著者
比護 幸宏
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【はじめに,目的】</p><p></p><p>スポーツ外傷・障害(以下傷害)への対応で重要なことの一つに傷害発生の予防があり,傷害により練習や試合に影響を及ぼすことは個人やチームにとって重大な損失となり得る。しかし高校部活のカテゴリーでは未だにその普及は十分とはいえない。本研究では全国大会出場高校サッカー部に所属する生徒を対象に傷害の有無と発生時期,ウォーミングアップ(以下WU)やクールダウン(以下CD)・栄養摂取などの傷害予防行動の実態を調査することで競技者への適切な介入や時期・傷害発生要因を検討する目的で行なった。</p><p></p><p>【方法】</p><p></p><p>対象は,全国大会出場高校サッカー部で同一チームに所属する男性78名,平均年齢16.9±0.77歳。集合質問紙調査を実施し,競技歴,傷害の有無・部位・発生時期・受傷機転,WU・CDの有無と時間,栄養に関する関心,現在も疼痛を有する者を傷害群としてその傷害の影響について質問した。また統計学的分析では,傷害群と非傷害群間,公式戦登録選手と非登録選手間で傷害予防に有効とされるWU・CDの有無と実施時間,栄養摂取に関してχ<sup>2</sup>検定の独立性検定を行った。有意水準はp<0.05およびp<0.01とした。</p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>競技開始年齢6.5±0.3歳,傷害を有する者51%,傷害の原因となる受傷をした競技経験年数8.36±2.9年,傷害部位は足関節36%,膝関節18%,大腿9%で多かった。受傷機転は非接触76%で,そのうち足関節受傷は37%と最も多かった。傷害によって練習に影響がでた割合は69%で,そのうち8%は半年間以上の練習内容の変更が必要であった。また試合に影響がでた割合は59%で,そのうち21%が試合出場機会を失った。WU・CDは100%実施されていた。栄養摂取に関して毎食の栄養バランスを意識している割合が72%,そのうち実際に摂っている割合は35%であった。公式戦登録選手と非登録選手間での意識的な炭水化物摂取と体重測定の有無(p<0.01),蛋白質摂取の有無(p<0.05)で有意な偏りを認め,公式戦登録選手では体調管理の意識が高い結果となったが,傷害群と非傷害群間で有意な差は認めなかった。</p><p></p><p>【結論】</p><p></p><p>傷害発生による慢性疼痛や活動機会減少を防ぐ為の一次予防介入時期は,競技開始年齢と傷害の原因となる受傷をした競技経験年数の和より高校入学以前が望ましいと示唆される。受傷率の高い足関節傷害は再受傷率が高いため一次予防に加え二次予防が重要となる。また活動機会の多い公式戦登録選手では栄養摂取に関して意識が高い結果となった。傷害発生要因として傷害群と非傷害群間でWU・CDの実施や必要栄養素の摂取に差があるのではと考えたが本調査はこの仮説を支持しなかった。しかし,傷害群では試合や練習の機会を失う者もおり,今後の課題としてその他の内的・外的要因に関して傷害群と非傷害群間の差を比較し,高校部活の競技レベルにおいて傷害予防に有効かつ実施可能な内容を検討する必要がある。</p>
著者
山下 崇博 小林 健 伊藤 寿浩
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2015年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.329-330, 2015-03-01 (Released:2015-09-01)

現在,高度経済成長期に整備されたインフラの損傷や老朽化に伴う事故が多発している。そこで,本研究ではインフラ構造物及びその構成部材の状態を常時・継続的・網羅的に把握するセンサシートを開発する。シリコンウェハ上に大きさ1mm角,厚さ5μm程度のひずみゲージチップを作製し,スタンピング転写によりPET基材上にアレイ状に実装することで,橋梁などに貼り付け可能な大面積フレキシブルセンサシートを実現する。
著者
平 修 小西 康子 金子 大作 一柳 優子
出版者
日本食品工学会
雑誌
日本食品工学会誌 (ISSN:13457942)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.9-17, 2013

従来,農薬検出は,LC-,GC-MSによるものが一般的である.しかし,時間,コスト的に課題がある.今回,ナノ微粒子支援型質量分析(Nano-PALDI MS)法により,簡便に農薬を検出する手法の開発を試みた.コア成分の異なる8種類(Ti, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Ag)合成した.これらを用いて,水田除草剤に用いられるトップガン剤に含まれる4つの農薬(bromobutide, pentoxazone, pyriminobac methyl, bensulfron methyl)の検出に成功した.また,用いた8種類のナノ微粒子による農薬検出の結果をクラスタ解析することで,農薬を検出するのに有効なナノ微粒子を選定できることを示した.
著者
森地 茂 清水 哲夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
no.13, pp.915-922, 1996
被引用文献数
1

現在, 都市高速道路では渋滞緩和対策の1つとして流入制御が行われているが, 一般街路への負荷が大きいこと, 事故発生時及び渋滞発生時のような非定常な交通状態に対処できない等の問題を抱えている。本研究は, ランプの待ちスペースに車両を滞留させながらリアルタイムに車両を流入させる手法の開発可能性を検討することが目的である。その際制御オプションの1つとしてピークロードプライシングを導入するが, これにより流入禁止時間を減らす工夫を試みる。このような制御には, 急速な求解が可能な最適化アルゴリズムが必要であるが, 本研究では遺伝的アルゴリズム (GA) の適用により, この問題の解決を試みる。
著者
フクシマ ユパカー
出版者
専門日本語教育学会
雑誌
専門日本語教育研究 (ISSN:13451995)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.3-8, 2018-12-31 (Released:2020-09-08)
参考文献数
11

タイ人日本語学習者は2012年頃から急増し、2015年の日本語教育機関調査でも2012年に比べて34.1%増の173,817人となり、ついにアメリカを抜いて世界第6位になった。その背景にはタイの教育方針、日本のサブカルチャーの人気、および日本とタイの経済的結びつきの強さという3つの要因が考えられる。この約17万人の中、高等教育機関の学習者は14.3%の24,789人であり、大学の卒業生の大半がタイ国内の日系企業に就職することを踏まえ、企業が求める日本語人材はどのようなものか、それらの要望にビジネス日本語コースがいかに対応しているか、カセサート大学を事例としてビジネス日本語コースの現状と課題を考察した。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.891, pp.155-159, 2005-01-17

定額制の導入か否か——。KDDI内部の誰もが固唾かたずをのんで見守ったCDMA2000 1xEV—DO(以下,EV—DO)を利用した高速データ通信サービスの行方。八木達夫や上月勝博が所属するコンテンツ・メディア本部も例外ではなかった。
著者
三木一彦
出版者
文教大学
雑誌
文教大学教育学部紀要
巻号頁・発行日
vol.2003年度, no.37, 2003-12
著者
井原西鶴 著
出版者
米山堂
巻号頁・発行日
vol.巻5, 1941
著者
井上 史雄 半沢 康
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.144-156, 2021-09-30 (Released:2021-11-16)
参考文献数
40

本稿では山形県庄内地方の方言調査データを分析し,地域差の大きい時期から世代差の大きい時期に移行したことを元に交通の役割の変化を論じる.出発点は,明和4(1767)年に編集された鶴岡の方言集『浜荻』である.1950年の第1次調査,2018年の第2次調査により140年にわたる語彙残存率の世代差が分かった.データは,406項目×27地点の約370人からなる.周圏分布による地域差を,中心都市からの徒歩距離によって1次元で表現した.全員の語形データに適用したあと,7世代を3グループに分けて適用した.その結果第1グループの第1次調査では地域差が大きく表れ,徒歩距離が作用したと認められた.第2グループの第2次調査老壮の世代では年齢差が大きく表れ,鉄道開通による駅所在地点の急速な方言衰退が見られた.第3グループの第2次調査若少の世代では地域差が薄れたが,中心都市との距離は関連を示す.自動車交通によって,鉄道開通以前の徒歩距離が再び影響するようになったと考えられる.さらに406語を活力により4病状に分けて,同様の分析を施した.危篤,重病,不安定,安定の順が過去の方言衰退過程を反映・再現すると考えられ,徒歩距離と鉄道駅開設が共通語化に影響する過程が読み取れた.『浜荻』成立以来250年経ち,戦後の急速な共通語化・方言の衰退を経て,方言を囲む状況に変化が見られた.その際鉄道による交通環境の変化が影響した.

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1897年09月14日, 1897-09-14

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1934年02月12日, 1934-02-12
著者
山田 明夫 佐藤 基佳 宮原 和郎 広瀬 恒夫
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.783-787, 1984-12-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

1981年1月から1982年11月までに, 北海道北部および東部で実施した大動物用X線診療車によって臨床的に一見健康な乳牛2,037頭の集団検診を行いその所見のうち, 第四胃が明視できた1,976頭における第四胃内異物の存在率とその性状について検索した.1) 第四胃内に全属異物が1,976頭中697頭 (35.3%), 砂粒状物が1,907頭 (96.5%), 磁石が9頭 (0.5%), 塊状陰影物が4頭 (0.2%) に認められた. この成績は, 一般酪農家に飼養されている乳牛の多くが, 金属異物や砂粒状物にもとつく胃粘膜への損傷ないし刺激が原因の一つと考えられている第四胃炎や第四胃潰瘍の危険に曝されていることが示唆された. また, 第四胃に金属異物が到達することはあっても, その可能性はきわめてまれであるという従来の見解を否定する成績であった.2) 第四胃内金属異物の存在率は, 第二胃内磁石存在群で25.7%, 第二胃内磁石非存在群で42.2%であり, そのうち5cm以上の金属異物は, 前者で2頭, 後者で43頭に認められた. したがって, 第二胃内の磁石は金属異物, とくに5cm以上の長い金属異物の前胃から第四胃への移動を阻止するのに効果のあることが示唆された.