルの詳細は不明である.そこで本研究では,白鳥の羽ばたきを模した上肢動作の3 次元的な運動学的特徴を明らかにすることを目的とした.バレエ熟練者5 名とバレエ未経験者9 名に白鳥の羽ばたきを模した上肢動作を実施させ,その際の肩,肘,手関節角度および各関節運動の運動範囲と,上肢挙上または下降局面の肩,肘,手関節角度の極値が出現する時間差を算出した.その結果,バレエ熟練者は,バレエ未経験者よりも前額面の運動および上肢の回旋運動が有意に大きく,上肢挙上局面では肘関節が肩関節や手関節に先行して動き,上肢下降局面では上肢が近位部から遠位部へとしなるように動くことが示された.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1894, pp.30-35, 2017-06-05

「全くの勇み足と言わざるを得ない。時効が迫る中で『何としても書類送検まで持っていけ』という本省からのプレッシャーが現場を暴走させたに違いない」。ある労働基準監督署の関係者はこう話す。
著者
迫田 義博
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.229-248, 2011-12-25 (Released:2013-04-30)
参考文献数
114
被引用文献数
1

ペスチウイルスとはフラビウイルス科ペスチウイルス属の牛ウイルス性下痢ウイルス,豚コレラウイルス,ボーダー病ウイルスを代表とする動物ウイルスの総称である.ペスチウイルスはいずれもヒトに感染することないが,獣医領域では重要な疾病を引き起こす病原体である.ペスチウイルスは他のフラビウイルス科のウイルスと似た遺伝子構造を持つが,ウイルスゲノムへの宿主遺伝子の挿入,ペスチウイルス特有のウイルス蛋白NproやErnsの病原性への関与など,興味深い報告が多い.本稿ではペスチウイルスの病原性の分子基盤を中心に最新の知見も含め解説する.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1894, pp.24-29, 2017-06-05

異変が起きたのは2017年1月。いつものように宿泊客を送り出し一息ついた午前11時ごろ、見慣れぬ黒いスーツ姿の男性が訪れた。
著者
稲垣 卓造
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.78-87, 1987

高層集合住宅の外部色彩に関する調査を, 名古屋市内の二つの区において実施した。その結果は次のとおりである。1)基調色については, 高明度低彩度色が全体の75%強を占めた。他の4分の1弱が中, 高彩度色であり, それらの70%強がタイル仕上げによるものであった。2)アクセント色は, バリュー・クロマ図上で基調色と比べ広く分散しているが, 低明度低彩度部分に小さな集中が見られた。またヒューのピークがYR系に移行していた。3)アクセント色の部位に関して, そのいくつかは使われる色彩の範囲がかなり限られていた。4)アクセント色のほとんどが, その基調色より低明度低彩度であったが, 二, 三の部位のアクセント色についてはそれ以外の傾向を示した。5)中, 高彩度色を基調色にもつ場合, その建築の色彩以外の属性(仕上げ, 住戸数, 竣工年, 所有形態など)によって規定されやすい。また, アクセント色の部位についても同様の傾向が強いものがあった。
著者
木村 弘毅
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュータ = Nikkei computer (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.969, pp.72-75, 2018-07-19

前社長が商標法違反容疑で書類送検され、前倒しで就任した。ガバナンスの立て直しと、次の稼ぎ頭の育成が急務だ。SNSのmixi、ゲームのモンストに次ぐ3発目の本塁打を放てるか。
著者
青野 要 山本 道夫 飯田 荘介 内海 耕慥
出版者
岡山医学会
雑誌
岡山医学会雑誌 (ISSN:00301558)
巻号頁・発行日
vol.90, no.9, pp.1297-1308, 1978
被引用文献数
1

In relation to the mechanism by which hemolysis was induced in radiated human erythrocytes <i>in vitro</i>, several inducements of membrane lipid peroxidation and protective effects of V. E and SOD were investigated. Results obtained were as follows:<br>(1) K<sup>+</sup>-release from erythrocytes was accelerated by radiation prior to hemolysis. These accelerated hemolysis and K<sup>+</sup>-release were protected remarkably by V. E and evidently by SOD.<br>(2) Mitochondrial Fe<sup>2+</sup> induced and Fe<sup>3+</sup>-O<sub>2</sub> generating system - ADP induced lipid peroxidation, and microsomal O<sub>2</sub> generating system - induced lipid peroxidation were also protected by V. E and SOD.<br>(3) Radiation of X-ray or <sup>60</sup>Co &gamma;-ray accelerated lipid peroxidation of liver homogenate, microsome and liposome. Some of these accelerated lipid peroxidations were protected effectively by V. E and SOD.<br>These results suggest that O<sub>2</sub> and/or OH&middot;generation by radiation induces of membrane lipid peroxidation, which leads deterioration of membrane resulting in the change of ion permeability and then hemolysis.
著者
服部 淳彦
出版者
日本比較生理生化学会
雑誌
比較生理生化学 (ISSN:09163786)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.2-11, 2017
被引用文献数
1

<p>エイジングに伴って,様々な器官に衰えが生じることは避けられない。特に,睡眠障害や記憶力の低下,骨粗鬆症による骨折などは,高齢者のQOL(Quality of Life)低下につながり,その予防や改善策は喫緊の課題である。メラトニンは松果体から夜間にのみ分泌される「夜の時刻情報の伝達物質」であるが,その分泌量は加齢とともに激減する。近年,メラトニンは松果体以外の様々な器官においても合成されること,フリーラジカルや活性酸素を消去する抗酸化物質としての性質を併せ持つことが明らかとなった。そこで,この加齢に伴って減少するメラトニンを補充するという長期投与実験がなされ,マウスやラットでは寿命を延ばすことが報告されている。ヒトでも,閉経後骨粗鬆症の進行を抑制し,アルツハイマー病に対しても通常の治療薬との併用ではあるが,進行を抑制することが報告され,一段とアンチ(ウェル)エイジング効果に期待が集まりつつある。最近我々は,メラトニンの学習・記憶増強作用が,メラトニンの脳内代産物であるN-acetyl-5-methoxykynuramine (AMK)の長期記憶誘導作用に起因していることを見出し(特願2016-42875),老化によって長期記憶形成力が低下したマウスやコオロギにおいて,AMKの単回投与が記憶力の有意な改善をもたらすことを明らかにした。また,我々が見つけたメラトニンの破骨細胞(骨溶解)抑制作用を期待して,国際宇宙ステーション「きぼう」実験棟において実験を行い,宇宙でもメラトニンが破骨細胞を抑制することを確認した。</p>
著者
石沢 信人 杉田 収 斎藤 秀晃 中野 正春
出版者
新潟県立看護短期大学紀要委員会
雑誌
新潟県立看護短期大学紀要 (ISSN:13428454)
巻号頁・発行日
no.3, pp.3-8, 1997-12

我々は,赤ワイン・白ワイン・その他のアルコール性飲料(ビール,日本酒)・非アルコール性飲料(日本茶,コーヒー,紅茶,昆布茶)および数種類の純化合物の抗酸化能を,CHP/Hb・MB法を用いて測定した.本法はCHP溶液への試料添加による還元反応後の残存CHP濃度を,分光光度計で測定するものである.我々の得た結論は以下の3点である:1.CHP/Iib・MB法は各種飲料物の抗酸化能を測定できる.2.ワインは高い抗酸化能を有するアルコール性飲料である.3.赤ワインは白ワインよりも高い抗酸化能を示すが,白ワインにも高い抗酸化能が認められるので赤ワインにこだわる必要はない.We measured antioxidant activities of red and white wines, other various alcoholic and nonalcoholic beverages (beer, sake, Japanese tea, coffee, tea, and konbucha) and some pure chemical compound solution by CHP/Hb・MB method. This is the method that measure the remaining CHP concentration after reducing reaction caused by adding specimen to CHP solution by a spectrum photometer. Wehave conclusion as follows: 1. CHP/Hb・MB method can measure antioxidant activities in various beverages. 2. Wine is the alcoholic beverage which had high antioxidant activity. 3. Red wine contained high antioxidant activity than white wine, but white wine contained antioxidant activities high fully, too. So we need not to be concerned with red wine.